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Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド
10g リリース2(10.2) for HP Tru64 UNIX

B31763-02
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2 インストール前の作業

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了する必要がある、システムの構成作業について説明します。この章で説明する作業は、次のとおりです。

クラスタ検証ユーティリティの理解と使用方法

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)は、システムの検証を実行するツールです。このマニュアルでは、ご使用のシステムがOracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersをインストールするために適切に構成されているかを確認するのに役に立つCVUコマンドについて説明します。

この項の内容は次のとおりです。

クラスタ検証ユーティリティ・コマンドの入力


注意:

unzipユーティリティをインストールし、runcluvfy.shを実行するためにpathコマンドで構成しておく必要があります。 


CVUコマンドを入力するには、データベースをインストールする前に、ディレクトリを移動し、次の構文を使用してCVUを起動します。

$ /mountpoint/crs/Disk1/cluvfy/
$ ./runcluvfy.sh options

前述の例のmountpoint変数はインストール・メディアのマウント・ポイント・パスで、options変数はユーザーが選択するCVUコマンド・オプションです。次に例を示します。

$ /dev/dvdrom/crs/Disk1/cluvfy/
$ ./runcluvfy.sh comp nodereach -n node1,node2 -verbose

デフォルトでは、CVUコマンドを入力すると、テストのサマリーが出力されます。インストール前の手順では、CVUコマンドに-verbose引数を使用して詳細を出力することをお薦めします。-verbose引数を使用すると、個々の検証結果の詳細が出力されます。可能な場合は、各ノードの結果が表形式で表示されます。


注意:

runcluvfy.shスクリプトには、Oracle ClusterwareまたはOracle Databaseをインストールする前にスクリプトを実行できるようにするための、一時的な変数定義が含まれます。Oracle Clusterwareをインストールした後、cluvfyコマンドを使用して前提条件をチェックし、他のシステムが使用可能かどうかを確認します。 


CVUを使用したインストールの前提条件の完了確認

CVUを使用すると、インストールのためのシステム前提条件で、すでに完了しているものを確認できます。既存のOracleソフトウェアがインストールされているシステムにOracle 10g リリース2(10.2)をインストールする場合は、このオプションを使用します。このオプションを使用する場合は、次の点に注意してください。

次の構文を使用して、完了しているインストール前の手順と、実行する必要があるインストール前の手順を確認します。

/$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node_list 

前述の構文例のnode_list変数は、クラスタ内のノードのカンマ区切りリストです。

たとえば、クラスタが、マウント・ポイント/dev/dvdrom/と、node1node2およびnode3で構成されている場合は、次のコマンドを入力します。

$ cd /dev/dvdrom/crs/Disk1/cluvfy/
$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node1,node2,node3

CVUレポートを確認し、必要に応じて、インストール前の追加の手順を実行します。

クラスタ検証ユーティリティのヘルプの使用

cluvfyコマンドのヘルプは状況依存のヘルプで、入力したコマンドラインの引数に応じて正しい構文の使用方法を示します。

無効なCVUコマンドを入力すると、CVUによって、コマンドの正しい使用方法が表示されます。たとえば、runcluvfy.sh stage -pre dbinstと入力すると、dbinstステージ・オプションを使用して、データベースのインストール前検証を実行するための正しい構文が表示されます。状況依存ヘルプのコマンドは、次のとおりです。

Oracle 10g リリース1(10.1)でのクラスタ検証ユーティリティの使用

Oracle 10g リリース2(10.2)インストール・メディアのCVUを使用して、Oracle 10g リリース1(10.1)のインストールに必要なシステム要件を検証します。CVUを使用してリリース1(10.1)のインストールを検証するには、コマンド・フラグ-r 10gR1をCVUの標準のシステム検証コマンドに追加します。

たとえば、メディア・マウント・ポイントが/dev/dvdrom/、クラスタ・ノードがnode1node2およびnode3で構成されたシステムで、Cluster Ready Servicesのリリース1(10.1)のインストールに対する検証を実行するには、次のコマンドを実行します。

$ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n node1,node2,node3 -r 10gR1

詳細モードおよび「不明」出力

-verbose引数を使用してCVUを実行し、特定のノードに対するCVUコマンドの結果がUNKNOWNになる場合、その原因は、検証時に問題が検出されたかどうかをCVUで判断できないことにあります。結果が「不明」になる場合の、考えられる原因を次に示します。

rootによるシステムへのログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとして複数の作業を実行する必要があります。rootユーザーでログインするには、次の手順のいずれかを実行します。

必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

システムにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合や、インストールする製品によっては、いくつかのオペレーティング・システム・グループと1つのオペレーティング・システム・ユーザー・アカウントを作成する必要があります。

Oracleデータベースをインストールするには、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

すべてのインストールに必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーは、次のとおりです。

システムへのOracleソフトウェアのすべてのインストールには、単一のOracle Inventoryグループが必要です。システムへの2回目以降のOracleソフトウェアのインストールでは、Oracleソフトウェアを初めてインストールしたときと同じOracle Inventoryグループを使用する必要があります。ただし、個々の環境に対してそれぞれにOracleソフトウェア所有者ユーザー、OSDBAグループおよびOSOPERグループ(oracledbaおよびoper以外)を作成できます。環境ごとに異なるグループを使用すると、それぞれのグループのメンバーは、システムのすべてのデータベースではなく、関連するデータベースに対してのみDBA権限を持ちます。

参照:

OSDBAグループとOSOPERグループ、およびSYSDBA権限とSYSOPER権限の詳細は、UNIXシステム向けのOracle Databaseの管理者リファレンスおよび『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。  

次の項では、必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループを作成する方法について説明します。

Oracle Inventoryグループの作成

Oracle Universal Installer(OUI)を使用すると、Oracle Inventoryグループとして使用するグループの選択が簡単になります。既存のOracle Inventoryグループがある場合は、グループ名とパスを指定するように求められたときに、そのグループのものを指定します。

次の項では、Oracle Inventoryグループが存在する場合に、そのグループ名を確認する方法について説明します。また、必要に応じて、Oracle Inventoryグループを作成する方法についても説明します。

Oracle Inventoryの存在の確認

システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合は、Oracle Universal InstallerによってoraInst.locファイルが作成されます。このファイルに、Oracle Inventoryグループのグループ名(通常、oinstall)およびOracle Inventoryディレクトリのパスが示されます。

既存のOracle Inventoryがある場合は、必ずすべてのOracleソフトウェア・インストールで同じOracle Inventoryインベントリを使用します。

既存のOracle Inventoryがない場合は、Oracle Inventoryグループを作成する必要があります。

システムにOracle Inventoryがあるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# more /var/opt/oracle/oraInst.loc

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力結果は、次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

前述の出力例の意味は次のとおりです。

Oracle Inventoryが存在しない場合のOracle Inventoryグループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のコマンドを入力して、Oracle Inventoryグループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

OSDBAグループの作成

次の場合は、OSDBAグループを作成する必要があります。

OSDBAグループが存在しない場合または新しいOSDBAグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、既存のグループですでに使用されていないかぎり、グループ名にはdbaを使用します。

# /usr/sbin/groupadd dba

OSOPERグループの作成(任意)

OSOPERグループを作成する必要があるのは、制限付きのデータベース管理権限(SYSOPERオペレータ権限)を持つオペレーティング・システム・ユーザーのグループを指定する場合のみです。ほとんどの環境では、OSDBAグループを作成するのみで十分です。次の場合にOSOPERグループを使用するには、このグループを作成する必要があります。

新しいOSOPERグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、既存のグループですでに使用されていないかぎり、グループ名にはoperを使用します。

