Oracle Database プラットフォーム・ガイド 10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(32-bit) B25020-03 |
|
この章では、Oracle Database for Windowsを管理する方法について説明します。
この章の項目は次のとおりです。
この項では、Oracle Databaseによりコンピュータにインストールされるサービスの管理方法を説明します。
この項では、次の内容について説明します。
Oracle Database for Windowsでは、1台のコンピュータで複数のOracleホームを使用できます。この機能は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドの付録「Optimal Flexible Architecture」で説明されていますが、Oracleサービスのネーミング規則に影響します。Oracleホーム・ディレクトリへのインストールを実行する場合は、次の処理が必要です。
Oracle Databaseとその製品を使用するには、Oracle Databaseサービスが開始されている必要があります。Oracle Databaseサービスは、3つの異なる場所から開始できます。
Oracle Databaseは、
注意
OracleService
SID
の開始時に、起動できます。このために使用するレジストリ・パラメータの詳細は、「サービスを使用したデータベースの起動および停止」を参照してください。
コントロール パネルからOracle Databaseサービスを開始するには、次のようにします。
リストにOracleService
SID
がない場合は、ORADIMを使用して作成します。
コマンド・プロンプトからOracle Databaseサービスを開始するには、次のように入力します。
C:¥> NET START service
service
は、OracleServiceORCL
などの特定のサービス名です。
Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを開始するには、次のようにします。
SID
を右クリックします。SID
は、orcl
などの特定のインスタンス名です。
これにより、サービスOracleServiceORCL
が開始されます。
場合によっては(たとえば、Oracle Databaseを再インストールする場合)、Oracle Databaseサービスを停止する必要があります。Oracle Databaseサービスは、3つの異なる場所から停止できます。
Oracle Databaseは、
注意
OracleService
SID
の停止時に、通常、即時または異常終了モードで停止できます。このために使用するレジストリ・パラメータの詳細は、「サービスを使用したデータベースの起動および停止」を参照してください。
コントロール パネルからOracle Databaseサービスを停止するには、次のようにします。
Oracle
HOME_NAME
TNSListener
を選択し、「停止」をクリックします。Oracle
HOME_NAMETNSListenerが停止します。
OracleService
SID
を選択して「停止」をクリックします。
OracleService
SID
が停止します。
コマンド・プロンプトからOracle Databaseサービスを停止するには、次のように入力します。
C:¥> net STOP service
service
は、OracleServiceORCL
などの特定のサービス名です。
Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを停止するには、次のようにします。
SID
は、orcl
などの特定のインスタンス名です。
これにより、サービスOracleServiceORCLが停止します。
Oracle Databaseサービスは、Windowsコンピュータが再起動されるたびに自動的に開始されるよう設定できます。自動開始は、2つの異なる場所からオンまたはオフに設定できます。
コントロール パネルを使用して、いつどのようにOracle Databaseを起動するかを設定するには、次のようにします。
Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを自動的に開始するには、次のようにします。
SID
は、orcl
などの特定のインスタンス名です。
次の説明では、データベース・インスタンスが作成されていることを想定しています。
注意 この章のディレクトリ・パスの例は、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインに準拠しています。インストール時にOFAに準拠していないディレクトリを指定した場合、ディレクトリ・パスは異なったものになります。詳細は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドの付録「Optimal Flexible Architecture」を参照してください。 |
Oracle Databaseを起動または停止するには、次のようにします。
C:¥> sqlplus /NOLOG
SQL> CONNECT / AS SYSDBA
SQL> STARTUP [PFILE=path¥filename]
このコマンドでは、path
¥
filename
で指定した初期化パラメータ・ファイルが使用されます。次の場所にあるinit2.ora
という名前のファイルを使用してデータベースを起動するとします。
C:oracle¥product¥10.2.0¥admin¥orcl¥pfile
この場合、次のように入力します。
SQL> STARTUP PFILE=C:oracle¥product¥10.2.0¥admin¥orcl¥pfile¥init2.ora
