Oracle Database インストレーション・ガイド 10g リリース2(10.2) for Linux Itanium B25920-01 |
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Oracle Storage Compatibility Program(OSCP)を介して認定されたネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイスがある場合は、それを使用して、OracleソフトウェアまたはOracleデータベース・ファイル、あるいはその両方を格納できます。この付録では、Oracleのソフトウェアとデータベース・ファイルにNASストレージ・デバイスを使用するためのガイドラインを提供します。この付録の内容は、次のとおりです。
NASデバイスの構成方法に関する固有の情報については、NASデバイスに付属のドキュメントを参照してください。さらに、次のガイドラインを使用して、Oracleソフトウェアのパフォーマンスがユーザーの要件を満たしていることを確認してください。
http://www.oracle.com/technology/deploy/availability/htdocs/oscp.html
したがって、サーバーのNASデバイスへの接続には、ギガビット・イーサネット以上のプライベート専用ネットワーク接続を使用することをお薦めします。
Oracle Real Application Clusters(RAC)のインストールでは、クラスタ内の各ノードからマウントした単一のOracleホーム・ディレクトリを使用できます。すべてのノードが同じディレクトリ・パスとなるように、このOracleホーム・ディレクトリを各ノードにマウントする必要があります。
この項では、Oracleのソフトウェアとデータベース・ファイルに使用するファイル・システムに対してマウント・ポイントを選択する方法のガイドラインを提供します。ここに記載されているガイドラインは、Optimal Flexible Architectureの推奨事項に準拠しています。
Oracleのソフトウェア・ファイルは、3つの異なるディレクトリに格納されています。
システムに対するOracleソフトウェアの最初のインストールでは、通常、ORACLE_BASE環境変数で識別されるOracleベース・ディレクトリが、Oracleインベントリ・ディレクトリとOracleホーム・ディレクトリの両方に対する親ディレクトリとなります。たとえば、最初のインストールの場合、Oracleベース・ディレクトリ、Oracleインベントリ・ディレクトリおよびOracleホーム・ディレクトリには、それぞれ次のようなパスがあります。
ディレクトリ | パス |
---|---|
Oracleベース( |
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Oracleインベントリ |
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Oracleホーム |
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後続のインストールでは、同じOracleベース・ディレクトリを使用するか、または異なるディレクトリを使用するかを選択できますが、オリジナルのOracleインベントリ・ディレクトリは、後続のすべてのインストールで使用されます。たとえば、新しいインストールでOracleベース・ディレクトリに/u02/app/oracle
ディレクトリを使用する場合も、Oracleインベントリ・ディレクトリは引き続き/u01/app/oracle/oraInventory
になります。
Oracleインベントリ・ディレクトリは、特定のシステムのOracleソフトウェアを効率的に保守できるように、ローカル・ファイル・システムのみに配置することをお薦めします。Oracleインベントリ・ディレクトリをNASデバイスに配置する必要がある場合は、複数のシステムによる同じインベントリへの書込みを避けるために、各システムに固有のディレクトリを作成してください。
Oracleソフトウェアの格納に使用するNFSファイル・システムのマウント・ポイントには、次のいずれかのディレクトリを使用できます。
/u01/app/oracle
など)Oracleベース・ディレクトリの親の1つをマウント・ポイントとして使用すると、Oracleのすべてのソフトウェアとデータベース・ファイルのデフォルト位置は、そのファイル・システム上になります。インストール時には、次のディレクトリのデフォルト位置の変更を検討できます。
oracle_base
/oraInventory
)たとえば、ローカル・ファイル・システム、またはNFSファイル・システム上のホスト固有のディレクトリを指定します。
oracle_base/hostname/oraInventory
oracle_base
/oradata
)たとえば、異なるマウント・オプションを指定したり、I/Oを分配できるように、データベース・ファイルに異なるファイル・システムを使用できます。
oracle_base
/flash_recovery_area
)データベース・ファイルとリカバリ・ファイルには、異なるファイル・システムを使用することをお薦めします。
このマウント・ポイントを使用すると、このOracleベース・ディレクトリを使用するすべてのOracleインストールでは、NFSファイル・システムが使用されることになります。
oracle_base
/product
)デフォルトでは、NFSファイル・システムに配置されるのは、ソフトウェア・ファイルのみとなります。このマウント・ポイントを使用すると、たとえば、異なる複数のリリースからソフトウェアをインストールできます。
/u01/app/oracle/product/9.2.0 /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1
oracle_base
/product/10.2.0