# /usr/sbin/groupadd oper

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の場合は、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの存在の確認

oracleというOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドの出力結果は、次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

ユーザーが存在する場合は、既存ユーザーを使用するか、別のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存ユーザーを使用する場合は、ユーザーのプライマリ・グループがOracle Inventoryグループであり、そのグループが適切なOSDBAおよびOSOPERグループのメンバーであることを確認します。詳細は、次のいずれかの項を参照してください。


注意:

既存ユーザーを使用および変更する前に、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。 


Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない、または新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、既存のユーザーですでに使用されていないかぎり、ユーザー名にはoracleを使用します。

  1. 次のコマンドを入力して、oracleユーザーを作成します。

    # /usr/sbin/useradd -u 200 -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    前述のコマンドの意味は、次のとおりです。

    • -uオプションは、ユーザーIDを指定します。システムによって自動的にユーザーID番号を生成するようにできるため、このコマンド・フラグの使用は任意です。ただし、oracleユーザーID番号は、この後のインストール前の作業で必要になるため、記録しておく必要がります。

    • -gオプションは、プライマリ・グループを指定します。プライマリ・グループは、oinstallなどのOracle Inventoryグループである必要があります。

    • -Gオプションは、セカンダリ・グループを指定します。セカンダリ・グループには、OSDBAグループと、必要に応じてOSOPERグループを含める必要があります。たとえば、dbaまたはdba,operです。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

    「nobodyユーザーが存在するかどうかの確認」を参照してください。

既存のOracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、プライマリ・グループがoinstallではない場合、またはユーザーが適切なOSDBAまたはOSOPERグループのメンバーではない場合は、次のコマンドで変更します。-gオプションでプライマリ・グループを指定し、-Gオプションで必要なセカンダリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba[,oper] oracle

他のすべてのクラスタ・ノードでこの手順を繰り返します。

nobodyユーザーが存在するかどうかの確認

ソフトウェアをインストールする前に、次の手順に従って、nobodyユーザーがシステムに存在することを確認します。

  1. 次のコマンドを入力して、nobodyユーザーが存在するかどうかを確認します。

    # id nobody
    
    

    このコマンドの出力結果にnobodyユーザーの情報が表示された場合、このユーザーを作成する必要はありません。

  2. nobodyユーザーが存在しない場合は、次のコマンドを入力して作成します。

    # /usr/sbin/useradd nobody
    
    
  3. 他のすべてのクラスタ・ノードでこの手順を繰り返します。

他のクラスタ・ノードでの同一ユーザーおよびグループの作成


注意:

次の手順は、ローカル・ユーザーおよびグループを使用している場合にのみ実行する必要があります。NISなどのディレクトリ・サービスで定義されたユーザーおよびグループを使用している場合、各クラスタ・ノードのユーザーおよびグループはすでに同一です。 


Oracleソフトウェア所有者ユーザー、Oracle Inventory、OSDBAグループおよびOSOPERグループは、すべてのクラスタ・ノードに存在し、また同一である必要があります。同一のユーザーおよびグループを作成するには、ユーザーおよびグループを作成したノードで割り当てられたユーザーIDおよびグループIDを確認してから、他のクラスタ・ノードで同じ名前とIDを持つユーザーおよびグループを作成する必要があります。

ユーザーIDおよびグループIDの確認

Oracleソフトウェア所有者ユーザーのユーザーID(UID)と、Oracle Inventoryグループ、OSDBAグループおよびOSOPERグループのグループID(GID)を確認するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力します。

    # id oracle
    
    

    このコマンドの出力結果は、次のようになります。

    uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)
    
    
  2. 表示された情報から、oracleユーザーのユーザーID(UID)および所属するグループのグループID(GID)を特定します。

他のクラスタ・ノードでのユーザーおよびグループの作成

他のクラスタ・ノードでユーザーおよびグループを作成するには、各ノードで次の手順を繰り返します。

  1. 次のクラスタ・ノードへrootでログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、oinstallおよびdbaグループを作成します。また、必要に応じて、operグループを作成します。-gオプションを使用して、各グループに正しいGIDを指定します。

    # /usr/sbin/groupadd -g 200 oinstall
    # /usr/sbin/groupadd -g 201 dba
    # /usr/sbin/groupadd -g 202 oper
    
    


    注意:

    グループがすでに存在している場合は、必要に応じてgroupmodコマンドを使用してそのグループを変更します。このノードのグループに、同じグループIDが使用できない場合、すべてのノードの/etc/groupファイルを表示し、どのノードでも使用できるグループIDを特定します。すべてのノードのグループにそのIDを指定する必要があります。 


  3. 次のコマンドを入力して、oracleユーザーを作成します。

    # /usr/sbin/useradd -u 200 -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    前述のコマンドの意味は、次のとおりです。

  4. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    

すべてのクラスタ・ノードでのSSHの構成

Oracle Real Application Clustersをインストールして使用する前に、すべてのクラスタ・ノードでoracleユーザー用のセキュア・シェル2(SSH2)を構成する必要があります。Oracle Universal Installerは、インストール中にssh2およびscpコマンドを使用して、他のクラスタ・ノードに対してリモート・コマンドを実行し、そのクラスタ・ノードにファイルをコピーします。これらのコマンドを使用する際にパスワードを求めるプロンプトが表示されないように、SSH2を構成する必要があります。


注意:

この項では、Tru64 UNIXのセキュア・シェル(SSH)の構成方法について説明します。セキュア・シェルは、Tru64 UNIXバージョン5.1Bのオペレーティング・システムの一部として含まれています。

次のコマンドを入力して、SSH2が実行されているかどうかを確認します。

$ ps -aef | grep sshd

SSH2が実行されている場合、このコマンドの結果はプロセスID番号になります。SSH2の詳細を参照するには、次のコマンドを入力してください。

$ man ssh2

Oracle Netコンフィギュレーション・アシスタント(NetCA)およびデータベース・コンフィギュレーション・アシスタント(DBCA)では、scpおよびssh2はパス/usr/binに配置する必要があることにも注意してください。scpおよびssh2がこの場所にない場合は、/usr/binscpおよびssh2が存在する場所へのシンボリック・リンクを作成します。 


クラスタ・メンバー・ノードでのSSH2認証の構成

SSH2を構成するには、最初にすべてのクラスタ・ノードでDSA鍵とRSA鍵を作成する必要があります。この作業の手順は、次のとおりです。

DSA鍵とRSA鍵の作成

DSA鍵とRSA鍵を作成するには、次の手順を実行します。

  1. oracleユーザーでログインします。

  2. 次のコマンドを入力してバージョン2のSSHプロトコル用のDSA鍵を生成します。

    /usr/bin/ssh-keygen2 -t dsa
    
    

    プロンプトで、次の手順を実行します。

    • [Enter]をクリックし、鍵ファイルのデフォルトの位置をそのまま使用します。

    • oracleユーザーのパスワードとは異なるパス・フレーズを入力して確認します。

    このコマンドによって、公開鍵が~/.ssh/id_dsa_2048_a.pub ファイルに、秘密鍵が~/.ssh/id_dsa_2048_aファイルに書き込まれます。秘密鍵は、他のユーザーには配布しないでください。

  3. 次のコマンドを入力してバージョン2のSSHプロトコル用のRSA鍵を生成します。

    $ /usr/bin/ssh-keygen2 -t rsa
    
    

    プロンプトで、次の手順を実行します。

    • [Enter]をクリックし、鍵ファイルのデフォルトの位置をそのまま使用します。

    • oracleユーザーのパスワードとは異なるパス・フレーズを入力して確認します。

    このコマンドによって、公開鍵が~/.ssh/id_rsa_2048_a.pub ファイルに、秘密鍵が~/.ssh/id_rsa_2048_aファイルに書き込まれます。秘密鍵は、他のユーザーには配布しないでください。