PFILE
が指定されていない場合、コマンドでは、ORACLE_HOME
¥database
にあるSPFILE
が検索されます。このファイルが見つかった場合は、データベースの起動にこのファイルが使用されます。SPFILE
が見つからない場合は、ORACLE_BASE
¥ADMIN¥db_name¥pfile
にあるデフォルトの初期化パラメータ・ファイルが使用されます。
SQL> SHUTDOWN [mode]
mode
は、normal
、immediate
またはabort
です。
normal
の停止では、Oracle Databaseは停止する前に、現在接続しているすべてのユーザーが切断するまで待機し、新しい接続を禁止します。これがデフォルト・モードです。
immediate
の停止では、Oracle Databaseは、アクティブ・トランザクションを終了してロールバックし、クライアントを切断して、停止します。
abort
の停止では、Oracle Databaseは、アクティブ・トランザクションを終了してユーザーを切断します。トランザクションのロールバックは行いません。データベースは、次に起動したときに自動リカバリおよびロールバックを実行します。このモードは緊急な場合にのみ使用してください。
Oracle Databaseは、コントロール パネルからサービスOracleService
SID
を開始または停止することにより、起動または停止できます。OracleService
SID
を開始するには、STARTUP
コマンドを使用するか、次のコマンドを手動で入力します。
C:¥> oradim -STARTUP -SID SID [-STARTTYPE srvc | inst | srvc,inst] [-PFILE filename | -SPFILE]
OracleService
SID
を停止するには、SHUTDOWN
コマンドを使用するか、次のコマンドを手動で入力します。
C:¥> oradim -SHUTDOWN -SID SID [-SHUTTYPE srvc | inst | srvc,inst] [-SHUTMODE normal | immediate | abort]
Oracle Databaseは、OracleService
SID
を使用した次の2通りの方法で起動および停止できます。
Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを使用してデータベースを起動または停止するには、次のようにします。
SID
は、ORCL
などの特定のインスタンス名です。
Oracle Databaseサービスを使用してOracle Databaseを起動または停止するには、次のレジストリ・パラメータを示されている値に設定します。
ORA_
SID
_AUTOSTART
このパラメータがデフォルト値のtrue
に設定されている場合は、OracleService
SID
の開始時に、Oracle Databaseが起動します。
ORA_
SID
_PFILE
このパラメータは、初期化パラメータ・ファイルへのフルパスを設定します。このエントリが存在しない場合、oradimは、ORACLE_HOME
¥database
のSPFILE
またはPFILE
を使用してデータベースの起動を試行します。
ORA_SHUTDOWN
このパラメータがtrue
に設定されている場合は、OracleService
SID
の停止時に、選択したOracle Databaseのインスタンスが停止します。現在のOracleホーム内のすべてのデータベースが対象です。デフォルト値はfalse
です。
ORA_
SID
_SHUTDOWN
このパラメータがデフォルト値のtrue
に設定されている場合は、コントロール パネルまたはNet stopコマンドを使用してOracleService
SID
を手動で停止したときに、SID
値で指定されているOracle Databaseのインスタンスが停止します。
次の2つのレジストリ・パラメータはオプションです。
ORA_
SID
_SHUTDOWNTYPE
このパラメータは、データベース停止モードを制御します。a
(abort
)、i
(immediate
)またはn
(normal
)に設定します。このパラメータを設定しない場合、デフォルトのモードはi
(immediate
)です。
ORA_
SID
_SHUTDOWN_TIMEOUT
このパラメータは、特定のSID
のサービスが停止するまでの待機時間の最大値を設定します。
これらの必須およびオプションのパラメータのレジストリの場所は、使用しているコンピュータのOracleホーム・ディレクトリ数によって異なります。Oracleホーム・ディレクトリが1つのみの場合、これらのパラメータは次の場所にあります。
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥ORACLE¥HOME0
複数のOracleホーム・ディレクトリがある場合、これらのパラメータは次の場所にあります。
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥ORACLE¥HOMEID
ID
は、コンピュータにOracleホーム・ディレクトリを追加するたびに数字が大きくなります。
これにより、ORADIMが自動的に起動し、ORA_
SID
_PFILE
で指定された初期化パラメータ・ファイルを使用して-STARTUP
コマンドが発行されます。
これによりORADIMが自動的に起動し、ORA_
SID
_SHUTDOWNTYPE
で指定されたモードで-SHUTDOWN
コマンドが発行され、Oracle Databaseが停止します。
ORACLE_SID
構成パラメータを、最初に実行するインスタンスのSID
に設定します。
C:¥> SET ORACLE_SID=SID
SID
はOracle Databaseインスタンス名です。
C:¥> sqlplus /NOLOG
