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Oracle Database Vault インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(32-bit)

B40063-02
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2 オプションとしてのOracle Database Vaultのインストール

この章では、Oracle Database Vaultを既存のOracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)データベースにインストールするための主な手順の概要を説明します。これらの手順を実行すると、既存のOracle Databaseシステム(関連するアプリケーションを含む)がOracle Database Vaultシステムに変換されます。この章で説明する手順に従ってアップグレードされたデータベースでは、以前のリリースとほぼ同様の動作を得られるのに加えて、新しいOracle Database Vaultの機能も利用できます。Database Vaultのインストールによって発生する変更のリストは、付録F「初期化パラメータ」および『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。


注意

10gリリース2より前のOracle DatabaseをOracle Database Vaultにアップグレードする場合は、まず、10gリリース2(10.2.0.4)データベースにアップグレードする必要があります。 


関連資料

使用しているOracle DatabaseをOracle Database 10gリリース2にアップグレードするための情報は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。  

この章には、次の内容が含まれます。

インストール前およびインストール時のタスク

この項には、次の内容が含まれます。

Oracle Database Vaultの機能の熟知

アップグレード処理を計画する前に、Oracle Database Vaultの機能を理解しておく必要があります。Oracle Database Vaultの基本的な機能の説明は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』に記載されています。

ハードウェア要件の確認

表2-1に、Oracle Database Vaultのハードウェア要件を示します。

表2-1    ハードウェア要件 
要件   

物理メモリー(RAM) 

最小256MB(512MB推奨) 

仮想メモリー 

RAMの2倍 

ディスク領域 

Oracle Database Vaultソフトウェア用の270MBのディスク領域

一時ディレクトリに400MBの領域

データベース・ファイル用の10MBの追加ディスク領域 

ビデオ・アダプタ 

256色 

プロセッサ 

最小550MHz 

システムがこれらの要件を満たしているか確認するには、次の手順を行います。

  1. 物理RAMサイズを確認します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、Windowsの「コントロール パネル」で「システム」をダブルクリックし、「全般」タブをクリックします。システムにインストールされている物理RAMのサイズが要件より小さい場合は、後続の手順を行う前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成されている仮想メモリーのサイズ(ページング・ファイル・サイズ)を確認します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「コントロール パネル」で「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックして、「パフォーマンス」セクションで「設定」をクリックします。「詳細設定」タブをクリックします。仮想メモリーが「仮想メモリ」セクションにリストされます。

    必要に応じて、追加の仮想メモリーの構成方法について、使用しているオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  3. システムのディスクの空き領域を確認します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」をダブルクリックし、Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

  4. tempディレクトリの使用可能なディスク容量を確認します。このサイズは、空きディスク領域の合計容量から、Oracleソフトウェアをインストールするのに必要な容量を引いたサイズです。

    tempディレクトリの使用可能なディスクの空き領域が400MBより少ない場合は、まず不要なファイルをすべて削除します。この操作後も一時ディスク領域が400MBより少ない場合には、別のハード・ドライブを指すように、TEMPまたはTMP環境変数を設定します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータの場合、「コントロール パネル」で「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックして、「環境変数」をクリックします。

ソフトウェア要件の確認

Oracle Database Vaultは、既存のOracleホームにインストールされます。Oracle Database 10gリリース2のインストール時にソフトウェア要件が満たされていた場合は、Oracle Database Vaultの要件にも適合します。

関連資料

Oracle Databaseのインストールに関するソフトウェア要件の詳細は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。
 

表2-2に、Oracle Database Vaultのソフトウェア要件をリストします。

表2-2    ソフトウェア要件 
要件   

システム・アーキテクチャ 

プロセッサ: Intel(x86)、AMD64およびIntel EM64T

このインストレーション・ガイドで説明している32-bit Database Vaultは、x86またはx64ハードウェアを使用した32-bit Windowsで実行します。Oracleでは、64-bit Windows(x64)上の32-bit Oracle Database Vaultに対して制限付きで動作保証しています。詳細は、次のURLのOracleMetaLinkにアクセスしてください。

http://metalink.oracle.com
 

オペレーティング・システム 

Oracle DatabaseVaultでは、32-bit Windowsに関して次のオペレーティング・システムがサポートされています。

  • Windows 2000(Service Pack 1以上)。Terminal ServicesおよびMicrosoft Windows 2000 MultiLanguage Edition(MLE)を含む、すべてのエディションがサポートされています。

