Oracle Configuration Managerはクライアントの構成情報の収集と、この情報のOracleリポジトリへのアップロードに使用されます。クライアントの構成データが定期的にアップロードされると、カスタマ・サポートでこのデータを分析でき、顧客に対するよりよいサービスにつながります。たとえば、顧客がサービス・リクエストを登録する際、このサービス・リクエストに構成データを直接関連付けることができます。カスタマ・サポートでは、顧客に関連付けられているシステムのリストを表示し、適宜問題を解決します。
Oracle Configuration Managerを使用する利点は次のとおりです。
サポートの問題を解決する時間の短縮
問題を回避するための事前の対策の提供
ベスト・プラクティスおよびOracleナレッジ・ベースへのアクセスの改善
顧客のビジネス・ニーズの理解の向上および一貫したレスポンスとサービスの提供
この項では、このリリースでの新機能について説明します。
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注意: MetaLinkへの参照はすべてMy Oracle Supportに変更されています。 |
Oracle Enterprise Manager Grid Controlリリース10.2.0.5との統合
Oracle Enterprise Managerリポジトリの自動インスツルメンテーション。
OCMインスツルメンテーション・メトリックがデータベースの「すべてのメトリック」ページで使用可能。このメトリックでは、Oracle Databaseが収集用にインストルメントされているかどうか、およびOracle Configuration ManagerがデータベースOracleホームにインストールされているかどうかが識別されます。
エージェント・ホーム内でのEnterprise Managerエージェント・ターゲット情報のOracle Configuration Manager収集の追加。
ブロードキャスト・アドレスの収集を無効にする機能: ホスト・ホームからのブロードキャスト情報の収集を無効にできるようになりました。
スケジューラの状態の変更: スケジューラの状態を変更すると、Oracle Configuration Managerでスケジューラの状態情報が収集され、情報がOracleにアップロードされます。
アップグレード・ポリシーの変更: Oracle Configuration Managerのアップグレードは必須ではなくなりました。
Oracle Configuration Managerは2つのモードでインストールできます。
接続モード: サーバーがインターネットに直接接続している場合、またはプロキシ・サーバーを介して接続している場合は、このモードをお薦めします。このモードでは、自動的に構成データが収集され、Oracleサーバーにアップロードされます。Oracle Configuration Managerの更新は自動的に行われます。
非接続モード: サーバーがインターネットに接続していない場合、このモードが必須です。このモードでは、emCCR collectコマンドを使用して構成データを手動で収集します。このコマンドを実行すると、収集された構成データはOCM_CONFIG_HOME/state/upload/ocmconfig.jarファイルに格納されます。その後、このファイルをOracleサーバーにアップロードできます。
詳細は、5.3項「emCCR collect」を参照してください。このモードでサポートされるコマンドは、emCCR collect、emCCR status、emCCR enable_target、emCCR disable_target、emCCR update_components、configCCRおよびemCCR helpのみです。
configCCRコマンドを使用して、接続モードと非接続モードを切り替えることができます。詳細は、5.19項「configCCR」を参照してください。
共有Oracleホームは、共通の実行可能ファイルが1つのディレクトリに格納され、インスタンス固有の情報が別々に格納されているインストールです。構成ファイルを共通の実行可能ファイルとは別の場所に置く必要がある場合にのみ、共有Oracleホームを使用します。
共有Oracleホームには、次の2種類があります。
複数ホスト上の単一インスタンス。このインストールでは、NFSなどの共有ファイル・システムを利用します。
単一ホスト上の複数インスタンス。
インストール先のOracleホームが共有Oracleホームとしてインストールされている場合のみ、Oracle Configuration Managerを共有Oracleホームとしてインストールします。
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重要: リリース10.2.7より前のOracle Configuration Managerの既存のリリースからアップグレードする場合、この新機能は利用できません。この機能は、Oracle Configuration Managerリリース10.2.7以降の新規インストールでのみ使用可能です。この機能を使用するには、Oracle Configuration Managerの現在のインストールを削除し、Oracle Configuration Managerリリース10.2.7以降を再インストールします。 |
