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Oracle Databaseプラットフォーム共通日本語README
10g リリース2(10.2)
B19227-09
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Oracle interMedia

原典情報: $ORACLE_HOME/ord/im/admin/README.txt



目次

スタート・ガイド

Oracle Technology Network

Oracle interMediaのドキュメント

警告

インストールとアップグレードに関する重要な考慮事項

アップグレード時の注意事項

Oracle interMediaのインストール

Oracle interMediaのインストール内容の確認

デモの実行

ダウングレードに関する注意事項

削除に関する注意事項

Oracle interMedia Java Classesの使用方法

このリリースで修正された問題

非互換/非準拠DICOMファイルのサポート

このリリースで追加された機能

このリリースの既知の問題

ドキュメントに記載されていない情報と訂正事項

廃止された機能


スタート・ガイド

ここでは、Oracle interMediaのリリース情報について説明します。

Oracle interMediaリリース10.2.0.2.0

Oracle interMediaを使用すると、Oracle Databaseでは他のエンタープライズ情報と統合された方法でイメージ、オーディオおよびビデオ・データの格納、管理および取出しができます。Oracle interMediaにより、Oracle Databaseの信頼性、可用性およびデータ管理が従来のインターネット・アプリケーション、E-Commerceアプリケーションおよび多様なメディアを扱うアプリケーションにおけるマルチメディア・コンテンツへと拡張されます。

Oracle interMediaは、2次元の静的なビットマップ・イメージの格納、取出し、メタデータの抽出、処理およびコンテンツベースの取出しのためのイメージ・サービスを提供します。イメージは、一般的な圧縮方法を使用してデスクトップ・パブリッシング用に業界標準のイメージ形式で効率的に格納されます。

Oracle interMediaは、一般的なオーディオおよびビデオ・ファイル形式での格納、取出し、およびメタデータを抽出するためのオーディオおよびビデオ・サービスを提供します。

Oracle interMediaの機能はすべてStandard EditionEnterprise Editionの両方で使用できますが、ORDImageIndexを使用したイメージのコンテンツベースの取出しへの索引付けは例外です。この索引には、Enterprise Editionでのみ使用可能なビットマップ索引のサポートが必要です。

Oracle Technology Network

次のURLでOracle Technology NetworkのWebサイトの「Oracle interMedia」セクションにアクセスすると、Oracle interMediaの最新情報を入手したり、Oracle interMediaのユーティリティおよびプラグインを無償でダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technology/products/intermedia

Oracle interMediaのドキュメント

Oracle Databaseとともに完全なオンライン・マニュアルが提供されます。Oracle interMediaマニュアルに対する更新の有無は、Oracle Technology Network JapanのWebサイトで確認してください。

Oracle Locatorは、Oracle向けのロケーションベースのサービスを提供します。Oracle Locatorの詳細は、『Oracle Spatialユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください。

警告

Oracle interMediaのインストールには、データベース・ユーザーORDSYSORDPLUGINSおよびSI_INFORMTN_SCHEMAが使用されます。これらのユーザーはデータベースのインストール中に作成され、将来のベータ版や本番リリースで変更される場合があります。

Oracle interMediaの機能、パッケージ、型およびビューはOracleにより予約済であり、将来のリリースでは変更される場合があります。ORDSYSおよびSI_INFORMTN_SCHEMAスキーマとその内容は変更しないでください。Oracle interMediaがORDPLUGINSスキーマ内に提供するパッケージは、変更しないでください。変更すると、DBMSに内部エラーとセキュリティ違反が発生します。

インストールとアップグレードに関する重要な考慮事項

Oracle interMediaのパフォーマンス関連コンポーネントは、Companion CDに付属しています。Oracle interMediaはCompanion CDがなくても正常に動作しますが、イメージ処理で妥当なパフォーマンスを得るには、Companion CDから次のコンポーネントをインストールする必要があります。

アップグレード時の注意事項

データベースを以前のリリースのOracle Databaseからアップグレードする際、Oracle interMediaがソース・データベース内で検出されると自動的にアップグレードされます。詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