  • Windows Server 2003: すべてのエディション。

  • Windows XP Professional: Database Vaultのスタンドアロン・インストールのみサポートされています。

  • Windows Vista(Business、Enterprise、およびUltimateエディション): Database Vaultのスタンドアロン・インストールのみサポートされています。

  • Windows Server 2008

Windows NTはサポートされていません。

Windows Multilingual User Interface Packは、Windows Server 2003およびWindows XP Professionalでのみサポートされています。 

コンパイラ 

Pro*Cobolは次の2つのコンパイラでテストおよび動作保証されています。

  • ACUCOBOL-GT version 6.2

  • Micro Focus Net Express 4.0

オブジェクト指向COBOL(OOCOBOL)仕様はサポートされていません。

Microsoft Visual C++ .NET 2002 7.0およびMicrosoft Visual C++ .NET 2003 7.1コンパイラでは、次のコンポーネントがサポートされています。

  • Oracle C++ Call Interface

  • Oracle Call Interface

  • GNU Compiler Collection(GCC)

  • 外部コールアウト

  • PL/SQLのネイティブ・コンパイル

  • XDK

 

ネットワーク・プロトコル 

Oracle Net Foundationレイヤーは、Oracleのプロトコル・サポートを使用して、次の業界標準のネットワーク・プロトコルと通信します。

  • TCP/IP

  • SSL付きTCP/IP

  • Named Pipes

 

Oracle Database Client 

10gリリース2(10.2)より前のOracle Database ClientのリリースからOracle Database Vaultに接続する場合、次の条件に該当すると接続できません。

  • Oracle Database Clientが、Oracle Database 10gリリース2(10.2)と同じコンピュータで実行されている。

  • Microsoft Windows Terminal Servicesが、Oracle Database Clientと同じコンピュータで実行されていない。通常、Terminal Servicesは、Microsoft Windows 2000またはWindows XP上ではなく、Microsoft Windows 2003とともにインストールおよび構成されますが、インストールされていないか、使用できない可能性があります。

  • Oracle Database Clientのバージョンが8.0、9.0〜9.2.0.6または10.1〜10.1.0.3である。

  • Oracle Database Clientが管理者として実行されていない。

この問題を解決するには、最新のOracle Databaseファミリのパッチセット(9.2.0.4または10.1.0.4以上)を使用して、Oracle Database Clientをアップグレードしてください。次のURLのOracleMetaLinkで「Patches」または「Updates」セクションからパッチセットをダウンロードできます。

http://metalink.oracle.com
 

データベース要件の確認

Oracle Database Vaultをインストールするには、Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.4)のEnterprise Editionが実行されている必要があります。データベースには、Oracle Enterprise Manager Console DB 10.2.0.4.0をインストールしておく必要があります。さらに、Database Vaultインストーラでは、ファイルoratabおよびoraInst.locへの書込みアクセスが要求されます。

既存のデータベースには、リスナーが構成されている必要があります。Oracle Netコンフィギュレーション・アシスタントを使用すると、データベースを最初にインストールしたときにリスナーが構成されます。また、Oracle Enterprise Managerを使用すると、リスナーを管理できます。

データベースには既存のパスワード・ファイルが必要です。パスワード・ファイルの認証パラメータREMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEEXCLUSIVEまたはSHAREDに設定されている必要があります。

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEパラメータはinit.oraファイルで設定できます。パスワード・ファイルを作成および管理するには、orapwdユーティリティを使用します。

関連資料

パスワード・ファイルの作成およびメンテナンスの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

10.2.0.4パッチ・セットの適用および必要なコンポーネントのインストールの詳細は、次の各項で説明します。

Oracle Enterprise Manager Console DBのインストール

Oracle Database Vaultをインストールする前に、Oracle Enterprise Manager Console DB 10.2.0.4.0がインストールされていることを確認してください。Oracle Enterprise Manager Console DBは、Oracle Universal Installer(OUI)を使用してインストールします。Oracle Enterprise Manager Console DBのインストールの手順を、次に要約します。

  1. Oracle Universal Installer(OUI)を実行し、Oracle Enterprise Manager Console DB 10.2.0.1.0をインストールするためのカスタム・インストールを実行します。使用可能な製品コンポーネントのリストから、Oracle Enterprise Manager Console DBを追加します。

