Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド 10g リリース2(10.2) for HP Tru64 UNIX B31763-02 |
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この章では、Oracle Real Application Clusters(RAC)環境でのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)の配置および構成について説明します。この章の内容は次のとおりです。
Oracleデータベースは、パラメータ・ファイルのパラメータ設定を使用して、様々なデータベース・リソースの制御方法を決定します。パラメータの管理には、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)または従来のクライアント側のパラメータ・ファイルの2種類のファイルを使用できます。
SPFILE
を使用してパラメータを管理することをお薦めします。クライアント側のパラメータ・ファイルを使用する場合、セルフ・チューニングで行ったパラメータの変更は、Oracleの停止後に保存されません。
デフォルトでは、Oracleは1つのSPFILE
を基にしてサーバー・パラメータ・ファイルを作成します。サーバー・パラメータ・ファイルはバイナリ・ファイルであるため、サーバー・パラメータ・ファイルのパラメータ設定は、Oracle Enterprise ManagerまたはSQL文のALTER SYSTEM SET
を使用した場合にのみ変更できます。このファイルは手動で編集しないでください。
以前のリリースのOracleデータベースからアップグレードする場合は、次の項で説明する手順に従って、RACのサーバー・パラメータ・ファイルを作成および構成します。
データベースがPFILE
からサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を作成する場合のデフォルトの位置は、プラットフォームにより異なります。
サーバー・パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は次のとおりです。
$ORACLE_HOME/dbs/spfile$ORACLE_sid.ora
すべてのインスタンスは同じサーバー・パラメータ・ファイルを使用する必要があるため、RAWデバイスを使用する場合、サーバー・パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、RACデータベースおよびASMインスタンスには適切ではありません。
このため、次のディレクトリでPFILE
を使用することをお薦めします。
$ORACLE_HOME/dbs/init$ORACLE_sid.ora
このパスは各インスタンス用のものであり、単一の共有初期化パラメータ・ファイルを参照します。RAW記憶域を使用する場合は、ファイルに次のエントリが必要です。
SPFILE='/dev/vx/rdsk/oracle_dg/dbspfile'
ただし、クラスタ・ファイル・システムを使用する場合は、次のいずれかのファイルの位置を使用します。
SPFILE='$ORACLE_HOME/dbs/spfile.ora'
ASMを使用する場合、SPFILE値は次のようになります。
SPFILE='+disk_group_name/dbunique_name/spfiledbname.ora'
dbunique_name
変数は一意のデータベース名で、dbname
変数はデータベース名です。
すべてのインスタンスが、起動時に同じサーバー・パラメータ・ファイルを使用するために、SPFILE
には同じ値を使用する必要があります。
DBCAを使用して、データベースを作成したり、サーバー・パラメータ・ファイルを使用するには、DBCAを起動します。「初期化パラメータ」ページが表示されたら、ファイルの場所タブの下の「サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を作成」を選択します。このオプションは、RAW記憶域を使用している場合にのみ表示されます。このオプションを選択した場合、次に、共有ファイル・システムのファイル名を入力するか、または「サーバー・パラメータ・ファイル名」フィールドにRAWデバイスのパス名を入力します。
パラメータ・ファイルは、次の順序で検索されます。
サーバー・パラメータ・ファイルを移行するには、この項で説明する手順でサーバー・パラメータ・ファイルを作成および編集します。
単一ノードのクラスタ対応の構成の場合や、ASMディスク・グループまたはクラスタ・ファイル・システムを使用している場合は、ASMディスク・グループまたはファイル・システム上にサーバー・パラメータ・ファイルを置きます。それ以外の場合は、5MB以上の共有RAWデバイスにサーバー・パラメータ・ファイルを置きます。
次の手順に従って、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)へ移行します。
IFILE
の内容をそのままコピーして、すべてのインスタンスの初期化パラメータ・ファイルを、単一のinit
dbname
.ora
ファイルに結合します。 IFILE
パラメータ・ファイルに定義されているすべてのパラメータはグローバルです。このため、システム識別子(SID)接頭辞なしでparameter=valueという書式で作成します。
init
sid
.ora
ファイルからインスタンス固有のすべてのパラメータ定義をコピーします。sid
変数はインスタンスのシステム識別子(SID)です。
sid.parameter=value
CREATE SPFILE
文を使用して、サーバー・パラメータ・ファイルを作成します。次に例を示します。
CREATE SPFILE='?/dbs/spfile_dbname.ora' FROM PFILE='?/dbs/initdbname.ora'
ASMを使用する場合は、次の構文を使用してサーバー・パラメータ・ファイルを作成します。
CREATE SPFILE='+disk_group_name/db_uniquename/spfiledbname.ora' FROM PFILE='?/dbs/initdbname.ora'
これらの文は、IFILEをマージして作成した結合済のinit
dbname
.ora
ファイルを読み取り、パラメータの設定を、マージしたファイルからサーバー・パラメータ・ファイルに転送します。
PFILE
をSPFILE
へのポインタとして使用して、SPFILE
を使用することをお薦めします。これを行うには、次の例に示すように、STARTUP
コマンドを実行します。init
sid
.ora
ファイルのSID変数sid
は、手順3からSPFILEエントリで使用しているSIDです。次に例を示します。
STARTUP PFILE=$ORACLE_HOME/dbs/initsid.ora
このSTARTUP
コマンド構文を使用する場合、Oracleデータベースはinit
sid
.ora
ファイルに指定されているサーバー・パラメータ・ファイルのエントリを使用します。
Oracleデータベースは、サーバー・パラメータ・ファイルの作成中または起動時のファイルの読取り中に発生するエラーをレポートします。パラメータの更新時にエラーが発生した場合、OracleはALERT.LOG
ファイルにエラーを記録し、ファイルに対するパラメータの残りの更新を行いません。このエラーが発生した場合は、次のいずれかを選択できます。
Oracleデータベースは、ALTER SYSTEM SET
文を誤って使用して行ったパラメータ変更のエラーを表示します。Oracleデータベースは、サーバー・パラメータ・ファイルに対する読取りまたは書込み時にエラーが発生した場合に、この処理を行います。
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