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Oracle Database インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2)for Solaris Operating System(x86)

B31302-01
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2 インストール前の作業

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要のある作業について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

rootとしてのシステムへのログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとして複数の作業を完了しておく必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のどちらか一方を実行します。

ハードウェア要件の確認

システムは、次の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. 物理RAMのサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/prtconf | grep "Memory size"
    
    

    物理RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 構成済スワップ領域のサイズを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swap -s
    
    

    追加のスワップ領域を構成する方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  3. /tmpディレクトリで使用可能なディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    
    

    /tmpディレクトリで使用可能な空きディスク領域が400MB未満の場合は、次のいずれかの手順を実行します。

    • ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに(後述)、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に問い合せてください。

  4. システム上の空きディスク領域の量を判別するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    
    

    次の表に、各インストール・タイプのソフトウェア・ファイルに必要なディスク領域の概算を示します。

    インストール・タイプ  ソフトウェア・ファイルに必要なディスク領域(GB) 

    Enterprise Edition 

    2.0 

    Standard Edition 

    1.5 

    カスタム(最大) 

    2.5 

  5. システム・アーキテクチャでソフトウェアを実行できるかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # /bin/isainfo -kv
    


    注意:

    このコマンドの出力は次のようになります。

    32-bit i386 kernel modules

    予期された出力が表示されなければ、このシステムにはソフトウェアをインストールできません。 


ソフトウェア要件の確認

インストールする製品に応じて、システムに次のソフトウェアがインストールされているかどうかを確認します。これらの要件が満たされているかどうかを確認する手順は、表の後に説明します。


注意:

Oracle Universal Installerは、システムをチェックして、リストに示されている要件を満たしているかどうかを検証します。これらのチェックに合格するために、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。 


項目  要件 

オペレーティング・システム 

Solaris 10 

パッケージ 

SUNWarc
SUNWbtool
SUNWhea
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWi1of
SUNWi1cs
SUNWi15cs
SUNWxwfnt

注意: ロケールによっては、Java用の追加フォント・パッケージも必要な場合があります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://java.sun.com/j2se/1.4.2/font-requirements.html

Oracle Messaging Gateway 

Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Streamsアドバンスト・キューイング(AQ)と次のソフトウェアの統合をサポートします。

IBM MQSeries V6.0、クライアントおよびサーバー

Tibco Rendezvous 7.2 

PL/SQLのネイティブ・
コンパイル、Pro*C/C++、
Oracle Call Interface、
Oracle C++ Call Interface、
Oracle XML Developer's Kit(XDK)、GNU Compiler Collection(GCC) 

Sun ONE Studio 10(CおよびC++ 5.5)

gcc 3.4.2 

Oracle JDBC/OCI Driver 

Oracle JDBC/OCI Driverを使用して次のオプションのJDKバージョンを使用できますが、インストールには必要ありません。

  • Sun Java 2 SDK Standard Edition 1.3.1_11およびJNDI拡張機能

  • Sun Java 2 SDK Standard Edition 1.2.2_17およびJNDI拡張機能

注意: このリリースではJDK 1.4.2_08がインストールされます。 

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. インストールされているSolarisのバージョンを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    
    

    必要な場合は、オペレーティング・システムのマニュアルでオペレーティング・システムのアップグレード方法を参照してください。

  2. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを判別するには、次のようなコマンドを入力します。

    # pkginfo -i SUNWarc SUNWbtool SUNWhea SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot \
     SUNWsprox SUNWtoo SUNWi1of SUNWi1cs SUNWi15cs SUNWxwfnt
    
    

    パッケージがインストールされていない場合は、インストールします。パッケージのインストールについては、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのマニュアルを参照してください。

また、システムに次のパッチがインストールされていることを確認する必要があります。これらの要件を確認する手順については、表に続く説明を参照してください。


注意:

システムには、リストに示したパッチよりも新しいバージョンがインストールされている場合があります。リストに示したパッチがインストールされていない場合は、そのバージョンをインストールする前に、それよりも新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認してください。 


インストール・タイプ
または製品
 
要件 

すべてのインストール 

次のパッチが必要です。

  • 118345-03: SunOS 5.10_x86: ld & libc.so.1 Patch

  • 119961-01: SunOS 5.10_x86, x64, Patch for assembler

 

PL/SQLのネイティブ・
コンパイル、Pro*C/C++、
Pro*FORTRAN、
Oracle Call Interface、
Oracle C++ Call Interface、
Oracle XML Developer's Kit(XDK) 

次のCおよびC++のパッチが必要です。

  • 117837-05: Optimizer compiler patch for C++ compiler

  • 117846-08: Optimizer Compiler patch for C++ compiler

  • 118682-01: Patch for SS10_x86 debuginfo handling

 

Oracle Messaging Gateway 

WebSphere MQ用修正サービス・ディスケット(CSD):

  • MQSeries V6.0のCSD09以上

  • MQSeries PTF U478911 SupportPac MACE

 

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は、次のとおりです。

  1. オペレーティング・システム・パッチがインストールされているかどうかを判別するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep patch_number(without version number)
    
    

    たとえば、111713パッチのいずれかのバージョンがインストールされているかどうかを判別するには、次のコマンドを使用します。

    # /usr/sbin/patchadd -p | grep 111713
    
    

    オペレーティング・システム・パッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

    http://sunsolve.sun.com

  2. WebSphere MQのCSDまたはSupportPacが必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を確認します。

    http://www.ibm.com/software/integration/mqfamily/support/summary/sun.html
    

ネットワーク設定の確認

通常、Oracle Databaseをインストールするコンピュータはネットワークに接続され、Oracle Databaseインストールを格納するためのローカル記憶域があり、ディスプレイ・モニターとCD-ROMまたはDVDドライブを備えています。

この項では、このような標準的な構成とは異なるコンピュータにOracle Databaseをインストールする方法について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

名前解決の構成

名前解決が設定されていない場合は、Oracle Universal Installerを実行するとエラーが発生することがあります。このエラーを回避するには、インストール前に、ホスト名が/etc/hostsファイルを介してのみ解決されることを確認する必要があります。

ホスト名が/etc/hostsファイルを介してのみ解決されることを確認する手順は、次のとおりです。

  1. /etc/hostsファイルが名前解決に使用されることを確認します。そのためには、次のようにnsswitch.confファイル内のhostsファイル・エントリを確認します。

    # cat /etc/nsswitch.conf | grep hosts
    
    

    このコマンドの出力には、ファイルのエントリが含まれています。

  2. 次のようにhostnameコマンドを使用して、ホスト名が設定されていることを確認します。

    # hostname
    
    

    このコマンドの出力は、次のようになります。

    myhost.mycomputer.com
    
    
  3. 次のようにdomainnameコマンドを使用して、ドメイン名が動的に設定されていないことを確認します。

    # domainname
    
    

    このコマンドでは結果が戻されません。

  4. 次のコマンドを使用して、hostsファイルに完全修飾ホスト名が含まれていることを確認します。

    # cat /etc/hosts | grep `eval hostname`
    
    

    このコマンドの出力には、完全修飾ホスト名とlocalhostのエントリが含まれています。

    次に例を示します。

    192.168.100.16    myhost.us.mycompany.com   myhost
    127.0.0.1         localhost                 localhost.localdomain
    
    

    hostsファイルに完全修飾ホスト名が含まれていない場合は、ファイルを開き、必要な変更を行います。

DHCPコンピュータへのインストール

Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)は、ネットワーク上で動的なIPアドレスを割り当てます。動的アドレッシングにより、コンピュータはネットワークに接続するたびに異なるIPアドレスを使用できます。コンピュータを接続したままでIPアドレスを変更できる場合もあります。DHCPシステムでは、静的IPアドレッシングと動的IPアドレッシングを混在させることができます。

DHCP設定時に、ソフトウェアによりIPアドレスが追跡され、ネットワーク管理が簡素化されます。これにより、新規コンピュータに一意のIPアドレスを手動で割り当てなくても、ネットワークに追加できます。

