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Oracle Access Managerアップグレード・ガイド
10g(10.1.4.2.0)
E05837-01
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D スキーマおよびデータの手動アップグレード

この章では、アップグレード・プロセス中にコールされて実行されるツールおよびユーティリティについて説明します。

内容は次のとおりです。

D.1 スキーマおよびデータの手動アップグレードの概要

第II部で説明されているように、スキーマおよびデータは自動的にアップグレードすることをお薦めします。ただし、アップグレード・プロセス中にエラーが発生した場合は、次の指示に従って1つのリリースから別のリリースへ手動でアップグレードする必要があります。

スキーマおよびデータの手動アップグレードの実行には、Oracle Access Managerに含まれる特定のユーティリティを使用する必要があります。これらのユーティリティの詳細は、付録Cを参照してください。

この章の例では、リリース5.2を単に説明用として使用しています。6.1.1より前のリリースからアップグレードを開始する場合は、「間接アップグレード・パス」を参照してください。

D.2 スキーマの手動アップグレード

スキーマを手動でアップグレードする場合、表D-1に記載のように、ディレクトリ・サーバーと、アップグレード元およびアップグレード先の特定のリリースに対して適切なスキーマ・ファイルを選択する必要があります。


注意:

表D-1内のアップグレード元およびアップグレード先のリリースが連続していない場合があります。これは、そのリリースではスキーマまたはデータの更新が不要なためです。たとえば、リリース6.0.0と6.1.0では、スキーマが変更されていないため、...600_to_610_ schema_....という名前のファイルはありません。

表D-1 スキーマ・ファイル

ディレクトリ・タイプ スキーマ・ファイル

Active Directory

osd_520_to_600_schema_ad.ldif

policy_520_to_600_schema_ad.ldif

user_520_to_600_schema_ad.ldif

osd_610_to_650_schema_ad.ldif

policy_610_to_650_schema_ad.ldif

user_610_to_650_schema_ad.ldif

osd_650_to_700_schema_ad.ldif

policy_650_to_700_schema_ad.ldif

user_650_to_700_schema_ad.ldif

osd_700_to_1014_schema_ad.ldif

policy_700_to_1014_schema_ad.ldif

user_700_to_1014_schema_ad.ldif

ADAM

osd_650_to_700_schema_adam.ldif

policy_650_to_700_schema_adam.ldif

user_650_to_700_schema_adam.ldif

osd_700_to_1014_schema_adam.ldif

policy_700_to_1014_schema_adam.ldif

user_700_to_1014_schema_adam.ldif

IBM SecureWay

osd_520_to_600_schema_ibm.ldif

policy_520_to_600_schema_ibm.ldif

user_520_to_600_schema_ibm.ldif

osd_610_to_650_schema_ibm.ldif

policy_610_to_650_schema_ibm.ldif

osd_650_to_700_schema_ibm.ldif

policy_650_to_700_schema_ibm.ldif

user_650_to_700_schema_ibm.ldif

osd_700_to_1014_schema_ibm.ldif

policy_700_to_1014_schema_ibm.ldif

user_700_to_1014_schema_ibm.ldif

Novell eDirectory

osd_520_to_600_schema_nds.ldif

policy_520_to_600_schema_nds.ldif

user_520_to_600_schema_nds.ldif

osd_610_to_650_schema_nds.ldif

policy_610_to_650_schema_nds.ldif

osd_650_to_700_schema_nds.ldif

policy_650_to_700_schema_nds.ldif

user_650_to_700_schema_nds.ldif

osd_700_to_1014_schema_nds.ldif

policy_700_to_1014_schema_nds.ldif

user_700_to_1014_schema_nds.ldif

Oracle Internet Directory

osd_700_to_1014_schema_oid.ldif

policy_700_to_1014_schema_oid.ldif

user_700_to_1014_schema_oid.ldif

Siemens DirX

osd_700_to_1014_schema_dirx.ldif

policy_700_to_1014_schema_dirx.ldif

user_700_to_1014_schema_dirx.ldif

Sun 4.xおよび5.x

osd_520_to_600_schema_ns.ldif

policy_520_to_600_schema_ns.ldif

user_520_to_600_schema_ns.ldif

osd_610_to_650_schema_ns.ldif

policy_610_to_650_schema_ns.ldif

osd_650_to_700_schema_ns.ldif

policy_650_to_700_schema_ns.ldif

user_650_to_700_schema_ns.ldif

osd_700_to_1014_schema_ns.ldif

policy_700_to_1014_schema_ns.ldif

user_700_to_1014_schema_ns.ldif

Oracle Virtual Directory Server(VDS)

