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WebLogic Platform の紹介

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BEA WebLogic Platform の紹介

BEA WebLogic Platform は、既存の BEA WebLogic 製品群を、シンプルで拡張性に優れたプラットフォーム ソリューションとして統合したものです。WebLogic Platform は、既存の BEA WebLogic 製品のすべての機能、つまりアプリケーション サーバ、開発、ポータル、および統合の各機能が高度に統合されたソリューションであり、共通アプリケーション インフラストラクチャの利点を、堅牢で使いやすいフレームワークに融合できます。

以下の図に、WebLogic Platform 共通アプリケーション インフラストラクチャを示します。

図 1 BEA WebLogic Platform


 

WebLogic Platform の機能

図1 で示したように、WebLogic Platform には以下の機能があります。

表 1 WebLogic Platform の機能

機能

解説

アプリケーション サーバ

高い実績を誇る BEA WebLogic Server を介して、e ビジネス アプリケーションの迅速な開発、デプロイメント、および管理を行うための堅牢な基盤。共通アプリケーション実行時環境も実装されている。

開発とデプロイメント

開発、デプロイメント、および実行時環境が統合されたもので、以下の機能がある。

ポータル

BEA WebLogic Portal を使用して、エンタープライズ ポータルを構築するための統合フレームワークで、以下の機能がある。

統合

BEA WebLogic Integration を使用して、企業内および企業全体にわたってアプリケーションとビジネス プロセスの開発、デプロイメント、および統合を行うための包括的なソリューションであり、以下の機能がある。

セキュリティ

セキュアなアプリケーションをビルドするための共通セキュリティ フレームワーク。

OA&M

アプリケーションの開発、デプロイメント、および実行時環境を管理するための、共通の運用管理 (OA&M) フレームワーク。


 

WebLogic Platform のメリット

WebLogic Platform の共通アプリケーション インフラストラクチャを使用すると、以下のメリットがあります。

企業が直面する課題

以下の表で強調されているように、WebLogic Platform のシンプルで拡張性に優れた統合アーキテクチャにより、企業が直面するビジネス上の課題に対処することができます。

表 2 企業が直面する課題

特徴

企業が直面するビジネス上の課題

統合アーキテクチャ — 開発、ポータル、および統合の各機能の融合

顧客は、膨大かつ多様なアプリケーションのインストール、習得、統合、およびサポートに対応する必要がある。

簡素化された開発、デプロイメント、および管理 — 開発者が業務目標を達成できるよう強力に支援する。

多様な製品や分散化したプラットフォームにより、開発、デプロイメント、および管理が複雑化している。

拡張可能なアーキテクチャ — 堅牢でスケーラブルなプラットフォームをサポート

複数の独自システムに依存しているため、システムの統合や成長が困難。


 

要約

この節では WebLogic Platform の主な特徴とメリットについて紹介し、WebLogic Platform の導入によって企業がビジネス上のどのような課題に対処できるかについて概説しました。

以降の節では、WebLogic Platform の特徴について詳しく説明します。また、共通アプリケーション インフラストラクチャにより、多様なシステムにまたがってビジネス プロセスを構築統合、および展開する方法について説明します。

ご自身の業務目標に最も近い情報にアクセスするには、以下の表に概説されているトピックを参考にしてください。

表 3 WebLogic Platform のトピック

知りたい内容

参照するトピック

ミッションクリティカルな J2EE アプリケーションを開発しデプロイする

J2EE アプリケーションの開発で、WebLogic Platform 開発ソリューションについて説明し、エンタープライズ クラスの Web サービスなどのミッションクリティカルな J2EE アプリケショーンを開発およびデプロイする際に不可欠な、BEA WebLogic Server の機能に焦点を当てます。

エンタープライズ クラスの Web サービスを開発して、分散リソースを統合する

エンタープライズ クラスの Web サービスを開発するで、分散システムを統合するための標準的な方法を提供する、エンタープライズ クラスの Web サービスの開発方法について説明します。

WebLogic Workshop 開発フレームワークを使用して、Web サービスを開発する

WebLogic Workshop による Web サービスの開発で、WebLogic Workshop 開発フレームワークについて説明しています。このフレームワークにより、J2EE の熟練者だけでなくアプリケーション開発者も、エンタープライズ クラスの Web サービス アプリケーションの迅速な開発、テスト、およびデプロイを実行できます。

従業員、顧客、およびビジネス パートナ向けに、パーソナライゼーションされた統合ポータルを作成する

エンタープライズ ポータルの構築で、WebLogic Portal を使用してエンタープライズ ポータルを構築するための統合フレームワークについて説明しています。

企業内および企業全体にわたって、アプリケーションとビジネス プロセスを開発、デプロイ、および統合する

エンタープライズの統合で、WebLogic Integration を使用して企業内および企業全体にわたってアプリケーションとビジネス プロセスを統合するソリューションについて、詳細に説明しています。