マルチホーム・コンピュータへのインストール

Oracle Databaseをマルチホーム・コンピュータにインストールできます。マルチホーム・コンピュータは複数のIPアドレスに関連付けられています。通常は、そのためにコンピュータに複数のネットワーク・カードが搭載されています。各IPアドレスはホスト名に関連付けられています。また、ホスト名の別名を設定できます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用してホスト名を検索します。ORACLE_HOSTNAMEが設定されておらず、インストール先コンピュータに複数のネットワーク・カードが搭載されている場合、Oracle Universal Installerでは/etc/hostsファイルの最初のエントリを使用してホスト名が判別されます。

クライアントは、このホスト名を使用するか、このホスト名の別名を使用して、コンピュータにアクセスできる必要があります。これを確認するには、短縮名(ホスト名のみ)および完全名(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名をpingします。両方のテストに成功する必要があります。

ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定

ORACLE_HOSTNAME環境変数を設定する手順は、次のとおりです。

たとえば、完全修飾ホスト名がsomehost.us.acme.comの場合は、次のいずれかのコマンドを入力します。

Bourne、BashまたはKornシェルの場合

$ ORACLE_HOSTNAME=somehost.us.acme.com
$ export ORACLE_HOSTNAME

Cシェルの場合

% setenv ORACLE_HOSTNAME somehost.us.acme.com

複数の別名を持つコンピュータへのインストール

複数の別名を持つコンピュータは、ネーミング・サービスに1つのIPと複数の別名で登録されます。ネーミング・サービスでは、これらの別名のいずれかが同じコンピュータに解決されます。この種のコンピュータにOracle Databaseをインストールする前に、ORACLE_HOSTNAME環境変数を、ホスト名を使用するコンピュータに設定してください。

非ネットワーク・コンピュータへのインストール

Oracle Databaseを非ネットワーク・コンピュータにインストールできます。ラップトップなどのコンピュータがDHCP用に構成されており、そのコンピュータをOracle Databaseのインストール後にネットワークに接続する予定の場合は、データベースのインストール先コンピュータでpingコマンドを使用して、コンピュータ自体に接続できるかどうかを確認します。この手順は、最初にホスト名のみ、次に完全修飾名を使用して実行します。この名前は/etc/hostsファイルで指定されている必要があります。


注意:

コンピュータ自体でpingコマンドを実行すると、そのコンピュータのIPアドレスが戻されます。 


pingコマンドに失敗した場合は、ネットワーク管理者に問い合せてください。

インストール後のコンピュータのネットワーク接続

インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のOracle Databaseインスタンスはネットワーク上の他のインスタンスで作業できます。コンピュータでは、接続先ネットワークに応じて静的IPまたはDHCPを使用できます。

必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムへOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、複数のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

Oracle Databaseをインストールする場合は、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

すべてのインストールに、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、1つのOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェアのインストールに、同じOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、個別にインストールする場合は、異なるOracleソフトウェア所有者ユーザー、OSDBAグループおよびOSOPERグループ(oracledbaおよびoper以外)を作成するように選択できます。インストールごとに異なるグループを使用すると、各グループのメンバーは、システム上のすべてのデータベースではなく、関連するデータベース上でのみDBA権限を持つことになります。

関連項目:

OSDBAグループとOSOPERグループおよびSYSDBA権限とSYSOPER権限の詳細は、『Oracle Database管理者リファレンスfor UNIX Systems』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 


注意:

ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Service(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、またはオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。  


必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法については後述します。

Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループが存在しない場合は、作成する必要があります。ここでは、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を判別する方法と、必要な場合に作成する方法について説明します。

Oracleインベントリ・グループの有無の判別

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名およびOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# more /var/opt/oracle/oraInst.loc

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名oinstallを示します。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のコマンドを入力してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

OSDBAグループの作成

次の場合には、OSDBAグループを作成する必要があります。

OSDBAグループが存在しない場合、または新規OSDBAグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドでは、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にはdbaを使用してください。

# /usr/sbin/groupadd dba

OSOPERグループの作成(オプション)

OSOPERグループを作成するのは、一連の限られたデータベース管理権限(SYSOPERオペレータ権限)を持つオペレーティング・システム・ユーザーのグループを識別する必要がある場合のみです。ほとんどのインストールの場合は、OSDBAグループのみを作成すれば十分です。OSOPERグループを使用する必要があれば、次の場合に作成してください。

新規のOSOPERグループが必要な場合は、次の手順で作成します。次のコマンドでは、同じ名前のグループが存在する場合を除き、グループ名にはoperを使用してください。

# /usr/sbin/groupadd oper

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の場合には、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの判別

oracleという名前のOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# id -a oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

ユーザーが存在する場合は、既存のユーザーを使用するか、または別のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、ユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであり、かつ適切なOSDBAグループおよびOSOPERグループのメンバーであることを確認してください。詳細は、次のいずれかの項を参照してください。


注意:

必要に応じて、既存のユーザーを使用または変更する前にシステム管理者に問い合せてください。 


Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新規Oracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、同じ名前のユーザーが存在する場合を除き、ユーザー名にはoracleを使用してください。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • -gオプションでは、プライマリ・グループを指定します。oinstallなど、Oracleインベントリ・グループを指定する必要があります。

    • -Gオプションでは、セカンダリ・グループを指定します。OSDBAグループおよび必要な場合はOSOPERグループを指定する必要があります。たとえば、dbaまたはdba,operなどを指定します。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd -r files oracle
    
    

操作を続けるには、「ユーザーnobodyの有無の確認」に進んでください。

Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーが存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合、あるいは適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーでない場合は、次のようなコマンドを入力して変更します。-gオプションを使用してプライマリ・グループを指定し、-Gオプションを使用して必要なセカンダリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba[,oper] oracle

ユーザーnobodyの有無の確認

ソフトウェアをインストールする前に、次の手順でシステム上にnobodyユーザーが存在することを確認します。

  1. このユーザーが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

    # id nobody
    
    

    このコマンドでnobodyユーザーに関する情報が表示される場合、そのユーザーを作成する必要はありません。

  2. nobodyユーザーが存在しない場合は、次のコマンドを入力して作成します。

    # /usr/sbin/useradd nobody
    

カーネル・パラメータの構成


注意:

次の項に示すパラメータ値およびシェル制限値は、あくまでも推奨値です。本番データベース・システムでは、これらの値をチューニングして、システムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータのチューニングの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 


次の表で、各カーネル・パラメータが表に示す推奨値以上の値に設定されていることを確認してください。この表には、/etc/systemファイル内で特定のカーネル・パラメータを置き換えるリソース制御も含まれています。表の後に、値を確認および設定する手順について説明します。


注意:

Solaris 10の場合、System V IPCを実装するために/etc/systemファイルを変更する必要はありません。Solaris 10では、実装にリソース制御機能が使用されます。 


パラメータ  リソース制御による置換  推奨値 

noexec_user_stack 

該当なし 

semsys:seminfo_semmni 

project.max-sem-ids 

100 

semsys:seminfo_semmns 

該当なし 

1024 

semsys:seminfo_semmsl 

project.max-sem-nsems 

256 

semsys:seminfo_semvmx 

該当なし 

32767 

shmsys:shminfo_shmmax 

project.max-shm-memory 

4294967295 

shmsys:shminfo_shmmin 

該当なし 

shmsys:shminfo_shmmni 

project.max-shm-ids 

100 

shmsys:shminfo_shmseg 

該当なし 

10 

リソース制御に指定されている現行値を表示し、必要に応じて変更する手順は、次のとおりです。

  1. リソース制御の現行値を表示するには、次のコマンドを入力します。

    # id -p // to verify the project id
    uid=0(root) gid=0(root) projid=1 (user.root)
    # prctl -n project.max-shm-memory -i project user.root
    # prctl -n project.max-sem-ids -i project user.root
    