user_700_to_1014_schema_vde.ldif


スキーマを手動アップグレードする手順

  1. アップグレード・ディレクトリに移動します。

         IdentityServer_install_dir\identity\oblix\tools\migration_tools
    
  2. ディレクトリ・サーバーと、特定のfromrelease_to_releaseに対して適切なスキーマ・ファイルを選択します。

  3. 次のコマンドを使用し、スキーマ・アップグレード・ツールds_conf_updateを起動します。

    次に例を示します。

         IdentityServer_install_dir\identity\oblix\tools\ldap_tools
         \ds_conf_update -f schema_file
    

    schema_fileは、表D-1内のサンプルのスキーマ・ファイル名です。

  4. プロンプトに従い、ホスト、ポート、ユーザーID、パスワードなどのオプションを入力します。

    このツールの実行中に生じたすべてのエラーは、stdoutに出力されます。このツールは、Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)と互換性のあるすべてのディレクトリ・サーバーで使用できます。

D.3 データの手動アップグレードの概要

Oracle Access Managerには、Oracle Access Manager 5.2から10g(10.1.4.0.1)へのアップグレード時にコールされ、使用されるいくつかのファイルが含まれます。これらのファイルをコピーし、テンプレートとして使用して、アップグレード時に応答するプロンプトを表示または非表示にできます。たとえば、自動データ・アップグレードを可能にするためのプロンプトを表示したり、手動アップグレードを行うためにプロンプトを非表示にすることが可能です。

「サンプルのデフォルトobmigratenpparams.lstファイル」に含まれるテンプレートは、Oracle Access Manager 5.2から10g(10.1.4.0.1)へのアップグレード時に表示されるプロンプトを決定します。

     \IdentityServer_install_dir\identity\oblix\tools
     \migration_tools\obmigratenpparams.lst

このファイルは、リリース5.2からリリース10g(10.1.4.0.1)までの各メジャー・リリースを、次のメジャー・リリースへアップグレードするセクションに分かれています。obmigratenpparams.lstファイルの、完全な注釈付きのバージョンを、「サンプルのデフォルトobmigratenpparams.lstファイル」に示します。


警告:

ファイル内のパラメータの順序は、アップグレードの順序を表しているとはかぎりません。


ファイルでは各パラメータに適切な値を指定する必要があります。TrueまたはFalseの値の場合、次のようになります。


警告:

お薦めしませんが、「自動データ・アップグレードの抑止」で説明されているように、Oracle Access Managerの構成データおよびユーザー・データの自動アップグレードを抑止できます。その場合、「ユーザー・データの手動アップグレード」の説明に従って、構成データおよびユーザー・データを手動でアップグレードする必要があります。


D.4 データの手動アップグレード

スキーマおよびデータは、自動的にアップグレードすることをお薦めします。ただし、スキーマおよびデータを手動でアップグレードする必要がある場合、この概要を参照してアップグレードしてください。

タスクの概要: データの手動アップグレード

  1. 自動データ・アップグレードの抑止

  2. 構成ツリーの手動アップグレード

  3. リリース6.5および7.0の不要なスキーマ要素の削除(必要な場合)

  4. 生成済LDIFのアップロード

  5. ユーザー・データの手動アップグレード


警告:

スキーマおよびデータは、自動的にアップグレードすることをお薦めします。


手動データ・アップグレードを選択した場合、ディレクトリ内の構成データおよびユーザー・データに対して、2つのファイルが提供されます。

\install_dir\identity\oblix\tools\migration_tools\obmigratedata

data_520_to_600_osd.lst: Oracle Access Manager構成データの手動アップグレードを実行します。次に例を示します。

     osd_migration:true
     policy_migration:true
     wf_migration:true
     user_migration:false

注意:

値がtrueの場合、データをアップグレードします。値がfalseの場合、アップグレードは抑止されます。

data_520_to_600_user.lst: ユーザー・データのアップグレードを実行します(Oracle Access Manager 5.2.xから6.0.0へアップグレードする場合のみ必要)。次に例を示します。

     osd_migration:false
     policy_migration:false
     wf_migration:false
     user_migration:true

osd.lstファイルおよびuser.lstファイルには同様の情報が含まれます。ただし、ユーザー・データおよび構成データの両方に対して手順が実行され、ファイル内の各パラメータに値が指定される必要があります。表C-7を参照してください。「サンプルdata_520_to_600_xxx.lst」に、注釈付きの例を示します。「データのアップグレード: obmigratedata」も参照してください。