プラットフォーム セキュリティ機能を管理する

『WebLogic Platform 7.0 セキュリティの紹介』で、WebLogic Platform 7.0 で使用されるセキュリティの前提条件と概念について詳細に説明しています。『WebLogic Server セキュリティの紹介』で、WebLogic Server セキュリティ フレームワークのアーキテクチャについて詳細に説明しています。

アプリケーション開発と実行時環境を管理する

エンタープライズの管理で、アプリケーションの開発、デプロイメント、および実行時環境の管理を行うための統合管理ツールについて説明しています。

包括的な WebLogic Platform ソリューションを構築して、業務目標を達成する

WebLogic Platform ソリューションの構築で、WebLogic Platform を使用してエンタープライズ ビジネス ソリューションを構築する方法の例を示し、また、WebLogic Platform 機能の相互運用について説明しています。

プラットフォームを拡張する

プラットフォームの拡張では、標準ベースの WebLogic Platform の拡張を検討されているお客様向けのオプションについて説明します。


 

 


J2EE アプリケーションの開発

WebLogic Platform ではユーザのニーズを満たせるソリューションを用意できるので、開発者の生産性が向上します。たとえば以下のことができます。

以降の節では、エンタープライズ クラスの Web サービスを始めとする J2EE アプリケーションの迅速な開発を促進する WebLogic Server の機能について説明します。WebLogic Workshop については、WebLogic Workshop による Web サービスの開発で説明します。

WebLogic Server の多彩な機能と柔軟性を活用する

J2EE アプリケーションをより迅速に開発するには、堅牢で信頼性の高い基盤が必要です。BEA WebLogic Server には WebLogic Platform のバックボーンとして機能する基盤が用意されています。

また、WebLogic Server には、ミッションクリティカルな J2EE アプリケーションの開発とデプロイメントに不可欠な機能も装備されています。さらに WebLogic Server には、他のどのアプリケーション サーバよりも多く、開発者、独立系ソフトウェア会社 (ISV)、アプリケーション サービス プロバイダ (ASP)、およびシステム インテグレータ (SI) に採用されているという実績があります。

以下の表で、J2EE アプリケーションの迅速な開発を促進する WebLogic Server の機能に注目します。

表 4 WebLogic Server の主な機能

機能

解説

J2EE のコンポーネント技術とサービスを活用する

WebLogic Server は、Sun Microsystems Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) version 1.3 のコンポーネント技術とサービスをサポートしており、J2EE 認定の、独自に開発された Java アプリケーション サーバとしては最初のものです。J2EE には以下の仕様が実装されています。

J2EE では、アプリケーションのライフサイクル詳細の大部分が管理され、アプリケーション開発者はインフラストラクチャの管理よりもビジネス要件を満たすための作業に集中できます。その結果、多階層のエンタープライズ アプリケーションの開発作業が簡素化されます。J2EE コンポーネント ベースのモデルでは、移植可能でスケーラブルなビジネス アプリケーションの中核部分を開発できるので、生産性の向上および市場への迅速な投入が実現できます。

J2EE コンポーネントの技術およびサービスの詳細については、以下の URL の Sun Web サイトを参照してください。

http://java.sun.com/j2ee/sdk_1.3/index.html

エンタープライズ クラスの Web サービスを迅速に開発しデプロイできる

WebLogic Server ではエンタープライズ クラスの Web サービスを迅速に開発しデプロイすることができるので、分散システムを標準的な方法で統合できます。Web サービスとは、分散されたクライアントとサーバがインターネット経由で情報交換するためにアクセスする、共有アプリケーションのことです。

Web サービス開発の詳細については、エンタープライズ クラスの Web サービスを開発するで詳しく説明します。

エンタープライズ メッセージの交換をサポートしている

メッセージとは、さまざまなアプリケーション間における通信制御情報が格納されている、リクエスト、レポート、およびイベントのいずれか、またはそれらすべてのことです。メッセージには抽象化レベルが設定されているので、送り先のシステムに関する詳細をアプリケーション コードから分離できます。

WebLogic Server には Java Message Service (JMS) に基づく高度なメッセージ交換プラットフォームが実装されており、複数のアプリケーション間で、分散し緩やかに結合された通信ができます。具体的には、JMS では以下のことができます。

WebLogic JMS の機能に関する詳細については、以下の URL にある BEA e-docs Web サイトの『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs70/jms/index.html

新規および従来のエンタープライズ情報システム (EIS) アプリケーションの統合をサポートしている

WebLogic Server では、以下の機能によって、新規および従来の EIS アプリケーションの統合がサポートされています。

アプリケーションのデプロイメントを簡素化する

WebLogic Server のデプロイメントは、以下のシンプルな 2 段階のプロセスで行います。

    1. J2EE アプリケーション コンポーネントをパッケージ化する

    2. WebLogic Server 上にある J2EE アプリケーション コンポーネントのパッケージ ファイルをデプロイする

WebLogic Server に用意されている以下のツールを、アプリケーション デプロイメント プロセスに利用できます。

アプリケーションのデプロイメントの詳細については、以下の URL の BEA e-docs Web サイトにある WebLogic Server ドキュメント内の『デプロイメント』を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs70/
deployment.html