Oracle interMediaのインストール

Oracle interMediaはOracle Databaseとともにインストールおよび構成されます。Oracle interMediaを手動で構成する必要がある場合は、この項の指示に従ってください。

インストールに関する決定

インストール・プロシージャにより、ORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAおよびMDSYSの各ユーザーが作成されます。これらのユーザーは、特殊な権限を持つ標準のOracle Databaseアカウントです。

決定事項1: Oracle interMediaユーザー(ORDSYSORDPLUGINSおよびSI_INFORMTN_SCHEMA)用の表領域と、Oracle Spatial/Oracle interMedia Location Servicesユーザー(MDSYS)用の表領域を決定します。両方にSYSAUX表領域を使用することをお薦めします。

決定事項2: ORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAおよびMDSYSの各ユーザーのパスワードを選択します。インストール時には、ORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAおよびMDSYSのデフォルト・パスワードが作成されてから各アカウントがロックされ、パスワードに期限切れマークが付きます。これらのアカウントに直接ログインする必要がある場合は、インストール完了後にこれらのパスワードを変更して各アカウントのロックを解除する必要があります。

インストール中のデフォルト・パスワードは、ORDSYSユーザーの場合は「ORDSYS」、ORDPLUGINSユーザーの場合は「ORDPLUGINS」、SI_INFORMTN_SCHEMAユーザーの場合は「SI_INFORMTN_SCHEMA」、MDSYSユーザーの場合は「MDSYS」です。

インストール・プロセスでは、ORDSYSORDPLUGINSおよびSI_INFORMTN_SCHEMAの各スキーマにインストールされるOracle interMediaパッケージおよびオブジェクトについて、ユーザー・グループPUBLICにEXECUTE権限が付与されます。

インストール前の手順

システムへのインストールおよび環境設定の手順は、使用中のオペレーティング・システムに該当するOracleインストレーション・ガイドを参照してください。

Oracle interMediaを手動でインストールして構成する前に、次のインストール前作業を実行します。

PL/SQL、Oracle JVMおよびXML DBを含む、Oracle Databaseをインストールします。
データベースを作成します。
データベースを起動します。
Oracle JVMがインストールされて有効であることを確認します。

Oracle JVMが正常にインストールされているかどうかを確認するには、SQL*Plusを実行し、システムにSYSDBAとして接続し、次の問合せを入力します。

SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='JAVAVM';

バージョンが正しく、ステータスが「VALID」となっていることを確認します。

インストール手順

次の必須構成手順を実行してください。この手順が必須となるのは、Oracle interMediaを手動で構成する場合のみです。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用する場合、この手順を実行する必要はありません。

次の手順で、<ORACLE_HOME>はOracleホーム・ディレクトリを表します。

Oracle Universal Installerを使用して、Oracle interMediaを構成するファイルをシステムにインストールします。

ユーザーを作成して適切な権限を付与します。

  1. SQL*Plusを起動し、SYSDBAとして接続します。

  2. 2つのパラメータにOracle interMediaの表領域とOracle Location Servicesの表領域を指定して、ordinst.sqlを起動します。

    SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/admin/ordinst.sql SYSAUX SYSAUX(UNIXの場合)
         @<ORACLE_HOME>\ord\admin\ordinst.sql SYSAUX SYSAUX(Windowsの場合)
    

Oracle interMediaの型とパッケージをインストールします。

  1. SQL*Plusを起動し、SYSDBAとして接続します。

  2. iminst.sqlを起動します。

    SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/iminst.sql(UNIXの場合)
         @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\iminst.sql(Windowsの場合)
    

リスナーを起動します。

リスナーは、外部プロシージャ・コールを使用するように構成する必要があります。tnsnames.oraファイルのextproc_connection_dataエントリとlistener.oraファイルのextprocエントリを確認してください。

詳細は、ネットワーク・ドキュメントを参照してください。この手順を正しく実行しないと、Oracle interMediaはサポート対象のすべての形式に対して機能しません。

前述の必須インストール手順を完了すると、Oracle interMediaの使用準備は完了です。


Oracle interMediaのインストール内容の確認

Oracle interMediaをインストールまたはアップグレードした後に、Oracle interMediaチェック・スクリプトを起動してインストール内容を確認できます。