  4. 認証鍵ファイルと識別ファイルに鍵を追加し、次の手順を完了します。

認証鍵ファイルと識別ファイルへの鍵の追加

次の手順を実行します。

  1. ローカル・ノードで、認証鍵ファイル(~/.ssh2/authorization)が存在するかどうかを確認します。認証鍵ファイルがすでに存在する場合は、手順2に進みます。存在しない場合は、次のコマンドを入力します。

    $ touch ~/.ssh2/authorization
    $ cd ~/.ssh2
    $ ls
    
    

    authorizationファイルに加えて、作成されたid_dsa_2048_a.pub鍵およびid_rsa_2048_a.pub鍵が表示されます。

  2. ~/.ssh2/id_dsa_2048_a.pub鍵ファイル、および~/.ssh/id_rsa_2048_a.pub鍵ファイルを~/.ssh2/authorizationファイルに追加します。次に例を示します。

    [oracle@node1 .ssh]$ echo Key id_dsa_2048_a.pub >> authorization
    [oracle@node1 .ssh]$ echo Key id_rsa_2048_a.pub >> authorization
    
    
  3. ~/.ssh2/id_dsa_2048_a鍵ファイル、および~/.ssh/id_rsa_2048_a鍵ファイルを~/.ssh2/identificationファイルに追加します。次に例を示します。

    [oracle@node1 .ssh]$ echo IdKey id_dsa_2048_a >> identification
    [oracle@node1 .ssh]$ echo IdKey id_rsa_2048_a >> identification
    
    


    注意:

    この例では、Oracleユーザーのホーム・ディレクトリは、クラスタ・ファイル・システム上で共有され、CDSLベースのホーム・ディレクトリではないものとします。 


  4. Oracleユーザーの~/.ssh2/authorizationファイルおよび~/.ssh2/identificationファイルの権限を変更します。

    $ chmod 700 ~/.ssh2/authorization
    $ chmod 700 ~/.ssh2/identification
    
    

    この時点では、ssh2を使用して、他のノードにログインまたは他のノードでコマンドを実行する場合、DSA鍵の作成時に指定したパス・フレーズの入力を求めるプロンプトが表示されます。

クラスタ・メンバー・ノードでのSSH2ユーザー等価関係の有効化

ユーザー等価関係を有効にするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Universal Installerを実行するシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力します。

    $ exec /usr/bin/ssh-agent2 $SHELL
    $ /usr/bin/ssh-add2
    
    

    プロンプトで、生成した各鍵に対するパス・フレーズを入力します。


    注意:

    Oracle Universal Installerは、この同じ端末セッションから実行する必要があることに注意してください。別の端末セッションからインストーラを起動するには、手順2を繰り返す必要があります。 


  3. 次のようなコマンドを使用して、ご使用のSSH2構成をテストします。

    $ ssh2 node2 date
    
    

    SSH2が適切に構成されていれば、コマンドに対する応答が表示され、パスワードまたはパス・フレーズを求めるプロンプトは表示されることなくssh2やscpコマンドを使用できます。

    パスワードまたはパス・フレーズを求めるノードがある場合、そのノードの~/.ssh2/authorizationファイルに適切な公開鍵が含まれているかを確認します。


    注意:

    特定のシステムからのノードの接続に初めてSSH2を使用した場合、次のようなメッセージが表示されることがあります。

    The authenticity of host 'node1 (140.87.152.153)' can't be established.

    RSA key fingerprint is 7z:ez:e7:f6:f4:f2:4f:8f:9z:79:85:62:20:90:92:z9.

    Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?

    プロンプトでyesを入力して、次に進みます。再度、このシステムからこのノードに接続したときには、このメッセージは表示されなくなります。

    日付以外のメッセージまたはテキストが表示された場合は、インストールが失敗する可能性があります。これらのコマンドを入力したときに日付のみが表示されるように、必要な変更を行います。

    ログイン・スクリプト内の出力を生成する部分または入力を求める部分は、シェルが対話型の場合にのみ実行されるように記述する必要があります。 


X11転送エラーの防止

X11転送によってインストールが失敗しないように、次の手順に従って、Oracleソフトウェア所有者ユーザー用にユーザー・レベルのSSH2クライアント構成ファイルを作成します。

  1. テキスト・エディタを使用して、~oracle/.ssh2/configファイルを編集または作成します。

  2. ForwardX11属性がnoに設定されていることを確認します。次に例を示します。

    Host *
          ForwardX11 no
    
    

リモート端末の設定

リモート端末で作業を行っていて、そのローカル・ノードのみが表示されている場合(通常は、この状態になります)、次の構文を使用して、環境変数DISPLAYを設定します。

Bourne、KornおよびBashシェル:

$ export DISPLAY=hostname:0

Cシェル:

$ setenv DISPLAY 0

たとえば、Kornシェルを使用していて、ホスト名がnode1の場合は、次のコマンドを入力します。

$ export DISPLAY=node1:0

Oracle Clusterwareのインストール中にsttyコマンドによって発生するエラーの防止

Oracle Clusterwareのインストール中、Oracle Universal Installerは、SSH2(使用可能な場合)を使用してコマンドを実行したり、他のノードにファイルをコピーします。システム上の隠しファイル(.bashrcや.cshrcなど)にsttyコマンドが含まれていると、インストール中にエラーが発生します。

この問題を防止するには、すべてのSTDERR出力が停止されるようにこれらのファイルを変更する必要があります。次に例を示します。

oracleユーザーの環境の構成

Oracle Universal Installerは、oracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。

環境を構成するには、次の設定を行う必要があります。

PATH変数には、/usr/X11R6/binの前に$ORACLE_HOME/binが含まれていることも確認する必要があります。

oracleユーザーの環境を設定するには、次の手順を実行します。

  1. X端末(xterm)など、新しい端末セッションを開始します。

  2. 次のコマンドを入力して、このシステムでX Windowアプリケーションが表示可能であることを確認します。

    $ xhost + hostname
    
    

    hostnameは、ローカル・ホストの名前です。

  3. ソフトウェアをインストールするシステムにまだログインしていない場合は、oracleユーザーでそのシステムにログインします。

  4. oracleユーザーでログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
    
  5. 次のコマンドを入力して、oracleユーザーのデフォルトのシェルを確認します。

    $ echo $SHELL
    
    
  6. テキスト・エディタでoracleユーザーのシェル起動ファイルを開きます。

    • Bourneシェル(sh)、Bashシェル(bash)またはKornシェル(ksh):

      % vi .bash_profile
      
      
    • Cシェル(cshまたはtcsh

      % vi .login
      
      
  7. 次のように行を入力または編集して、デフォルトのファイル・モード作成マスクの値に022を指定します。

    umask 022
    
    
  8. 環境変数ORACLE_SIDORACLE_HOMEまたはORACLE_BASEがファイルに設定されている場合は、そのファイルから該当する行を削除します。

  9. ファイルを保存して、テキスト・エディタを終了します。

  10. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェル:

      $ . ./.bash_profile
      
      
    • Bourne、BashまたはKornシェル:

      $ . ./.profile
      
      
    • Cシェル:

      % source ./.login
      
      
  11. ローカル・システムにソフトウェアをインストールしていない場合は、次のコマンドを入力してXアプリケーションをローカル・システムに表示します。

    • Bourne、BashまたはKornシェル:

      $ DISPLAY=local_host:0.0 ; export DISPLAY
      
      
    • Cシェル:

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      
      

    この例で、local_hostは、Oracle Universal Installerを表示するために使用するシステム(ご使用のワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。

  12. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400MB未満である場合は、空き領域が400MB以上のファイル・システムを選択し、環境変数TEMPおよびTMPDIRを設定してこのファイル・システムの一時ディレクトリを指定します。


    注意:

    共有ファイル・システムは、RACインストール用の一時ファイル・ディレクトリ(通常、/tmp)の場所として使用できません。共有ファイル・システムに/tmpを配置すると、インストールは失敗します。 


    1. df -hコマンドを使用して、十分な空き領域を持つ適切なファイル・システムを選択します。

    2. 必要に応じて、次のコマンドを入力し、選択したファイル・システムに一時ディレクトリを作成して、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      $ su - root
      # mkdir /mount_point/tmp
      # chmod 775 /mount_point/tmp
      # exit
      
      
    3. 次のコマンドを入力して、環境変数TEMPおよびTMPDIRを設定します。

      • Bourne、BashまたはKornシェル:

        $ TEMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TEMP TMPDIR
        
        
      • Cシェル:

        % setenv TEMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
        

ハードウェア要件の確認

各システムは、次の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。

システムが各要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力して、物理RAMのサイズを確認します。

    # /bin/vmstat -P | grep "Total Physical Memory"
    
    

    システムに搭載されている物理RAMのサイズが要件のサイズより少ない場合、次の手順に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 次のコマンドを入力して、構成されたスワップ領域のサイズを確認します。

    # /sbin/swapon -s
    
    

    追加のスワップ領域を構成する(必要な場合)方法については、ご使用のオペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。

  3. 次のコマンドを入力して、/tmpディレクトリで使用できるディスク領域の大きさを確認します。

    # df -k /tmp
    
    

    このコマンドでは、ディスク領域が1KBブロック単位で表示されます。

    また、HP Tru64バージョン5.1B以上の場合、df -hコマンドを使用すると、ディスク領域はGBまたはMBブロック単位で表示されます。

    /tmpディレクトリ(4194304KBブロック未満)で使用できるディスク領域が400MB未満の場合、次のいずれかの手順を完了します。

    • 必要なディスク領域を確保するために、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境設定(後述)の際に、環境変数TEMPおよびTMPDIRを設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。

  4. 次のコマンドを入力して、システムの空きディスク領域の大きさを確認します。

    # df -h
    
    

    次の表に、各インストール・タイプのソフトウェア・ファイルの概算のディスク領域要件を示します。

    インストール・タイプ  ソフトウェア・ファイルの要件(GB) 

    Enterprise Edition 

    1.5以上 

    Standard Edition 

    1.5以上 

    カスタム(最大) 

    1.5以上 

ネットワーク要件の確認

Oracle Real Application Clusters環境に必要なネットワーク・ハードウェアおよびインターネット・プロトコル(IP)・アドレスがあるかを確認します。この項の内容は次のとおりです。

IPアドレス要件の確認

インストールを開始する前に、各ノードで使用可能な次のIPアドレスを準備しておく必要があります。

たとえば、各ノードに1つのパブリック・インタフェースと1つのプライベート・インタフェースがある2ノードのクラスタの場合、ネットワーク・インタフェースとして、次の表に示す構成が考えられます。ホスト・ファイルは、/etc/hostsです。

ノード  インタフェース名  種類  IPアドレス  登録先 

rac1 

rac1 

パブリック 

143.46.43.100 

DNS(これが使用できない場合はホスト・ファイル) 

rac1 

rac1-vip 

仮想 

143.46.43.104 

DNS(これが使用できない場合はホスト・ファイル) 

rac1 

rac1-priv 

プライベート 

10.0.0.1 

ホスト・ファイル 

rac2 

rac2 

パブリック 

143.46.43.101 

DNS(これが使用できない場合はホスト・ファイル) 

rac2 

rac2-vip 

仮想 

143.46.43.105 

DNS(これが使用できない場合はホスト・ファイル) 

rac2 

rac2-priv 

プライベート 

10.0.0.2 

ホスト・ファイル 

VIPのフェイルオーバーを有効にするために、前述の表に示す構成では、同じサブネット(143.46.43)で両方のノードのパブリックおよびVIPアドレスを定義しています。ノードまたはインターコネクトに障害が発生すると、関連付けられているVIPが動作可能なインスタンスに割り当てられ、そのVIPを介して接続しているクライアントに、障害が迅速に通知されます。アプリケーションおよびクライアントが透過的アプリケーション・フェイルオーバー・オプションを使用して構成されている場合、そのクライアントは動作可能なインスタンスに再接続されます。

ネットワーク・ハードウェア要件の確認

クラスタ内の各ノードは、次の要件を満たしている必要があります。

ネットワーク要件の設定

各ノードが要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 必要に応じて、パブリックおよびプライベート・ネットワーク用のネットワーク・アダプタを設置し、パブリックまたはプライベートIPアドレスを使用してこれらを設定します。

  2. パブリック・ネットワーク・インタフェースのホスト名およびIPアドレスをDNSに登録します。

  3. 各ノードに対して、1つの仮想ホスト名および仮想IPアドレスをDNSに登録します。

  4. すべてのノードの/etc/hostsファイルに、すべてのノードの各プライベート・インタフェースについて、次のような行を追加します。ここには、プライベートIPアドレスおよび対応するプライベート・ホスト名を指定します。

    10.0.0.1     rac1-priv1
    
    
  5. すべてのネットワーク・アダプタについて、インタフェース名および対応するIPアドレスを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/ifconfig
    
    

    出力結果から、パブリックまたはプライベート・ネットワーク・インタフェースとして指定する、すべてのネットワーク・アダプタのインタフェース名およびIPアドレスを確認します。


    注意:

    Oracle ClusterwareおよびRACをインストールする際に、この情報が必要になります。 


  6. NASデバイスまたはNFSマウントを使用したRACデータベースでパブリックIPアドレスから仮想IPアドレスにフェイルオーバーしてネットワーク・ハングを回避するには、ルートとして次のコマンドを実行し、ネーム・サービス・キャッシュ・デーモン(nscd)を有効にします。

    # /sbin/service  nscd start
    
    

ノードの時刻要件の確認

インストールを開始する前に、クラスタ内の各メンバー・ノードが、できるかぎり同じ日時に設定されていることを確認します。このためには、すべてのノードで同一Network Time Protocolサーバーを参照して、オペレーティング・システムのNetwork Time Protocol機能を使用することをお薦めします。

初期化パラメータTIMED_STATISTICStrueに設定されると、多くのOracleプロセスで時間が測定されます。これらの時間調整関数は、HP Tru64カーネルをコールし、Oracle Databaseのパフォーマンスに影響を与えます。プロセスがリアルタイム時計に直接アクセスできるようにして、過度に負荷のかかったシステムのパフォーマンスを向上させることができます。

リアルタイム時計にアクセスできるようにするには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーでログインします。

  2. 1つのクラスタ・ノードで次のコマンドを入力します。

    # mknod /dev/timedev c 15 0 
    # chmod a+r /dev/timedev
    
    


    注意:

    特別なファイル/dev/timedevは、再起動後にシステム上に残ります。 


  3. Oracleデータベース・インスタンスを再起動します。

    システムは、インスタンスの起動時のみ/dev/timedevファイルの存在を確認します。

  4. クラスタの各ノードで手順1から3を繰り返します。

非同期I/Oの構成

Tru64 UNIX SystemsのOracle Databaseでは、同期I/Oまたは非同期I/Oのいずれかを実行できます。パフォーマンスを向上させるには、非同期I/Oを使用することをお薦めします。非同期I/Oを有効にするには、初期化パラメータDISK_ASYNC_IOtrueに設定します。