  2. Oracle Databaseリリース10.2.0.4パッチ・セットを適用します。


    注意

    データベース・コンフィギュレーション・アシスタント(DBCA)を使用すると、Enterprise Manager Database Controlを使用できるようにデータベースを構成できます。ただし、Enterprise Manager Database Controlの構成は、Oracle Database Vaultをインストールするための前提条件ではありません。 


Oracle Databaseリリース10.2.0.4パッチ・セットの適用

Oracle Database Vaultをインストールするには、データベースをOracle Databaseリリース10.2.0.4にアップグレードする必要があります。アップグレードまたはインストールを実行する際には、実行前に必ずデータベースのバックアップを作成しておくことをお薦めします。

関連資料

データベース・バックアップの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・アドバンスト・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
 

この項には、次の内容が含まれます。

パッチ・セットの概要

このパッチ・セットは、完全なソフトウェア・ディストリビューションではありません。既存のOracle Database 10gリリース2のインストール環境にインストールする必要があります。Oracle Databaseリリース10.2.0.4のパッチ・セットは、Oracle Database 10gリリース2の次のインストールに適用できます。

Oracle Universal Installerのバージョン要件

このパッチ・セットにはOracle Universal Installerリリース10.2.0.4が含まれており、パッチ・セットをインストールすると、これが自動的にインストールされます。このOracle Universal Installerがインストールされることで、以降Oracleホームにパッチを適用することが可能になります。これより前のメンテナンス・リリース・メディアまたはOracleホームのOracle Universal Installerを使用しないでください。

パッチ・セット・ドキュメント

このリリースのOracle Databaseパッチ・セットに関連するドキュメントは、次の2つです。

これらのドキュメントは、両方ともパッチ・セットに含まれます。次のOracleMetalinkのWebサイトからも入手可能です。

http://metalink.oracle.com

バックアップ方法の準備

アップグレードまたはインストールを実行する際には、実行前に必ずデータベースのバックアップを作成しておくことをお薦めします。アップグレードが最終的に正常に実行されるかどうかは、適切なバックアップ方法の設計と実行に大きく依存します。バックアップ方法を決定する際には、次の項目を考慮してください。

使用するバックアップ方法は、これらの考慮事項に対処しており、なおかつデータベースのバックアップとリカバリを正常に実行するためのプロシージャを含んでいる必要があります。

関連資料

データベース・バックアップの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・アドバンスト・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 

カスタム・プロファイルの無効化(存在する場合)

既存のデータベースでカスタム・プロファイルおよびパスワードの複雑さのチェックを作成している場合は、インストールを実行する前にこれらを無効化する必要があります。これらはインストールの完了後に再度有効化できます。これを実行するには、次の手順を使用します。

  1. 使用されている各プロファイルのプロファイル名と関連する設定を抽出します。これはスクリプトを使用して実行できます。

    例2-1に、プロファイル名と設定を抽出してmyprofiles.sqlという出力スクリプトを作成するサンプル・スクリプトを示します。インストールの完了後に、myprofiles.sqlを実行してプロファイル設定をリストアできます。

    例2-1    プロファイルの抽出

     set serverout on size 100000
     spool myprofiles.sql
     .
     declare
     l_last varchar2(30) := 'X';
     l_count number := 0;
     begin
         for c in (
             select profile, resource_name , limit
             from dba_profiles
             order by profile, resource_name
         ) loop
             if l_last <> c.profile then
                 l_last := c.profile;
                 if l_count > 0 then
                     dbms_output.put_line(';');
                 end if;
                 l_count := l_count + 1;
                 dbms_output.put_line('create profile ' || c.profile || ' limit ');
             else
                 dbms_output.put_line('    ' || c.resource_name || ' ' || c.limit);
             end if;
         end loop;
         dbms_output.put_line(';');
     end;
     /
     .
     spool off 
    
    
  2. カスタム・プロファイルとパスワードの複雑さの設定を無効化します。次に例を示します。

    SQL> ALTER PROFILE SomeCustomProfile LIMIT
    PASSWORD_REUSE_MAX UNLIMITED -- The number of times a password can be reused
    PASSWORD_REUSE_TIME UNLIMITED -- The number of days between reuses of a password
    PASSWORD_VERIFY_FUNCTION NULL
    /
    
    
  3. Oracle Database Vaultのインストールの完了後に、手順1で作成したスクリプトを実行してプロファイルを再度有効化します。

    SQL>@myprofiles.sql

Oracle Clusterwareの実行の確認(RACのみ)