Oracle interMediaチェック・スクリプトを実行するには、次のようにSYSDBAとして接続してimchk.sqlを起動します。

<ORACLE_HOME>はOracleホーム・ディレクトリを表します。

SQL*Plusを起動し、SYSDBAとして接続します。

imchk.sqlを起動します。

    SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/imchk.sql(UNIXの場合)
         @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\imchk.sql(Windowsの場合)

このチェック・スクリプトを実行すると、Oracle interMediaコンポーネントとステータス値のリスト、およびOracle interMediaのインストール内容が有効かどうかを示すサマリー行が表示されます。すべてのOracle interMediaコンポーネントのステータスがVALIDであることが予期されます。

デモの実行

Oracle interMediaのインストール後に、Oracle interMediaデモを実行するように選択できます。この項では、Oracle interMediaデモのリファレンス情報を示します。<ORACLE_HOME>はOracleホーム・ディレクトリを表します。

Oracle interMedia Javaデモ

Oracle interMedia Javaデモについては、次の位置にあるREADME.txtファイルを参照してください。

<ORACLE_HOME>/ord/im/demo/java/README.txt(UNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\im\demo\java\README.txt(Windowsの場合)

Oracle interMedia ORDImageデモ

Oracle interMedia ORDImage OCIデモについては、次の位置にあるREADME.txtファイルを参照してください。

<ORACLE_HOME>/ord/img/demo/README.txt(UNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\img\demo\README.txt(Windowsの場合)

Oracle interMedia Java Servlet Photo Albumデモ

Oracle interMedia Java Servlet Photo Albumデモは、Oracle interMedia Java Classes for Servlets and JSPを使用して、Javaサーブレットからマルチメディア・データをアップロードおよび取り出す方法を示しています。このデモについては、次の位置にあるREADME.txtファイルを参照してください。

<ORACLE_HOME>/ord/http/demo/servlet/README.txt(UNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\http\demo\servlet\README.txt(Windowsの場合)

Oracle interMedia JavaServer Pages Photo Albumデモ

Oracle interMedia JavaServer Pages Photo Albumデモは、Oracle interMedia Java Classes for Servlets and JSPを使用して、JSPからマルチメディア・データをアップロードおよび取り出す方法を示しています。このデモについては、次の位置にあるREADME.txtファイルを参照してください。

<ORACLE_HOME>/ord/http/demo/jsp/README.txt(UNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\http\demo\jsp\README.txt(Windowsの場合)

Oracle interMedia PL/SQL Web Toolkit Photo Albumデモ

Oracle interMedia PL/SQL Web Toolkit Photo Albumデモは、Oracle PL/SQL Web ToolkitとOracle PL/SQL Gatewayを使用してマルチメディア・データをアップロードおよび取り出す方法を示しています。このデモについては、次の位置にあるREADME.txtファイルを参照してください。

<ORACLE_HOME>/ord/http/demo/plsqlwtk/README.txt(UNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\http\demo\plsqlwtk\README.txt(Windowsの場合)

Oracle interMedia Code Wizard for the PL/SQL Gateway

Oracle interMedia Code Wizard for the PL/SQL Gatewayは、PL/SQL Gateway用のPL/SQLプロシージャを作成し、Oracle interMediaの任意のオブジェクト型を使用してデータベースに格納されているメディア・データをアップロードおよび取り出すためのツールの一例です。このツールについては、次の位置にあるデモSQLスクリプトとREADME.txtファイルを参照してください。

<ORACLE_HOME>/ord/http/demo/plsgwycw(UNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\http\demo\plsgwycw(Windowsの場合)

Oracle interMedia ASP/VBScript Photo Albumデモ

Oracle interMedia ASP/VBScript Photo Albumデモは、ASP/VBScriptアプリケーションを使用してマルチメディア・データをアップロードおよび取り出す方法を示しています。このデモについては、次の位置にあるREADME.txtファイルを参照してください。

<ORACLE_HOME>/ord/http/demo/asp/README.txt(UNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\http\demo\asp\README.txt(Windowsの場合)