Oracle Databaseでは、AdvFSまたはClustered File Systems(CFS)に格納されているデータ・ファイル、自動ストレージ管理ディスク・グループまたはRAWデバイスで非同期I/Oを使用できます。非同期I/Oのパフォーマンスを最適化するために、いくつかのカーネル・サブシステム属性を調整する必要があります。

CVUを使用したネットワーク設定の検証

oracleユーザーで次の構文を使用してコマンドを入力して、クラスタが構成されているすべてのノード間のノードの接続性を検証します。

/mountpoint/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh comp nodecon -n node_list [-verbose]

前述の構文例のnode_list変数は、クラスタ内のノードのカンマ区切りリストです。このコマンドによって、各クラスタ・ノードで使用可能なすべてのネットワーク・インタフェースが検出され、検出されたネットワーク・インタフェースを介したすべてのノード間の接続性が検証されます。

-verboseオプションは、CVUによるシステム検証の進捗状況および検証結果の詳細を表示する場合に選択します。

たとえば、node1およびnode2で構成され、マウント・ポイントが/dev/dvdromの2ノードのクラスタでノードの接続性を検証して、CVUによる検証の進捗状況とサマリーを表示するには、次のコマンドを入力します。

/dev/dvdrom/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh comp nodecon -n node1,node2 -verbose


注意:

このコマンドを使用すると、VIPとしての使用に適しているノードで使用可能なすべてのインタフェースのリストと、すべてのノードに正常に接続されているプライベート・インターコネクトのリストを取得できます。 


ソフトウェア要件の確認

インストールする製品に応じて、次のソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認してください。次の要件を確認するには、この項の次の「ソフトウェア要件の確認」を参照してください。


注意:

Oracle Universal Installerによって、ご使用のシステムが示された要件を満たしていることを確認する検証が実行されます。これらの検証で問題が検出されないように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。 


HP Tru64プラットフォームでのソフトウェア要件のリスト

表2-1    HP Tru64 Systemの要件 
項目  要件 

すべてのインストール 

オペレーティング・システムのバージョン

HP Tru64 UNIX 5.1B-3(patchkit 5) 

 

次のオペーティング・システム・サブセットをインストールする必要があります。

OSFCMPLRS
OSFLIBA
OSFPGMR
OSFSER
OSFX11
 

Oracle Real Application Clusters 

HP TruCluster 5.1B:

TCRBASE
TCRMIGRATE
 

Oracle Spatial 

X WindowおよびX/Motifソフトウェア:

OSFXDEVX
OSFXINCLUDE
OSFXLIBA

注意: このソフトウェアは、サンプル・プログラムを作成する場合にのみ必要です。 

PL/SQLのネイティブ・コンパイル、
Pro*C/C++、
Oracle Call Interface、
Oracle C++ Call Interface、
Oracle XML Developer's Kit(XDK) 

Compaq C CompilerバージョンDEC 6.5-207 developer's toolkit supplement(dtk):

DTCCMPLR

Compiler Driver V6.5-207(dtk)cc Driver V6.5-207(dtk)

Entrust IPSec Toolkit for C 6.0

Entrust Server Login 6.0

GNU C コンパイラgccバージョン 3.0

Compaq C++ Compiler(cxx)バージョンDEC 6.5-014:

CXXBASE
CXXLIB
CXXOLD
 

Pro*COBOL 

Micro Focus Server Express for Tru64 2.2 

Pro*FORTRAN 

Compaq Fortran 5.4A 

Oracle JDBC/OCIドライバ 

次の任意のJDKバージョンがOracle JDBC/OCIドライバで使用できます。ただし、これらのドライバは、インストールには必要ありません。

  • SDK v. 1.3.1-5

  • SDK v 1.2.2-12

注意: SDK v1.4.2は、Oracle Universal Installerでインストールされます。 

ソフトウェア要件の確認

システムが各要件を満たしていることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力して、インストールされているTru64のバージョンを確認します。

    # /usr/sbin/sizer -v
    Compaq Tru64 UNIX V5.1B (Rev. 2650); Mon Nov  3 10:13:28 PST 200
    
    

    この例で表示されるバージョンはV5.1Bです。オペレーティング・システムをアップグレードする(必要な場合)方法については、ご使用のオペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。

  2. 次のコマンドを入力して、Java SDK 1.4.2がインストールされているかどうかを確認します。

    # /usr/sbin/setld -i JAVA142 | more
    
    

    Java SDK 1.4.2がインストールされている場合、このコマンドでは、インストールされているすべてのファイルのパスが表示されます。Javaホーム・ディレクトリのパスを書き留めます。インストール時にこの値を指定する必要があります。デフォルトのパスは次のとおりです。

    /usr/opt/java142
    
    

    このコマンドによって「不明なサブセット」というメッセージが返される場合、Java SDK 1.4.2はインストールされていません。Java SDK 1.4.2-3以上がインストールされている必要があります。次のWebサイトからJava SDKをダウンロードし、インストールします。

    http://www.compaq.com/java/download/index.html
    
    
  3. 必要なソフトウェア・サブセットがインストールされているかどうかを確認するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • 次のコマンドを入力して、システムにインストールされているすべてのソフトウェア・サブセットのリストを表示します。

      # /usr/sbin/setld -i | more
      
      
    • 次のコマンドを入力して、特定のソフトウェア・サブセットがインストールされているかどうかを確認します。

      # /usr/sbin/setld -i | grep subsetname
      
      

    必要に応じて、必要なソフトウェア・サブセットをインストールします。Compaq C Compiler V6.5-207(dtk)が必要な場合、次のWebサイトからダウンロードします。

    http://www.tru64unix.compaq.com/dtk/
    
    
  4. 次のコマンドを入力して、X WindowおよびX/Motifパッケージがインストールされているかどうかを確認します。

    $ setld -i |grep Window 
    
    
  5. Oracle Messaging Gatewayを使用し、MQSeries classes for JavaおよびMQSeries classes for Java Message Service(SupportPac MA88)が必要な場合は、次のWebサイトからダウンロードします。

    http://www.ibm.com/support
    

必要なパッチの確認

インストールする製品に応じて、次のパッチがシステムにインストールされていることを確認してください。表の後に、これらの要件を確認する手順を示します。

HP Tru64のパッチ要件のリスト

表2-2    HP Tru64 UNIXで必要なパッチ 
インストール・タイプまたは製品  要件 

すべてのインストール 

Tru64 UNIX V5.1B Patch Kit 5以上:

T64V51BB26AS0005-20050502
 

Oracle Messaging Gateway 

MQSeries用の修正サービス・ディスケット(CSD):

MQSeries V5.1用の場合はCSD09以上 

パッチ要件の確認

必要なパッチ・キットがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/sbin/dupatch -track -type kit

このコマンドを実行しても前述の必要なパッチ・キットの表に示した識別子(上位のパッチ・キット・レベルの識別子)が表示されない場合は、次のWebサイトから最新のパッチ・キットをダウンロードし、インストールします(このWebサイトにアクセスするには、登録が必要です)。

http://itrc.hp.com/service/patch/mainPage.do

MQSeries用のCSDが必要な場合は、ダウンロードおよびインストール情報について、次のWebサイトを参照してください。

http://www.ibm.com/software/integration/mqfamily/support/summary/dig.html

カーネル・サブシステム属性の構成


注意:

この項には、カーネル・サブシステム属性値の推奨値のみを示します。本番データベース・システムでは、これらの値を調整してシステムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータの調整については、ご使用のオペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。