SYSDBA
で接続します。
SQL> CONNECT / AS SYSDBA
SQL> STARTUP PFILE=ORACLE_BASE¥admin¥db_name¥pfile¥init.ora
ORACLE_BASE
は、(インストール時に変更しないかぎり)c:¥oracle¥product¥10.2.0
です。db_name
はインスタンス名です。
パスワード・ユーティリティを使用してパスワード・ファイルを作成します。パスワード・ユーティリティは、Oracle Databaseユーティリティとともに自動的にインストールされます。パスワード・ファイルは、ディレクトリORACLE_BASE
¥
ORACLE_HOME
¥DATABASE
にあり、PWD
sid
.ORA
という名前が付けられています。SID
はOracle Databaseインスタンスを示します。パスワード・ファイルは、Oracle Databaseへのローカル接続またはリモート接続に使用されます。
パスワード・ファイルを作成および移入するには、次のようにします。
C:¥> orapwd FILE=PWDsid.ora PASSWORD=password ENTRIES=max_users
それぞれの意味は次のとおりです。
REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
をexclusive
、shared
またはnone
に設定します。exclusive
値は、1つのインスタンスのみがパスワード・ファイルを使用でき、パスワード・ファイルにはSYS
以外の名前が含まれることを指定します。パスワード・ファイルの検索で、Oracle Databaseはレジストリを検索してパラメータORA_SID_PWFILE
の値を調べます。値が指定されていない場合は、レジストリを検索してパラメータORA_PWFILE
の値を調べます。このパラメータはユーザー名、パスワードおよび権限を含むファイルを指定します。このパラメータが設定されていない場合は、次のデフォルトが使用されます。
ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥DATABASE¥PWDsid.ORA.
デフォルト値はshared
です。複数のインスタンス(Real Application Clusters環境など)がパスワード・ファイルを使用できることを指定します。ただし、パスワード・ファイルによって認識されるユーザーはSYS
のみです。他のユーザーは、SYSOPER
またはSYSDBA
権限がパスワード・ファイルで付与されている場合でも、それらの権限を使用してログオンすることはできません。このパラメータのshared
値は、旧リリースのOracleとの下位互換性があります。Oracle Databaseは、値がexclusive
の場合と同じファイルを検索します。
値none
は、Oracle Databaseでパスワード・ファイルが無視され、特権ユーザーはWindowsオペレーティング・システムで認証されることを指定します。
C:¥> sqlplus /NOLOG
AS SYSDBA
を指定して接続します。
SQL> CONNECT / AS SYSDBA
SQL> STARTUP
SYSDBA
が付与されます。
SQL> GRANT SYSDBA TO db_administrator;
権限付与が正常に実行された場合は、次のメッセージが表示されます。
Statement Processed.
scott
は、パスワード・ファイルに追加され、SYSDBA
権限でデータベースに接続できるようになります。パスワード・ファイルにユーザー名、ユーザー・パスワードおよびユーザー権限を追加または削除するには、SQL*Plusを使用します。
パスワード・ファイルは、自動的には非表示になりません。2つの異なる場所から、非表示と表示を切り替えることができます。
ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib
パスワード・ファイルは、PWD
sid
.ora
として表示されます。
A ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥oradba.exe A ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥OraDim.Log A ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥PWDsid.ora A ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥SPFILEsid.ora
ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib +H PWDsid.ora
ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib
パスワード・ファイルが非表示になっています。
A ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥oradba.exe A ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥OraDim.Log A H ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥PWDsid.ora A ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥SPFILEsid.ora
ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib -H PWDsid.ora
パスワード・ファイルを非表示または再表示するには、次のようにします。
ORACLE_BASE
¥