ダウングレードに関する注意事項

Oracle interMedia機能がインストールされているOracle Databaseをダウングレードすると、Oracle interMediaも自動的にダウングレードされます。詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

削除に関する注意事項

Oracle interMediaを削除する手順は、次のとおりです。

SQL*Plusを起動し、SYSDBAとして接続します。

imdinst.sqlスクリプトを起動して、Oracle interMediaを非アクティブにします。

    -> SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/imdinst.sql(UNIXの場合)
            @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\imdinst.sql(Windowsの場合)

Oracle interMediaオブジェクト型に依存するユーザーの表と型をすべて削除します。サンプル・スキーマには、interMediaオブジェクトを含むONLINE_MEDIA表が含まれているので注意してください。Oracle interMediaオブジェクト型を削除する前にこの表を削除する必要があります。

imdtyp.sqlスクリプトを起動して、Oracle interMediaオブジェクト型をすべて削除します。

    -> SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/imdtyp.sql(UNIXの場合)
            @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\imdtyp.sql(Windowsの場合)

Oracle interMedia Java Classesの使用方法

Oracle interMedia Java Classesを使用するには、Javaプログラムをコンパイルして実行できるように適切なJava環境をセットアップする必要があります。また、次のセットアップが必須です。

使用するJDKのバージョンに従って、CLASSPATH環境変数を指定する必要があります。また、Oracle JavaライブラリのうちのOracle interMedia Java Classesライブラリ、Oracle JDBCライブラリおよびOracle SQLJランタイム・ライブラリを含める必要があります。サーブレットまたはJSPアプリケーションを記述する場合は、Oracle interMedia Java Classes for Servlets and JSPライブラリも含める必要があります。Oracle Javaライブラリは次の位置にあります。

    UNIXの場合
      (JDK 1.4以上):
        <ORACLE_HOME>/ord/jlib/ordim.jar
        <ORACLE_HOME>/ord/jlib/ordhttp.jar(サーブレットおよびJSPのみ)
        <ORACLE_HOME>/jdbc/lib/ojdbc14.jar
        <ORACLE_HOME>/jlib/orai18n.jar(オプション、注意を参照)
        <ORACLE_HOME>/sqlj/lib/runtime12.jar 


    Windowsの場合
      (JDK 1.4以上):
        <ORACLE_HOME>\ord\jlib\ordim.jar
        <ORACLE_HOME>\ord\jlib\ordhttp.jar(サーブレットおよびJSPのみ)
        <ORACLE_HOME>\jdbc\lib\ojdbc14.jar
        <ORACLE_HOME>\jlib\orai18n.jar(オプション、注意を参照)
        <ORACLE_HOME>\sqlj\lib\runtime12.jar

必要と思われる他のJavaライブラリの詳細は、JDKのドキュメントを参照してください。


注意:

クライアント・アプリケーションとデータベースの間でNLSキャラクタ・セット変換が必要な場合は、CLASSPATH変数にorai18n.jarを含める必要があります。NLSキャラクタ・セット変換の詳細は、『Oracle Database JDBC開発者ガイドおよびリファレンス』を参照してください。NLSキャラクタ・セット変換が必要な場合に、適切なライブラリを指定しないと、Oracle interMediaオブジェクト型のキャラクタベース属性が16進のエンコーディング文字列として戻されることがあります。


JDBC OCIドライバを使用している場合は、LD_LIBRARY_PATH変数(UNIXの場合)またはPATH変数(Windowsの場合)にJDBC OCI共有ライブラリの位置を指定する必要があります。SQL*Plusなどの他のクライアント・アプリケーションを使用するために同じ共有ライブラリ・パスを指定する必要があるので、このライブラリ・パスがすでに指定されている場合があることに注意してください。

    UNIXの場合:
        <ORACLE_HOME>/lib(libocijdbc10.soおよびlibocijdbc10_g.so)
    Windowsの場合:
        <ORACLE_HOME>\bin(ocijdbc10.dll)