すべてのクラスタ・ノードで、カーネル・サブシステム属性が推奨値以上に設定されていることを確認します。 


これらのカーネル・サブシステム属性に指定されている現行の値を表示し、必要に応じて変更するには、次の手順を実行します。

  1. ルートでログインし、既存の/etc/sysconfigtabファイルをコピーします。次に例を示します。

    # cp /etc/sysconfigtab /etc/sysconfigtab.orig
    
    
  2. テキスト・エディタを使用して、次の内容でsysconfigmodという一連区切り形式の/etc/sysconfigtabファイルの変更ファイルを作成します。

    vfs:
         fifo_do_adaptive=0 
    
    
  3. 次のコマンドを使用して、既存の/etc/sysconfigtabファイルとsysconfigmodの内容をマージします。

    # sysconfigdb -m -f sysconfigmod
    
    
  4. 次のコマンド構文を使用してこの変更を確認し、サブシステム属性の現行の値を確認します。

    # /sbin/sysconfig -q subsystem
    
    

    前述の構文例のsubsystem変数は、確認する値のサブシステムの名前です。

    たとえば、ipcサブシステムの属性値を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/sysconfig -q ipc
    
    

    procサブシステムの属性値を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/sysconfig -q proc 
    
    

    rdgサブシステムの属性値を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/sysconfig -q rdg
    
    

    次の表に示すカーネル・サブシステムを確認します。


    注意:

    現行の値を書き留めて、変更する必要がある値を指定します。 


    表2-3    HP Tru64カーネル・サブシステム属性で必要な値 
    サブシステム  属性  推奨値 

    ipc 

    shm_max 

    4278190080(4GBから16MBを減算) 

    shm_min 

    shm_mni 

    256 

    shm_seg 

    256 

    ssm_threshold 

    rad_gh_regions[n]またはgh_chunks属性がvmサブシステムに設定されている場合のみ、この属性を0に設定します。それ以外の場合は、値を変更しません。 

    proc 

    exec_disable_arg_limit 

    per_proc_stack_size 

    8388608(8MB)1 

    max_per_proc_stack_size 

    33554432(32MB)1 

    per_proc_data_size 

    335544320(320MB) 

    max_per_proc_data_size 

    335544320(320MB) 

    max_per_proc_address_space 

    RAMのサイズまたは1073741824(1GB)のいずれか大きい方に等しい。 

    per_proc_address_space 

    RAMのサイズまたは1073741824(1GB)のいずれか大きい方に等しい。 

    rdg 

    msg_size 

    32768 

    max_objs 

    5120 

    max_async_req 

    256 

    max_sessions 

    500(この値が大きい場合、システム上のデータベースのPROCESSES初期化パラメータの値を20以上に加算した値) 

    rdg_max_auto_msg_wires 

    rdg_auto_msg_wires 

    rt 

    aio_task_max_num 

    8193 

    vfs 

    fifo_do_adaptive 

    1 Oracleでサポートでサポートしているこのパラメータの最大値は512MBです。


    注意:

    vfsパラメータnew_wire_methodは、HP Tru64の現行のパッチセットでは廃止されています。 


  5. 現行の値をすべて変更する必要がある場合は、次の手順を実行します。

    1. /etc/sysconfigtabファイルのバックアップ・コピーを作成します。次に例を示します。

      # cp /etc/sysconfigtab /etc/sysconfigtab.mod1
      
      
    2. 任意のテキスト・エディタを使用して、次のように一連区切り形式のファイルを作成し、変更するサブシステムおよび属性を指定します。

      ipc:
           shm_max = 4278190080
           shm_min = 1
           shm_mni = 256
           shm_seg = 128
      
      proc:
           exec_disable_arg_limit = 1
           per_proc_stack_size = 8388608
           max_per_proc_stack_size = 33554432
           per_proc_data_size = 335544320
           max_per_proc_data_size = 335544320
           max_per_proc_address_space = 4294967296
           per_proc_address_space = 4294967296
      
      rdg:
        msg_size = 32768
        max_objs = 5120
        max_async_req = 256
        max_sessions = 500
        rdg_max_auto_msg_wires = 0
        rdg_auto_msg_wires = 0
      
      
    3. 次のコマンドを入力して、不足したサブシステム属性または変更したサブシステム属性を/etc/sysconfigtabファイルにマージします。

      # /sbin/sysconfigdb -m -f filename
      
      

      この例では、filenameは、手順bで作成したファイルの名前です。

    4. 次のコマンドを入力して、システムを再起動します。

      # /sbin/shutdown -r now
      
      
    5. システムの再起動時に、ログインして、ユーザーをrootに切り替えます。

  6. (任意)db_block_sizeが16KB以上で、UDP IPC実装を使用している場合、/etc/sysconfigtab ファイルのinetパラメータを次の値以上になるように編集します。

    inet: udp_recvspace = 65536
    udp_sendspace = 65536
    
    


    注意:

    Oracle Real Application ClustersのデフォルトのIPCはRDGです。 


  7. 他のすべてのクラスタ・ノードで、この手順を繰り返します。

Reliable Datagram(RDG)の構成

Reliable Data Gram(RDG)は、Tru64 UNIX TruClusterプラットフォームのIPCインフラストラクチャです。RDGは、Tru64 UNIX上のOracle DatabaseのデフォルトのIPC方式で、Oracle Real Application Clusters環境に最適化されています。

IPCとしてReliable Datagram(RDG)を使用するには、次のコマンドを実行します。

# make -f ins_rdbms.mk rac_on

# make -f ins_rdbms.mk ioracle

RDGを使用するには、各ノードがクラスタのメンバーで、メモリー・チャネルを介して接続されている必要があります。RDGを使用する際に、表2-4に示すノード全体のサブシステム属性を設定することをお薦めします。

表2-4    rdgサブシステム属性の設定 
属性  設定 

max_objs 

1ノード当たりのOracleプロセス数の5倍以上で、最大で、10240、またはOracleプロセスに70を掛けた値のいずれか大きい方の値。 

msg_size 

データベースのDB_BLOCK_SIZEパラメータの最大値以上。

Oracle Databaseでは、各表領域に対して異なるブロック・サイズをサポートしているため、msg_sizeの値は、32768に設定することをお薦めします。 

max_async_req 

100以上、またはオペレーティング・システムのデフォルト値のいずれか大きい方。

注意:システムのロードに応じて、1000以上の値では、パフォーマンスが向上する場合があります。 

max_sessions 

170(20+Oracle PROCESSES初期化パラメータの値)  

rdg_max_auto_msg_wires 

0に設定する必要があります。 

CVUを使用したハードウェアおよびオペレーティング・システム設定の検証

oracleユーザーで次のコマンド構文を使用して、ハードウェアおよびオペレーティング・システム設定を確認するためのクラスタ検証ユーティリティ(CVU)のステージ検証を開始します。

/mountpoint/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh stage -post hwos -n node_list [-verbose]

前述の構文例のnode_list変数は、クラスタ内のノードのカンマ区切りリストです。たとえば、node1およびnode2で構成され、マウント・ポイントが/dev/dvdrom/の2ノードのクラスタのハードウェアおよびオペレーティング・システムを、検証結果のみを出力するオプションを指定して検証するには、次のコマンドを入力します。

/dev/dvdrom/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh stage -post hwos -n node1,node2

-verboseオプションは、クラスタ検証ユーティリティによるシステム検証の進捗状況および検証結果の詳細を表示する場合に選択します。

CVUを使用したオペレーティング・システム要件の設定の検証

oracleユーザーで次のコマンド構文を使用し、インストール前の作業を行うためのオペレーティング・システム要件をシステムが満たしているかどうかを検証します。

/mountpoint/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh comp sys -n node_list -p {crs|database} 
-osdba osdba_group -orainv orainv_group -verbose