)デフォルトでは、NFSファイル・システムに配置されるのは、ソフトウェア・ファイルのみとなります。このマウント・ポイントを使用すると、たとえば、同じリリースから複数の異なる製品をインストールできます。
/u01/app/oracle/product/10.2.0/crs /u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1 /u01/app/oracle/product/10.2.0/companion_1
oracle_base
/product/10.2.0/db_1
)デフォルトでは、NFSファイル・システムに配置されるのは、ソフトウェア・ファイルのみとなります。これは最も制限されたマウント・ポイントです。このマウント・ポイントは、1つの製品の単一のリリースをインストールする場合にのみ使用できます。
/u01/app/oracle/product/10.2.0/db_1
NASデバイスにOracleのデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルを格納するには、1つのデータベースからのみファイルを格納するか、あるいは複数のデータベースからファイルを格納するかによって異なるパスを使用できます。
同じNFSファイル・システムで、複数のデータベースからデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のようなパスまたはマウント・ポイントを使用します。
ファイル・タイプ | パスまたはマウント・ポイント |
---|---|
データベース・ファイル |
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リカバリ・ファイル |
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データファイルとリカバリ・ファイルのディレクトリ指定を求めるプロンプトが表示された場合は、これらのパスを指定します。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントおよびEnterprise Managerは、データベース名(DB_NAME)に指定した値をディレクトリ名として使用し、これらのディレクトリにサブディレクトリを作成します。たとえば、次のようになります。
/u02/oradata/db_name1 /u03/flash_recovery_area/db_name1
NFSファイル・システムで、単一のデータベースのみに対してデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のようなマウント・ポイントを作成できます。orcl
には、データベースに使用する名前を指定します。
/u02/oradata/orcl /u03/flash_recovery_area/orcl
データファイルのディレクトリ指定を求めるプロンプトが表示された場合は、ディレクトリ/u02/oradata
を指定し、リカバリ・ファイルの位置の指定を求めるプロンプトが表示された場合は、ディレクトリ/u03/flash_recovery_area
を指定します。このorcl
ディレクトリは、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントまたはEnterprise Managerによって自動的に使用されます。
認定済のNASストレージ・デバイスがある場合は、NFSマウント・ディレクトリにゼロ埋込みファイルを作成し、そのファイルを自動ストレージ管理ディスク・グループのディスク・デバイスとして使用できます。これらのファイルを作成する手順は、次のとおりです。
この手順の実行方法の詳細は、NASデバイスのドキュメントを参照してください。
root
に切り替えます。
$ su -
# mkdir -p /mnt/oracleasm
/etc/fstab
マウント・ファイルにファイル・システムのエントリを追加します。使用しているオペレーティング・システムに対応したマウント・ファイルの編集の詳細は、manページを参照してください。推奨されるマウント・オプションの詳細は、「NFSマウント・オプション」を参照してください。
# mount /mnt/oracleasm
nfsdg
など)。
# mkdir /mnt/oracleasm/nfsdg
# dd if=/dev/zero of=/mnt/oracleasm/nfsdg/disk1 bs=1024k count=1000
この例では、NFSファイル・システムに1 GBのファイルを作成します。外部冗長性、標準冗長性または高冗長性のディスク・グループを作成するには、1つ、2つまたは3つのファイルをそれぞれ作成する必要があります。
# chown -R oracle:dba /mnt/oracleasm # chmod -R 660 /mnt/oracleasm
/mnt/oracleasm/nfsdg/*
データベース・ファイルの格納に使用するNFSボリュームは、特別なマウント・オプションを使用してデータベース・サーバーが稼働中のホストにマウントする必要があります。NFSファイル・システムをマウントする場合は、NASベンダーがデバイスの認定時に使用したオプションと同じマウント・ポイント・オプションを使用することをお薦めします。適切なマウント・ポイント・オプションの詳細は、使用しているデバイスのドキュメントを参照するか、またはベンダーに問い合せてください。
一般に大半のベンダーは、次の表に示すNFSマウント・オプションの使用を推奨しています。
必須マウント・オプションは、NFSボリュームのマウント時に使用する必要のある最小限のマウント・オプション・セットを構成します。これらのマウント・オプションは、データの整合性を保護し、データベースの破損を防ぐ上で不可欠です。これらのマウント・オプションを使用しないと、ファイル・アクセス・エラーが生成される場合があります。使用しているプラットフォームでサポートされる固有のオプションの詳細は、使用しているオペレーティング・システムまたはNASデバイスのドキュメントを参照してください。
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