前述の2つの.lstファイルに加え、Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)には次のファイルがあります。

D.4.1 自動データ・アップグレードの抑止

データを手動でアップグレードする場合、自動データ・アップグレードを抑止する必要があります。

自動データ・アップグレードを抑止する手順

  1. obmigratenpparams.lstファイルをコピーし、元のファイルを別名で保存します。

    例:

         IdentityServer_install_dir\identity\oblix\tools
         \migration_tools\obmigratenpparams.lst
    
  2. コピーしたファイルのoisセクションを編集し、太字で表示されている値をfalseに変更して自動データ・アップグレードを抑止します。

    例:

         ois
         BEGIN:vCompoundList
          520_to_600:
          BEGIN:vNameList:
           kMigrateData:false
           kMigrateSchema:false
           kMigratePublisher:false
    

    注意:

    1つのメジャー・リリースから次のメジャー・リリースへのアップグレードの詳細は、「サンプルのデフォルトobmigratenpparams.lstファイル」の各項を参照してください。たとえば、520_to_600などが該当します。

  3. 「構成ツリーの手動アップグレード」の手順に従って、手動データ・アップグレードを実行します。

D.4.2 構成ツリーの手動アップグレード

まず構成データ・ツリーのアップグレードを行い、データの手動アップグレードを開始します。次のコマンドは例としてのみ示します。これらは環境によって異なります。

構成ツリーを手動アップグレードする手順

  1. data_fromrelease_to_release_osd.lstファイルをコピーし、元のファイルを別名で保存します。

    例:

    コピー元

         \install_dir\identity\oblix\tools\migration_tools\obmigratedata
         \data_520_to_600_osd.lst
    

    コピー先

         \install_dir\identity\oblix\tools\migration_tools\obmigratedata
         \config_data_520to600_osd.lst
    
  2. 「サンプルdata_520_to_600_xxx.lst」の注釈付きのサンプルに基づいて、ファイルを編集し、使用している環境に合せて情報を指定します。

  3. 構成ツリーとデータのパラメータ値がtrueであることを確認してください。

         osd_migration:true
         policy_migration:true
         wf_migration:true
    
  4. ユーザー・データの移行パラメータ値がfalseであることを確認してください。

         user_migration:false
    
  5. 古い構成ツリーをLDIFにエクスポートしてバックアップをとります。

  6. obmigratedataツールを探し、これを実行して、更新されたファイルの名前を指定することによって構成ツリーをアップグレードします。次に例を示します。

         \IdentityServer_install_dir\identity\oblix\tools
         \migration_tools\obmigratedata\obmigratedata.exe
         run obmigratedata.exe -f config_data_520to600_osd.lst -I install_dir
    

    プログラムにより、FunctionalityTBMigratedで選択されたオプションに基づいてLDIFを生成します。生成されるLDIFファイルは、outputFileNameパラメータの指定に基づいて命名されます。

  7. OSDのアップグレードの完了後、既存の構成ツリーを削除します。

  8. 6.5から10g(10.1.4.0.1)の場合: アイデンティティ・サーバーおよびポリシー・マネージャをアップグレードする際、ステップ9に進む前に、次の項の「リリース6.5および7.0の不要なスキーマ要素の削除」に進んでください。

  9. すべてのアップグレード: 次の処理を実行し、構成データのアップグレードを完了してください。

D.4.3 リリース6.5および7.0の不要なスキーマ要素の削除

Oracleには、リリース6.5と7.0との間の段階的アップグレードに使用するクリーンアップ・ファイルが用意されています。7.xと10g(10.1.4.0.1)間の段階的アップグレード用のディレクトリ・サーバーに対応するクリーンアップ・ファイルは用意されていません。

開始リリースが7.0の場合、また、不要なスキーマをディレクトリ・サーバーから削除しない場合は、この手順をスキップできます。

リリース6.5から10g(10.1.4.0.1)へのアップグレード時に、次の手順を使用してディレクトリ・サーバーから不要なスキーマ要素を削除できます。この手順を実行する場合、次の手動アップグレードのフローで構成ツリーを削除した後に実行する必要があります。

  • アイデンティティ・サーバーのアップグレード時

  • ポリシー・マネージャのアップグレード時

スキーマのクリーンアップ後、ディレクトリ・サーバーへLDIFファイルをアップロードできます。構成スキーマとポリシー・スキーマのスキーマ・ファイルは異なります。そのため、不要なスキーマをクリーンアップする場合に考慮する必要のあるシナリオには次の2つがあります。