前述の構文例の意味は次のとおりです。

-verboseオプションを選択すると、CVUによるシステム検証の進捗状況および検証結果の詳細を表示できます。

たとえば、node1およびnode2で構成され、OSDBAがdba、Oracle Inventoryグループがoinstall、メディア・マウント・ポイントが/dev/dvdrom/の2ノードのクラスタで、Oracle Clusterwareインストールに対してシステム検証を実行するには、次のコマンドを入力します。

/dev/dvdrom/crs/Disk1/cluvfy/runcluvfy.sh comp sys -n node1,node2 -p crs -osdba crs 
-orainv oinstall

必要なソフトウェア・ディレクトリの選択

Oracleソフトウェアに対して、次のディレクトリを選択または作成する必要があります。

次の項では、これらのディレクトリの要件について説明します。

Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア環境における最上位ディレクトリです。Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインに従って、Oracleベース・ディレクトリに次のようなパスを使用します。

/mount_point/app/oracle_sw_owner

この例の意味は、次のとおりです。

同じOracleベース・ディレクトリを複数の環境に使用したり、環境ごとに別のOracleベース・ディレクトリを作成することができます。複数のオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステムにOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは別々のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例のOracleベース・ディレクトリは、すべて同じシステムに作成できます。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser
/opt/oracle/app/oracle

次の項では、インストールに適切な既存のOracleベース・ディレクトリを選択する方法について説明します。また、必要に応じて、Oracleベース・ディレクトリを作成する方法についても説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか、既存のOracleベース・ディレクトリを使用するかにかかわらず、環境変数ORACLE_BASEに、Oracleベース・ディレクトリのフル・パスを指定する必要があります。


注意:

Oracleベース・ディレクトリは、クラスタ・ファイル・システム上に存在する必要があります。 


Oracle Inventoryディレクトリ

Oracle Inventoryディレクトリ(oraInventory)は、システムにインストールされているすべてのソフトウェアのインベントリを格納します。このディレクトリは、単一システムのすべてのOracleソフトウェア環境に必要で、共有されます。システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする場合は、Oracle Universal Installerによって、このディレクトリのパスの指定を求めるプロンプトが表示されます。ローカル・ファイル・システムにソフトウェアをインストールしている場合、次のパスを選択することをお薦めします。

oracle_base/oraInventory

Oracleベース・ディレクトリは、クラスタ・ファイル・システムに配置されているため、Oracle Central Inventoryディレクトリは、各ノードに中央インベントリの別のコピーがあるように、各ノードに非公開でマウントされたローカル・ファイル・システムに配置する必要があります。

Oracle Central Inventoryの共有の場所を指定すると、各ノードは同じ中央インベントリに書き込もうとします。これは、サポートされていません。

Oracle Universal Installerによって、指定したディレクトリが作成され、そのディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。自分でこのディレクトリを作成する必要はありません。


注意:

Oracleベース・ディレクトリは、すべてのOracleソフトウェア環境の基礎となります。定期的にこのディレクトリをバックアップしてください。

システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除した場合を除き、Oracleベース・ディレクトリは削除しないでください。 


Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリ

Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリは、Oracle Clusterwareのソフトウェアをインストールするディレクトリです。Oracle Clusterwareは個別のホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを起動すると、このディレクトリのパスと識別名の指定を求めるプロンプトが表示されます。Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。

/u01/app/oracle/product/crs


注意:

Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリのすべての親ディレクトリの権限を変更して、rootユーザーに対してのみ書込み権限を付与する必要があるため、Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリにはしないでください。 


Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするディレクトリです。個々のOracle製品、または同じOracle製品でもリリースが異なる場合は、別々のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。


注意:

Oracleホーム・ディレクトリは、クラスタ・ファイル・システム上に存在する必要があります。 


Oracle Universal Installerを起動すると、このディレクトリのパスと識別名の指定を求めるプロンプトが表示されます。ここで指定するディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリである必要があります。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。

oracle_base/product/10.2.0/db_1

Oracle Universal Installerによって、Oracleベース・ディレクトリの下に、指定したディレクトリ・パスが作成されます。さらに、そのディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。自分でこのディレクトリを作成する必要はありません。


注意:

インストール時に、事前定義された権限がOracleホーム・ディレクトリとして適用される既存のディレクトリを指定する必要はありません。そうする場合、ファイルおよびグループの所有権エラーのためインストールが失敗する場合があります。 


Oracleベース・ディレクトリの選択または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを選択するか、または必要に応じてOracleベース・ディレクトリを作成します。この項の内容は次のとおりです。

既存のOracleベース・ディレクトリの選択

既存のOracleベース・ディレクトリが、OFAのガイドラインに準拠したパスを持たない場合があります。ただし、既存のOracle InventoryディレクトリやOracleホーム・ディレクトリを選択する場合に、通常、次の方法でOracleベース・ディレクトリを選択できます。

インストールに既存のOracleベース・ディレクトリを使用する前に、そのディレクトリが次の条件を満たしていることを確認します。

Oracleベース・ディレクトリがシステムに存在しない場合またはOracleベース・ディレクトリを作成する場合は、次の項を参照してください。

Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、適切なファイル・システムを選択する必要があります。Oracleベース・ディレクトリには、1.5GB以上の空きディスク領域が必要です。

適切なファイル・システムを選択するには、次の手順を実行します。

  1. df -h コマンドを使用して、マウントされた各ファイル・システムの空きディスク領域を確認します。

  2. 表示された情報から、適切な空き領域を持つファイル・システムを選択します。


    注意:

    Oracleベース・ディレクトリは、クラスタ・ファイル・システム上に存在する必要があります。 


    Oracleベース・ディレクトリのパスは、すべてのノードで同一である必要があります。

  3. 選択したファイル・システムに対するマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限を指定するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力して、選択したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、そのサブディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    
    

    たとえば、選択したマウント・ポイントが/u01で、Oracleソフトウェア所有者のユーザー名がoracleである場合、Oracleベース・ディレクトリの推奨パスは次のようになります。

    /u01/app/oracle
    
    
  2. 必要に応じて、前の手順で示したコマンドを繰り返し、他のクラスタ・ノードにも同じディレクトリを作成します。

  3. この章の後半でoracleユーザーの環境を構成する際に、この作業で作成したOracleベース・ディレクトリが指定されるように環境変数ORACLE_BASEを設定します。

Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリの作成

Oracle Universal Installer(OUI)によってOracle Clusterwareホーム・ディレクトリが作成されます。インストールを開始する前に、Oracle Clusterwareディレクトリ用にファイル・システムに十分なディスク領域が提供され、Oracle Clusterwareディレクトリ領域の親ディレクトリがoracleによって書込み可能であることを確認します。

適切なファイル・システムを選択するには、次の手順を実行します。

  1. df -hコマンドを使用して、マウントされた各ファイル・システムの空きディスク領域を確認します。

  2. 表示された情報から、1.4GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。

    Oracleベース・ディレクトリに同じファイル・システムを使用している場合は、以前に確認した空きディスク領域要件にこの1.4GBのディスク領域を追加する必要があります。


    注意:

    ファイル・システムは、クラスタ・ファイル・システムである必要があります。 


    Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリへのパスは、すべてのノードで同一である必要があります。

  3. 選択したファイル・システムに対するマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。

Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限を指定するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力して、選択したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、そのサブディレクトリに適切な所有者、グループおよび権限を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/crs/oracle_sw_owner/product/10/app
    # chown -R root:oinstall /mount_point/crs
    # chmod -R 775 /mount_point/crs/oracle_sw_owner
    
