Oracle Database インストレーション・ガイド 10gリリース2(10.2) for Linux x86-64 B25530-02 |
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この章では、ソフトウェアのインストール後にインストール後の作業を完了する方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。
「インストール後の必須作業」で説明する作業は、必ず実行してください。どのインストール・タイプの場合も、「インストール後の推奨作業」で説明する作業を実行することをお薦めします。
「インストール後の製品固有の必須作業」で説明する製品のいずれかをインストールしており、使用する予定の場合は、製品固有の項で説明する作業を実行する必要があります。
インストールの完了後は、ここで説明する各作業を実行する必要があります。
OracleMetaLinkのWebサイトで、インストールに必要なパッチを確認します。
必要なパッチをダウンロードする手順は、次のとおりです。
http://metalink.oracle.com
多くのOracle製品およびオプションは、使用を開始する前に構成する必要があります。個々のOracle製品またはオプションを使用する前に、製品のドキュメント・ライブラリに格納されている適切なマニュアルを参照してください。
インストールの完了後は、ここで説明する各作業を実行することをお薦めします。
インストールの完了後に、root.sh
スクリプトのバックアップを作成することをお薦めします。他の製品を同じOracleホーム・ディレクトリにインストールすると、Oracle Universal Installerによりインストール中に既存のroot.sh
スクリプトの内容が更新されます。元のroot.sh
スクリプトに含まれていた情報が必要な場合は、バックアップのroot.sh
ファイルからリカバリできます。
データベースを新規作成またはアップグレードした後は、utlrp.sql
スクリプトを実行することをお薦めします。このスクリプトは、パッケージ、プロシージャおよび型も含めて、無効な状態となっている可能性があるすべてのPL/SQLモジュールを再コンパイルします。このスクリプトはオプションの手順ですが、インストール時に(後日ではなく)実行することをお薦めします。
utlrp.sql
スクリプトを実行する手順は、次のとおりです。
oracle
に切り替えます。
oraenv
またはcoraenv
スクリプトを使用して、utlrp.sql
スクリプトを実行するデータベースの環境を設定します。
プロンプトに対して、データベースのSIDを指定します。
$ sqlplus "/ AS SYSDBA"
SQL> STARTUP
utlrp.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @?/rdbms/admin/utlrp.sql
ユーザー・アカウントの追加設定の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンス』を参照してください。
NLS_LANG
は、Oracleソフトウェアのロケール動作を指定する環境変数です。この変数では、クライアント・アプリケーションとデータベース・サーバーに使用する言語と地域を設定します。また、クライアント用のキャラクタ・セットも設定します。これは、SQL*Plusなど、Oracleクライアント・プログラムにより入力または表示されるデータのキャラクタ・セットです。
クライアントの静的ライブラリ(libclntst10.a
)は、インストール時に生成されません。クライアントの静的ライブラリにアプリケーションをリンクする場合は、次の手順に従って最初に静的ライブラリを生成する必要があります。
oracle
に切り替えます。
$ $ORACLE_HOME/bin/genclntst
ここでは、該当する製品をインストールして使用する場合に実行する必要のある、プラットフォーム固有のインストール後の作業について説明します。
システムに以前のリリースのOracleソフトウェアがインストールされている場合は、Oracle Netのtnsnames.ora
およびlistener.ora
構成ファイルの情報を、以前のリリースから新しいリリースの対応するファイルにコピーできます。
以前のリリースのOracle Databaseからアップグレードする場合は、以前のリリースではなく現行リリースのOracle Netリスナーを使用することをお薦めします。
現行リリースのリスナーを使用するには、静的なサービス情報を、以前のリリースのlistener.ora
ファイルから新しいリリースで使用するファイルのバージョンにコピーする必要があります。
リリース8.0.3より前のデータベース・インスタンスについては、listener.ora
ファイルに静的サービス情報を追加します。リリース8.0.3以降のOracle Databaseは、静的サービス情報を必要としません。
中央のtnsnames.ora
ファイルを使用していない場合は、Oracle Netのサービス名と接続記述子を、以前のリリースのtnsnames.ora
ファイルから新しいリリースで使用するファイルのバージョンにコピーします。
必要な場合は、追加のデータベース・インスタンスの接続情報を新しいファイルに追加することもできます。
Oracle Label Securityをインストールした場合は、使用する前にデータベース内で構成する必要があります。Oracle Label Securityを構成するには、Oracle Internet Directoryの統合を使用する方法と使用しない方法があります。Oracle Internet Directoryの統合を使用せずにOracle Label Securityを構成した場合、後でOracle Internet Directoryを使用するように構成することはできません。