 

WebLogic Server の詳細については、以下の URL にある BEA e-docs Web サイトの WebLogic Server ドキュメントを参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs70/index.html

以降の節では、エンタープライズ クラスの Web サービスの開発について詳細に説明します。

エンタープライズ クラスの Web サービスを開発する

Web サービスには、企業内およびインターネット上の多様なアプリケーション間で行われる通信の、標準的な方法が用意されています。WebLogic Platform には、分散システムを統合する、エンタープライズ クラスの Web サービスを迅速に開発してデプロイし、実績ある WebLogic に期待される信頼性、スケーラビリティ、および可用性を実現するのに必要なツールとインフラストラクチャが用意されています。

Web サービスとは

Web サービスを使用すれば、分散しているクライアントが、標準化された方法によりネットワーク経由でソフトウェア アプリケーション リソースを利用できるようになります。Web サービスは標準的な通信手段に依存しているので、標準をサポートしているアプリケーションから、Web サービスが提供するリソースを利用できます。クライアント アプリケーションや Web サービスの内部的な実装に左右されることはありません。

Web サービスは、以下の理由により企業にとって理想的なものです。

Web サービスは、製品在庫情報へのアクセス、株価情報の確認、ユーザ プロファイル情報の交換などの、個々のビジネス プロセスの遂行に使用されます。

たとえば次の図は、購入エージェントが企業のイントラネット サイトにアクセスして在庫をチェックし、在庫量が少ない品目に関して、非同期 Web サービスを使ってサプライヤに見積もり要求 (RFQ) を発行するしくみを示しています。

図 2 Web サービスの例


 

各サプライヤは RFQ リクエストを受け取り、価格と提供可能な数量、納期などの情報を返します。すべての通信は非同期で行われ、サプライヤから情報が返された時点でその情報がイントラネットのサイトにポストされます。返された情報を基に、購入エージェントは見積もり価格を確認し、サプライヤを選定し、注文書を発行します。

Web サービスの標準

異機種のハードウェアやソフトウェアが混在するプラットフォーム上の複数のアプリケーションに対してリソースを提供し、またそれらのアプリケーション間での相互運用性を確保するために、Web サービスは以下の通信標準に準拠しています。

Web サービス開発オプション

BEA では、エンタープライズ クラスの Web サービスの開発用に、以下の 2 種類のアプローチがサポートされています。

 


WebLogic Workshop による Web サービスの開発

BEA WebLogic Workshop は、J2EE の熟練者だけでなくアプリケーション開発者も、エンタープライズ クラスの Web サービス アプリケーションの迅速な開発、テスト、およびデプロイが実行できる、グラフィカルな開発フレームワークです。

WebLogic Workshop を使えば、開発者は、J2EE とオブジェクト指向プログラミングを深く理解していなくても、安定した Web サービスをビジュアルに設計できます。開発者は、複雑な API の習得に時間を費やすことなくアプリケーションのロジックに専念でき、単純なプロパティ (Javadoc 注釈として表現されます) を設定するだけでフレームワーク内の高度な機能にアクセスできます。

WebLogic Workshop には、コードの編集、デバッグ、プロジェクト管理など、多くの開発環境で使用される機能がすべて用意されています。構築、デプロイメント、およびテストの各工程は緊密に統合され、また透過的に管理されるので、繰り返し部分の多い開発を迅速化できます。WebLogic Workshop を使用して構築した Web サービスは WebLogic Server 上に自動的にデプロイされるので、デプロイメントが合理化され、企業全体でサービスの整合性を確保できます。

WebLogic Workshop は以下のコンポーネントで構成されています。

WebLogic Workshop のビジュアル開発環境および実行時環境については、以降の節で説明します。WebLogic Workshop の詳細については、以下の URL で示す BEA e-docs Web サイトの WebLogic Workshop ドキュメントを参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/workshop/docs70/index.html

WebLogic Workshop を使って Web サービスを開発する

以下の図で示した WebLogic Workshop IDE により、Web サービス構築用の高度な開発環境が提供されます。

図 3 Web サービスの開発 — WebLogic Workshop IDE


 

WebLogic Workshop IDE のメイン領域には現在定義されている Web サービスが表示され、周囲のペインにはそのサービスに関連する情報が表示されます。

前の図で示したように、WebLogic Workshop で JWS ファイルにアクセスするためのビューは以下の 3 つです。

WebLogic Workshop では双方向編集がサポートされるので、デザイン ビューで更新した内容は自動的にソース ビューに反映されます。また、ソース ビューで更新した内容も自動的にデザイン ビューに反映されます。たとえば、デザイン ビューで requestReport メソッドを追加した場合、対応するソース コードが自動生成され、以下の図に示すようにソース ビューに表示できます。

図 4 WebLogic Workshop の双方向編集


 

以降の節では、デザイン ビュー、ソース ビュー、およびテスト ビューについて詳細に説明します。

Web サービスをビジュアルに設計する

以下の図で示すデザイン ビューでは、Web サービスおよび、クライアント アプリケーションやデータ リソース (データベース、他の Web サービスなど) との対話をビジュアルに設計できます。

