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Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド
10g リリース2(10.2) for Microsoft Windows

B25248-06
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4 Windows-Based SystemsへのOracle Clusterwareのインストール

この章では、Oracle ClusterwareをWindowsにインストールする手順について説明します。これは、Oracle Database 10g Real Application Clusters(Oracle RAC)のWindows-Based Systemsへのインストールの第1フェーズです。この章の内容は次のとおりです。

CVUを使用したOracle Clusterware要件の検証

次のコマンド構文を使用して、クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を起動し、Oracle Clusterwareをインストールするためのシステム要件を検証します。

cluvfy stage -pre crsinst -n node_list

前述の構文のcluvfyコマンドはインストール・メディアにあるコマンドのパスと名前で、node_list変数はクラスタ内のノード名(カンマで区切る)です。

たとえば、インストール・ファイルがC:ドライブのstageディレクトリにあり、クラスタがnode1、node2およびnode3で構成されている場合は、次のコマンドを入力します。

C:¥> stage¥clusterware¥cluvfy¥runcluvfy.bat stage -pre crsinst -n node1,node2,node3

クラスタ検証ユーティリティのOracle Clusterwareステージ検証では、次の項目が検証されます。

Windows用のClusterware設定のトラブルシューティング

Oracle Clusterwareをインストールするための要件をシステムが満たしていないことがCVUのレポートに示された場合は、この項の説明に従ってレポートに示されている問題を解決し、CVUコマンドを再実行します。

「ユーザーのユーザー等価チェックが失敗しました。」

原因:    すべてのノード間でユーザー等価関係の設定に失敗しました。これは、各ノードで同じパスワードを使用して管理ユーザーを指定していないために発生した可能性があります。

処置:    Oracle Clusterwareをインストールする場合、クラスタの各メンバー・ノードに、データベースをインストールする管理権限アカウントのユーザー等価関係が必要です。つまり、管理権限ユーザー・アカウントとパスワードは、すべてのノードで同じである必要があります。CVUでは、ユーザー等価関係が失敗したノードのリストが表示されます。失敗したノードと示されている各ノードに対して、ユーザー構成が正常に完了しているかどうかについてOracleユーザー構成を確認してください。

「ノードからのノード到達可能性チェックが失敗しました。」

原因:    クラスタ内に、TCP/IPプロトコルを使用したパブリックまたはプライベート・インターコネクトで到達できない1つ以上のノードがあります。

処置:    ping addressコマンドを使用して、各ノードのアドレスを確認してください。到達できないアドレスを発見した場合は、パブリックおよびプライベート・アドレスのリストを確認して、それらを正しく構成してください。パブリック・ネットワーク・インタフェースおよびプライベート・ネットワーク・インタフェースのインタフェース名は、クラスタ内の各ノードで同じである必要があります。

「管理権限チェックが失敗しました。」

原因:    インストールに必要な管理権限が付与されていないか、または正しくありません。

処置:    OUIを実行するノードから、他のノードに対する管理権限を所有していることを確認します。この操作を実行するには、クラスタの一部である各ノードで次のコマンドを入力します。

net use ¥¥node_name¥C$

node_nameはノード名です。

ログオンできないノードがある場合は、そのノードでユーザー情報を修正してください。クラスタの各ノードで同じユーザー名およびパスワードを使用するか、ドメイン・ユーザー名を使用することをお薦めします。ドメイン・ユーザー名を使用する場合は、各ノードに対するローカルの管理権限が付与された、ユーザー名およびパスワードが指定されたドメインにログオンします。

ノードでパスの構成情報を修正した後で、CVUの検証を再度実行します。

OUIを使用してOracle Clusterwareをインストールするための準備

Oracle Clusterwareをインストールする前に、次のチェックリストを使用して、インストール中に必要なすべての情報が揃っていること、およびOracle Clusterwareをインストールする前に実行しておく必要があるすべての作業が完了していることを確認します。作業を完了するたびにその作業のチェック・ボックスを選択し、インストール中に使用できるように必要な情報を書き込みます。