Oracle JVMまたはOracle interMediaの使用を計画している場合、それらの製品で使用されるネイティブにコンパイルされたJavaライブラリ(NCOMP)はOracle Database 10g Companion CDからインストールすることをお薦めします。これらのライブラリでは、プラットフォーム上の製品のパフォーマンスを改善するよう要求されます。
Companion CDから製品をインストールする方法は、「Companion CDからのOracle Database 10g製品のインストール」を参照してください。
Oracle Textのナレッジ・ベースは、テーマの索引付け、ABOUT問合せ、およびドキュメント・サービスでのテーマの抽出ツリー階層に使用される概念の階層ツリーです。Oracle Textの機能のいずれかの使用を計画する場合、提供する2つのナレッジ・ベース(英語とフランス語)をOracle Database 10g Companion CDからインストールできます。
関連項目
ナレッジ・ベースの作成および拡張の詳細は、『Oracle Textリファレンス』を参照してください。 Companion CDから製品をインストールする方法は、「Companion CDからのOracle Database 10g製品のインストール」を参照してください。 |
Oracle Messaging Gatewayを構成する方法は、『Oracle Streamsアドバンスト・キューイング・ユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』のメッセージ・ゲートウェイに関する項を参照してください。このマニュアルに記載されている指示に従う場合、listener.ora
、tnsnames.ora
およびmgw.ora
ファイルの構成手順の詳細は、この項を参照してください。
外部プロシージャ用に/$ORACLE_HOME/network/admin/listener.ora
ファイルを変更する手順は、次のとおりです。
listener.ora
ファイルのバックアップを作成します。
(ADDRESS = (PROTOCOL=IPC)(KEY=EXTPROC))
listener.ora
ファイル内でリスナーのSID_LISTパラメータに次のような各行を追加して、mgwextproc
と呼ばれるサービスに関する静的サービス情報を追加します。
(SID_DESC = (SID_NAME = mgwextproc) (ENVS = EXTPROC_DLLS=/oracle_home/lib32/libmgwagent.so, LD_LIBRARY_PATH=/oracle_home/jdk/jre/lib/i386:/oracle_home/jdk/jre/lib/i386 /server:/oracle_home/lib32 (ORACLE_HOME = oracle_home) (PROGRAM = extproc32) )
各項目の意味は次のとおりです。
共有ライブラリ・パス環境変数の設定では、WebSphere MQやTIBCO Rendezvousなど、Oracle以外のメッセージ・システムに必要な追加ライブラリ・パスも追加してください。
oracle_home
は、Oracleホーム・ディレクトリのパスです。
extproc32
は、外部プロシージャ・エージェントの実行可能ファイルです。次の例に、listener.ora
ファイルのサンプルを示します。
SID_LIST_LISTENER = (SID_LIST = (SID_DESC = (SID_NAME = PLSExtProc) (ORACLE_HOME = /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1) (PROGRAM = extproc) ) (SID_DESC = (SID_NAME = mgwextproc) (ENVS = EXTPROC_DLLS=/oracle_home/lib/libmgwagent.so, LD_LIBRARY_PATH =/u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/jdk/jre/ lib/i386:/u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/jdk/jre/lib/i386/server: /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1/lib) (ORACLE_HOME = /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1) (PROGRAM = extproc32) ) )
外部プロシージャ用に$ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.ora
ファイルを変更する手順は、次のとおりです。
tnsnames.ora
ファイルのバックアップを作成します。
tnsnames.ora
ファイル内で、次のようにネット・サービス名MGW_AGENT
を指定して接続記述子を追加します。
MGW_AGENT = (DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST= (ADDRESS= (PROTOCOL=IPC)(KEY=EXTPROC))) (CONNECT_DATA= (SID=mgwextproc) (PRESENTATION=RO)))
各項目の意味は次のとおりです。
外部プロシージャ用に$ORACLE_HOME/mgw/admin/mgw.ora
ファイルを変更するには、CLASSPATH環境変数を設定して、次の表にあるクラス、およびOracle以外のメッセージ・システム(WebSphere MQ、TIBCO Rendezvousクラスなど)にアクセスするOracle Messaging Gatewayに必要なすべての追加クラスを含めます。
この項では、Oracleプリコンパイラに関するインストール後の作業について説明します。