構成が複数ホスト上の単一インスタンスである場合、Oracle Configuration ManagerはOCM_INSTALL_ROOTディレクトリにインストールされます(図1-2を参照してください)。共通ファイルとディレクトリのセット(共有ホーム)およびインスタンス固有のディレクトリ(log、state、config)があります。
インスタンス固有のデータを格納するディレクトリは、ホストごとにOCM_INSTALL_ROOT/ccr/hostに作成されます。
インストールおよび構成の後、Oracle Configuration ManagerでOCM_INSTALL_ROOTディレクトリおよびインストールされているホストに対する構成データを収集できます。
構成データの収集およびアップロード以外に、Oracle Configuration Managerのソフトウェア更新の有無もOracle Configuration Managerで確認されます。更新がある場合、Oracle Configuration Managerで更新がダウンロードされ、OCM_INSTALL_ROOTディレクトリにインストールされているOracle Configuration Managerソフトウェアが更新されます。
共有Oracleホームでは、マスター・ホストのネットワーク・ファイル・システムにソフトウェア・バイナリをインストールするのが一般的です。これらのファイルが読取り専用アクセスでロックされてエクスポートされ、ホスト間で共有されます。すべてのホストでソフトウェアにアクセスする際、このネットワーク・リソースが参照されます。
この種の共有Oracleホームは、Oracle Configuration Managerリリース10.2.7以降でサポートされます。ただし、バイナリ・ディレクトリが読取り専用であるため、Oracle Configuration Managerの自動更新機能を無効にする必要があります。以降の更新は手動で行う必要があります。すべての必須更新が適用されるまで、構成の収集は行われません。
バイナリ・ディレクトリの設定手順
マスターとするシステムで、次の手順を一度実行します。
ネットワーク・ファイル・システムを備えたホストの書込みアクセス可能なディレクトリにOracle Configuration Managerをインストールします。簡単に行うには、ソフトウェアのインストールを非接続モード(setupCCR -s -dなど)で行います。
すべてのホストの自動更新機能を無効にするには、次のコマンドを実行します。
OCM_INSTALL_ROOT/ccr/bin/emCCR automatic_update off
OCM_INSTALL_ROOT/ccr/bin/configCCR -rコマンドを使用してマスター・ホストの構成を削除します。
この場所を読取り専用でマウントします。
ホストの構成手順
Oracle Configuration Managerを使用して構成データを収集する各ホストで、次のようにします。
ホストでNFSファイル・システムをマウントします。
ホスト固有のOracle Configuration Managerファイルが格納されるディレクトリを特定します。
ORACLE_CONFIG_HOME変数を、この前のステップで特定したディレクトリに設定します。
OCM_INSTALL_ROOT/ccr/bin/configCCR -aコマンドを実行します。
更新の適用手順
Oracle Configuration Managerの更新がある場合、手動で適用する必要があります。ORACLE_CONFIG_HOMEは、Oracle Configuration Managerが構成された共有Oracleホームに設定します。
更新は次のように行います。
マスター・ホストからの書込みアクセスを有効にします。
OCM_INSTALL_ROOT/ccr/bin/emCCR getupdatesコマンドを実行します。
読取り専用アクセス用にファイル・システムを再マウントします。
共有Oracleホームを単一ホスト上に置き、共通ファイル用のディレクトリとインスタンス固有のデータ用の個別のディレクトリで構成できます。ORACLE_CONFIG_HOME変数は、インスタンス固有のデータの場所に設定されます。この環境では、Oracle Configuration Managerは、共通ファイルが置かれるメイン・ディレクトリ(OCM_INSTALL_ROOTディレクトリ)にインストールされます。
Oracle Configuration Managerを使用するよう構成されるインスタンスごとに、ccrディレクトリがORACLE_CONFIG_HOMEに作成され、Oracle Configuration Managerインスタンス固有の情報が格納されます。インスタンスごとに、構成データ、ログ・データおよび収集されたデータのセットがあります。図1-3を参照してください。
インストールおよび構成の後、Oracle Configuration Managerで共有Oracleホームに対する構成データを収集できます。
構成データの収集およびアップロード以外に、Oracle Configuration Managerのソフトウェア更新の有無もOracle Configuration Managerで確認されます。更新がある場合、Oracle Configuration Managerで更新がダウンロードされ、顧客のシステムにインストールされているOracle Configuration Managerソフトウェアが更新されます。