    
  2. 現行値を変更する必要がある場合は、次の手順を実行します。

    1. max-shm-memoryの値を6GBに変更するには、次のように入力します。

      # prctl -n project.max-shm-memory -v 6gb -r -i project user.root
      
      
    2. max-sem-idsの値を256に変更するには、次のように入力します。

      # prctl -n project.max-sem-ids -v 256 -r -i project user.root
      


      注意:

      prctlコマンド(リソース制御)を使用してシステム・パラメータを変更した場合、これらのパラメータの変更を有効にするためにシステムを再起動する必要はありません。 ただし、システムの再起動後は変更したパラメータは保持されません。 


システムの再起動後に設定を有効にするためにリソース制御プロジェクト設定を変更する手順は、次のとおりです。

  1. デフォルトでは、Oracleインスタンスはdbaグループのoracleユーザーとして実行されます。 group.dbaという名前を持つプロジェクトが、oracleユーザーのデフォルト・プロジェクトとなるように作成されます。 oracleユーザーのデフォルト・プロジェクトを確認するには、idコマンドを実行します。

    # su - oracle
    $ id -p
    uid=100(oracle) gid=100(dba) projid=100(group.dba)
    $ exit
    
    
  2. 最大共有メモリー・サイズを2GBに設定するには、次のようにprojmodコマンドを実行します。

    # projmod -sK "project.max-shm-memory=(privileged,2G,deny)" group.dba
    
    

    あるいは、project.max-shm-memory=(privileged, 2147483648,deny)リソース制御をOracleプロジェクトのプロジェクト・エントリの最終フィールドに追加します。

  3. これらの手順が完了した後、/etc/projectファイルには次の内容が含まれる必要があります。

    # cat /etc/project
    
    

    このコマンドの出力は次のようになります。

    system:0::::
    user.root:1::::
    noproject:2::::
    default:3::::
    group.staff:10::::
    group.dba:100:Oracle default
    project:::project.max-shmmemory=(privileged,2147483648,deny)
    
    
  4. リソース制御がアクティブであることを確認するには、idコマンドおよびprctlコマンドを実行します。

    # su - oracle
    $ id -p
    uid=100(oracle) gid=100(dba) projid=100(group.dba)
    $ prctl -n project.max-shm-memory -i process $$
    process: 5754: -bash
    NAME     PRIVILEGE     VALUE     FLAG     ACTION    RECIPIENT
    project.max-shm-memory
                   privileged         2.00GB     -             deny
    


    注意:

    詳細は、『Solaris Tunable Parameters Reference Manual』を参照してください。 


必須ソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェアについて、次の各ディレクトリを識別または作成する必要があります。

Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールのトップレベル・ディレクトリです。Microsoft Windowsシステム上でOracleソフトウェアに使用されるC:\Oracleディレクトリに似ています。Solarisシステム上では、Optimal Flexible Architecture(OFA)ガイドラインに、Oracleベース・ディレクトリに次のようなパスを使用するという推奨事項があります。

/mount_point/app/oracle_sw_owner

各項目の意味は次のとおりです。

  • mount_pointは、Oracleソフトウェアが格納されるファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。

    このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01を使用しています。ただし、/oracleまたは/opt/oracleなど、別のマウント・ポイント・ディレクトリも選択できます。

  • oracle_sw_ownerは、oracleなど、Oracleソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。

複数のインストールに同じOracleベース・ディレクトリを使用する方法と、インストールごとに個別のOracleベース・ディレクトリを作成する方法があります。様々なオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステムにOracleソフトウェアをインストールする場合は、各ユーザーが個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例では、Oracleベース・ディレクトリがすべて同じシステムに存在します。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser
/opt/oracle/app/oracle

次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要に応じたOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のものを使用するかに関係なく、ORACLE_BASE環境変数を設定して、このディレクトリへのフル・パスを指定する必要があります。

Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システムにインストールされた全ソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システムにインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。システムにOracleソフトウェアを初めてインストールするときには、Oracle Universal Installerからこのディレクトリへのパス指定を求めるプロンプトが表示されます。次のパスを選択することをお薦めします。

oracle_base/oraInventory

指定したディレクトリが作成され、そこに適切な所有者、グループおよびアクセス権が設定されます。Oracleインベントリ・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意:

このディレクトリは、すべてのOracleソフトウェアのインストールで使用されます。必ず定期的にバックアップを作成してください。

すべてのOracleソフトウェアをシステムから完全に削除する場合を除き、このディレクトリを削除しないでください。 


Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするために選択するディレクトリです。様々なOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリへのパスと識別名の指定を求めるプロンプトが表示されます。Oracleホーム・ディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリとして指定する必要があります。Oracleホーム・ディレクトリについては、次のようなパスを指定することをお薦めします。

oracle_base/product/10.2.0/db_1

指定したディレクトリ・パスがOracleベース・ディレクトリの下に作成されます。また、適切な所有者、グループおよびアクセス権も設定されます。Oracleホーム・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意:

インストール時に、事前定義済のアクセス権が適用されている既存のディレクトリをOracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合は、ファイルおよびグループ所有権のアクセス権エラーにより、インストールが失敗する可能性があります。 


Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要な場合は作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。

既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリのパスが、OFAガイドラインに準拠していない場合があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常はOracleベース・ディレクトリを次の手順で識別できます。

  • 既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoraInst.locファイルの内容を表示します。

    # more /var/opt/oracle/oraInst.loc
    
    

    oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

    inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
    inst_group=oinstall
    
    

    inventory_locパラメータでは、Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)を識別します。oraInventoryディレクトリの親ディレクトリは、通常、Oracleベース・ディレクトリです。前述の例では、/u01/app/oracleはOracleベース・ディレクトリです。

  • 既存のOracleホーム・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoratabファイルの内容を表示します。

    # more /var/opt/oracle/oratab
    
    

    oratabファイルが存在する場合は、次のような行が含まれています。

    *:/u03/app/oracle/product/10.2.0/db_1:N
    *:/opt/orauser/infra_904:N
    *:/oracle/9.2.0:N
    
    

    各行で指定されているディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスが、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択となります。前述の例で、ソフトウェアのインストールにoracleユーザーを使用する場合は、次のディレクトリから選択できます。

    /u03/app/oracle
    /oracle
    


    注意:

    可能な場合は、1行目のようなディレクトリ・パス(/u03/app/oracle)を選択してください。このパスはOFAガイドラインに準拠しています。 


このインストールに既存のOracleベース・ディレクトリを使用するように決定する前に、次の条件を満たしているかどうかを確認します。

決定した方法に応じて、次のどちらかを参照してください。

  • Oracleベース・ディレクトリが存在し、それを使用する場合は、「Oracleデータベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択」を参照してください。

    oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、選択したディレクトリを指定するようにORACLE_BASE環境変数を設定します。

  • Oracleベース・ディレクトリがシステムに存在しない場合、またはOracleベース・ディレクトリを作成する場合は、次の項を参照してください。

Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、次に示すように、十分な空きディスク領域を持つ適切なファイル・システムを識別する必要があります。

要件  空きディスク領域 

Oracleベース・ディレクトリにソフトウェア・ファイルのみを格納する場合 

3GBまで。プラットフォームによって異なります。 

Oracleベース・ディレクトリにソフトウェア・ファイルとデータベース・ファイルの両方を格納する場合(本番データベースの場合は推奨外) 

4GBまで。プラットフォームによって異なります。 

適切なファイル・システムを識別する手順は、次のとおりです。

  1. df -kコマンドを使用して、マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を判別します。

  2. 表示される出力から、適切な空き領域のあるファイル・システムを識別します。

  3. 識別したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前をメモします。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を指定する手順は、次のとおりです。

  1. 次のような各コマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨のサブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    
    

    たとえば、識別したマウント・ポイントが/u01で、oracleがOracleソフトウェア所有者のユーザー名の場合、推奨されるOracleベース・ディレクトリ・パスは次のようになります。

    /u01/app/oracle
    
    
  2. oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、作成したOracleベース・ディレクトリを指定するようにORACLE_BASE環境変数を設定します。

Oracleデータベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションの選択

次の表に、Oracle DatabaseファイルおよびOracle Databaseリカバリ・ファイルを格納するにあたり、サポートされる記憶域オプションを示します。Oracle Databaseファイルには、データファイル、制御ファイル、REDOログ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルおよびパスワード・ファイルが含まれます。