  • 構成データとポリシー・データが同じディレクトリ・サーバーに格納されている場合

  • 構成データとポリシー・データが別のディレクトリ・サーバーに格納されている場合

表D-2に、特定のディレクトリ・サーバー・タイプごとの構成データ・クリーンアップ・ファイルを示します。

表D-2 構成データ・クリーンアップ・ファイル

ディレクトリ・タイプ スキーマ・クリーンアップ・ファイル

Active Directory

osd_650_to_700_schema_delete_ad.ldif

ADAM

osd_650_to_700_schema_delete_adam.ldif

IBM SecureWay

osd_650_to_700_schema_delete_ibm.ldif

Novell eDirectory

osd_650_to_700_schema_delete_nds.ldif

Oracle Internet Directory

Oracle Internet Directoryのサポートは、Oracle COREidリリース7.0.4で導入されました(Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)の一部としても提供)。そのため、削除する不要なスキーマ・エントリがなく、Oracle Internet Directory用のファイルはありません。

Sun 4.xおよび5.x

注意: 10g(10.1.4.0.1)は、Sun 4.x Directory Serverをサポートしていません。「Sun Directory Serverの検討と準備」を参照してください。

osd_650_to_700_schema_delete_ns.ldif


表D-3に、特定のディレクトリ・サーバー・タイプごとのポリシー・データ・クリーンアップ・ファイルを示します。

表D-3 ポリシー・データ・クリーンアップ・ファイル

ディレクトリ・タイプ スキーマ・クリーンアップ・ファイル

Active Directory

policy_650_to_700_schema_delete_ad.ldif

ADAM

policy_650_to_700_schema_delete_adam.ldif

IBM SecureWay

policy_650_to_700_schema_delete_ibm.ldif

Novell eDirectory

policy_650_to_700_schema_delete_nds.ldif

Oracle Internet Directory

Oracle Internet Directoryのサポートは、Oracle COREidリリース7.0.4で導入されました(Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)の一部としても提供)。そのため、削除する不要なスキーマ・エントリがなく、Oracle Internet Directory用のファイルはありません。

Sun 4.xおよび5.x

注意: Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)は、Sun 4.x Directory Serverをサポートしていません。「Sun Directory Serverの検討と準備」を参照してください。

policy_650_to_700_schema_delete_ns.ldif


ディレクトリ・サーバーおよび開始リリースによっては、この手順を複数回実行する必要があります。

D.4.3.1 アイデンティティ・サーバー・アップグレード時の不要な要素のクリーンアップ

アイデンティティ・サーバーのリリース6.5から7.0へのアップグレード時に不要な要素を削除するには、次の手順を使用します。

アイデンティティ・サーバー・アップグレード時に不要な要素を削除する手順

  1. アップグレード・ディレクトリに移動します。

         IdentityServer_install_dir/identity/oblix/tools/migration_tools
    
  2. ステップ3で名前を指定する必要があるため、表D-2に従って、ディレクトリ・サーバーに適したファイルを選択します。

  3. 環境に応じたアクションを実行します。

    • 同じディレクトリ・サーバーの場合: 構成データとポリシー・データが同じディレクトリ・サーバーにある場合、次のコマンドを使用してスキーマ・アップグレード・ツールds_conf_updateを起動します。

           IdentityServer_install_dir/identity/oblix/tools/ldap_tools
           /ds_conf_update -f schema_file
      

      schema_fileは、表D-2内のスキーマ・クリーンアップ・ファイル名です。

    • 別のディレクトリ・サーバーの場合: 構成データとポリシー・データが別のディレクトリ・サーバーにある場合、ds_conf_updateを次のように2回実行してください。1回目は構成スキーマ用、2回目はポリシー・スキーマ用です。

           IdentityServer_install_dir/identity/oblix/tools/ldap_tools
           /ds_conf_update -f identity/oblix/tools/migration_tools
      

      schema_fileは、表D-2内の適切なスキーマ・クリーンアップ・ファイル名です。

  4. プロンプトに従い、ホスト、ポート、ユーザーID、パスワードなどのオプションを入力します。

  5. 「生成済LDIFのアップロード」からアップグレードを続行してください。

D.4.3.2 ポリシー・マネージャ・アップグレード時の不要な要素のクリーンアップ

ポリシー・マネージャのリリース6.5から7.0へのアップグレード時に不要な要素を削除するには、次の手順を使用します。

ポリシー・マネージャ・アップグレード時に不要な要素を削除する手順

  1. アップグレード・ディレクトリに移動します。

    PolicyManager_install_dir/identity/oblix/tools/migration_tools
    
  2. 表D-3に従って、ディレクトリ・サーバーに適したスキーマ・ファイルを見つけます。

  3. 環境に応じたアクションを実行します。

    • 同じディレクトリ・サーバーの場合: 構成データとポリシー・データが同じディレクトリ・サーバーにある場合、次のコマンドを使用してスキーマ・アップグレード・ツールds_conf_updateを起動します。