    

    選択したマウント・ポイントが/u01の場合、Oracle Clusterwareホーム・ディレクトリの推奨パスは次のようになります。

    /u01/crs/oracle/product/10/crs
    
    


    注意:

    インストール後、rootユーザーのみがOracle Clusterwareホーム・ディレクトリに書き込めるように、権限を変更する必要があります。 


  2. 必要に応じて、前の手順で示したコマンドを繰り返し、他のクラスタ・ノードにも同じディレクトリを作成します。

  3. 次のコマンドを入力して、Oracle Clusterwareのインストールの準備として環境変数ORACLE_BASEおよびORACLE_HOMEを設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェル:

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
      $ ORACLE_HOME=/u01/crs/oracle/product/10/app
      $ export ORACLE_BASE
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cシェル:

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      % setenv ORACLE_HOME /u01/crs/oracle/product/10/app
      
      
  4. 次のコマンドを入力して、環境変数TNS_ADMINが設定されていない状態にします。

    • Bourne、BashまたはKornシェル:

      $ unset TNS_ADMIN
      
      
    • Cシェル:

      % unsetenv TNS_ADMIN
      
      
  5. 次のコマンドを入力して、環境が正しく設定されていることを確認します。

    $ umask
    $ env | more
    
    

    umaskコマンドによって22022または0022の値が表示され、この項で設定する環境変数の値が正しいことを確認します。

Spike最適化ツールの概要

Spike最適化ツール(Spike)は、Tru64 UNIXバイナリのパフォーマンスを向上させるパフォーマンス最適化ツールです。テスト環境では、SpikeによってOLTPのワークロード時に最大23%までOracle Databaseのパフォーマンスが向上しました。

Spikeの詳細は、Tru64 UNIXのドキュメントを参照するか、または次のコマンドのいずれかを入力します。

man spike
spike

参照:

Spikeを使用するための構成および推奨については、『Oracle Database管理者リファレンスfor UNIX Systems』を参照してください。 

アップグレードまたはデータベースの共存のための既存のOracleプロセスの停止

表2-5に、Oracle Database 10g リリース2(10.2)をインストールするシステムに既存のOracleデータベースがある場合に実行する必要がある作業の概要を示します。この表を確認して、必要に応じて作業を実行します。

参照:

アップグレードを実行するための準備の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。 

表2-5    アップグレードまたはデータベースの共存のためのシステムの準備の概要 
インストール例  必要な作業 

Oracle Database 10g リリース1(10.1)から10g リリース2(10.2)へのアップグレード 

追加の作業はありません。「Oracle 10g リリース1(10.1)がインストールされているシステムへのOracle 10g リリース2(10.2)のインストール」を参照してください。 

Oracle Database 10g リリース1(10.1)と共存させるためのシステムへのOracle Database 10g リリース2(10.2)のインストール 

追加の作業はありません。「Oracle 10g リリース1(10.1)がインストールされているシステムへのOracle 10g リリース2(10.2)のインストール」を参照してください。 

Oracle9i リリース2(9.2)からOracle Database 10g リリース2(10.2)へのアップグレード 

グローバル・サービス・デーモンを停止し、ポート1521のデフォルトのリスナーが存在する場合はこれも停止します。「Oracle9i リリース2(9.2)がインストールされているシステムへのOracle 10g リリース2(10.2)のインストール」を参照してください。 

Oracle9i リリース2(9.2)と共存させるためのシステムへのOracle Database 10g リリース2(10.2)のインストール 

ポート1521のデフォルトのリスナーが存在する場合は停止し、グローバル・サービス・デーモンを停止します。「Oracle9i リリース2(9.2)がインストールされているシステムへのOracle 10g リリース2(10.2)のインストール」を参照してください。 

Oracle 10g リリース1(10.1)がインストールされているシステムへのOracle 10g リリース2(10.2)のインストール

システムにOracle Database Release 10g リリース1(10. 1)がインストールされている場合に、共存またはリリース1(10.1)をアップグレードするためにOracle Database 10g リリース2(10.2)をインストールすると、ほぼすべてのインストール・タイプで、TCP/IPポート1521およびIPCキー値EXTPROCを使用したデフォルトのOracle Net Listenerの構成および起動が行われます。次のいずれかが発生します。

第3章に進みます。

Oracle9i リリース2(9.2)がインストールされているシステムへのOracle 10g リリース2(10.2)のインストール

この項では、準備のための手順について説明します。

作業の説明

Oracle9i リリース2(9.2)の既存のデータベースがインストールされているシステムにOracle Database 10g リリース2(10.2)をインストールし、Oracle Net ListenerプロセスがOracle 10g リリース2(10.2)のインストールで使用されるデフォルトと同じポート(ポート1521)またはキー値を使用している場合、Oracle Universal Installerは新しいリスナーを構成することのみが可能で、それを起動することはできません。新しいリスナー・プロセスがインストール時に起動されるようにするには、Oracle Universal Installerを起動する前に既存のリスナーを停止する必要があります。これを実行するには、「リスナーの停止」を参照してください。

グローバル・サービス・デーモン(GSD)を停止する必要があります。これは、停止しておかないと、10g リリース2(10.2)のインストール時に、Oracle9i リリース2(9.2)のSRVM共有データが、リリース2(9.2)のGSDでは使用できないOracle Cluster Registryにアップグレードされるためです。リリース2(10.2)のOracle Clusterwareのインストールでは、10g リリース2(10.2)のGSDが起動され、Oracle9i リリース2(9.2)のクライアントに対しサービスが提供されます。これを実行するには、「グローバル・サービス・デーモンの停止」を参照してください。

リスナーの停止

Oracle9i の既存のリスナー・プロセスが実行されているかどうかを確認し、必要に応じて停止するには、次の手順を実行します。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

    # su - oracle
    
    
  2. 次のコマンドを入力して、Oracle9i のリスナー・プロセスが実行されているかどうかを確認し、その名前およびリスナー・プロセスが組み込まれているOracleホーム・ディレクトリを特定します。

    $ ps -ef | grep tnslsnr
    
    

    このコマンドの出力結果に、システムで実行されているOracle Net Listenerの情報が表示されます。

    ... oracle_home1/bin/tnslsnr LISTENER -inherit
    
    

    この例では、oracle_home1が、リスナーが組み込まれているOracleホーム・ディレクトリで、LISTENERがリスナー名です。


    注意:

    Oracle Net Listenerが実行されていない場合は、第3章に進みます。 


  3. 環境変数ORACLE_HOMEに、リスナーに適したOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェル:

      $ ORACLE_HOME=oracle_home1
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cまたはtcshシェル:

      % setenv ORACLE_HOME oracle_home1
      
      
  4. 次のコマンドを入力して、リスナーで使用されているTCP/IPポート番号およびIPCキー値を確認します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl status listenername
    


    注意:

    リスナーにデフォルト名LISTENERを使用している場合は、このコマンドでリスナー名を指定する必要はありません。 


  5. 次のコマンドを入力して、リスナー・プロセスを停止します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop listenername
    
    
  6. この手順を繰り返して、このシステムおよび他のすべてのクラスタ・ノードで実行されているすべてのリスナーを停止します。

グローバル・サービス・デーモンの停止

クラスタ内の各ノードで、oracleとして次の構文を使用し、GSDを停止します。

$ cd 92_Oracle_home
$ bin/gsdctl stop

前述の構文例で、変数92_Oracle_homeはOracle9i リリース2(9.2)のデータベース・ホームです。


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