このリリースで修正された問題

高速で使いやすいexport()メソッド

export()メソッドの実装が高速になり、export()メソッドへの権限付与の処理が簡略化されました。以前のバージョンのinterMediaでは、Oracleディレクトリ・オブジェクトとJavaファイル・システム・オブジェクトに権限を付与する必要がありました。このため、処理が複雑でエラーが多く発生しました。新しい実装では、権限を付与する必要があるのはOracleディレクトリ・オブジェクトのみです。次に例を示します。

   GRANT READ, WRITE ON DIRECTORY EXPORT_DIR TO SCOTT;

新しい実装を利用するには、エクスポート・ディレクトリ・オブジェクトに対してWRITE権限を付与する必要があります。Javaファイル・システム・オブジェクトへの権限付与に依存する既存の権限構成もサポートされており、変更なしで動作します。

詳細は、「Oracle Database 10gリリース2のOracle Database JP Document Library」の『Oracle interMediaリファレンス』を参照してください。

非互換/非準拠DICOMファイルのサポート

リリース10.2.0.2.0では、一部の非互換または非準拠DICOMファイルをオプションでサポートできます。 このリリースでは、DICOMスキーマでDICOM標準が規定されません。 デフォルトでは、DICOMオブジェクトがDICOM標準に準拠していないと、interMediaのDICOM機能によりエラーがスローされる場合があります。

setDicomValidationメソッドを起動することでDICOM準拠が無効化されている場合、interMediaは、必須のDICOM属性または非準拠DICOM属性(あるいはその両方)が欠落しているかNULLに設定されているイメージなど、非準拠イメージからメタデータを抽出しようとします。 interMediaで値を導出できない属性の場合、属性を格納するXML要素のrawValue属性にRAWデータが16進文字列で入力されます。

interMediaに対して非準拠DICOMイメージを処理するように指示するには、現行のセッションでPL/SQLパッケージORDSYS.ORDUTILの次のメソッドを起動します。

  PROCEDURE setDicomValidation(
    validationLevel IN INTEGER DEFAULT 1);

起動する構文は次のとおりにする必要があります。

  ORDSYS.ORDUTIL.setDicomValidation(level);

levelに有効な値は、次のとおりです。

  o 値が0より大きい場合は、検証をオン(デフォルト)
  o 値が0以下の場合は、検証をオフ

適合性検証レベルでは、再度setDicomValidation()をコールして値をリセットしないかぎり、その値がSQLセッション中は保持されます。適合性チェックをオフにする場合は、DICOMイメージでinterMediaメソッド(getDicomMetadata()、setProperties()、processCopy())を起動する直前に、setDicomValidation()をコールすることをお薦めします。

現行の検証レベルを判別するには、現行のセッションでPL/SQLパッケージORDSYS.ORDUTILの次のメソッドを起動します。

  FUNCTION getDicomValidation
    RETURN INTEGER;

戻り値は次のとおりです。

  o 値が0より大きい場合は、検証はオン(デフォルト)
  o 値が0以下の場合は、検証はオフ

このリリースで追加された機能

イメージ・メタデータの抽出と埋込みのサポート

一般的なバイナリ・イメージ形式から埋め込まれたコンテンツのメタデータを抽出するために、JavaメソッドとPL/SQLメソッドがinterMedia OrdImageオブジェクトに追加されました。コンテンツのメタデータには、イメージの形式については記述されていませんが、イメージの内容や写真家や写真の撮影時期などの情報が含まれています。

抽出可能な埋込みメタデータには、通常IPTC(またはIIM)、EXIFおよびXMPと呼ばれるイメージ・メタデータの形式が含まれています。IIM4は、ニュースの取材および報道業界で広く使用されている標準です。Exchangeable Image File Format(EXIF)は、デジタル静止カメラ用のイメージ・ファイルの格納に使用する標準です。Extensible Metadata Platform(XMP)は、Adobe社が開発した標準形式で、様々なアプリケーションでのメタデータの作成、処理および交換時に使用されます。