図 5 Web Services をビジュアルに設計する — デザイン ビュー


 

Web サービスの設計時に以下の項目を定義できます。

Web サービスのソース コードを編集する

以下の図で示すソース ビューでは、Web サービスのソース コードを直接編集することにより、生成したコードのカスタマイズおよびアプリケーション ロジックの実装ができます。

図 6 Web サービスのソース コードを編集する — ソース ビュー


 

ソース ビューでは、オートコンプリート、パラメータ ヒント、入力エラーの強調表示など、生産性を高める機能がサポートされています。構文エラーのあるファイルをコンパイルすると、ソース ビューの下部にある [エラー] ペインにエラー メッセージが表示されます。また、コード内の構文エラーのある箇所に赤い下線が引かれます。特定のメッセージをダブルクリックすると、エラーのあるコードの隣にカーソルが移動します。

Web サービスをテスト、デバッグする

以下の図で示すテスト ビューでは、Web サービスをテストできます。テスト ビューは、ある特定のパラメータ値でサービス メソッドを呼び出すことができる、動的に生成された HTML ページで構成されます。

図 7 Web サービスをテスト、デバッグする — テスト ビュー


 

ウィンドウの左側にある [Message Log] には、Web サービスとの間でテスト中に送受信されるメッセージが表示されます。ログ エントリをクリックすると、メッセージのリクエストと応答の詳細情報が表示されます。

テスト中に WebLogic Workshop 統合デバッガを使用して Web サービスをデバッグできます。統合デバッガでは、ブレークポイントの設定、行単位でのステップ実行、ローカル変数の表示、変数へのウォッチの設定、コール スタックの表示、および例外情報の表示ができます。

WebLogic Workshop を使用して Web サービスをデプロイメント、管理する

WebLogic Workshop 実行時環境には、WebLogic Workshop で作成した Web サービスを簡単にデプロイおよび管理できるフレームワークが用意されています。

WebLogic Workshop 実行時環境は JWS ファイルを読み取り、以下のタスクを自動的に実行します。

以下の節では、エンタープライズ ポータルの構築方法について説明します。エンタープライズ ポータルでは、Web サービスとの対話により分散システムを統合できます。

 


エンタープライズ ポータルの構築

BEA WebLogic Portal では、エンタープライズ ポータルを構築するための統合フレームワークが用意されます。このフレームワークには以下の機能があります。

以降の節では、ポータルとは何かを定義し、WebLogic Portal の機能と設計ツールについて説明します。

WebLogic Portal の詳細については、以下の URL で示す BEA e-docs Web サイトの WebLogic Portal ドキュメントを参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wlp/docs70/index.html

ポータルとは

ポータルとは、企業のデータとアプリケーションにアクセスできるように用意された単一のポイントのことで、統合およびパーソナライゼーションされたビューを通して、従業員、顧客、およびビジネス パートナに対して情報を表示します。

ポータルの主な種類は以下の 3 つです。

以下の図は、企業消費者間ポータルの例です。

図 8 ポータルの例


 

前の図で示したように、ポータルでは、ポートレットを使用してコンテンツが管理および整理されます。ポートレットとは、ポータル ページのセクション内にコンテンツまたアプリケーションを表示する標準のユーザ インタフェースのことです。1 つのポータル内に複数のポートレットを表示できます。ポートレットにより、パーソナライゼーションされたコンテンツ、および商取引サービスとキャンペーン サービスを表示でき、バックエンド システムとの統合もできます。これらの概念については、以降の節で詳細に説明します。

WebLogic Portal の機能

以下の表で、WebLogic Portal の主な機能について説明します。

表 5 WebLogic Portal の機能

機能

解説

ポータル設立サービス

充実したユーザ インタフェースを使って複数のエンタープライズ ポータルおよびポートレットを作成、カスタマイズ、および管理できるフレームワークが用意されています。

ポータル設立サービスには以下のものが含まれます。

パーソナライゼーションと対話管理

事前に定義したルール セットに基づき、閲覧者によるブラウズの行動パターンや特徴に合わせて Web サイトのコンテンツを調整できます。

パーソナライゼーションは、暗黙に行われる場合も明示的に行われる場合もあります。暗黙的なパーソナライゼーションでは、オンラインでのブラウズの行動パターンに合わせてサイトが調整されます。明示的なパーソナライゼーションでは、オンラインのプロファイルとオフラインの訪問者データベース情報を使用して、関連するパーソナライゼーション情報を提供することにより、既知の訪問者に合わせて Web サイトがさらに調整されます。

パーソナライゼーションと対話管理には以下の事項が含まれます。

インテリジェント管理

WebLogic Portal 機能とリソースにアクセスし、IT 部門の負荷を軽減するためのツールをポータル ユーザに提供することにより、ポータル管理を容易にします。

インテリジェント管理には以下の事項が含まれます。

統合サービス

ポータル統合費用を削減し、アプリケーション統合のための Web サービスの活用を可能にする、標準ベースのアプローチを適用しています。

統合サービスには以下の事項が含まれます。


 