ORACLE_HOME
¥database
ディレクトリに移動します。
「PWD
sid
.ora
のプロパティ」ダイアログが開きます。
表示されないパスワード・ファイルを表示または非表示にするには、次のようにします。
ORACLE_BASE
¥
ORACLE_HOME
¥database
ディレクトリに移動します。
SYS
としてリモート・コンピュータから初期データベースに接続する際に、SYSDBA
権限でログオンする場合は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドで説明されているパスワードとは別のパスワードを使用する必要があります。これは、この場合はパスワード・ファイルによりデータベース・アクセスが可能になり、パスワードoracle
が必要になるからです。
Oracle Databaseでは、リモート・データベース接続の検証に使用されるパスワードは自動的に暗号化されます。ユーザーがリモート・ログインを試行するたびに、Oracle Databaseはパスワードをリモート・データベースに送信する前に暗号化します。接続に失敗した場合は、エラーがオペレーティング・システム監査ログに記録されます。
注意
構成パラメータ |
制御ファイル、データファイル、オンラインREDOログ・ファイルおよびアーカイブ・ログファイルの場所は、汎用命名規則(UNC)を使用して指定できないことに注意してください。
Oracle Databaseを「標準」でインストールすると、データベースはNOARCHIVELOG
モードで作成されます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントの「カスタム」オプションでデータベースを作成した場合は、ARCHIVELOG
かNOARCHIVELOG
のいずれかを選択します。
NOARCHIVELOG
モードでは、REDOログはアーカイブされません。アーカイブ・モードをARCHIVELOG
に設定して自動アーカイブを使用できるようにすると、REDOログ・ファイルがアーカイブされます。その結果、インスタンスとディスクの両方の障害からOracle Databaseを保護できます。
この項では、アーカイブ・モードをARCHIVELOG
に変更して、自動アーカイブを可能にする方法について説明します。
C:¥> sqlplus /NOLOG
SYSDBA
で接続します。
SQL> CONNECT / AS SYSDBA
SQL> SHUTDOWN
SQL> STARTUP MOUNT
SQL> ARCHIVE LOG LIST
データベースがアーカイブ・モードでない場合は、次の結果が出力されます。
Database log mode No Archive Mode Automatic archival Disabled Archive destination %RDBMS%¥ Oldest online log sequence 34 Current log sequence 37
ARCHIVELOG
に変更します。
SQL> ALTER DATABASE ARCHIVELOG;
SQL> ARCHIVE LOG LIST
データベースがアーカイブ・モードになったことが、次の出力で示されます。
Database log mode Archive Mode Automatic archival Disabled Archive destination %RDBMS%¥ Oldest online log sequence 34 Current log sequence 37
SQL> ALTER DATABASE OPEN;
ORACLE_BASE
¥ADMIN¥
db_name
¥pfile¥init.ora
ファイルを開きます。
# LOG_ARCHIVE_START = true # LOG_ARCHIVE_DEST_1 = %ORACLE_HOME%¥database¥archive # LOG_ARCHIVE_FORMAT = "%%ORACLE_SID%%T%TS%S.ARC"
#
)を削除します。LOG_ARCHIVE_DEST_
n
の値を編集し、いっぱいになったREDOログのアーカイブ先の既存ドライブとディレクトリを指定します。LOG_ARCHIVE_FORMAT
の値を編集し、適切なアーカイブ形式を指定します。
%%
ORACLE_SID
%%%T.ARC
この形式でスレッド番号を指定します。この番号の左側には0が埋め込まれます。デフォルト値は、最大3桁で表される1です。たとえば、SID0001.ARC
となります。
%%
ORACLE_SID
%%%S.ARC
この形式でログ順序番号を指定します。この番号の左側には0が埋め込まれます。デフォルト値は、最大5桁で表される1です。たとえば、SID0001.ARC
となります。
%%
ORACLE_SID
%%%t.ARC
この形式でスレッド番号を指定します。左側に文字は埋め込まれません。デフォルト値は、桁数に制限のない1です。たとえば、SID1.ARC
となります。
%%
ORACLE_SID
%%%s.ARC
この形式でログ順序番号を指定します。左側に文字は埋め込まれません。デフォルト値は、桁数に制限のない1です。たとえば、SID1.ARC
となります。
SQL> SHUTDOWN
SQL> STARTUP
SQL> ARCHIVE LOG LIST
REDOログ・ファイルの自動アーカイブが使用可能であり、かつアーカイブ先が指定されている場合は、次の結果が出力されます。
Database log mode Archive Mode Automatic archival Enabled Archive destination C:¥BACKUP Oldest online log sequence 34 Current log sequence 37
|
Copyright © 1996, 2007 Oracle Corporation. All Rights Reserved. |
|