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Oracle Database Clientインストレーション・ガイド
10g リリース2(10.2) for Linux on POWER

B25808-01
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2 インストール前の作業

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要のある作業について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

rootとしてのシステムへのログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとして複数の作業を完了しておく必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のどちらか一方を実行します。


注意

サイレント・モードのインストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、X端末、またはXサーバー・ソフトウェアがインストールされているPCまたはその他のシステムからソフトウェアをインストールする必要があります。

サイレント・モードのインストールの詳細は、付録Aを参照してください。 


ハードウェア要件の確認

システムは、次の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. 物理RAMのサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # grep MemTotal /proc/meminfo
    
    

    物理RAMのサイズが必要なサイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 構成済スワップ領域のサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # grep SwapTotal /proc/meminfo
    
    

    追加のスワップ領域を構成する方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  3. /tmpディレクトリで使用可能なディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    df -k /tmp
    
    

    /tmpディレクトリで使用可能な空きディスク領域が400 MB未満の場合は、次のいずれかの手順を実行します。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに(後述)、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に問い合せてください。

  4. システム上の空きディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    df -k
    
    

    次の表に、各インストール・タイプのソフトウェア・ファイルに必要なディスク領域の概算を示します。

    インストール・タイプ  ソフトウェア・ファイルの要件(MB) 

    Instant Client 

    130 

    管理者 

    850 

    ランタイム 

    495 

    カスタム(最大) 

    790 


    注意

    Instant ClientのInstant Client Lightコンポーネントのみを構成する場合、関連ファイルの格納には34MBのディスク領域が必要です。Instant Client Lightを構成するには、「Instant Client Lightの構成」を参照してください。 


  5. システム・アーキテクチャがソフトウェアを実行できるかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # grep "model name" /proc/cpuinfo
    


    注意

    このコマンドを実行すると、プロセッサのタイプが表示されます。プロセッサのアーキテクチャが、インストールするOracleソフトウェアのリリースと一致していることを確認してください。予期された出力が表示されなければ、このシステムにはソフトウェアをインストールできません。 


ソフトウェア要件の確認

インストールする製品に応じて、システムに次のソフトウェアがインストールされているかどうかを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、表の後に説明します。

項目  要件 

オペレーティング・
システム 

次のいずれかのオペレーティング・システム・バージョン:

  • Red Hat Linux 4.0(Update 1以上)

  • SUSE Linux Enterprise Server 9.0(SP2以上)

 

カーネル・バージョン 

システムでは、次のカーネルのバージョン(またはそれ以上のバージョン)を実行する必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 4.0の場合

2.6.9-11.EL

SUSE Linux Enterprise Server 9の場合

2.6.5-7.191-pseries64 

パッケージ 

次のパッケージ(またはこれより新しいバージョン)をインストールする必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 4.0の場合

Gmake-3.80-5
gcc-3.4.3-22.1
gcc-ppc32-3.4.3-22.1
gcc-c++-3.4.3-22.1
gcc-c++-ppc32-3.4.3-22.1
glibc-2.3.4-2.9
glibc-2.3.4-29 (64-Bit)
libgcc-3.4.3-9.EL4
libgcc-3.4.3-9.EL4.ppc64.rp
libstdc++-3.4.3-9.EL4
libstdc++-devel-3.4.3-9.EL4
libaio-0.3.103-3
libaio-0.3.103-3 (64-Bit)
libaio-devel-0.3.103-3 (64-Bit)
compat-libstdc++-33-3.2.3-47.3
binutils-2.15.92.0.2-13