WebLogic Portal ツール

WebLogic Portal では、基本的な設計および管理タスクに使用する以下のツールが用意されています。

これらのツールについては以降の節で説明します。

ポータル管理ツール

ポータル管理ツールは、ブラウザ ベースの WebLogic Portal Administration Tools の一部であり、アプリケーション サーバ上で動作し、以下のタスクに使用します。

たとえば、以下の図で示すように、ポータル管理ツールでアクセスできる [スキンの選択] ページを使用して、1 つのグループ ポータルの全メンバー向けにデフォルトのポータル スキンの外観を定義できます。

図 9 デフォルトの ポータル スキンを定義する — ポータル管理ツール


 

以下の図に、Web サイトの訪問者がサンプル ポータル用のスキンを選択する方法を示します (訪問者固有の設定はデフォルトのポータル設定には影響しません)。

図 10 Sample Portal Visitor Tools を使用してスキンを選択する


 

E-Business Control Center

E-Business Control Center はスタンドアロンのグラフィカル ツールです。これを使えば、WebLogic Portal で構築したエンタープライズ ポータルおよびサイトに使用されるサイト インフラストラクチャ、ビジネス ロジック、およびプレゼンテーション リソースを作成し管理するのに必要なタスクを簡素化できます。E-Business Control Center では、Java、Java Server Pages (JSP) または HTML のコーディング知識が少しあれば、ポータルとポートレットのデザイン、機能、および訪問者属性を定義できます。

E-Business Control Center では、Webflow エディタと Pipeline エディタ、Portal Wizard、Portlet Wizard など、基本的なポータル設計タスクに役立つエディタとウィザードが数多く用意されています。

Webflow エディタと Pipeline エディタ

以下の図で示す Webflow エディタと Pipeline エディタでは、ページ間の移動を指定し、ポートレット間の通信を簡素化することができます。

図 11 Webflow と Pipeline を定義する — E-Business Control Center


 

Webflow と Pipeline は、高度なプログラミング技能を必要とすることなく、アプリケーションを構成するビジネス ロジックと表示とを分離して管理できるように設計された、柔軟なメカニズムです。

Portal Wizard と Portlet Wizard

以下の図で示すように、Portal Wizard で、既存のテンプレートを基に新しいポータルを簡単に作成できます。

図 12 ポータルを作成する — Portal Wizard


 

同様に、以下の図で示す Portlet Wizard では、新規のポートレットを簡単に作成してそのコンポーネントを指定できます。

図 13 ポートレットを作成する — Portlet Wizard


 

Portal Wizard と Portlet Wizard は、必要な情報を収集して、指定された情報に基づいて自動的に新しいポータルやポートレットを生成します。

 


エンタープライズの統合

今日のグローバル企業は、業務に必須の情報がアプリケーション間でリアルタイムにやりとりされる統合ソリューションを必要としています。統合計画としては、バックオフィス システムと連動する企業内、または、企業内のデータとプロセスを顧客および他の企業と連動させる企業間での統合のどちらかとなります。

以下の図に示す BEA WebLogic Integration は、企業内および企業全体にわたってアプリケーションとビジネス プロセスの開発、デプロイメントおよび統合を行うための包括的なソリューションです。

図 14 BEA WebLogic Integration フレームワーク


 

上の図で示したように WebLogic Integration では以下の主要サービスをサポートしています。

表 6 WebLogic Integration サービス

サービス

解説

Application Integration

企業全体にわたって情報システムと新しいアプリケーションを統合する。

Business Process Management (BPM)

企業のビジネス プロセスの管理を合理化する。

B2B Integration

業務上のトレーディング パートナとコラボレーションし、B2B 相互取引を管理する。

Data Integration

多様なエンタープライズ アプリケーションのデータを統合する。


 

WebLogic Integration は、WebLogic Server に用意されている共通アプリケーション実行時環境で動作します。

以降の節では、WebLogic Integration サービスについて詳細に説明します。

WebLogic Integration の詳細については、以下の URL で示す BEA e-docs Web サイトの WebLogic Integration ドキュメントを参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs70/index.html

アプリケーションを統合する

Application Integration では、カスタム アプリケーションと従来のアプリケーションだけでなく、エンタープライズ リソース プランニング (ERP)、サプライ チェーン マネジメント (SCM)、人事 (HR)、およびカスタマ リレーションシップ マネジメント (CRM) など、企業全体にわたって情報システムと新しいアプリケーションを統合できます。

アダプタを使用すれば、元のアプリケーションやデータ構造を変更せずに、相互に接続されたアプリケーション間でデータとビジネス プロセスを共有できます。Adapter Developer Toolkit (ADK) を使用すれば、J2EE Connector Architecture (CA) 準拠のサービス アダプタとイベント アダプタを開発およびホストすることができます。サービス アダプタは、接続先のエンタープライズ情報システムの特定の機能を呼び出します。イベント アダプタでは、エンタープライズ情報システムから統合環境に情報の伝達を行います。