既存のReal Application Clusters(RAC)データベースを検出するには、Database Vaultインストーラに対してOracle Clusterwareを実行しておく必要があります。Oracle Clusterwareを停止している場合、Oracle Universal Installerを実行する前に再起動する必要があります。Oracle Clusterwareを起動するには、次のコマンドを使用します。

C:/> CRS_HOME/bin/crsctl start crs


注意

  • crsctl start crsコマンドは、すべてのクラスタ・ノードで実行する必要があります。

  • crsctl start crsコマンドでもデータベースを起動できます。Oracle Universal Installerを実行する前にデータベースを停止することが必要になります。

 

既存のOracleプロセスの停止

Oracleホームで実行中のすべてのプロセスを停止します。このタスクが完了していない場合、Oracle Universal Installerは、特定の実行可能ファイルやライブラリにリンクしなおすことができません。RACデータベースの場合は、すべてのノードでプロセスを停止する必要があります。

プロセスの停止は、次の順番で行います。

  1. Enterprise Manager Database Controlプロセスの停止

  2. iSQL*Plusプロセスの停止

  3. すべてのデータベース・インスタンスの停止

  4. 既存のリスナーの停止

  5. Oracleサービスの停止

Enterprise Manager Database Controlプロセスの停止

実行中のEnterprise Manager Database Controlプロセスを停止します。次のコマンドを使用します。

C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥emctl stop dbconsole

iSQL*Plusプロセスの停止

次のコマンドを使用して、iSQL*Plusプロセスを停止します。

C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥isqlplusctl stop

すべてのデータベース・インスタンスの停止

Oracle Database Vaultのインストール先となるOracleホーム・ディレクトリから実行中の、すべてのデータベース・インスタンスを停止します。

sqlplus SYS "AS SYSOPER"
Enter password:
SQL> shutdown immediate

既存のリスナーの停止

Oracle Universal Installerを起動すると、TCP/IPポート1521を使用して、デフォルトのOracle Netリスナーが構成され、起動されます。ただし、既存のOracle Netリスナー・プロセスが同じポートまたはキー値を使用していると、新しいリスナーが構成されるのみで、リスナーは起動されません。インストール時に新しいリスナー・プロセスを起動するには、Oracle Universal Installerを起動する前に、既存のリスナーをすべて停止しておく必要があります。

次のコマンドを使用して、リスナー・プロセスを停止します。

C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥lsnrctl stop listenername

Oracleサービスの停止

次の手順を使用して、「コントロール パネル」からOracle Databaseサービスを停止します。

  1. 使用しているWindowsの「サービス」ウィンドウにアクセスします。

    関連資料

    詳細は、使用しているオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 

  2. OracleHOME_NAMETNSListenerを選択します。「停止」をクリックして、このサービスを停止します。lsnrctlコマンドを使用してリスナー・プロセスを停止しない場合のみ、この手順を実行してください。

  3. OracleServiceSIDを選択して、「停止」をクリックします。


    注意

    Oracle Real Application Clusters(RAC)に対してDatabase Vaultをインストールする場合は、すべてのクラスタ・ノードのOracleプロセスを、すべて停止する必要があります。詳細は、付録A「既存のOracle Real Application Clusters データベースのプロセスを停止する方法」を参照してください。 


Oracle Universal Installerの実行によるインストール

Oracle Universal Installerに用意されているGraphical User Interface(GUI)を使用して、Oracle Databaseをインストールできます。次に、Oracle Universal Installerを使用してDatabase Vaultをインストールする手順を説明します。

  1. 管理者グループのメンバーとしてログインします。

    プライマリ・ドメイン・コントローラ(PDC)またはバックアップ・ドメイン・コントローラ(BDC)にインストールする場合は、ドメイン管理者グループのメンバーとしてログインします。

  2. Oracle Database Vaultのインストール・メディアを挿入し、データベース・ディレクトリに移動します。または、ダウンロードしたディレクトリに移動して、インストール・ファイルをコピーします。

    同じインストール・メディアを使用して、すべてのサポートされたWindowsプラットフォームにOracle Database Vaultをインストールします。

  3. setup.exeをダブルクリックして、Oracle Universal Installerを起動します。

  4. 「インストール詳細の指定」画面では、既存のOracle Databaseが含まれているOracleホームのパスを指定する必要があります。「インストール先パス」ボックスには、システムに登録されているすべてのOracle Databaseリリース2(10.2.0.4)Enterprise EditionデータベースのOracleホームのパスが表示されます。