クラスタ権限の確認

Oracle Universal Installerを実行する前に、Installerを実行するノードから、他のノードに対する管理権限を所有していることを確認します。この操作を実行するには、クラスタの一部である各ノードで次のコマンドを入力します。

net use ¥¥node_name¥C$

node_nameはノード名です。

実行中のOracleプロセスを停止する

シングル・インスタンスのOracle Database 10g がすでにインストールされているノードにOracle Clusterwareをインストールする場合は、既存のASMインスタンスを停止する必要があります。Oracle Clusterwareをインストールした後、ASMインスタンスを再度起動します。Oracle Clusterwareのインストール後にASMインスタンスを再度起動すると、ASMインスタンスは、シングル・インスタンスのOracleデータベース用のデーモンではなく、そのクラスタのCSSデーモンを使用するようになります。

Oracle9i リリース2(9.2)以下のGSDを実行している場合は、「サービス」ウィンドウでOracleGSDServiceを停止してGSDを停止した後で、Oracle Database 10g Oracle Clusterwareをインストールします。


注意:

OUIを起動した後にすべてのOracleサービスの停止を要求する警告が表示された場合は、次のコマンドを入力します。

Oracle_home¥bin¥localconfig delete

Oracle_homeは、CSSが実行されているホームです。 


他の言語をインストールするかどうかを決定する

インストール中に、デフォルト以外の追加の言語をインストールするかどうかを選択します。


注意:

Oracle Universal Installerによって、オペレーティング・システムの言語セットがサポートされていない場合、デフォルトでは、Oracle Universal Installerは英語で実行されます。 


クラスタ内の各ノードのクラスタ名、パブリック・ノード名、プライベート・ノード名および仮想ノード名を指定する

インストール中に、クラスタウェアをインストールする場合は、各ノードのパブリック・ノード名およびプライベート・ノード名の入力を求めれらます。パブリック・ノード名の入力には、各ノードのプライマリ・ホスト名を使用します。つまり、hostnameコマンドによって表示される名前を使用します。ただし、このコマンドによって戻されるドメイン名のいずれの部分も含めません。

また、次の条件を満たしていることも確認します。

RAWデバイスまたは共有ファイル・システムの完全パスの指定および投票ディスクとOracle Cluster Registryのパーティションの設定

インストール中、「クラスタ構成記憶域」ページで、クラスタのすべてのノードで共有する必要がある、共有RAWデバイスまたは共有ファイル・システム・ファイル上の2つのファイルのパスを指定するように求められます。

  • Cluster Synchronization Services(CSS)投票ディスクは、Oracle Clusterwareでクラスタ・ノードのメンバーシップおよび状態の検証に使用されるパーティションです。投票ディスクには、256MB以上のディスク領域を指定します。

  • Oracle Cluster Registry(OCR)には、ノード・リストおよびクラスタの構成やプロファイルに関するその他の情報を含む、Oracle RACデータベースおよびOracle Clusterwareのクラスタおよびデータベースの構成情報が含まれています。OCRには、256MB以上のディスク領域を指定します。

また、Oracle Cluster File System(OCFS)を使用する場合は、OCFSでフォーマットする使用可能なディスク、使用するフォーマット・タイプおよびフォーマットされたOCFSディスクをマウントする際のドライブ文字を指定するように求められます。

インストールに最小限必要なドライブを作成する必要があります。

参照:

RAWデバイスの最小サイズについては、第II部の各章を参照してください。 

OUIを使用したOracle Clusterwareのインストール

この項では、Oracle Universal Installer(OUI)を使用して、Oracle Clusterwareをインストールする方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

コンソール・モードでのOUIの起動

VNCまたはターミナル・サービスを使用してインストールを実行している場合は、コンソール・モードでそのインストールを実行する必要があります。これを行わないと、Oracle Clusterwareソフトウェアはインストールされますが、クラスタ・コンフィギュレーション・アシスタントは失敗します。

次のコマンドを使用して、コンソール・モードでターミナル・サービスを起動します。

mstsc -v:servername /F -console

Oracle ClusterwareをインストールするためのOUIの実行

Oracle Database 10g およびOracle RACのインストールの第1フェーズ(Oracle Universal Installerを使用したOracle Clusterwareのインストール)を完了するには、次の手順を実行します。

  1. 管理権限を持つユーザーとしてWindowsにログインし、Oracle Clusterwareインストール・メディアのsetup.exeコマンドを実行します。これによって、Oracle Universal Installer(OUI)の「ようこそ」ページが開きます。