イメージから抽出されたメタデータは、XMLTypeオブジェクトに戻されるXML文書の集まりで表されます。各文書は、埋め込まれたメタデータのタイプのいずれかに対応しています。戻された文書はすべて、データベースに登録されているXMLスキーマに準拠します。イメージから抽出されたメタデータは、Oracle Databaseに格納し、索引付け、検索およびOracle Databaseの標準メカニズムを使用するアプリケーションでの使用が可能になります。

埋込みのXMP形式でフォーマットされたメタデータを一般的なバイナリ・イメージ形式で格納するために、JavaメソッドとPL/SQLメソッドがinterMedia OrdImageオブジェクトに追加されました。メタデータとイメージ・データを同じバイナリ・イメージで格納する理由は、カプセル化を利用できるためです。メタデータとイメージ・データを同じバイナリ・イメージで配置することによって、2種類のデータを共有し、1つのユニットとして確実に交換できます。

DICOM(メディカル・イメージ)のサポート

interMediaのsetPropertiesメソッドは、DICOMバージョン3のメディカル・イメージ形式を認識できるようになりました。setPropertiesをDICOMイメージでコールすると、ORDImageオブジェクトのmimeType属性、fileFormat属性およびcontentLength属性が移入されます。

さらに、サポートされているDICOMバージョン3イメージから埋込みメタデータを抽出するために、JavaメソッドとPL/SQLメソッドがinterMedia OrdImageオブジェクトに追加されました。すべてのメタデータが抽出されるわけではありませんが、すべてのDICOMイメージに通常存在するメタデータは抽出されます。DICOMイメージから抽出されたメタデータは、XMLTypeオブジェクトに戻されるXML文書で表されます。戻された文書はすべて、データベースに登録されているXMLスキーマに準拠します。イメージから抽出されたメタデータは、Oracle Databaseに格納し、索引付け、検索およびOracle Databaseの標準メカニズムを使用するアプリケーションでの使用が可能になります。

このリリースの既知の問題

索引作成用にCREATE TABLE権限が必要な場合がある

名前付きPL/SQLブロックで動的SQLを使用してORDSYS.ORDImageIndex型の索引を作成する場合は、索引を作成するユーザーに明示的なCREATE TABLE権限を付与する必要があります。この権限を含むロールをユーザーに付与するのみでは十分ではなく、CREATE TABLE権限を明示的に付与する必要があります。

Standard Editionではイメージのコンテンツベース取出しの索引付けを使用できない

Oracle interMediaのイメージ・コンテンツベース取出し機能を使用すると、アプリケーションでは、色、テクスチャおよび構造に基づいてサンプル・イメージに類似したイメージをデータベースに問い合せることができます。この機能はStandard EditionとEnterprise Editionの両方で使用できますが、ORDImageIndex索引を使用したイメージのコンテンツベース取出しの索引付けを使用するには、Enterprise Editionでしか使用できないビットマップ索引のサポートが必要です。この索引をStandard Editionで使用しようとすると、次のエラー・メッセージが表示されます。

ORA-29855: ODCIINDEXCREATEルーチンの実行でエラーが発生しました。
ORA-00439: 機能は使用可能ではありません: ビットマップ索引
ORA-06512: ORDSYS.ORDIMGIDXMETHODS 行159

Javaアプリケーションを再コンパイルする必要がある

Oracle interMedia Java Classesリリース8.1.7を使用している場合は、Oracle Databaseのインストール後にJavaアプリケーションを再コンパイルする必要があります。

再コンパイルしなければ、新規ordimライブラリの使用時にOrdImageBaseOrdAudioBaseまたはOrdVideoBaseに次のようなエラーが表示されることがあります。

    java.lang.NoSuchMethodError: oracle.ord.im.OrdImageBase: 
         method getUpdateTime()Ljava/sql/Timestamp; not found 
         at ord89.main(ord89.java:32) 

JSPからのマルチメディア・データ配信をサポートしないJSPエンジンがある

サーブレットのバイナリ出力ストリームへのアクセスをサポートするには、JSPエンジンは不要です。 そのため、一部のJSPエンジンでは、OrdHttpJspResponseHandlerクラスを使用したJavaServer Pagesからのマルチメディア・データ配信がサポートされません。JavaServer Pagesからのマルチメディア・データ配信の詳細は、『Oracle interMedia Java Classes for Servlets and JSP API Reference』を参照してください。