    Oracle Database VaultをインストールするデータベースのOracleホームを選択します。


    注意

    • Oracle Databaseリリース10.2.0.4のEnterprise EditionがインストールされていないOracleホームは、表示されません。Oracleホームには、Oracle Databaseリリース10.2.0.4のEnterprise Editionをインストールしておく必要があります。

    • Oracle Enterprise Manager Console DB 10.2.0.4.0がインストールされていないOracleホームは、表示されません。Oracleホームには、Oracle Enterprise Manager Console DB 10.2.0.4.0をインストールしておく必要があります。

    • 自動ストレージ管理(ASM)インスタンスが含まれているOracleホームは、表示されません。ASMインスタンスが含まれているOracleホームには、Oracle Database Vaultをインストールできません。

    • すでにOracle Database VaultがインストールされているOracleホームは、表示されません。1つのOracleホームにOracle Database Vaultを
      2回以上インストールすることはできません。

    • 既存のReal Application Clusters(RAC)データベースを検出するには、Database Vaultインストーラに対してOracle Clusterwareを実行しておく必要があります。Oracle Database Vaultのインストール前に、Oracle Clusterwareが実行されていることを確認してください。crsctlコマンドを使用して、Oracle Clusterwareを起動できます。

     

  5. 「Database Vault所有者」フィールドに、Database Vault所有者アカウントのユーザー名を入力します。ユーザー名は、2〜30文字で指定できます。

  6. 「Database Vault所有者のパスワード」フィールドに、Database Vault所有者アカウントのパスワードを入力します。パスワードは、8〜30文字で指定できます。パスワードは、少なくとも1つのアルファベット、1つの数字、1つの非英数字(記号)を含む必要があります。また、Database Vault所有者またはDatabase Vaultアカウント・マネージャのアカウント名と同じにすることはできません。パスワードに同じ文字を連続して使用することはできません。

  7. 「パスワードの確認」フィールドにパスワードを再入力します。

  8. 別個のアカウント・マネージャを作成してOracle Database Vaultアカウントを管理する場合は、「別個のアカウント・マネージャを作成」を選択します。

  9. 「別個のアカウント・マネージャを作成」チェック・ボックスを選択した場合は、「Database Vaultアカウント・マネージャ」フィールドに、Database Vaultアカウント・マネージャのユーザー名を入力します。ユーザー名は、2〜30文字で指定できます。

  10. 「アカウント・マネージャのパスワード」フィールドに、Database Vaultアカウント・マネージャ・アカウントのパスワードを入力します。パスワードは、8〜30文字で指定できます。パスワードは、少なくとも1つのアルファベット、1つの数字、1つの非英数字(記号)を含む必要があります。また、Database Vault所有者またはDatabase Vaultアカウント・マネージャのアカウント名と同じにすることはできません。パスワードに同じ文字を連続して使用することはできません。

  11. 「パスワードの確認」フィールドにパスワードを再入力します。「次へ」をクリックします。

  12. 「既存のデータベースの選択」画面が表示されます。選択したOracleホームから実行中のすべてのデータベースのリストが表示されます。Oracle Database Vaultのインストール先となるデータベースを選択します。


    注意

    • 1つのデータベースのみを含むOracleホームに、Oracle Database Vaultをインストールすることをお薦めします。

    • データベースがリストに表示されない場合は、「データベース要件の確認」に記載されている手順を実行済であるか確認してください。

     

  13. 「既存のデータベースのSYSパスワード」フィールドに、選択したデータベースの既存のSYSユーザー・パスワードを入力します。

  14. 「パスワードの確認」フィールドにSYSパスワードを再入力します。「次へ」をクリックします。


    注意

    この時点でデータベース要件が検証されます。 


  15. 続行する前に、Oracleホームから実行しているすべてのOracleプロセスを停止するように求められます。Oracleプロセスをまだ停止していない場合は停止します。