SUSE Linux Enterprise Server 9の場合

gcc-3.3.3-43.34
gcc-64bit-9-200505240008
gcc-c++-3.3.3-43.34
glibc-2.3.3-98.47
glibc-64bit-9-200506062240
libgcc-3.3.3-43.34
libgcc (64-bit) 9-200505240008
libstdc++-3.3.3-43.34
libstdc++-devel-3.3.3-43.34
libaio-0.3.102-1.2
libaio-64bit-9-200502241152
libaio-devel-0.3.102-1.2
libaio-devel-0.3.102-1.2 (64-bit)
Gmake-3.80-184.1
binutils-2.15.90.0.1.1-32.10
binutils-64bit-9-200505240008
 

Oracle Messaging Gateway 

Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Streams Advanced Queuing(AQ)と次のソフトウェアとの統合をサポートしています。

IBM WebSphere MQ V5.3、クライアントおよびサーバー

MQSeriesClient
MQSeriesServer
MQSeriesRuntime
 

C/C++ランタイム環境 

次のリンクから、IBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux Runtime Environment Componentをライセンス要件なしで無償でダウンロードします。

http://www-1.ibm.com/support/docview.wss?rs=2030&context=SSJT9L&context=SSENT9&context=SSEP5D&dc=D400&dc=D410&dc=D420&dc=D430&q1=Run-time+Environment+Component&uid=swg24007906&loc=en_US&cs=utf-8&lang=en

このリンクから、XL Optimization Librariesコンポーネントをダウンロードしてインストールする必要もあります。 

PL/SQLネイティブ・
コンパイル、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、
Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) 

該当のディストリビューションに対して示されていたバージョンのGNU CおよびC++コンパイラは、これらの製品で使用できるようにサポートされています。

注意: IBM XL C/C++コンパイラ・バージョン7.0以上もサポートされています。

Oracleユーザー・アプリケーションにIBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux on POWERコンパイラを使用する場合、V7.0.1以上のバージョンである必要があります。 ダウンロード情報およびアップデートについては、次のリンクを参照してください。

http://www-306.ibm.com/software/awdtools/xlcpp/features/linux/

IBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux on POWERコンパイラがインストールされている場合は、IBM XL C/C++ Advanced Edition V7.0.1 for Linux Runtime Environment Componentが自動的にインストールされます。 

Pro*COBOL 

次の製品は、Pro*COBOLでの使用が動作保証されています。

  • Microfocus Server Express 4.0 SP 2(SLES 9の場合)

 

Pro*FORTRAN 

XL Fortran Advanced Edition V9.1.1 for Linux(またはそれ以上) 

Oracle JDBC/OCI
ドライバ 

次のオプションのJDKバージョンはOracle JDBC/OCIドライバで使用できますが、インストールは必須ではありません。

  • IBM Java 1.4.2 64-bit(SR1a)以上

  • IBM Java 1.4.2 32-bit(SR1a)以上

  • IBM Java 1.3.1 32-bit(SR8)以上(SLES 9の場合のみ)

注意: デフォルトでは、IBM Java 1.4.2 32-bitはこのリリースとともにインストールされます。  

関連項目:

GNU Compiler Collectionをプライマリ・コンパイラとして使用する場合は、プライマリ・コンパイラの構成手順について、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Linux on POWER』を参照してください。 

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/issue
    


    注意

    サポートされているのは、前述の表に示したディストリビューションおよびバージョンのみです。他のバージョンのLinuxには、このソフトウェアをインストールしないでください。 


  2. 必要なカーネルがインストールされているかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    
    

    Red Hat Enterprise Linux 4.0システムでこのコマンドを実行した場合に表示されるサンプル出力を次に示します。

    2.6.9-11.EL
    
    

    この例の出力には、システム上のカーネル・バージョン(2.6.9)およびエラータ・レベル(11.EL)が表示されています。

    カーネル・バージョンがこの項ですでに指定した要件を満たしていない場合、カーネル・アップデートの取得およびインストールの詳細について、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

  3. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを判別するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージがインストールされていない場合は、Linuxディストリビューションのメディアからインストールするか、または必要なパッケージのバージョンをLinuxのベンダーのWebサイトからダウンロードしてください。