  2. 「ようこそ」ページで「次へ」をクリックした後、「ファイルの場所の指定」ページでOracle Clusterware製品用に表示されているパス名を受け入れるか、別のパス名を指定できます。また、Oracle Clusterwareホームの位置を示すデフォルトのディレクトリおよびパス名を指定したり、別のディレクトリおよびインストール先を参照することもできます。この環境を構成する各クラスタ・ノードに存在するインストール先を選択する必要があります。「次へ」をクリックして、選択を確認します。

  3. インストーラによって、ご使用の環境が、インストールするように選択した製品のインストールおよび構成の最小要件をすべて満たしているかどうかが検証されます。結果は、「製品固有の前提条件のチェック」ページに表示されます。警告のフラグが付いたアイテムと、手動チェックが必要なアイテムを検証および確認します。構成を確認すると、「クラスタ構成」ページが表示されます。


    注意:

    この検証で既存のローカルCSSが検出されるた場合は、CSSを実行しているOracleホームからOracleデータベースおよびASMインスタンスを停止する必要があります。これを実行するには、インストールを続行する前に、別のウィンドウで、既存のOracle homeを使用して次のコマンドを実行します。

    Oracle home¥bin¥localconfig delete
     

  4. OUIが、システムにOracle9i リリース2のクラスタウェアがインストールされていることを検出した場合、「クラスタ構成」ページには事前定義済のノードの情報が表示されます。その他の場合、「クラスタ構成」ページが表示されますが、事前定義済のノード情報は表示されません。

    OUIによって示された名前を使用しない場合は、独自のクラスタ名を指定します。選択するクラスタ名は企業内でグローバルに一意である必要があり、クラスタ名に使用できるキャラクタ・セットはホスト名のキャラクタ・セットと同じです。アンダースコア(_)、ハイフン(-)およびシングル・バイトの英数字(a〜z、A〜Zおよび0〜9)を使用できます。


    注意:

    クラスタにOracle9i リリース2(9.2)クラスタウェアがインストールされている場合は、Oracle9i リリース2(9.2)で使用している名前と同じクラスタ名を入力する必要があります。異なるクラスタ名を入力すると、インストールは失敗します。 


    各ノードのパブリック・ホスト名、仮想ホスト名およびプライベート・ホスト名を入力します。ホスト名には、ドメイン修飾子を含めないでください。パブリック・ホスト名の入力には、各ノードのプライマリ・ホスト名を使用します。つまり、hostnameコマンドによって表示される名前を使用します。仮想ノード名は、ノードのVIPに関連付けられる名前です。プライベート・ノードは、このクラスタ内の他のノードによってのみアクセスできるアドレスであり、キャッシュ・フュージョン処理に使用されます。各ノードのプライベート・ホスト名を入力する必要があります。


    注意:

    クラスタ構成情報は、「クラスタ構成」ページの個々のフィールドに入力するかわりに、テキスト・ファイルに入力して、そのファイル名を指定することができます。クラスタ構成ファイルの詳細は、「クラスタ構成ファイルを使用したOracle Clusterwareのインストール」を参照してください。 


    クラスタ構成情報を入力してから、「次へ」をクリックします。これによってエントリが保存され、「ネットワーク・インタフェースの使用方法の指定」ページが表示されます。

  5. 「ネットワーク・インタフェースの使用方法の指定」ページに、クラスタ全体のインタフェースが表示されます。このページのドロップダウン・メニューを使用して、各インタフェースをPublicPrivateDo Not Useに分類します。各インタフェースのデフォルト設定は、Do Not Useです。1つ以上のインタフェースをPublicに、また1つのインタフェースをPrivateに分類する必要があります。「ディスク・フォーマット・オプションの選択」ページを開くように選択して、「次へ」をクリックします。

  6. 「クラスタ構成記憶域」ページで、Oracle Clusterwareファイル用に使用するディスクを指定します。オプションで、Oracle Cluster File System(OCFS)記憶域に使用するディスクも指定します。これらのディスクを1つずつ選択し、「編集」をクリックして、選択したディスクの詳細を定義する「ディスク構成の指定」ページを開きます。


    注意:

    この手順で示されるOUIのページには、選択可能な論理ドライブが表示されます。

    以前のリリースのOracleから既存のクラスタ・ファイル・システムを使用してクラスタにインストールする場合、OCRおよび投票ディスクはそのファイル・システムにインストールされます。この場合、データ・ファイル格納用に論理ドライブをフォーマットしない場合でも、OCR用および投票ディスク用に新しいパーティションは必要ありません。 


  7. 「ディスク構成の指定」ページで、OCRのコピーまたは投票ディスクのコピー(あるいはその両方)をパーティションに配置するかどうかを指定します。OCFSを使用する場合は、ソフトウェア・ファイルまたはデータベース・ファイル(あるいはその両方)を選択したディスクに格納するかどうかを指定します。OCFSディスクでは、フォーマットされたパーティションをマウントする際に使用する使用可能なドライブ文字を選択します。

  8. 「次へ」をクリックすると、OUIによってリモート・インベントリが設定されているかどうかが確認されます。設定されていない場合、レジストリ・キーが設定され、リモート・インベントリが設定されます。また、権限が、リモート・ノードのインベントリ・ディレクトリに書込み可能であることが検証されます。これらの作業が完了すると「サマリー」ページが表示され、領域と可用性の要件に従ったクラスタ・ノード情報が示されます。OUIによって実行されるインストールを確認して、「終了」をクリックします。

  9. 「終了」をクリックすると、OCFSおよびOracle Clusterwareソフトウェアがローカル・ノードにインストールされ、インストールが再度検証されます。また、必要なOCFSファイル・システムも作成されます。インストールの検証後、リモート・ノードへのOracle Clusterwareソフトウェア・インストールおよび構成が完了します。

  10. Oracle9i Real Application Clustersも含まれているシステムにOracle Clusterwareをインストールする場合は、次の考慮事項にも注意して、必要に応じて適切な手順を実行します。

    • 新しくインストールしたOracle Database 10g のクラスタ・メンバー・ノードをすべて再起動します。1つのノードずつ再起動すると、Oracle9i データベースの可用性が損なわれません。

    • Oracle RACインストールの第2フェーズを実行してOracle Database 10g およびOracle RACソフトウェアをインストールする前に大幅な遅延が発生する場合は、CRS_home¥bin¥gsdctl startコマンドを実行してGSDを手動で起動し、9.2 SRVCTLツールおよび補助ツールを使用可能にします。次に、CRS_home¥bin¥gsdctl stopコマンドを実行してGSDを停止した後で、Oracle Database 10g およびOracle RACソフトウェアを構成します。

これで第1フェーズであるOracle Clusterwareのインストールが完了し、第5章「Oracle Database 10g およびOracle Real Application Clustersのインストール」で説明するOracle Database 10g およびOracle RACのインストールを実行できます。Oracle RACデータベースなしでOracle Clusterwareを使用する場合は、シングル・インスタンスのOracleデータベースのインストール・ガイドを参照してください。

クラスタ構成ファイルを使用したOracle Clusterwareのインストール

Oracle Clusterwareのインストール中に、「クラスタ構成の指定」ページで、クラスタ構成情報を手動で指定するか、クラスタ構成ファイルを使用するかを選択します。クラスタ構成ファイルは、OUIを起動する前に作成できるテキストファイルで、クラスタを構成するために必要となるクラスタ名やノード名に関する情報を指定できます。

テスト・クラスタで繰り返しインストールしたり、多数のノードにインストールする場合は、クラスタ構成ファイルを使用することをお薦めします。

クラスタ構成ファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. インストール・メディアで Disk1¥response ディレクトリに移動します。

  2. テキスト・エディタを使用して、レスポンス・ファイルcrs.rspを開き、CLUSTER_CONFIGURATION_FILEセクションを検索します。

  3. そのセクションの指示に従って、クラスタ構成ファイルを作成します。

Oracle Cluster File Systemを使用するためのインストール後のドライブのフォーマット

Oracle Database 10g およびOracle RACをインストールしてからOCFSを実装する場合、次の構文を使用してcrs_home¥cfsディレクトリからocfsformat.exeコマンドを実行します。パーティションがOCFSですでにフォーマットされている場合は、強制オプションを適用してそのパーティションを再フォーマットするために/fを使用します。例に示す変数の定義として、次のものもあります。


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