すべてのインストールについて、Oracle Databaseファイルに使用する記憶域オプションを選択する必要があります。また、インストール時に自動バックアップを有効にする場合は、リカバリ・ファイル(フラッシュ・リカバリ領域)に使用する記憶域オプションを選択する必要があります。各ファイル・タイプに、同じ記憶域オプションを使用する必要はありません。


重要

データベース・ファイルは、ファイル・システム、自動ストレージ管理およびRAWデバイスでサポートされます。リカバリ・ファイルは、ファイル・システムと自動ストレージ管理でのみサポートされます。 


記憶域オプション 

サポートされるファイル・タイプ 

データベース  リカバリ 

ファイル・システム 

Yes 

Yes 

自動ストレージ管理 

Yes 

Yes 

RAWデバイス 

Yes 

No 

各ファイル・タイプに使用する記憶域オプションを選択する場合は、次のガイドラインに従ってください。

  • 各ファイル・タイプに対し、サポートされる記憶域オプションの任意の組合せを選択できます。

  • データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルの記憶域オプションとして自動ストレージ管理を選択することをお薦めします。

  • これらの記憶域オプションの詳細は、「データベース記憶域オプション」を参照してください。

インストールを開始する前にディスク記憶域を構成する方法については、選択するオプションに応じて次の各項を参照してください。

Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル用ディレクトリの作成

この項の内容は、次のとおりです。

Oracle Databaseファイルのファイル・システムへの格納に関するガイドライン

ファイル・システムにOracle Databaseファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定できます。

  • Oracle Universal Installerにより提示されるデータベース・ファイルのディレクトリのデフォルト・パスは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリです。

  • データベース・ファイルの格納には、単一のファイル・システムまたは複数のファイル・システムを選択できます。

    • 単一のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の物理デバイス上でファイル・システムを選択してください。

      最適のパフォーマンスと信頼性を得るには、複数の物理デバイス上でRAIDデバイスまたは論理ボリュームを選択して、Stripe-And-Mirror-Everything(SAME)方法論を実装します。

    • 複数のファイル・システムを使用する場合は、データベース専用の個別物理デバイス上でファイル・システムを選択します。

      この方法では、様々なデバイスに物理I/Oを分散させ、個別の制御ファイルを作成することで信頼性を高めることができます。また、付録D「Optimal Flexible Architecture」で説明するOFAガイドラインを完全に実現できます。この方法を実装するには、インストール時に「詳細」データベース作成オプションまたは「カスタム」インストール・タイプを選択する必要があります。

  • インストール時に事前構成済データベースを作成する場合は、選択するファイル・システム(複数も可)に1.2GB以上の空きディスク領域が必要です。

    本番データベースの場合は、そのデータベースの用途に応じてディスク領域の所要量を見積もる必要があります。

  • 最適なパフォーマンスを得る場合は、データベース専用の物理デバイス上にあるファイル・システムを選択する必要があります。

  • 指定したパス内にファイルを作成するには、oracleユーザーに書込み権限が必要です。

Oracleリカバリ・ファイルのファイル・システムへの格納に関するガイドライン


注意:

インストール時に自動バックアップを有効にする場合のみ、リカバリ・ファイルの場所を選択する必要があります。 


ファイル・システムにOracleリカバリ・ファイルを格納する場合は、次のガイドラインを使用してファイルの格納場所を決定できます。

必要なディレクトリの作成


注意:

この手順を実行する必要があるのは、個別のファイル・システム上でOracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイルをOracleベース・ディレクトリに格納する場合のみです。 


個別のファイル・システム上でOracleデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのディレクトリをOracleベース・ディレクトリに作成する手順は、次のとおりです。

  1. df -kコマンドを使用して、マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を判別します。

  2. 表示される内容から、使用するファイル・システムを識別します。

    ファイル・タイプ  ファイル・システム要件 

    データベース・
    ファイル 

    次のいずれかを選択します。

    • 1.2GB以上の空きディスク領域を持つ単一のファイル・システム

    • 合計で1.2GB以上の空きディスク領域を持つ2つ以上のファイル・システム

     

    リカバリ・
    ファイル 

    2.4 GB以上の空きディスク領域を持つファイル・システムを選択します。 

    複数のファイル・タイプに対して同じファイル・システムを使用している場合は、タイプごとのディスク領域要件を加算して、合計ディスク領域要件を判別します。

  3. 識別したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前をメモします。

  4. 次のような各コマンドを入力して、各マウント・ポイント・ディレクトリに推奨のサブディレクトリを作成し、それに対する適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    • データベース・ファイルのディレクトリ

      # mkdir /mount_point/oradata
      # chown oracle:oinstall /mount_point/oradata
      # chmod 775 /mount_point/oradata
      
      
    • リカバリ・ファイル・ディレクトリ(フラッシュ・リカバリ領域)

      # mkdir /mount_point/flash_recovery_area
      # chown oracle:oinstall /mount_point/flash_recovery_area
      # chmod 775 /mount_point/flash_recovery_area
      
      
  5. 記憶域に自動ストレージ管理またはRAWデバイスも使用する場合は、次のいずれかの項を参照してください。

自動ストレージ管理インストールのためのディスク・グループの準備

この項では、自動ストレージ管理で使用できるようにディスクを構成する方法について説明します。ディスクを構成する前に、必要なディスク数および空きディスク領域の量を判別する必要があります。次の項では、要件の識別方法および各プラットフォームにおけるディスクの構成方法を説明します。

自動ストレージ管理の一般的な構成手順

自動ストレージ管理を構成する一般的な手順は、次のとおりです。

  1. サイトの記憶域要件を識別します。

  2. 必要に応じて、既存の自動ストレージ管理ディスク・グループを使用します。

  3. 新規の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成する場合は、DASまたはSANディスク用のパーティションを作成します。

  4. 次のいずれかの方法で自動ストレージ管理構成を完了します。

    • 対話型モードでOracle Databaseをインストールする場合、Oracle Universal Installerでは、インストール中に自動ストレージ管理用ディスクの構成情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

    • 非対話型モードでOracle Databaseをインストールする場合は、インストールを実行する前にディスクを手動で構成する必要があります。

手順1: 自動ストレージ管理の記憶要件の識別

自動ストレージ管理を使用して記憶要件を識別するには、必要なデバイス数および空きディスク領域の量を判別する必要があります。このタスクを完了する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Databaseファイルまたはリカバリ・ファイル、あるいはその両方に自動ストレージ管理を使用するかどうかを判断します。

    インストール時に自動バックアップを有効にする場合、フラッシュ・リカバリ領域に自動ストレージ管理ディスク・グループを指定して、リカバリ・ファイルの記憶域メカニズムとして自動ストレージ管理を選択できます。インストール時のデータベース作成の選択方法により、次のオプションを指定できます。

    • 対話型モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール方法(たとえば、「詳細」データベース構成オプション)を選択すると、データベース・ファイルとリカバリ・ファイルに同じ自動ストレージ管理ディスク・グループを使用するかどうかを判断できます。あるいは、各ファイル・タイプに対して異なるディスク・グループをそれぞれ選択できます。可能であれば、データファイル用とリカバリ・ファイル用に個別の自動ストレージ管理ディスク・グループを作成する必要があります。

      Oracle Database Configuration Assistantを使用してインストール後にデータベースを作成する場合は、同じ選択ができます。

    • 非対話型モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール・タイプを選択する場合は、データファイルとリカバリ・ファイルに同一の自動ストレージ管理ディスク・グループを使用する必要があります。

  2. 作成する自動ストレージ管理ディスク・グループごとに、使用する自動ストレージ管理の冗長性レベルを選択します。

    自動ストレージ管理ディスク・グループに冗長性レベルを選択すると、ディスク・グループにおける自動ストレージ管理によるファイルのミラー化方法および必要なディスク数とディスク領域の量を、次のように判別できます。

    • 外部冗長性

      外部冗長性ディスク・グループには、1つ以上のディスク・デバイスが必要です。外部冗長性ディスク・グループの有効なディスク領域は、その全デバイス内のディスク領域の合計です。