           PolicyManager_install_dir/identity/oblix/tools/ldap_tools
           /ds_conf_update -f schema_file
      

      schema_fileは、表D-3内のポリシー・スキーマ・クリーンアップ・ファイル名です。

    • 別のディレクトリ・サーバーの場合: 構成データとポリシー・データが別のディレクトリ・サーバーにある場合、スキーマ・アップグレード・ツールds_conf_updateを次のように2回実行してください。1回目は構成スキーマ用、2回目はポリシー・スキーマ用です。

           PolicyManager_install_dir/identity/oblix/tools/ldap_tools
           /ds_conf_update -f schema_file
      

      schema_fileは、表D-3または表D-2内の構成スキーマおよびポリシー・スキーマのクリーンアップ・ファイル名です。

  4. プロンプトに従い、ホスト、ポート、ユーザーID、パスワードなどのオプションを入力します。


注意:

ツールが、属性やオブジェクトが存在しないことを報告するようなエラーを生成することがあります。これは、ディレクトリ・サーバーに存在しないOracle Access Managerリリース3.6の不要なスキーマすべてのリストがLDIFに含まれている場合に発生する場合があります。

D.4.4 生成済LDIFのアップロード

構成ツリーをアップグレードし、必要に応じて不要なスキーマ要素を削除した後は、生成済LDIFをアップロードできます。

生成済LDIFをアップロードする手順

  1. 生成済LDIFをアップロードするには、ldapmodifyを実行します。次に例を示します。

         \IdentityServer_install_dir\identity\oblix\tools\ldap_tools\ldapmodify
         run ldapmodify.exe -f generated_ldif
    

    このプログラムのプロンプトに従い、ホスト、ポート、ユーザーID、パスワードなどのオプションを入力します。

  2. 「ユーザー・データの手動アップグレード」の説明に従って、ユーザー・データをアップグレードします。

  3. 次に新しいリリースのdata_fromrelease_to_release_osd.lstファイルを使用し、すべてのデータをリリース10g(10.1.4.0.1)にアップグレードするまで、前述のステップを繰り返します。

D.4.5 ユーザー・データの手動アップグレード

ここで使用されるリリース番号は、単なる説明用の例です。6.1.1より前のリリースからアップグレードする場合は、その前にOracleサポート・サービスにお問い合せください(http://www.oracle.com/support/contact.html)。

ユーザー・データのアップグレードは、Oracle Access Manager 5.2.xからOracle Access Manager 6.xへの直接的または中間的な移行の場合のみ必要です。

ユーザー・データを手動アップグレードする手順

  1. data_fromrelease_to_release_user.lstファイルをコピーし、元のファイルを別名で保存します。

    例:

    コピー元

         \IdentityServer_install_dir\identity\oblix\tools
         \migration_tools\obmigratedata\data_520_to_600_user.lst
    

    コピー先

         \install_dir\identity\oblix\tools\migration_tools\obmigratedata
         \config_data_520to600_user.lst
    
  2. 表D-4を参照しながら、この注釈付きのサンプルに基づいて、使用環境に合せてファイルのキーを編集します。

    data_520_to_600_xxx.lstファイルの、完全な注釈付きのバージョンを、「サンプルdata_520_to_600_xxx.lst」に示します。osd.lstファイルおよびuser.lstファイルには同様の情報が含まれます。

  3. Oracle Access Manager構成ツリーとデータのパラメータ値がfalseであることを確認してください。

         osd_migration:false
         policy_migration:false
         wf_migration:false
    
  4. ユーザー・データのアップグレード・パラメータ値がtrueであることを確認してください。

         user_migration:true
    

    注意:

    ユーザー・データ・アップグレードは構成データ・ツリーには影響を与えませんが、ステップ5を実行することをお薦めします。

  5. 構成ツリーをバックアップします。

  6. obmigratedata.exeを実行し、更新されたファイルの名前を指定することによってユーザー・データをアップグレードします。次に例を示します。

         run obmigratedata.exe -f config_data_520to600_user.lst
    

表D-4 追加または編集するキー

キー 説明

hostname: ホスト名

ディレクトリ・サーバー・ホスト。

portNo: ポート番号

ディレクトリ・サーバーのポート。

bindDN: DS資格証明

ディレクトリ・サーバー管理者アカウントのDN。installdir/oblix/config/ldap/AppDB.xmlを参照。

password: 暗号化されたパスワード

ディレクトリ・サーバー管理者アカウントのパスワード。installdir/oblix/config/ldap/AppDB.xmlを参照。

directoryType: NS|AD|NDS|IBM

実行中のディレクトリ・サーバーのタイプ。

directoryMode: SSL|OPEN

使用しているディレクトリ・サーバーのモード。使用可能な値はSSLまたはOpen。

Oblixnode: ou=Oblix|o=Oblix

Oracle Access Manager構成ツリーのRDN。

groupOC: Groupオブジェクト・クラス名

例: groupまたはgroupOfUniqueNames。

PersonOC: Personオブジェクト・クラス名

例: userまたはinetOrgPerson。

oldVersion: リリース番号

Oracle Access Manager 5.2システムの正確なリリース番号。./oblix/config/np52_is.txtを参照。例: 5.2、5.2.1.12。

oldVersionSearchBase: 検索ベース

使用する検索ベース。通常はグローバル検索ベース。

binAttrFileName:at_520_to_600_binary.lst

このファイルをそのまま使用。このファイルには、アップグレード・プログラムの重要な情報が含まれる。

objclassMapFileName:oc_520_to_600_map.lst

このファイルをそのまま使用。このファイルには、アップグレード・プログラムの重要な情報が含まれる。

logFileName: ファイル名

変換プロセスにおいて、ロギング情報を取得するファイルの名前。

outputFileName: ファイル名

変換したデータを取得するLDIFファイルの名前。

missedSuppliedAttrsDetailsFileName: ファイル名

Oracle Access Manager 5.2のプロビジョニング属性を含むワークフローを取得するファイルの名前。これらのワークフローを適切なサブフローと関連付けるために、アプレット内で手動で変更することが必要。

WFDefContainer:

ワークフロー定義コンテナのDN。例: obcontainerID=workflowDefinitions,OU= oblix,DC=company,DC=com。

WFInstanceContainer

ワークフロー・インスタンス・コンテナのDN。例: obcontainerId=workflowInstances, OU=oblix,DC=company,DC =com。

FunctionalityTBMigrated

BEGIN:vNameList


osd_migration: true|false

構成ツリーでデータ・アップグレードを実行。

注意: 以前実行した際に発生したエラーが原因で、データ・アップグレードを実行する場合、次の点に注意すること。

  • アイデンティティ・サーバーのアップグレードにおいて、osd_migrationとwf_migrationの値が一致していること(true)。policy_migration値がfalseになっていること。

  • ポリシー・マネージャのアップグレードにおいて、osd_migrationとwf_migrationの値が一致していること(false)。policy_migration値がtrueになっていること。

policy_migration: true|false

詳細はosd_migrationを参照。

wf_migration: true|false

前に指定したワークフロー・コンテナに対してデータ・アップグレードを実行。

注意: ワークフローが別のディレクトリ・サーバーにあるため、手動でデータ・アップグレードを行う場合、次の点に注意すること。

  • アイデンティティ・サーバーのアップグレードにおいて、osd_migration値がfalse、wf_migration値がtrueになっていること。policy_migration値がfalseになっていること。

    出力LDIFファイルは、ワークフロー定義およびインスタンス・コンテナとともに生成され、定義およびインスタンスも移行される。

  • アイデンティティ・サーバーのアップグレードが終了したら、ワークフロー定義およびインスタンス・コンテナをディレクトリ・サーバーから削除する。そこに出力LDIFファイルをアップロードする。

  • ポリシー・マネージャのアップグレードの場合、ディレクトリ・サーバーにはワークフローとインスタンスしか存在しないため、操作は不要。

user_migration: true|false

ユーザー・エントリ(Oracle以外のデータ)に対してデータ・アップグレードを実行。リリース5.2と10g(10.1.4.0.1)では、チャレンジ・フレーズのレスポンスの暗号化形式が、RC-4からRC-6へと変更された。

ユーザー・データのアップグレードは、デフォルトではインラインで実行される。ユーザー・エントリは、中間LDIFを作成することなく直接変更される。

END:vNameList


Additional_DS_Info:

ユーザー・データのアップグレードの際、ユーザー・ディレクトリが複数ある場合は、このセクション内で追加のディレクトリ・サーバーを指定する。

BEGIN:vCompoundList


user_migration_ds_1:

ユーザー・ディレクトリ・サーバーをさらに指定する必要がある場合、形式はuser_migration_ds_n(nに1、2、3などを指定)となる。

BEGIN:vCompoundList


hostname: ホスト名

ディレクトリ・サーバー・ホスト。

portNo: ポート番号

ディレクトリ・サーバーのポート。

bindDN: DS資格証明

ユーザー・データ・ディレクトリ・サーバー管理者アカウントのDN。installdir/oblix/config/ldap/AppDB.xmlを参照。

注意: ユーザー・データおよび構成データが別々に格納されている場合、AppDB.xmlファイルには、ユーザー・データ・ディレクトリの正しいバインドDNおよび暗号化されたパスワードが含まれていない場合がある。

password: 暗号化されたパスワード

ユーザー・データ・ディレクトリ・サーバー管理者アカウントのパスワード。installdir/oblix/config/ldap/AppDB.xmlを参照。

directoryType: NS|AD|NDS|IBM

実行中のディレクトリ・サーバーのタイプ。

directoryMode: SSL|OPEN

使用しているディレクトリ・サーバーのモード。使用可能な値はSSLまたはOpen。

oldVersionSearchBase: 検索ベース

使用する検索ベース。通常はグローバル検索ベース。

注意: config.lstファイルのAdditional DSにある各ディレクトリ・サーバーには、かつてキーワードoldVersionSearchBaseの検索ベースが割り当てられていた。ただし、10g(10.1.4.0.1)の追加のディレクトリ・サーバー・セクションには、oldVersionSearchBaseキーワードが存在しない。かわりのキーワードがsearchbaseである。このキーワードの値は、必ずしもグローバル検索ベースである必要はない。1つの追加のディレクトリ・サーバー(user_migration_ds_1など)は、構成ツリーの1つのディレクトリ・プロファイルを表す。このセクションのsearchbaseキーワードにより、このディレクトリ・プロファイルに保護されているNamespaceが与えられる。

END:vCompoundList


END:vCompoundList



D.5 サンプルのデフォルトobmigratenpparams.lstファイル

BEGIN:vCompoundList
  am: Policy Manager Parameters
  BEGIN:vCompoundList
    kMigrateLicense:false
    520_to_600:
    BEGIN:vNameList:
      kMigrateWS:true
      kMigrateData:false
      kMigrateSchema:true
    END:vNameList
    600_to_610:
    BEGIN:vNameList:
      kMigrateWS:false
      kMigrateData:false
      kMigrateSchema:false
    END:vNameList
    610_to_650:
    BEGIN:vNameList:
      kMigrateWS:true
      kMigrateData:true
      kMigrateSchema:true
    END:vNameList
         650_to_700:
         BEGIN:vNameList:
            kMigrateWS:true
            kMigrateData:true
            kMigrateSchema:true
         END:vNameListr
                700_to_1014:
         BEGIN:vNameList:
            kMigrateWS:false
            kMigrateData:true
            kMigrateSchema:true
         END:vNameListr
       END:vCompoundList

       wg: (WebGate)
       BEGIN:vCompoundList
         520_to_600:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateWS:true
         END:vNameList
         600_to_610:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateWS:false
         END:vNameList
         650_to_700:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateWS:true
         END:vNameList
                700_to_1014:
         BEGIN:vNameList:
                  kMigrateWS:true
         END:vNameList
       END:vCompoundList

       wp: (webPass)
       BEGIN:vCompoundList
         520_to_600:
         BEGIN:vNameList:
           kMigratePublisher:true
         END:vNameList
         600_to_610:
         BEGIN:vNameList:
           kMigratePublisher:false
         END:vNameList
         610_to_650:
         BEGIN:vNameList:
           kMigratePublisher:false
         END:vNameList
         650_to_700:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateWS:true
         END:vNameList
                700_to_1014:
         BEGIN:vNameList:
         END:vNameList
       END:vCompoundList

       aaa: (Access Server) Authentication, Authorization, Auditing Parameters
       BEGIN:vCompoundList
         520_to_600:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateData:true
           kMigrateSchema:true
         END:vNameList
         600_to_610:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateData:false
           kMigrateSchema:false
         END:vNameList
         610_to_650:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateSchema:false
                    kMigrateData:true
         END:vNameList
                700_to_1014:
         BEGIN:vNameList:
         END:vNameList
       END:vCompoundList

       bea:
       BEGIN:vCompoundList
         600_to_610:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateASDK:true
         END:vNameList
         650_to_700:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateASDK:true
         END:vNameList
       END:vCompoundList

idlk:
BEGIN:vCompoundList
    kMigrateLicense:false
END:vCompoundList

ois: Identity Server Parameters: True triggers automatic data migration
BEGIN:vCompoundList
    kMigrateLicense:false
    kMigrateASDK:true
  520_to_600:
  BEGIN:vNameList:
    kMigrateData:true
    kMigrateSchema:true
    kMigratePublisher:true
  END:vNameList