Instant Client Light要件

Instant Client Lightを使用する場合、前の項で示した要件の他に、アプリケーションで次の言語およびキャラクタ・セットを使用する必要があります。

言語、地域およびキャラクタ・セットは、NLS_LANG環境変数により決定されます。

必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムへOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、1つのOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェアのインストールに、同じOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、個別にインストールする場合は、異なるOracleソフトウェア所有者ユーザーを作成するように選択できます。


注意

ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Service(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、またはオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。  


必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。

Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループが存在しない場合は、作成する必要があります。ここでは、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を判別する方法と、必要な場合に作成する方法について説明します。

Oracleインベントリ・グループの有無の判別

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名とOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# more /etc/oraInst.loc

このコマンドの出力にグループ名oinstallが表示された場合、このグループはすでに存在します。

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名(oinstall)を示します。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のコマンドを入力してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の場合には、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの判別

Oracleソフトウェア所有者ユーザーoracleが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

このユーザーが存在する場合は、そのユーザーを使用するか別のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、そのユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであることを確認します。詳細は、以降の該当する項を参照してください。


注意

既存のユーザーを使用または変更する場合は、必要に応じて事前にシステム管理者に問い合せてください。 


Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新規Oracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、oracleという名前のユーザーがすでに存在する場合を除き、このユーザー名を使用してください。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall[ -G dba] oracle
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • -gオプションでは、oinstallなどのプライマリ・グループを指定します。これは、Oracleインベントリ・グループを指定する必要があります。

    • -Gオプションでは、オプションのセカンダリ・グループ、たとえばdbaを指定します。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

作業を進めるには、「必須ソフトウェア・ディレクトリの識別」を参照してください。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallではない場合は、次のようなコマンドを入力して変更します。-gオプションでプライマリ・グループ、-Gオプションでセカンダリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba oracle

必須ソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェアについて、次のディレクトリを識別または作成する必要があります。

Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールのトップレベル・ディレクトリです。Microsoft Windowsシステム上でOracleソフトウェアに使用されるC:¥Oracleディレクトリに似ています。Linuxシステム上では、Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインに、Oracleベース・ディレクトリに次のようなパスを使用するという推奨事項があります。

/mount_point/app/oracle_sw_owner

各項目の意味は次のとおりです。

複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用する方法と、インストールごとに個別のOracleベース・ディレクトリを作成する方法があります。様々なオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステムにOracleソフトウェアをインストールする場合は、各ユーザーが個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例では、Oracleベース・ディレクトリがすべて同じシステムに存在します。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser
/opt/oracle/app/oracle

次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要に応じたOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のものを使用するかに関係なく、ORACLE_BASE環境変数を設定して、このディレクトリへのフル・パスを指定する必要があります。

Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システムにインストールされた全ソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システムにインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。システムにOracleソフトウェアを初めてインストールするときは、Oracle Universal Installerからこのディレクトリへのパス指定を求めるプロンプトが表示されます。次のパスを選択することをお薦めします。

oracle_base/oraInventory

指定したディレクトリが作成され、そこに適切な所有者、グループおよびアクセス権が設定されます。Oracleインベントリ・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意

このディレクトリは、すべてのOracleソフトウェアのインストールで使用されます。必ず定期的にバックアップを作成してください。

すべてのOracleソフトウェアをシステムから完全に削除する場合を除き、このディレクトリを削除しないでください。 


Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするために選択するディレクトリです。様々なOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリへのパスと識別名の指定を求めるプロンプトが表示されます。Oracleホーム・ディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリとして指定する必要があります。Oracleホーム・ディレクトリについては、次のようなパスを指定することをお薦めします。

oracle_base/product/10.2.0/client_1

指定したディレクトリ・パスがOracleベース・ディレクトリの下に作成されます。また、適切な所有者、グループおよびアクセス権も設定されます。Oracleホーム・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。

Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要な場合は作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。