      このオプションを選択した場合、自動ストレージ管理では、ディスク・グループの内容はミラー化されません。この冗長性レベルは、次のいずれかの場合に選択します。

      • RAIDデバイスなど、それ自体がデータ保護を提供するデバイスがディスク・グループに含まれる場合。

      • 適切なバックアップ方法がある開発環境など、データベースの使用方法が割込みなしのデータ・アクセスを必要としない場合。

    • 標準冗長性

      標準冗長性ディスク・グループでは、パフォーマンスおよび信頼性を改善するために、自動ストレージ管理により、データファイルには2方向ミラー化、制御ファイルには3方向ミラー化がデフォルトで使用されます。あるいは、2方向ミラー化を使用するか、ミラー化を使用しないこともできます。2方向ミラー化を使用する場合、標準冗長性ディスク・グループには、2つ以上の障害グループ(または2つ以上のディスク・デバイス)が必要です。標準冗長性ディスク・グループの有効なディスク領域は、その全デバイス内のディスク領域の合計の1/2です。

      Oracleでは、ほとんどのインストールに標準冗長性ディスク・グループの使用をお薦めします。

    • 高冗長性

      ディスク・グループの内容は、デフォルトで3方向でミラー化されます。高冗長性ディスク・グループを作成するには、3つ以上の障害グループ(3つ以上のデバイス)を指定する必要があります。

      高冗長性ディスク・グループでは最高水準のデータ保護が提供されますが、この冗長性レベルの使用を決定する前に追加するストレージ・デバイスの高コストを考慮する必要があります。

  3. データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルに必要なディスク領域の合計量を判別します。

    次の表を使用して、インストールに必要な最小ディスク数と最小ディスク領域を判別します。

    冗長性レベル  最小ディスク数  データファイル  リカバリ・
    ファイル
     
    両方の
    ファイル・タイプ
     

    外部 

    1.15GB 

    2.3GB 

    3.45GB 

    標準 

    2.3GB 

    4.6GB 

    6.9GB 

    高 

    3.45GB 

    6.9GB 

    10.35GB 

    ASMインスタンスがシステム上ですでに実行中である場合、これらの領域要件を満たすように既存のディスク・グループを使用できます。必要に応じて、インストール時にディスクを既存のディスク・グループに追加できます。

    次の手順では、既存のディスク・グループの識別方法およびディスク・グループに含まれる空きディスク領域の判別方法を説明します。

  4. オプションで、自動ストレージ管理ディスク・グループ・デバイスに対する障害グループを識別します。

    標準冗長性ディスク・グループまたは高冗長性ディスク・グループを使用する場合、ディスク・デバイスのセットをカスタム障害グループに関連付けることにより、データベースをハードウェア障害からさらに保護できます。デフォルトでは、各デバイスはそれぞれの障害グループを導出します。ただし、標準冗長性ディスク・グループの2つのディスク・デバイスが同じSCSIコントローラに接続されている場合、コントローラに障害が発生するとディスク・グループは使用できなくなります。この例のコントローラは、シングル・ポイント障害です。

    このような障害を防ぐために、2つのSCSIコントローラ(それぞれが2つのディスクを持つ)を使用し、各コントローラに接続するディスクに対して障害グループを定義できます。この構成では、ディスク・グループによる1つのSCSIコントローラの障害の許容が可能になります。


    注意:

    カスタム障害グループを定義する場合、標準冗長性ディスク・グループに対して2つ以上の障害グループ、および高冗長性ディスク・グループに対して3つ以上の障害グループを指定する必要があります。 


  5. システムに最適なディスク・グループが存在しないことが確実な場合、適切なディスク・デバイスをインストールまたは識別して新しいディスク・グループに追加します。適切なディスク・デバイスを識別する場合は、次のガイドラインを適用します。

手順2: 既存の自動ストレージ管理ディスク・グループの使用


注意:

これはオプションの手順です。 


既存の自動ストレージ管理ディスク・グループにデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルのいずれかを格納する場合は、選択するインストール方法に応じて次を選択します。

  • 対話型モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール方法(たとえば、「詳細」データベース構成オプション)を選択すると、ディスク・グループを作成するか、または既存のディスク・グループを使用するかを決定できます。

    Oracle Database Configuration Assistantを使用してインストール後にデータベースを作成する場合は、同じ選択ができます。

  • 非対話型モードでOracle Database Configuration Assistantを実行するインストール方法を選択する場合、既存のディスク・グループを新規データベースに選択する必要があります。ディスク・グループは作成できません。ただし、要件の空き領域が不十分な場合には、既存のディスク・グループにディスク・デバイスを追加できます。

既存の自動ストレージ管理ディスク・グループが存在するかどうか、またはディスク・グループ内に十分なディスク領域があるかどうかを判断するには、Oracle Enterprise Manager Grid ControlまたはDatabase Controlを使用できます。あるいは、次の手順を使用できます。

  1. oratabファイルの内容を表示して、ASMインスタンスがシステム上に構成されているかどうかを判別します。

    # more /var/opt/oracle/oratab
    # more /etc/oratab
    
    

    ASMインスタンスがシステム上に構成されると、次の行に類似した行がoratabファイルに含まれます。

    +ASM:oracle_home_path:N
    
    

    この例では、+ASMはASMインスタンスのシステム識別子(SID)であり、oracle_home_pathはインストールされているOracleホーム・ディレクトリです。表記規則では、ASMインスタンスのSIDは、プラス記号で始まります。

  2. シェル・ウィンドウを開き、ORACLE_SIDおよびORACLE_HOME環境変数を一時的に設定して、使用するASMインスタンスに適切な値を指定します。

    たとえば、自動ストレージ管理のSIDがOraDB10g+ASMで、ORACLE_BASEディレクトリのasmサブディレクトリにある場合は、次のコマンドを入力して必須設定を作成します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_SID=OraDB10g+ASM
      $ export ORACLE_SID
      $ ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/10.2.0/asm
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_SID OraDB10g+ASM
      % setenv ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/10.2.0/asm
      
      
  3. 必要に応じて、SQL*PlusでSYSDBA権限を使用してSYSユーザーとしてASMインスタンスに接続し、インスタンスを開始します。

    # $ORACLE_HOME/bin/sqlplus "SYS/SYS_password as SYSDBA"
    SQL> STARTUP
    
    
  4. 次のコマンドを入力して、既存のディスク・グループ、そのディスク・グループの冗長性レベルおよび各グループの空きディスク領域を表示します。

    SQL> SELECT NAME,TYPE,TOTAL_MB,FREE_MB FROM V$ASM_DISKGROUP;
    
    
  5. この出力から、ディスク・グループと適切な冗長性レベルを識別し、含まれる空き領域を書き留めます。

  6. 必要に応じて、ディスク・デバイスを追加してインストールまたは識別し、前述の項で記述した記憶要件を満たします。

手順3: 自動ストレージ管理に使用するDASまたはSANディスク・パーティションの作成

自動ストレージ管理にDASまたはSANディスクを使用するには、そのディスクにパーティション表が必要です。ディスクごとに、全体を含むパーティションを1つのみ作成することをお薦めします。


注意:

パーティション化されていれば、任意の物理ディスクを自動ストレージ管理に使用できます。 


手順4: 自動ストレージ管理に使用するディスクの構成

自動ストレージ管理用ディスクを構成する手順は、次のとおりです。

  1. 必要に応じて、ディスク・グループに使用するディスクをインストールし、システムを再起動します。

  2. 自動ストレージ管理ディスク・グループに含めるディスク・スライス(パーティション)を作成または識別するには、次の手順を実行します。

    1. システムに連結されているディスクをリスト表示するには、次のコマンドを入力します。

      # /usr/sbin/format
      
      

      このコマンドの出力は、次のようになります。

      AVAILABLE DISK SELECTIONS:
             0. c0t0d0 <ST34321A cyl 8892 alt 2 hd 15 sec 63>
                /pci@1f,0/pci@1,1/ide@3/dad@0,0
             1. c1t5d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133>
                /pci@1f,0/pci@1/scsi@1/sd@5,0
      