  600_to_610:
  BEGIN:vNameList:
    kMigrateASDK:true
    kMigrateData:false
    kMigrateSchema:false
    kMigratePublisher:false

    kASDKSubDir:/AccessServerSDK

  END:vNameList

  610_to_650:
  BEGIN:vNameList:
               kMigrateASDK:true
    kMigrateSchema:true
    kMigrateData:true
    kMigratePublisher:false

    kASDKSubDir:/AccessServerSDK

  END:vNameList

  650_to_700:
  BEGIN:vNameList:
    kMigrateASDK:true
    kMigrateData:true
    kMigrateSchema:true
    kMigratePublisher:false

    kASDKSubDir:/AccessServerSDK

   END:vNameList

         700_to_1014:
     BEGIN:vNameList:
     kMigrateASDK:true
     kMigrateData:true
     kMigrateSchema:true
     kMigratePublisher:false

     kASDKSubDir:/AccessServerSDK
     END:vNameList

    END:vCompoundList

       was:
       BEGIN:vCompoundList
         kMigrateASDK:true
         600_to_610:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateASDK:true
         END:vNameList
         650_to_700:
         BEGIN:vNameList:
           kMigrateASDK:true
         END:vNameList
       END:vCompoundList

END:vCompoundList

D.6 サンプルdata_520_to_600_xxx.lst

ここでも、使用されるリリース番号は、単なる説明用の例です。6.1.1より前のリリースからアップグレードする場合は、その前にOracleサポート・サービスにお問い合せください(http://www.oracle.com/support/contact.html)。

osd.lstファイルおよびuser.lstファイルには同様の情報が含まれます。詳細は、表C-7を参照してください。ユーザーの移行は、Oracle Access Manager 5.2.xからOracle Access Manager 6.0.0へアップグレードする場合のみ必要です。Oracle Access Manager 6.5.1以降のディレクトリ・サーバーとしてADAMを使用している場合、使用するディレクトリ・タイプはADAMとなります。

BEGIN:vCompoundList

  hostName:<hostName>
  portNo:<portNo>
  bindDN:<bindDN>
  password:<password>  Copy encrypted credentials from
      \COREid\identity\oblix\config\ldap\AppDB.xml
  directoryMode:<directoryMode> Open or SSL
  directoryType:<directoryType> NS or AD or NDS or IBM

  oldConfigDN:<oldConfigDN> o=company,c=us
  oldVersionSearchbase:<oldVersionSearchbase>Global Searchbase

  binAttrFileName:at_520_to_600_binary.lst
  objclassMapFileName:oc_520_to_600_map.lst

  logFileName:output_520_to_600_osd.log Okay to change
  outputFileName:output_520_to_600_osd.ldif Okay to change
  missedSuppliedAttrsDetailsFileName:output_520_to_600_supplied_osd.txt

  oblixnode:o=oblix For AD use ou=oblix
  groupOC:<groupOC> Your Group
  personOC:<personOC>
  doUTFConversion:<doUTFConversion> True or False

  oldVersion:5.2.1.7 Must be specific
  newVersion:6.0.0 Use proper Release
  encryptionType:Oblix Changes the encryption
          scheme from RC4 to RC6; use Oblix unless you have a customized encryption scheme

  #We want to know wf-containers names Workflow definition containers
  WFDefContainer:<wfdefcontainer>
  WFInstanceContainer:<wfdefcontainer>

  FunctionalityTBMigrated: In the following parameters, True migrates 
                            automatically;                                                                          
                            False does not
  BEGIN:vNameList

  osd_migration:true Configuration tree migration (True or False)
  policy_migration:true
  wf_migration:true

  user_migration:false (True migrates data, False does not)

 END:vNameList

 oblixdeletedobjects:
 BEGIN:vCompoundList
       ad:
       BEGIN:vList
            0ADEL:
            CN=Deleted Objects
       adam:
       BEGIN:vList
            0ADEL:
            CN=Deleted Objects
       END:vList
 END:vCompoundList

END:vCompoundList