この章では、Oracle Fail Safeのインストールと削除における問題のトラブルシューティングに役立つ一般的情報を提供します。この章には、次の各項目が含まれます。
Oracle Fail Safeリリース2.1.3.0からリリース3.nにアップグレードして、突然FSCMD
スクリプトが機能しなくなった場合は、おそらくFSCMD
コマンドに/Clusterパラメータを含める必要があることが原因です。
リリース2.1.3.1から、FSCMD
コマンドに/Cluster
パラメータが必要です。リリース2.1.3.0からアップグレードした場合、FSCMD
スクリプトは機能せず、FSCMD
コマンドを発行すると、エラー・メッセージ「パラメータの個数が正しくありません。」を受け取ります。
また、現在FSCMD
コマンドはORACLE_HOME
\fs\fsmgr\bin
ディレクトリにあります。ORACLE_HOME
は、Oracle Fail Safeホーム・ディレクトリです。ORACLE_HOME
\fs\fsmgr\bin
以外のディレクトリでは、FSCMD
コマンドを実行するときにフルパスを指定する必要があります。
MSCSがインストールされていないシステム(クライアント・システムなど)でOracle Universal Installerを実行している場合、Oracle Services for MSCSをインストールしようとするとエラー・ウィンドウが開き、Oracle Services for MSCSはMicrosoft Cluster Serverが稼働しているクラスタにインストールする必要があることを示すエラーが表示されます。Oracle Services for MSCSをインストールする前に、Microsoft Cluster Serverをインストールする必要があります。
このようなメッセージが表示された場合には、インストールを続行しないでください。「OK」をクリックしてインストール・ウィンドウに戻り、「クライアントのみ」のインストールを選択してください。「クライアントのみ」のインストールの詳細は、第2章を参照してください。
第4章では、Oracle Fail Safeを削除する前に、MSCSソフトウェアを削除しないように警告しています。すべてのクラスタ・ノードでMSCSソフトウェアを削除すると、Oracle Fail Safeに関するクラスタ・メタデータ情報が削除されます。
1つのクラスタ・ノードのみでMSCSを削除した場合、他のノードでは引き続きクラスタ・メタデータ情報を使用できます。クラスタ・メタデータの消失を防ぐため、別のノードからMSCSを削除しないでください。インストール中にノードをクラスタへ追加しなおしてクラスタ・メタデータを回復するよう求められたときは、最初のノードでMSCSを再インストールし「既存のクラスタに参加する」をクリックします。
Oracle Fail Safeを削除する前に、すべてのクラスタ・ノードで誤ってMSCSソフトウェアを削除した場合、Oracle Fail Safe Managerを使用して次の手順を実行すると、(すべてのクラスタ・ノードにMSCSを再インストールした後に)データベースを回復できます。
Oracle Fail Safe Managerのツリー・ビューでスタンドアロン・リソースを選択します。
「リソース」メニューから、「スタンドアロン・データベースの検証」
操作を選択します。
スタンドアロン・データベースの検証ウィンドウに、スタンドアロン・データベース情報を入力します。
検証が正常に終了したら、リソースをグループに追加ウィザードを使用して、スタンドアロン・リソースをグループに追加します。
注意: Oracle Application Serverなど、データベース以外のその他のリソースの構成は、手動でリストアすることが必要な場合もあります。 |
Oracle Services for MSCSの実行には、Oracle Services for MSCSを実行するユーザー・アカウントに対して、「バッチ ジョブとしてログオン」および「サービスとしてログオン」のユーザー権利ポリシーが使用可能である必要があります。通常、Oracle Fail Safeをインストールすると、セキュリティの設定時に、ユーザー・アカウントに対してこのユーザー権利が使用可能になります。ただし、場合によってはユーザー権利ポリシーがバックアップ・ドメイン・コントローラ(BDC)で正しく作動しないことがあります。この問題は、BDC上のアカウント・データベースが読取り専用で直接変更できないために発生します。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
次のどちらかの操作を実行します。
プライマリ・ドメイン・コントローラ(PDC)がクラスタの一部の場合は、PDCにOracle Fail Safeをインストールします。
PDCがクラスタの一部でない場合は、PDCのOracle Services for MSCSユーザー・アカウントに対して、「バッチ ジョブとしてログオン」および「サービスとしてログオン」の権利を付与します。
Server Manager管理ツールを使用して、アカウント・データベースとBDCの同期をとります。
Oracle Fail SafeをBDCにインストールします。