      

      このコマンドでは、デバイス名(cxtydz)を含め、システムに連結されている各ディスクの情報が表示されます。

    2. 使用するディスクに対応する番号を入力します。

    3. ディスクにSolarisパーティションが存在しない場合は、fdiskコマンドを使用して作成します。

      Solarisのfdiskパーティションは、シリンダ0ではなくシリンダ1から始まる必要があります。fdiskパーティションを作成した場合は、先に進む前にディスクにラベルを付ける必要があります。

    4. partitionコマンドに続けてprintコマンドを入力し、使用するディスクのパーティション表を表示します。

    5. 必要な場合は、シリンダ1から始まるディスク全体のスライスを1つ作成します。

    6. 使用するスライスの番号をメモします。

    7. パーティション表を変更したか新規に作成した場合は、labelコマンドを入力してパーティション表とラベルをディスクに書き込みます。

    8. qと入力してformatメニューに戻ります。

    9. スライスの作成完了後に、qと入力してformatユーティリティを終了します。または、diskコマンドを入力して新規ディスクを選択し、手順bから手順gを繰り返して、そのディスクのスライスを作成または識別します。

  3. 既存のスライスを使用する予定の場合は、次のコマンドを入力し、ファイル・システムとしてマウントされていないことを確認します。

    # df -k
    
    

    このコマンドでは、ファイル・システムとしてマウントされているディスク・デバイスのスライスに関する情報が表示されます。スライスのデバイス名は、ディスク・デバイス名とそれに続くスライス番号として表示されます(cxtydzsnなど)。snはスライス番号です。

  4. すべてのノードで次のようなコマンドを入力して、ディスク・グループを追加するディスク・スライスごとに、キャラクタRAWデバイス・ファイルの所有者、グループおよびアクセス権を変更します。

    # chown oracle:dba /dev/rdsk/cxtydzs6
    # chmod 660 /dev/rdsk/cxtydzs6
    
    

    この例では、デバイス名はスライス6を示しています。


    注意:

    マルチ・パスのディスク・ドライバを自動ストレージ管理で使用している場合は、ディスクに適切な論理デバイス名にのみアクセス権が設定されていることを確認します。 


  5. 記憶域にRAWデバイスも使用する場合は、「RAWパーティションまたはRAW論理ボリュームの構成」を参照してください。

    それ以外の場合は、次の項を参照してください。

    「既存のOracleプロセスの停止」.

RAWパーティションまたはRAW論理ボリュームの構成

次の各項では、RAWパーティションまたはRAW論理ボリュームの構成方法について説明します。

Oracle Databaseファイルの記憶域用RAWパーティションの構成

この項では、Oracleデータベース・ファイルのRAWパーティションを構成する方法について説明します。

パーティションは、ディスク上またはディスク配列ボリューム上で定義されたスライスです。Solaris Volume Managerを使用して作成されたソフト・パーティションも使用できます。

表2-1に、データベース・ファイルについて構成する必要があるRAWパーティションの数およびサイズを示します。

表 2-1    データベース・ファイルに必要なRAWパーティション 
  サイズ(MB)  用途およびデータベース・オブジェクト識別子 

500 

SYSTEM表領域:

system

1  

500 

SYSAUX表領域:

sysaux

500 

UNDOTBS1表領域:

undotbs1

250 

TEMP表領域:

temp

160 

EXAMPLE表領域:

example

120 

USERS表領域:

users

120 

2つのオンラインREDOログ・ファイル
mはログ番号1または2):

redo1_m

110 

制御ファイル1および2:

control{1|2}

サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE):

spfile

パスワード・ファイル:

pwdfile

データベース・ファイル用のRAWパーティションを構成する手順は、次のとおりです。

  1. 作成するデータベースの名前を選択します。

    英字で始まる4文字以内の名前(orclなど)を選択する必要があります。

  2. 必要に応じて、使用するディスクをインストールまたは構成し、システムを再起動します。

  3. Solaris Volume Managerのソフト・パーティションを使用する場合、作成方法はSolaris Volume Managerのマニュアルを参照してください。

    必要なパーティションの数とサイズについては、前述の表を参照してください。

  4. ディスク・スライスを使用する場合は、次の手順に従って必要なディスク・スライスを作成または識別します。

    1. システムに連結されているディスクをリスト表示するには、次のコマンドを入力します。

      # /usr/sbin/format
      
      

      このコマンドの出力は、次のようになります。

      AVAILABLE DISK SELECTIONS:
             0. c0t0d0 <ST34321A cyl 8892 alt 2 hd 15 sec 63>
                /pci@1f,0/pci@1,1/ide@3/dad@0,0
             1. c1t5d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133>
                /pci@1f,0/pci@1/scsi@1/sd@5,0
      
      

      このコマンドでは、デバイス名(cxtydz)を含め、システムに連結されている各ディスクの情報が表示されます。

    2. 使用するディスクに対応する番号を入力します。

    3. ディスクにSolarisパーティションが存在しない場合は、fdiskコマンドを使用して作成します。

      Solarisのfdiskパーティションは、シリンダ0ではなくシリンダ1から始まる必要があります。fdiskパーティションを作成した場合は、先に進む前にディスクにラベルを付ける必要があります。

    4. partitionコマンドに続けてprintコマンドを入力し、使用するディスクのパーティション表を表示します。

    5. 必要なパーティションごとにスライスを識別または作成します。

      データベース・ファイルに必要なパーティションの数とサイズについては、前述の表を参照してください。


      注意:

      データベース・ファイルによるパーティション表の上書きを防止するために、シリンダ0から始まるスライス(スライス2など)は使用しないでください。 


    6. 使用するスライスの番号をメモします。

    7. パーティション表を変更したか新規に作成した場合は、labelコマンドを入力してパーティション表とラベルをディスクに書き込みます。

    8. qと入力してformatメニューに戻ります。

    9. スライスの作成完了後に、qと入力してformatユーティリティを終了します。

  5. 既存のパーティションを使用する予定の場合は、次のコマンドを入力し、ファイル・システムとしてマウントされていないことを確認します。

    # df -k
    
    

    このコマンドでは、ファイル・システムとしてマウントされているデバイスに関する情報が表示されます。スライスのデバイス名は、ディスク・デバイス名とそれに続くスライス番号として表示されます(cxtydzsnなど)。snはスライス番号です。Solaris Volume Managerパーティション用のデバイス名は、/dev/md/dsk/dnnnのように表示されます。dnnnは、ソフト・パーティション名です。

  6. 次のようなコマンドを入力して、パーティションごとにキャラクタRAWデバイス・ファイルの所有者、グループおよびアクセス権を変更します。

    • Solaris Volume Managerのソフト・パーティションの場合

      # chown oracle:dba /dev/md/rdsk/d100
      # chmod 660 /dev/md/rdsk/d100
      
      
    • ディスク・スライスの場合

      # chown oracle:dba /dev/rdsk/cxtydzsn
      # chmod 660 /dev/rdsk/cxtydzsn
      
      
  7. 次の手順に従って、Oracle Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルを作成します。

    1. ORACLE_BASE環境変数を設定し、以前に識別または作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

      • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

        $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle ; export ORACLE_BASE
        
        
      • Cシェルの場合

        % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
        
        
    2. Oracleベース・ディレクトリの下にデータベース・ファイル・サブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

      # mkdir -p $ORACLE_BASE/oradata/dbname
      # chown -R oracle:oinstall $ORACLE_BASE/oradata
      # chmod -R 775 $ORACLE_BASE/oradata
      
      

      この例で、dbnameは前に選択したデータベース名です。

    3. $ORACLE_BASE/oradata/dbnameディレクトリに移動します。

    4. 任意のテキスト・エディタを使用して、次のように、各データベース・ファイルに関連付けられているデバイス・ファイル名を識別するテキスト・ファイルを作成します。

      このファイルには、dbname_raw.confのようなファイル名を使用することをお薦めします。


      注意:

      次の例に、Solaris Volume Managerのソフト・パーティションを指定するサンプル・マッピング・ファイルを示します。ディスク・スライスを使用している場合は、次のようにスライスごとに適切なデバイス・ファイル名を指定します。