アプリケーション ビューには、アダプタを抽象化したビューが用意されています。このビューにより、XML データの授受によりデータの入出力を行うビジネス サービスとして、既存のエンタープライズ アプリケーションを利用できるようになります。アプリケーション ビューを使えば、統合の担当者は、技術的な実装方式を気にすることなくエンタープライズのデータにアクセスできます。

以下の図で示すように、アプリケーション ビュー コンソールは、企業のすべてのアプリケーション ビューに簡単にアクセスし、それらを編集および整理できる GUI です。

図 15 アプリケーション ビューを管理する — アプリケーション ビュー コンソール


 

アプリケーション ビュー コンソールを使用して、イベント アダプタとサービス アダプタのアプリケーション ビューを定義および管理できます。アプリケーション ビューをフォルダに格納することにより、個々のアプリケーション ビューがどのアダプタに属するかに関係なく、独自のナビゲーション スキームに従ってそれらのビューを整理できます。

アプリケーション統合機能を拡張するために、BPM プラグイン フレームワークを使用してアプリケーション ビューを BPM ビジネス プロセスと統合できます。

ビジネス プロセスを管理する

Business Process Management (BPM) では、エンタープライズ ビジネス プロセスの管理を合理化できます。ビジネス プロセスには、全社規模のタスク、活動、意思決定、およびイベントが整理統合され、複数のアプリケーション、システム、および関係者が関わる場合もあります。

WebLogic Integration Studio を使用すると、以下の図で示すように、ビジネス プロセスを設計および監視できます。

図 16 ビジネス プロセスを定義、モニタする — Studio


 

WebLogic Integration Studio の グラフィカル インタフェースでは、使い慣れたフローチャートの構成要素をビジネス プロセス ワークフロー モデリングに利用でき、ビジネス プロセスをグラフィカルに表現できます。Studio では、ワークフロー設計、ワークフローの監視、およびデータ管理機能がサポートされています。

以下の図で示すように、Studio の実行中に WebLogic Integration Worklist を使用してエンド ユーザとしてビジネス プロセスと対話できます。

図 17 ビジネス プロセスと対話する — Worklist


 

Worklist を使用して、現在の組織の管理、ビジネス プロセスの開始、およびタスク管理ができます。

BPM の機能を拡張するために、BPM API を使用して独自クライアント アプリケーションやプラグインを開発できます。WebLogic Integration には、Application Integration、B2B Integration、および Data Integration 機能と接続するためのプラグインが用意されています。

B2B コラボレーションを統合する

B2B Integration では、トレーディング パートナとのコラボレーション、および B2B におけるやりとりを管理できます。

以下の図で示すように、WebLogic Integration B2B Console を使用して、コラボレーション、および B2B におけるやりとりをコンフィグレーションおよび管理できます。

図 18 B2B Integration をコンフィグレーション、管理する — B2B Console


 

B2B Console を使用して、以下のものをコンフィグレーションおよび管理できます。

B2B Integration の機能を拡張するために、以下のことができます。

データを翻訳、変換する

Data Integration では、XML を標準フォーマットとして使用して、さまざまなエンタープライズ アプリケーションのデータを統合できます。

Data Integration 機能を使用して、以下のことができます。

データを翻訳するには、バイナリ データと XML との間のマップを定義する必要があります。具体的には、バイナリ データ内のレコード レイアウトのメタデータ記述を定義し、メッセージ フォーマット言語 (Message Format Language: MFL) ファイルとして情報を格納します。

この処理を簡単にするために、以下の図で示すように Format Builder を使用できます。

図 19 データ翻訳を定義する — Format Builder


 


 

Format Builder を使用して以下のことができます。

データを変換するには、ある XML 文法規則が別の規則にどのようにマップされるかを記述した XSL スタイル シートを作成します。Contivo Analyst の設計時 GUI を使用すれば、XSL スタイル シートを手作業で作成できます。または、Contivo Analyst と Contivo eService の自動マッピング機能を使用することもできます。

以下の図に Contivo Analyst Mapping Editor を示します。

図 20 データ変換を定義する — Contivo Analyst Mapping Editor


 

Data Integration 機能を拡張するために、以下のように BPM ビジネス プロセスと機能を統合できます。

 


エンタープライズの管理

前述したように WebLogic Platform の機能は、WebLogic Server によって提供されるアプリケーション サーバ実行時環境で動作し、相互作用する複雑なシステム リソースを利用します。

システム リソースの例を以下に示します。

WebLogic Platform には、企業全体にわたってアプリケーション サーバ リソースを管理するための統合された管理ツール セットが装備されています。

中核となる管理タスクを遂行するための主要なツールは、WebLogic Server Administration Console の Web ベース インタフェースです。WebLogic Server では、高度なシステム管理スクリプトを作成するため、または非 GUI ベースのシステムを使用するために、コマンドライン インタフェースも用意されています。さらに、ドメインをコンフィグレーションし、WebLogic Portal と WebLogic Integration の特定の機能を管理するための付加価値の高いツールがあります。