シグネチャ生成時の内部エラー

更新対象にシグネチャ列を選択していない(つまり、シグネチャ列がロックされていない)場合は、generateSignature()メソッドを実行すると、内容のあるエラー・メッセージではなく「IMG-00599: 内部エラー」メッセージが戻されます。このエラー・メッセージが戻される場合は、generateSignature()メソッドをコールする前に更新操作の対象を選択していることを確認してください。更新操作の対象を選択している場合は、オラクル社カスタマ・サポート・センターに連絡してください。

ドキュメントに記載されていない情報と訂正事項

イメージ圧縮情報

Oracle interMediaでは、JFIF(通常の.jpgファイル)、TIFFおよびPICTファイル形式について、JPEG圧縮を使用したイメージのエンコーディングがサポートされます。compressionQualityオプションでは、使用する圧縮の量を指定します。このオプションは、3つの形式すべてについてサポートされます。 ただし、動作は形式ごとに少し異なります。

TIFFおよびJFIFファイル形式の場合、compressionQualityを指定するには、事前定義済の値(MAXCOMPRATIO、HIGHCOMP、MEDCOMP、LOWCOMPおよびMAXINTEGRITY)のいずれかを使用する方法と、1〜100の整数を使用する方法があります。詳細は、『Oracle interMediaリファレンス』を参照してください。デフォルトの圧縮比は、マニュアルに記載されているMEDCOMPではなく、実際にはLOWCOMPであることに注意してください。

JPEG圧縮を使用するPICTファイル形式の場合、compressionQualityの指定に使用できるのは事前定義済の値のみです。MEDCOMP値およびHIGHCOMP値の場合、圧縮結果は同じになることと、デフォルト値がMAXINTEGRITYであることに注意してください。

イメージ処理の制限

この情報は、現時点でOracle interMediaのエンジニアリング部門が把握している最大限の情報を示しています。イメージ処理の制限の特性化は現在も進行中であり、この情報は更新される場合があります。更新の有無は、Oracle Technology NetworkのWebサイトの「Oracle interMedia」セクションで確認してください。

   http://www.oracle.com/technology/products/intermedia

要約

この項では、Oracleデータベースでの大型イメージを管理する機能とその制限事項について説明します。特に、イメージの格納と処理に関する制限事項を取り扱います。

イメージの格納

データベース記憶構造(BLOB)内およびデータベース記憶構造外(BFILE)で、Oracle interMediaにより格納および取出しができるイメージ・コンテンツのサイズには、実際には制限はありません。Oracle interMediaでは、BLOB格納用とBFILE格納用に最大4GBのサイズのイメージを個別に管理できます。 ほとんどのイメージ・ファイル形式では、4GBを超えるファイル・サイズがサポートされないことに注意してください。

Oracle interMediaでは、大型イメージの格納および取出しのみでなく、最大20億ピクセルまたは解像度が最大46340x46340までのイメージについては、高さ、幅および圧縮形式など、イメージ属性の抽出も可能です。Oracle interMediaでは、格納可能でサポートされている形式のイメージであれば、そのサイズを問わず埋込みメタデータ(IPTC-IIM、EXF、XMP)を制限なしに抽出して管理できます。

イメージ処理

Oracle interMediaには、イメージのコンテンツを変更するイメージ処理機能が用意されています。たとえば、イメージの拡大/縮小機能、トリミング機能、または異なるファイル形式への変換機能があります。イメージを処理するには、Oracle interMediaでイメージのピクセル値を解析する必要がありますが、通常、この処理はプロセッサおよびメモリー集中型です。そのため、Oracle interMediaでは正常に格納できるイメージを正常に処理できなくなることがあります。Oracle interMediaで処理できるイメージの最大サイズは、イメージの形式とシステム・プラットフォームによって異なります。

表1に、Oracle interMediaが32ビット・プラットフォーム上で各種イメージ形式で処理できる最大イメージ・サイズを示します。サイズは、幅×高さのピクセル単位で表されています。表2に、64ビット・プラットフォームの場合の同じ制限を示します。