      /dev/rdsk/cxdytzsn
       

      system=/dev/md/rdsk/d100
      sysaux=/dev/md/rdsk/d101
      example=/dev/md/rdsk/d102
      users=/dev/md/rdsk/d103
      temp=/dev/md/rdsk/d104
      undotbs1=/dev/md/rdsk/d105
      redo1_1=/dev/md/rdsk/d106
      redo1_2=/dev/md/rdsk/d107
      control1=/dev/md/rdsk/d108
      control2=/dev/md/rdsk/d109
      spfile=/dev/md/rdsk/d110
      pwdfile=/dev/md/rdsk/d111
      
      

      この例で、dbnameはデータベース名です。

      このファイルの作成または編集時には、次のガイドラインに従ってください。

      • ファイルの各行には次の書式を使用する必要があります。

        database_object_identifier=device_file_name
        
        
      • 自動UNDO表領域データファイルを1つ(undotbs1)と、REDOログ・ファイルを2つ(redo1_1redo1_2)指定します。

      • 制御ファイルを2つ以上(control1control2)指定します。

      • 自動UNDO管理のかわりに手動UNDO管理を使用するには、自動UNDO管理表領域データファイルのかわりにRBS表領域データファイル(rbs)を1つ指定します。

    5. ファイルを保存し、指定したファイル名をメモします。

    6. oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、DBCA_RAW_CONFIG環境変数を設定して、このファイルへのフルパスを指定します。

Oracle Databaseファイルの記憶域用RAW論理ボリュームの構成

この項では、SPARCシステムでVERITAS Volume Manager(VxVM)を使用してRAW論理ボリュームを構成する方法について説明します。

ディスク・グループの作成

ディスク・グループを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 必要に応じて、ディスク・グループに使用するディスクをインストールし、システムを再起動します。

  2. ディスクが使用可能であることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/format
    
    

    このコマンドの出力は、次のようになります。

    AVAILABLE DISK SELECTIONS:
           0. c0t0d0 <ST34321A cyl 8892 alt 2 hd 15 sec 63>
              /pci@1f,0/pci@1,1/ide@3/dad@0,0
           1. c1t5d0 <SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133>
              /pci@1f,0/pci@1/scsi@1/sd@5,0
    
    

    このコマンドでは、デバイス名(cxtydz)を含め、システムに連結されている各ディスクの情報が表示されます。

  3. リストから、ディスク・グループに追加するディスク・デバイスのデバイス名を識別し、[Ctrl]を押しながら[D]を押してformatユーティリティを終了します。

  4. 次のコマンドを入力し、識別したデバイスがファイル・システムとしてマウントされていないことを確認します。

    # df -k
    
    

    このコマンドでは、ファイル・システムとしてマウントされているディスク・デバイスのパーティション(スライス)に関する情報が表示されます。スライスのデバイス名は、ディスク・デバイス名とそれに続くスライス番号として表示されます(cxtydzsnなど)。snはスライス番号です。 スライス2(s2)はディスク全体を表します。 選択するディスク・デバイスは、マウント済のパーティションとして表示されてはなりません。

  5. 次のコマンドを入力し、識別したデバイスがディスク・グループにまだ含まれていないことを確認します。

    # /usr/sbin/vxdiskconfig
    # /usr/sbin/vxdisk list
    
    

    vxdisk listコマンドは、すでにディスク・グループで構成されているディスク・デバイスを識別します。 また、STATUS列のオンラインという語は、初期化され、VxVMの制御下に置かれているディスクを識別します。 STATUS列のエラーという語は、初期化されていないディスクを識別します。

    選択したディスク・デバイスは、既存のディスク・グループに含まれてはなりません。

  6. 使用するディスク・デバイスが初期化されていない場合、次のようなコマンドを入力して各ディスクを初期化します。

    # /usr/sbin/vxdiskadd cxtydz
    
    
  7. ディスク・グループを作成するには、次のようなコマンドを入力し、グループに追加するすべてのディスクを指定します。

    # /usr/sbin/vxdg init diskgroup diskname=devicename ...
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • diskgroupは、作成するディスク・グループ名(oradgなど)です。

    • disknameは、ディスクに割り当てる管理名(orad01など)です。

    • devicenameはデバイス名(c1t0d0など)です。

新規ディスク・グループでのRAW論理ボリュームの作成

新規ディスク・グループで必要なRAW論理ボリュームを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 作成するデータベースの名前を選択します。

    英字で始まる4文字以内の名前(orclなど)を選択する必要があります。

  2. 作成する論理ボリュームを識別します。

    表2-2に、データベース・ファイルに作成する必要がある論理ボリュームの数およびサイズを示します。

    表 2-2    Solarisでデータベース・ファイルに必要なRAW論理ボリューム 
      サイズ(MB)  目的および論理ボリューム名のサンプル 

    500 

    SYSTEM表領域:

    dbname_system_raw_500m

    500 

    SYSAUX表領域:

    dbname_sysaux_raw_500m

    500 

    UNDOTBS1表領域:

    dbname_undotbs1_raw_500m

    250 

    TEMP表領域:

    dbname_temp_raw_250m

    160 

    EXAMPLE表領域:

    dbname_example_raw_160m

    120 

    USERS表領域:

    dbname_users_raw_120m

    120 

    2つのオンラインREDOログ・ファイル(mはログ番号1または2):

    dbname_redo1_m_raw_120m

    110 

    制御ファイル1および2:

    dbname_control{1|2}_raw_110m

    サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE):

    dbname_spfile_raw_5m

    パスワード・ファイル:

    dbname_pwdfile_raw_5m

  3. 必要な論理ボリュームを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/vxassist -g diskgroup make volume size user=oracle \
     group=dba mode=660
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • diskgroupは、以前作成したディスク・グループの名前(oradgなど)です。

    • volumeは、作成する論理ボリュームの名前です。

      論理ボリュームには、前の表に示したサンプル名を使用することをお薦めします。 論理ボリュームのサンプル名の変数dbnameを、手順1でデータベースに選択した名前で置き換えます。

    • sizeは論理ボリュームのサイズです(たとえば、500mは500MBを表します)。

    • user=oracle group=dba mode=660は、ボリュームの所有者、グループおよび権限を指定します。

      userおよびgroupの値に対し、Oracleソフトウェア所有者ユーザーおよびOSDBAグループを指定します(通常はoracleおよびdba)。

    次の例では、testというデータベースのSYSAUX表領域に対して、oradgディスク・グループに500MBの論理ボリュームを作成する際に使用するサンプル・コマンドを示します。

    # /usr/sbin/vxassist -g oradb make test_sysaux_500m 500m \
    user=oracle group=dba mode=660
    
Oracle Database Configuration AssistantのRAWデバイス・マッピング・ファイルの作成

Oracle Database Configuration Assistantで、データベース・ファイルごとに適切なRAWデバイスを識別できるようにするには、次のようにRAWデバイス・マッピング・ファイルを作成する必要があります。

  1. ORACLE_BASE環境変数を設定し、以前に識別または作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle ; export ORACLE_BASE
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      
      
  2. Oracleベース・ディレクトリの下にデータベース・ファイル・サブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびアクセス権を設定します。

    # mkdir -p $ORACLE_BASE/oradata/dbname
    # chown -R oracle:oinstall $ORACLE_BASE/oradata
    # chmod -R 775 $ORACLE_BASE/oradata
    
    

    この例で、dbnameは前に選択したデータベース名です。

  3. $ORACLE_BASE/oradata/dbnameディレクトリに移動します。

  4. 次のコマンドを入力し、RAWデバイス・マッピング・ファイルの作成に使用できるテキスト・ファイルを作成します。

    # find /dev/vx/rdsk/diskgroup -user oracle -name dbname* \
    -print > dbname_raw.conf
    
    
  5. 任意のテキスト・エディタでdbname_raw.confファイルを編集し、次のようなファイルを作成します。

    system=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_system_raw_500m
    sysaux=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_sysaux_raw_500m
    example=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_example_raw_160m
    users=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_users_raw_120m
    temp=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_temp_raw_250m
    undotbs1=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_undotbs1_raw_500m
    redo1_1=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_redo1_1_raw_120m
    redo1_2=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_redo1_2_raw_120m
    control1=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_control1_raw_110m
    control2=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_control2_raw_110m
    spfile=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_spfile_raw_5m
    pwdfile=/dev/vx/rdsk/diskgroup/dbname_pwdfile_raw_5m
    