    関連項目

    既存のOracleプロセスの停止に関する詳細は、「既存のOracleプロセスの停止」を参照してください。 

  16. 製品固有の前提条件チェックが実行されます。すべてのテストを通過したことを確認します。「次へ」をクリックして続行します。

  17. 「サマリー」画面にインストールの詳細が表示されます。詳細を確認し、「インストール」をクリックします。

  18. 「インストール」画面が表示されます。インストールの完了後、Database Vaultコンフィギュレーション・アシスタント(DVCA)が自動的に実行されます。DVCAは、Database Vaultインストールの構成に役立ちます。

インストール後のタスク

この項では、データベースのアップグレードを完了した後に実行するタスクについて説明します。説明する内容は次のとおりです。

データベースのバックアップ

本番データベースの全体バックアップを必ず実行してください。データベースのバックアップの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・アドバンスト・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

オラクル社が提供するアカウントのパスワードの変更

インストール後には、できるかぎり、各アカウントのパスワードを変更してください。パスワードを変更することで、Oracle Database Vaultによって提供される強力なセキュリティを効果的に実装できるようになります。


注意

データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用してデータベースを作成する場合は、データベースの作成後に「パスワード管理」をクリックしてアカウントをロック解除してから、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを終了します。 


SQL*Plusを使用したアカウントのロック解除およびパスワードのリセット

SQL*Plusを使用して、ユーザー・アカウントのパスワードを解除しリセットするには、次のようにします。

  1. SQL*Plusを起動し、Database Vaultアカウント・マネージャ・アカウントを使用してログインします。インストール時にDatabase Vaultアカウント・マネージャ・アカウントを作成しなかった場合は、Database Vault所有者アカウントを使用してログインします。

  2. 次のようなコマンドを入力します。accountはロック解除するユーザー・アカウントを指し、passwordは新しいパスワードを指します。

    SQL> ALTER USER account [ IDENTIFIED BY password ] ACCOUNT UNLOCK;
    
    

    この例の詳細は次のとおりです。

リモートSYSDBA接続の無効化(オプション)

Oracle Database Vaultでは、SYSDBA権限を使用したリモート・ログインを無効化することもできます。これを無効化すると、データベースのセキュリティを強化できます。

リモートのSYSDBA接続を無効にするには、nosysdbaフラグをy(Yes)に設定してパスワード・ファイルを再作成します。無効化した後も、オペレーティング・システム(OS)認証を通じたローカル接続であればSYSDBAとしてログインできます。ただし、SYSDBAとしてのリモート接続は失敗します。

パスワード・ファイルを再作成するには、次の構文を使用します。

C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥orapwd file=filename password=password [entries=users] force=y 
nosysdba=y

詳細は次のとおりです。

次に例を示します。

C:¥> oracle¥product¥10.2.0¥db_1¥bin¥orapwd
file=C:¥oracle¥product¥10.2.0¥db_1¥dbs¥orapwORCL password=5hjk99 force=y
nosysdba=y


注意

等号(=)の前後には、スペースを入れないでください。  


関連資料

orapwdユーティリティの使用の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

パスワード・ファイルを再作成すると、SYSDBAまたはSYSOPERの権限が付与されたすべてのアカウント(SYSを除く)の権限は、削除されます。パスワード・ファイルの再作成後に、これらのアカウントの権限を付与しなおす必要があります。

nosysdbaフラグをn(No)に設定してパスワード・ファイルを再作成すると、再びSYSDBA権限での接続を有効化できます。特定の製品またはユーティリティでSYSDBA権限による接続の使用が求められる場合は、これを再度有効にしておく必要があります。

他のノードでのリスナーおよびデータベースの起動(RACのみ)

インストールを実行したノードを除くすべてのRACノードで、リスナーおよびデータベースを起動する必要があります。リスナーおよびデータベースを起動するには、次のコマンドを使用します。


注意

これらのコマンドを実行するには、SYSDBAとして接続する必要があります。 


C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥lsnrctl start ListenerName
C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥srvctl start instance -d sid -i InstanceName


注意

Server Control(srvctl)ユーティリティを使用してOracle Database Vault RACインスタンスを起動および停止してください。RACインスタンスの起動および停止に、SQL*Plusを使用しないでください。srvctlコマンドを使用する前に、SYSDBA接続を有効にする必要があります。  


DVCAの実行によるインスタンス・パラメータの設定およびSYSDBAセッションのロックアウト(RACのみ)

1つのReal Application Clusters(RAC)インスタンスに対してDatabase Vaultをインストールしたら、-action optionracスイッチを使用して、その他のすべてのRACノードでDatabase Vaultコンフィギュレーション・アシスタント(DVCA)を実行する必要があります。