WebLogic Platform 管理ツールの詳細については、以降の節で説明します。

アプリケーション サーバ リソースを管理する

アプリケーション サーバ リソースを管理するには、以下の図で示す WebLogic Server Administration Console を使用します。

図 21 アプリケーション サーバ リソースを管理する — Administration Console


 

Administration Console は、WebLogic Administration Service への Web ベースのインタフェースであり、サーバ リソースの管理ツールを提供する Sun の Java Management Extension (JMX) 標準の実装です。

Administration Console を使用して、以下の中核的な管理タスクを実行できます。

複雑なシステム管理スクリプトを作成するため、または非 GUI ベースのシステムを使用するために、コマンドライン インタフェースも用意されています。

ドメインをコンフィグレーションする

BEA の[コンフィグレーション] ウィザードでは、カスタム ドメインを作成できます。ドメインとは WebLogic Server の基本管理単位であり、単位として管理され、相互に関係する WebLogic Server リソースのセットから構成されています。ドメインには任意の数の WebLogic Server インスタンスが含まれ、WebLogic Server クラスタも含まれる場合があります。

[コンフィグレーション] ウィザードの詳細については、以下の URL で示す BEA e-docs Web サイトの『コンフィグレーション ウィザードの使い方』を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs70/confgwiz/
index.html

追加機能を管理する

WebLogic Portal と WebLogic Integration の追加機能を管理するには、WebLogic Server Administration Console に加えて、この節で説明するツールを使用できます。

WebLogic Portal のその他の機能を管理する

WebLogic Portal の特定の機能を管理するには、以下の図で示す WebLogic Portal Administration Tool を使用します。

図 22 WebLogic Portal 機能を管理する — Administration Tools


 

以下の表では、管理可能なその他の機能に焦点をあて、各 WebLogic Portal Administration Tools について説明しています。

表 7 WebLogic ポータル管理ツール

ツール

解説

ユーザ管理

訪問者、管理ユーザ、グループ メンバシップ、およびユーザ プロファイル属性の管理

注文管理

顧客からの既存の注文の表示と変更

ポータル管理

ポータルとポートレットの作成と管理

カタログ管理

製品カタログの動作とコンテンツの管理

支払管理

支払いトランザクションの表示と変更


 

WebLogic Portal では、以下の図で示す [ポータル管理] ツールを使用して、ユーザの委託管理、ポータル プレゼンテーション、および資格付与管理をサポートしています。

図 23 委託管理タスク — Delegate Administration ツール


 

委託管理では、管理階層構造を作成して、作業の委託および負荷分散を行ったり、バックアップ管理をサポートしたりします。たとえば、ポータル プレゼンテーション管理を設計グループのメンバーに委託したい場合があります。

WebLogic Integration 追加機能を管理する

WebLogic Integration 機能を管理するには、以下の表で説明するツールを使用します。

表 8 WebLogic Integration 機能の管理

サービス

解説

Application Integration

イベント アダプタとサービス アダプタ用のアプリケーション ビューを管理するには、アプリケーション ビューを管理する — アプリケーション ビュー コンソールの図で示したアプリケーション ビュー コンソールを使用する。

BPM

BPM ビジネス プロセスを管理およびモニタするには、ビジネス プロセスを定義、モニタする — Studioの図で示した WebLogic Integration Studio を使用する。

B2B Integration

B2B Integration を管理するには、B2B Integration をコンフィグレーション、管理する — B2B Consoleの図で示した B2B Console を使用する。


 

 


WebLogic Platform ソリューションの構築

以降の節では、WebLogic Platform を使用してエンタープライズ ビジネス ソリューションを構築する方法を例で示します。その例では、架空のデジタル カメラ機器供給会社である Avitek Digital Imaging 社が WebLogic Platform を使ってどのように業務目標を達成するかが示されます。

Avitek Corporation 社の子会社である Avitek Digital Imaging 社は、民生市場向けと業務用機器市場向けにオーディオ、ビデオ コミュニケーション、IT 製品を製造するトップ メーカーです。Avitek Corporation 社はグローバル企業であり、同社の従業員は世界中に分散しています。製品在庫を確保するため、従業員は複数のサプライヤに見積もりを要求する必要があります。

Avitek Digital Imaging 社の主な業務目標を以下に示します。

WebLogic Platform ソリューションの構成を以下に示します。

最後のソリューションである B2E イントラネット Web サイト以外のソリューションは、『WebLogic Platform サンプル アプリケーション ツアー』で説明しているように、WebLogic Platform サンプル アプリケーションに基づいています。

この例を詳しく見る前に、業務目標の達成を可能にする WebLogic Platform 機能の相互運用について理解することが重要です。以下の節では WebLogic Platform 機能の相互運用について説明します。

WebLogic Platform 機能の相互運用

WebLogic Platform では、標準ベースの構築−統合手法が採用されており、アプリケーションの開発とデプロイメント、既存システムとの迅速な統合、ビジネス プロセスの自動化、およびビジネス パートナとの連携ができます。