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • diskgroupはディスク・グループ名です。

    • dbnameは、データベース名です。

    このファイルの作成または編集時には、次のガイドラインに従ってください。

    • ファイルの各行には次の書式を使用する必要があります。

      database_object_identifier=logical_volume
      
      

      このマニュアルで提案している論理ボリューム名には、このマッピング・ファイルで使用する必要があるデータベース・オブジェクト識別子が含まれます。 たとえば、次の論理ボリューム名では、redo1_1がデータベース・オブジェクト識別子です。

      /dev/vx/rdsk/oradg/rac_redo1_1_raw_120m
      
      
    • シングル・インスタンス・データベースの場合、このファイルは1つの自動UNDO表領域データファイル(undotbs1)および少なくとも2つのREDOログ・ファイル(redo1_1redo1_2)を指定する必要があります。

    • 制御ファイルを2つ以上(control1control2)指定します。

    • 自動UNDO管理のかわりに手動UNDO管理を使用するには、自動UNDO管理表領域データファイルのかわりにRBS表領域データファイル(rbs)を1つ指定します。

  6. ファイルを保存し、指定したファイル名をメモします。

  7. oracleユーザーの環境を構成するときに(後述)、DBCA_RAW_CONFIG環境変数を設定して、このファイルへのフルパスを指定します。

  8. 続行するには、「既存のOracleプロセスの停止」を参照してください。

既存のOracleプロセスの停止


注意:

Oracle Database 10g製品を既存のOracleホームに追加でインストールするには、Oracleホームで実行中のすべての処理を停止します。Oracle Universal Installerを有効にして特定の実行可能ファイルおよびライブラリを再リンクするには、このタスクを完了する必要があります。 


インストール時にデータベースの作成を選択する場合、ほとんどのインストール・タイプではTCP/IPポート1521とIPCキー値EXTPROCを使用してデフォルトのOracle Net Listenerが構成および開始されます。しかし、既存のOracle Net Listenerプロセスが同じポートまたはキー値を使用している場合には、Oracle Universal Installerは新しいリスナーを構成するのみで開始はできません。新しいリスナー・プロセスがインストール時に確実に開始されるようにするには、Oracle Universal Installerを開始する前にすべての既存のリスナーをシャットダウンする必要があります。

既存のリスナー・プロセスが実行しているかどうかを判別し、必要に応じてシャットダウンする手順は、次のとおりです。

  1. ユーザーをoracleに切り替えます。

    # su - oracle
    
    
  2. 次のコマンドを入力して、リスナー・プロセスが実行中かどうかを判別し、その名前とそのプロセスがインストールされているOracleホーム・ディレクトリを識別します。

    $ ps -ef | grep tnslsnr
    
    

    このコマンドを実行すると、システム上で実行しているOracle Net Listenerに関する情報が表示されます。

    ... oracle_home1/bin/tnslsnr LISTENER -inherit
    
    

    この例では、oracle_home1はリスナーがインストールされているOracleホーム・ディレクトリで、LISTENERはリスナー名です。


    注意:

    Oracle Net Listenerが実行されていない場合は、「oracleユーザーの環境の構成」の項を参照して作業を続行してください。 


  3. ORACLE_HOME環境変数を設定し、リスナーの適切なOracleホーム・ディレクトリを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_HOME=oracle_home1
      $ export ORACLE_HOME
      
      
    • Cまたはtcshシェルの場合

      % setenv ORACLE_HOME oracle_home1
      
      
  4. 次のコマンドを入力して、リスナーが使用しているTCP/IPポート番号およびIPCキー値を識別します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl status listenername
    


    注意:

    リスナーがデフォルト名LISTENERを使用している場合、このコマンドでリスナー名を指定する必要はありません。 


  5. 次のようなコマンドを入力して、リスナー・プロセスを停止します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop listenername
    
    
  6. この手順を繰り返して、このシステム上で実行しているリスナーを停止します。

oracleユーザーの環境の構成

Oracle Universal Installerは、oracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次の設定が必要です。

  • シェル起動ファイルで、デフォルトのファイル・モード作成マスク(umask)を022に設定します。

  • DISPLAY環境変数を設定します。

oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。

  1. X端末(xterm)などの新規ターミナル・セッションを開始します。

  2. 次のコマンドを入力して、X Windowアプリケーションがこのシステム上で正しく表示されることを確認します。

    $ xhost fully_qualified_remote_host_name
    
    

    次に例を示します。

    $ xhost somehost.us.acme.com
    
    
  3. ソフトウェアをインストールするシステムにログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  4. oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
    
  5. oracleユーザーのデフォルト・シェルを判別するには、次のコマンドを入力します。

    $ echo $SHELL
    
    
  6. テキスト・エディタでoracleユーザーのシェル起動ファイルを開きます。

    • Bourneシェル(sh)、SUSEのBashシェル(bash)またはKornシェル(ksh)の場合

      $ vi .profile
      
      
    • Cシェル(cshまたはtcsh)の場合

      % vi .login
      
      
  7. 次の行を入力または編集して、デフォルトのファイル・モード作成マスクに値022を指定します。

    umask 022
    
    
  8. ファイル内でORACLE_SIDORACLE_HOMEまたはORACLE_BASE環境変数が設定されている場合は、ファイルから該当する行を削除します。

  9. ファイルを保存してエディタを終了します。

  10. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェルの場合

      $ . ./.bash_profile
      
      
    • BourneまたはKornシェルの場合

      $ . ./.profile
      
      
    • Cシェルの場合

      % source ./.login
      
      
  11. ソフトウェアをローカル・システムにインストールしない場合は、次のコマンドを入力し、Xアプリケーションをローカル・システム上に表示するように指示します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ DISPLAY=local_host:0.0 ; export DISPLAY
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      
      

    この例で、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するシステム(ワークステーションまたはPC)のホスト名またはIPアドレスです。

  12. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400MB未満であることが判明した場合は、400MB以上の空き領域を持つファイル・システムを識別し、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定して、このファイル・システム上の一時ディレクトリを指定します。

    1. df -kコマンドを使用して、十分な空き領域がある適切なファイル・システムを識別します。

    2. 必要な場合は、次のようなコマンドを入力して、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      $ sudo mkdir /mount_point/tmp
      $ sudo chmod a+wr /mount_point/tmp
      
      
    3. 次のようなコマンドを入力して、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

      • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

        $ TMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TMP TMPDIR
        
        
      • Cシェルの場合

        % setenv TMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
        
  13. 次のようなコマンドを入力して、ORACLE_BASEおよびORACLE_SID環境変数を設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
      $ ORACLE_SID=sales
      $ export ORACLE_BASE ORACLE_SID
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      % setenv ORACLE_SID sales
      
      

    これらの例で、/u01/app/oracleは前に作成または識別したOracleベース・ディレクトリ、salesはデータベースの名前(通常は5文字以内)です。

  14. データベース記憶域にRAWデバイスを使用する場合、DBCA_RAW_CONFIG環境変数を設定し、RAWデバイス・マッピング・ファイルへのフルパスを指定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合

      $ DBCA_RAW_CONFIG=$ORACLE_BASE/oradata/dbname/dbname_raw.conf
      $ export DBCA_RAW_CONFIG
      
      
    • Cシェルの場合

      % setenv DBCA_RAW_CONFIG=$ORACLE_BASE/oradata/dbname/dbname_raw.conf
      
      
  15. 次のコマンドを入力して、ORACLE_HOMEおよびTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

  16. 環境が適切に設定されたかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ umask
    $ env | more
    
    

    umaskコマンドで値22022または0022が表示され、この項で設定した環境変数が正しい値になっていることを確認します。