F 既存のOracle Real Application Clustersデータベースでのプロセスの停止方法、およびOracle Clusterwareローリング・アップグレードの実行方法
この付録では、次の2つのシナリオのいずれかに対する、Oracle Real Application Clusters(RAC)データベースでのプロセスの停止方法について説明します。
シナリオ1: 既存のデータベースにさらに製品を追加するための準備、またはパッチを更新するための準備として、データベース全体でプロセスを停止します。
シナリオ2: 10.2インストールから最新のパッチ・セット更新へのOracle Clusterwareのローリング・アップグレードを実行するための準備として、データベースの選択したノードでプロセスを停止します。たとえば、10.2.0.1から10.2.0.3にローリング・アップグレードを実行します。
この付録の内容は次のとおりです。
Oracleソフトウェアのバックアップ
データベースまたはクラスタウェアの一部、またはすべてのクラスタ・インストールのアップグレードまたはパッチの適用を行う場合は、Oracleソフトウェアを変更する前に、Oracleソフトウェアのバックアップを作成することをお薦めします。
パッチおよびアップグレードのシステム準備状況の検証
データベースまたはクラスタウェアのパッチ更新を行う場合は、パッチ・ソフトウェアをダウンロードしてから、データベースのパッチの適用またはアップグレードを開始する前に、パッチに付属のパッチ・セット・リリース・ノートを確認し、ご使用のシステムがオペレーティング・システムおよびハードウェア・プラットフォームのシステム要件を満たすかどうかを確認します。
クラスタ検証ユーティリティを使用して、データベースのパッチ適用またはアップグレードの準備として、システム検証を行います。
参照:
『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』
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既存のOracleデータベースでのプロセスの停止方法
データベース全体を停止する、既存のOracle Real Application Clustersデータベースでプロセスを停止するには、次の手順を実行します。
Oracle Real Application Clustersデータベースの停止
各ノードの既存のすべてのOracleデータベース・インスタンスを通常の順序または優先度の高い順に停止します。
自動ストレージ管理(ASM)を実行している場合は、ASMを使用しているすべてのデータベースを停止してから、クラスタ内の各ノードのASMインスタンスを停止します。
注意:
Oracle ClusterwareまたはCluster Ready Servicesを使用してアップグレードするには、Oracleソフトウェアを変更する前に、すべてのクラスタ・ノードですべてのOracleデータベース・インスタンスを停止する必要があります。パッチの更新を実行する場合の詳細な手順は、パッチ・セット・ノートを参照してください。
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すべてのOracleプロセスの停止
データベース・ソフトウェアを変更するOracleホーム・ディレクトリで実行されているすべてのリスナー・プロセスとその他のプロセスを停止します。
注意:
ASMインスタンスを停止する場合は、最初にASMを使用しているすべてのデータベース・インスタンスを停止する必要があります。これらのデータベースが異なるOracleホームから実行されている場合でも停止します。
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Oracle ClusterwareまたはCluster Ready Servicesプロセスの停止
Oracle ClusterwareまたはOracle Cluster Ready Services(CRS)インストールを変更する場合は、次に示すOracle Database 10g サービスを停止します。
注意:
次の手順は、ここに示す順序で実行する必要があります。
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- 各ノードのOracleホームで、データベースにアクセスしている可能性のあるすべてのプロセスを停止します。たとえば、Oracle Enterprise Manager Database Controlを停止します。
注意:
Enterprise Manager Grid Controlによって監視されているプロセスを停止する前に、停止するプロセスのブラックアウトをGrid Controlに設定します。これは、これらのプロセスの可用性レコードが、計画外のシステム停止ではなく計画停止時間であったことを示すようにするために必要です。
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- すべてのノードですべてのOracle RACインスタンスを停止します。データベースのすべてのOracle RACインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。
db_name
はデータベースの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop database -d db_name
- すべてのノードですべてのASMインスタンスを停止します。ASMインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。node はASMインスタンスを実行しているノードの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop asm -n node
- すべてのノードですべてのノード・アプリケーションを停止します。ノードで実行されているノート・アプリケーションを停止するには、次のコマンドを入力します。nodeはアプリケーションを実行しているノードの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop nodeapps -n node
- rootユーザーでログインし、すべてのノードで次のコマンドを入力して、Oracle ClusterwareまたはCRSプロセスを停止します。
# CRS_home/bin/crsctl stop crs
製品の追加またはアップグレード前のOracle Database 10g プロセスの停止
この項では、Oracle Database 10g リリース2(10.2)にさらに製品を追加する前に実行する必要がある作業の概要を説明します。パッチの更新を実行する場合の詳細な手順は、そのパッチのデータベース・パッチ・セット・ノートを参照してください。
注意:
次の手順は、ここに示す順序で実行する必要があります。
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- 各ノードのOracleホームで、データベースにアクセスする可能性のあるすべてのプロセスを停止します。たとえば、Oracle Enterprise Manager Database Controlを停止します。
注意:
Enterprise Manager Grid Controlによって監視されているプロセスを停止する前に、停止するプロセスのブラックアウトをGrid Controlに設定します。これは、これらのプロセスの可用性レコードが、計画外のシステム停止ではなく計画停止時間であったことを示すようにするために必要です。
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- すべてのノードですべてのOracle RACインスタンスを停止します。データベースのすべてのOracle RACインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。
db_name
はデータベースの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop database -d db_name