注意

  • リモート・ノードでDVCAを実行する前に、リモート・ノードのORACLE_HOME¥bin¥dvca.batファイルのORACLE_SID変数に、正しい値を設定する必要があります。リモート・ノードでORACLE_SID変数を、ローカル・ノードのOracleシステム識別子(SID)からリモート・ノードのOracleシステム識別子(SID)に変更してください。

  • リモート・ノードでDVCAを実行する前に、リモート・ノードの次のWindowsレジストリを修正する必要があります。

    HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥ORACLE¥KEY_ORACLE_HOME_NAME¥ORA_instanc
    e_name_PWFILE
    
    

    リモート・ノード・レジストリのinstance_nameは、ローカル・ノードのデータベース・インスタンス名ではなく、リモート・ノードのデータベース・インスタンス名にする必要があります。

    このキーの値は、リモート・ノードのパスワード・ファイルへの絶対パスを指定してください。次に例を示します。

    C:¥ORACLE¥PRODUCT¥10.2.0¥DB_1¥dbs¥orapwORCL2
    
 

このコマンドは、Database Vaultのインストールを実行したノードを除くすべてのRACノードで実行する必要があります。この手順を行わない場合は、Oracle Database Vaultによって提供される高度なセキュリティ機能が有効になりません。


注意

DVCAを実行するノードでは、リスナーおよびデータベース・インスタンスが実行中であることが必要です。 


次の構文を使用して、DVCAを実行します。

C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥dvca -action optionrac -racnode host_name -oh oracle_home 
-jdbc_str jdbc_connection_string -sys_passwd sys_password [-logfile ./dvca.log] 
[-silent] [-nodecrypt] [-lockout]

詳細は次のとおりです。

Enterprise Manager Database Controlの再起動

次のコマンドを使用して、Enterprise Manager Database Controlを再起動します。

C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥emctl stop dbconsole
C:¥> ORACLE_HOME¥bin¥emctl start dbconsole


注意

RACデータベースの場合、すべてのクラスタ・ノードで前述のコマンドを実行します。 


DVAのタイムアウト値の設定(オプション)

Oracle Database Vault Administrator(DVA)は、Oracle Database Vaultの管理に使用できる、ブラウザベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェース・コンソールです。

DVAが非アクティブ状態のまま接続を継続できる時間は変更することもできます。デフォルトでは、接続の継続時間は35分です。非アクティブ状態で35分が経過すると、セッションは自動的に終了します。

Oracle Database Vault Administratorのセッション・タイムアウトを設定するには、次の手順を実行します。

  1. web.xmlファイルをバックアップします。このファイルは、デフォルトではORACLE_HOME¥dv¥jlib¥dva_webapp¥dva_webapp¥WEB-INFディレクトリにあります。

  2. テキスト・エディタで、web.xmlファイルを開きます。

  3. 次の設定を検索します。

    <session-config>
     <session-timeout>35</session-timeout>
    </session-config>
    
    
  4. <session-timeout>設定を変更して、目的の分数に設定します。

  5. web.xmlファイルを保存して閉じます。

  6. DVAアプリケーションを終了し、再起動します。

    DVAを再起動するには、次のコマンドを使用できます。

    emctl stop dbconsole
    emctl start dbconsole
    

Oracleソフトウェアの削除

Oracle Universal Installer(OUI)を使用して、OracleホームからOracleソフトウェアを削除します。削除の手順を次に要約します。

  1. 管理者グループのメンバーとしてログインします。

  2. Oracleホームで実行中のすべてのプロセスを停止します。

  3. 「スタート」メニューから、「プログラム」「ORACLE_ HOME_NAME」「Oracle Installation Products」「Oracle Universal Installer」の順に選択して、Oracle Universal Installerを起動します。Oracle Universal Installerの「ようこそ」画面が表示されます。

  4. 「ようこそ」画面で「製品の削除」を選択します。「インベントリ」画面が表示されます。この画面には、システム上のすべてのOracleホームが表示されます。

  5. 削除するOracleホームおよび製品を選択します。「削除」をクリックします。

    関連資料

    Oracleソフトウェアの削除の詳細は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。 


    注意

    Database Vaultオプションを削除またはアンインストールすることはできません。ただし、Oracle Database Vaultを無効化できます。詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

    この項で前述したように、Oracleホーム全体を削除することもできます。 



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