表1と表2ではどちらも、3300×3300の制限は、幅と高さの積が3300×3300の積(10890000)以下のイメージであれば処理できることを意味します。


注意:

表1と表2の値は控えめな制限であることに注意してください。 必要な領域がイメージ形式、コンテンツ形式および圧縮形式によって異なることは反映されておらず、将来の製品開発作業も反映されていません。



表1 32ビット・プラットフォームで処理可能な最大イメージ・サイズ

イメージ形式デコーディング(読取り)エンコーディング(書込み)
BMP4700 × 4700無制限(リソースの制約に従う)
FPIX4700 × 4700書込みのサポートなし
GIFF8000 × 80004700 × 4700
JFIF4000 × 40004700 × 4700
J2K4700 × 47004700 × 4700
PCXF4700 × 4700書込みのサポートなし
PGMF8000 × 8000無制限(リソースの制約に従う)
PICT4700 × 470010000 × 10000
PNGF4700 × 47004700 × 4700
PNM/PPM4700 × 4700無制限(リソースの制約に従う)
RASF4700 × 4700書込みのサポートなし
TGAF4700 × 470010000 × 10000
TIFF*最大2GB最大2GB(リソースの制約に従う)

*TIFFイメージの1ストリップ(ブロックまたはページ)については、最大4700x4700までです。


表2 64ビット・プラットフォームで処理可能な最大イメージ・サイズ

イメージ形式デコーディング(読取り)エンコーディング(書込み)
BMP9000 × 9000無制限(リソースの制約に従う)
FPIX9000 × 9000書込みのサポートなし
GIFF16000 × 160009000 × 9000
JFIF8000 × 80009000 × 9000
J2K9000 × 90009000 × 9000
PCXF9000 × 9000書込みのサポートなし
PGMF16000 × 16000無制限(リソースの制約に従う)
PICT9000 × 900020000 × 20000
PNGF9000 × 90009000 × 9000
PNM/PPM9000 × 9000無制限(リソースの制約に従う)
RASF9000 × 9000書込みのサポートなし
TGAF9000 × 900020000 × 20000
TIFF**最大2GB最大2GB(リソースの制約に従う)

**TIFFイメージの1ストリップ(ブロックまたはページ)については、最大9000x9000までです。

廃止された機能

廃止された処理動詞

イメージ処理動詞ditherinterleaveは廃止されました。この2つの動詞はどちらも引き続き機能しますが、できるかぎり早期に使用を中止することをお薦めします。dither動詞はquantizeで置き換えられています。interleave動詞はcontentFormatで置き換えられています。これらの置き換えられた動詞の詳細は、『Oracle interMediaリファレンス』を参照してください。

廃止されたオブジェクト型とAPIのサポート中止

廃止されたイメージ・オブジェクト型ORDImgBおよびORDImgFは削除され、サポートされなくなりました。

廃止されたオーディオ・メソッドおよびビデオ・メソッドの削除

廃止された次のORDAudioオブジェクト・メソッドおよびORDVideoオブジェクト・メソッドは削除され、サポートされなくなりました。

ORDAudio:
  getFormat(ctx IN OUT RAW) RETURN VARCHAR2
  getEncoding(ctx IN OUT RAW) RETURN VARCHAR2
  getNumberOfChannels(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER>
  getSamplingRate(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER
  getSampleSize(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER
  getCompressionType(ctx IN OUT RAW) RETURN VARCHAR2
  getAudioDuration(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER

ORDVideo:
  getFormat(ctx IN OUT RAW) RETURN VARCHAR2
  getFrameSize(SELF IN OUT NOCOPY ORDVideo,
               ctx IN OUT RAW,
               retWidth OUT INTEGER,
               retHeight OUT INTEGER)
  getFrameResolution(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER
  getFrameRate(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER
  getVideoDuration(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER
  getNumberOfFrames(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER
  getCompressionType(ctx IN OUT RAW) RETURN VARCHAR2
  getNumberOfColors(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER
  getBitRate(ctx IN OUT RAW) RETURN INTEGER