PATH環境変数の設定に、Cコンパイラの実行可能ファイルを含むディレクトリが指定されていることを確認します。
表4-1に、コンパイラのデフォルト・ディレクトリおよびパス設定確認コマンドを示します。
パス | コマンド |
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Red Hat Enterprise Linux 3では、このリリースとともに2セットのOracle C++ Call Interface(OCCI)ライブラリがインストールされます。1つのセットはリリース2.96のGNU C++コンパイラ、残りの1セットはリリース3.2のGNU C++で使用します。ライブラリは次の位置にインストールされます。
$ORACLE_HOME/lib/libocci10_296.a $ORACLE_HOME/lib/libocci10_296.so.10.1
$ORACLE_HOME/lib/libocci10.a $ORACLE_HOME/lib/libocci10.so.10.1
$ORACLE_HOME/lib/libocci10.a $ORACLE_HOME/lib/libocci10.so.10.1
ライブラリはすべてのLinuxディストリビューションでインストールされますが、一部のディストリビューションではサポートされません。次の表に、各ディストリビューションでサポートされるGNU C++バージョンを示します。
Linuxディストリビューション | サポートされるGNU C++バージョン |
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Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3 |
2.96および3.2 |
SUSE Linux Enterprise Server 9 |
3.3.3-43のみ |
ディストリビューションの該当するライブラリへの必要なシンボリック・リンクを$ORACLE_HOME/lib
ディレクトリに作成するには、バックアップの作成後にライブラリへのシンボリック・リンクを作成するか、ライブラリを上書きする必要があります。たとえば、次のコマンドを使用すると、$ORACLE_HOME/lib/libocci10.a
および$ORACLE_HOME/lib/libocci10.so.10.1
を削除した後にライブラリへのシンボリック・リンクを作成できます。
$ ln -s $ORACLE_HOME/lib/libocci10_296.a $ORACLE_HOME/lib/libocci10.a $ ln -s $ORACLE_HOME/lib/libocci10_296.so.10.1 $ORACLE_HOME/lib/libocci10.so.10.1
サポートされているプライマリ・コンパイラを使用できない場合、GCCをプライマリ・コンパイラとして構成できます。共有ライブラリに常駐するネイティブ・コードにコンパイルすると、パッケージなどのPL/SQLモジュールのパフォーマンスを高速化できます。この方法では、モジュールをCコードに変換し、Cコンパイラでコンパイルしてから、Oracleプロセスにリンクします。すべてのOracleモジュールのコンパイルに1つのコンパイラを使用する必要があることに注意してください。一部のモジュールをプライマリ・コンパイラでコンパイルし、他のモジュールを別のコンパイラでコンパイルすることはできません。
オペレーティング・システムでサポートされているプライマリ・コンパイラとGNU Compiler Collection(GCC)の両方が使用可能な場合は、サポートされているプライマリ・コンパイラを使用します。ただし、サポートされているプライマリ・コンパイラが使用できない場合は、GCCを使用してください。
GCCをプライマリ・コンパイラとして構成する手順は、次のとおりです。
spnc_commands
構成ファイルを開きます。デフォルト・インストールでは、spnc_commands
ファイルは$ORACLE_HOME/plsql
ディレクトリにあります。
/opt/intel_cce_80/bin/icc -Qlocation,as,/usr/bin/ -Qlocation,ld,/usr/bin/ %(src) -O1 -fPIC -fp -mp1 -fp_port -I$(ORACLE_HOME)/plsql/include -I$(ORACLE_HOME)/plsql/public -Wl,-s -shared -o %(so)
# /usr/bin/gcc -B/usr/bin/ %(src) -c -O1 -fPIC -I$(ORACLE_HOME)/plsql/include -I$(ORACLE_HOME)/plsql/public -o %(obj) /usr/bin/ld -s -shared %(obj) -o %(so)
spnc_commands
構成ファイルを保存して閉じます。デフォルトでは、PL/SQLのネイティブ・コンパイルはGCCコンパイラを使用するように構成されます。GCCコンパイラのかわりにIntel C++コンパイラ(ICC)を使用する場合は、次の手順で$ORACLE_HOME/plsql/spnc_commands
ファイルを変更します。
Oracle Database 10g Companion CDには、インストール可能な製品が追加されています。これらの製品は、使用するOracle Databaseの製品または機能に応じてインストールしてください。次の製品または機能の使用を予定している場合は、Companion CDからOracle Database 10g製品をインストールする必要があります。
Companion CDからソフトウェアをインストールする方法は、Oracle Database Companion CDのクイック・インストレーション・ガイドを参照してください。
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