- すべてのノードですべてのASMインスタンスを停止します。ASMインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。
node
はASMインスタンスを実行しているノードの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop asm -n node
Oracle Clusterwareローリング・アップグレードの実行方法
ローリング・アップグレードを実行するには、次のすべての手順を順番に実行します。
パッチ・ソフトウェアのプライマリ・アップグレード・ノードへのコピー
パッチ・ソフトウェアをクラスタ上のプライマリ・ノード(最初のOracle ClusterwareおよびOracleデータベースのインストールを実行したノード)にダウンロードします。パッチ・セットのREADMEを確認して、ご使用のシステムがパッチ・セット更新のシステム要件を満たすことを確認し、特定の環境または構成用の特別な手順を実行します。
パッチまたはパッチ・ノートのREADMEをダウンロードするには、次の手順を実行します。
- OracleMetaLink(https://metalink.oracle.com)にログインします。
- 「Patches & Updates」タブをクリックします。
- インストールするパッチを検索します。
- パッチ番号をクリックし、「patch」ページを開きます。
この場所から、パッチ・バイナリおよびパッチのREADMEをダウンロードして、パッチ更新に関する他の情報を取得できます。
- パッチ・セット・インストール・アーカイブを、次の要件を満たすOracleベース・ディレクトリ内のディレクトリにダウンロードします。
- 既存のOracleホーム・ディレクトリまたはCRSホーム・ディレクトリでない。
- 既存のOracleホーム・ディレクトリまたはCRSホーム・ディレクトリの下でない。
- パッチ・セット・インストール・アーカイブを解凍します。
アップグレード・ノードでのOracle Real Application Clustersインスタンスの停止
ローリング・アップグレードを実行する各ノードで、通常の順序または優先度の高い順でOracleデータベース・インスタンスを停止します。
自動ストレージ管理(ASM)を実行している場合は、ローリング・アップグレードを実行する各ノードで、ASMを使用するデータベースを停止してから、ノード上のASMインスタンスを停止します。
注意:
Oracle ClusterwareまたはCluster Ready Servicesを使用してアップグレードするには、Oracleソフトウェアを変更する前に、アップグレードするすべてのクラスタ・ノードですべてのOracleデータベース・インスタンスを停止する必要があります。パッチの更新を実行する場合の詳細な手順は、パッチ・セット・ノートを参照してください。
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アップグレード・ノードでのすべてのOracleプロセスの停止
ローリング・アップグレードを実行する各ノードで、Oracle ClusterwareまたはOracle Cluster Ready Servicesのインストールをアップグレードする前に、クラスタウェア・プロセスを使用するOracleデータベース・サービスを停止する必要があります。
次の手順を実行します。
注意:
次の手順は、ここに示す順序で実行する必要があります。
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- アップグレードする各ノードで、データベースにアクセスしている可能性のあるすべてのプロセスを停止します。たとえば、Oracle Enterprise Manager Database Controlなどです。
注意:
Enterprise Manager Grid Controlによって監視されているプロセスを停止する前に、停止するプロセスのブラックアウトをGrid Controlに設定します。これは、これらのプロセスの可用性レコードが、計画外のシステム停止ではなく計画停止時間であったことを示すようにするために必要です。
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- アップグレードする各ノードですべてのOracle RACインスタンスを停止します。データベースの個々のノードのOracle RACインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。
db_name
はデータベースの名前、instance_name
はインスタンスの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop instance -d db_name -i instnce_name
ローリング・アップグレードを実行するクラスタの各ノードで、この手順を繰り返します。
- ローリング・アップグレードを実行する各ノードで、ASMインスタンスを停止します。
注意:
ASMインスタンスを停止する場合は、最初に、アップグレードするノードでASMを使用しているすべてのデータベース・インスタンスを停止する必要があります。これらのデータベースが異なるOracleホームから実行されている場合でも停止します。
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ASMインスタンスを停止するには、次のコマンドを入力します。node はASMインスタンスを実行しているノードの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop asm -n node
- ローリング・アップグレードを実行する各ノードで、すべてのノード・アプリケーションを停止します。ノードで実行されているノート・アプリケーションを停止するには、次のコマンドを入力します。nodeはアプリケーションを実行しているノードの名前です。
$ oracle_home/bin/srvctl stop nodeapps -n node
- ローリング・アップグレードを実行する各ノードで、rootユーザーとして次のコマンドを入力して、Oracle ClusterwareまたはCRSプロセスを停止します。
# CRS_home/bin/crsctl stop crs
アップグレード・ノードでのOUIの起動とアップグレード・プロセスの完了
パッチ・アップグレードを完了するには、パッチ更新でダウンロードしたOracle Universal Installer(OUI)を使用します。
次の手順を実行します。
- パッチ・セットOUIを起動します。「ようこそ」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。
- 「ホームの詳細の指定」ウィンドウで、CRSホーム・ディレクトリを選択し、「次へ」をクリックします。
- 「ハードウェア・クラスタ・インストール・ノードの指定」ウィンドウで、アップグレードを実行するノードを選択し、「次へ」をクリックします。
- OUIウィンドウから指示される手順に従います。
- インストールの終わりに、OUIによって、Oracle Clusterwareを停止するコマンドを実行するように指示されます。
端末ウィンドウを開き、rootユーザーでログインし、最初のノードで次のコマンドを入力して、既存のOracleホームのCRSデーモンを停止します。
# CRS_home/bin/crsctl stop crs
- OUIによって入力を求められたら、前述の手順で開いた端末ウィンドウから、次のコマンドを入力します。
# CRS_home/install/root102.sh
- インストール・スクリプトが完了すると、次のようなテキストが表示されます。
patch_version
では、インストールしているパッチが表示されます。
patch_version patch successfully applied.
clscfg -upgrade completed successfully
これは、アップグレード・プロセスが完了したことを示します。ノード上で、アップグレードしたOracle ClusterwareスタックとAUTOSTARTリソースが起動されます。
ローリング・アップグレードを実行している各ノードで手順4および5を繰り返します。