既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリのパスが、OFAガイドラインに準拠していない場合があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常はOracleベース・ディレクトリを次の手順で識別できます。

決定した方法に応じて、次のどちらかを参照してください。

Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、適切なディスク領域のあるファイル・システムを識別する必要があります。

適切なファイル・システムを識別する手順は、次のとおりです。

  1. df -kコマンドを使用して、マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を判断します。

  2. 表示される出力から、適切な空き領域のあるファイル・システムを識別します。

  3. 識別したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前をメモします。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を指定する手順は、次のとおりです。

  1. 次のような各コマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    
    

    たとえば、識別したマウント・ポイントが/u01で、oracleがOracleソフトウェア所有者のユーザー名の場合、推奨されるOracleベース・ディレクトリ・パスは次のようになります。

    /u01/app/oracle
    
    
  2. oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、作成したOracleベース・ディレクトリを指定するようにORACLE_BASE環境変数を設定します。

oracleユーザーの環境の構成

Oracle Universal Installerは、oracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次の設定が必要です。

oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。

  1. X端末(xterm)などの新規ターミナル・セッションを開始します。

  2. 次のコマンドを入力し、このシステム上でX Windowアプリケーションを表示できることを確認します。

    $ xhost fully_qualified_remote_host_name
    
    

    次に例を示します。

    $ xhost somehost.us.acme.com
    
    
  3. ソフトウェアをインストールするシステムにログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  4. oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
    
  5. oracleユーザーのデフォルト・シェルを判別するには、次のコマンドを入力します。

    $ echo $SHELL
    
    
  6. テキスト・エディタでoracleユーザーのシェル起動ファイルを開きます。


    注意

    Red Hat Linuxでは、.bash_profileは、Bashシェルのユーザー起動ファイルです。 


    • Bourneシェル(sh)、Bashシェル(bash)またはKornシェル(ksh)の場合

      $ vi .bash_profile
      
    • Cシェル(cshまたはtcsh)の場合

      % vi .login
      
      
  7. 次の行を入力または編集して、デフォルトのファイル・モード作成マスクに値022を指定します。

    umask 022
    
    
  8. ファイル内でORACLE_SID、ORACLE_HOMEまたはORACLE_BASE環境変数が設定されている場合は、ファイルから該当する行を削除します。

  9. ファイルを保存してエディタを終了します。

  10. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェルの場合

      $ . ./.bash_profile
      
      
    • BourneまたはKornシェルの場合

      $ . ./.profile
      
      
    • Cシェルの場合

      % source ./.login
      
      
  11. ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、次のコマンドを入力し、Xアプリケーションをローカル・システム上に表示するように指示します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ DISPLAY=local_host:0.0 ; export DISPLAY
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      
      

    この例では、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するシステム(ワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。

  12. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400 MB未満であることが判明した場合は、400 MB以上の空き領域を持つファイル・システムを識別し、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定して、このファイル・システム上の一時ディレクトリを指定します。

    1. df -kコマンドを使用して、十分な空き領域がある適切なファイル・システムを識別します。

    2. 必要な場合は、次のようなコマンドを入力して、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      $ su - root
      # mkdir /mount_point/tmp
      # chmod a+wr /mount_point/tmp
      # exit
      
      
    3. 次のコマンドを入力して、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

      • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

        $ TEMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TEMP TMPDIR
        
        
      • Cシェルの場合

        % setenv TEMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
        
  13. 次のようなコマンドを入力して、ORACLE_BASE環境変数を設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
      $ export ORACLE_BASE
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      
      

    前述の例で、/u01/app/oracleは前に作成または識別したOracleベース・ディレクトリです。

  14. 次のコマンドを入力して、ORACLE_HOMEおよびTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

  15. 環境が適切に設定されたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ umask
    $ env | more
    
    

    umaskコマンドで値22022または0022が表示され、この項で設定した環境変数が正しい値になっていることを確認します。


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