構築−統合手法をサポートし、WebLogic Platform 機能の相互運用を可能にするために、統合エントリ ポイントを利用できます。統合エントリ ポイントにより、フロントエンド Web アプリケーションと異機種混在のバックエンド システムとの間で、プロセスレベル通信とデータ フローを円滑に行うことができます。統合エントリ ポイントでは、相互運用が行われる場所を定義します。

以下の図に、WebLogic Platform 統合エントリ ポイントを示します。

図 24 WebLogic Platform Integration エントリ ポイント


 

上の図で示したように、統合エントリ ポイントには以下のものがあります。

以降の節では、この節で説明した相互運用シナリオに沿って、WebLogic Platform を使用してエンタープライズ ビジネス ソリューションを構築する方法を例で示します。

オンライン販売ポータルを構築する

Avitek Digital Imaging 社の業務目標の 1 つは、パーソナライゼーションされたオンライン販売ポータルを構築することによって収益を拡大し競争力を維持することです。WebLogic Platform を使用して、顧客は Avitek Digital Imaging 社の製品カタログの閲覧、商品の選択、および注文ができ、業界のプロフェッショナルはパーソナライゼーションされたコンテンツを表示できます。

以下に、オンライン販売ポータルを構築する際に Avitek Digital Imaging 社が使用する WebLogic Platform 機能を要約します。

以下の表では、オンライン販売ポータルでのユーザとの対話と、それに対応して舞台裏で動作する WebLogic Platform 機能について説明します。

表 9 オンライン販売ポータルにおけるユーザとの対話

ユーザが行う操作

動作する WebLogic Platform 機能

顧客が Avitek Digital Imaging 社の Web サイトにログインする

WebLogic Portal を使用して構築された B2C ポートレットが、商取引ポータルのパーソナライゼーションされたビューを表示する。

顧客が製品評価ポートレットにアクセスし、購入を検討する

WebLogic Workshop を使用して開発された製品評価 Web サービスが、バックエンド データベース システムと統合されており、製品評価情報を表示する。

顧客が製品カタログを見て、ショッピング カートに商品を追加する

Pipeline コンポーネントが、Application Integration アダプタを呼び出してバックエンド在庫システムと同期通信を行い、製品在庫状況を確認する。在庫があればポータルは商品をショッピング カートに追加し、合計注文金額を計算する。割引できる場合、この時点で割引を適用する。在庫がなければ、ポータルに「在庫切れ」メッセージを表示する。

顧客は精算画面に進んで、発送先住所と代金請求情報、クレジット カード情報を入力する

WebLogic Workshop を使用して開発された代金支払い認可 Web サービスが、外部の代金支払い処理業者と統合して支払い情報の認可処理を行う。認可された場合、ポータルに確認メッセージを表示する。認可されなかった場合、認可されなかったことを示すメッセージをポータルに表示する。

顧客が注文を確認する

Pipeline コンポーネントが XML メッセージを生成し、BPM ワークフローにエントリされるように WebLogic Integration Event Processor にそのメッセージを渡す。BPM が XML メッセージをキューから削除し、バックエンド受注管理システムに受注情報を渡す。


 

製品在庫ポータルを構築する

Avitek Digital Imaging 社の 2 番目の業務目標は、製品購入プロセスの自動化により、従業員の生産性向上と費用削減を図ることです。Avitek Digital Imaging 社は WebLogic Platform を使用して B2B 製品在庫ポータル構築します。このポータルを使って、購入エージェントはサプライヤと連絡を取りながら製品の在庫水準を維持します。

以下に、Avitek Digital Imaging 社が製品在庫ポータルに利用する WebLogic Platform 機能を要約します。

以下の表では、製品在庫ポータルでのユーザとの対話と、それに対応して舞台裏で動作する WebLogic Platform 機能について説明します。

表 10 製品在庫ポータルにおけるユーザとの対話

ユーザが行う操作

動作する WebLogic Platform 機能

購入エージェントが Avitek Digital Imaging 社の製品在庫ポータルにログインする

WebLogic Portal を使用して構築された B2B ポートレットが、購入ポータルのパーソナライゼーションされたビューを表示する。

購入エージェントが、特定の製品に使われる部品の在庫状況をチェックする

ポートレットが、WebLogic Integration JSP タグ ライブラリを使用して、ホストされている B2B Integration イネーブラと通信し、選択された製品に使われている部品の在庫状況を表示する。

購入エージェントが、部品を選択し、部品の価格と在庫状況を照会 (QPA) する

ポートレットが WebLogic Integration JSP タグ ライブラリを使用して BPM をトリガし、QPA ワークフロー プロセスを開始する。ワークフローの一部として、B2B Integration が QPA をサプライヤに送信し応答を受信する。続けて、BPM が、照会結果を表示して購入エージェントによるサプライヤの選択を求めることにより、購入エージェントにタスクを割り当てる。

購入エージェントがサプライヤを選択し、注文書 (PO) を発行する

BPM が、ワークフローを再開し、選択されたサプライヤに注文書を送信するよう B2B Integration に指示する。B2B Integration は注文書を送信し、サプライヤから受注確認を受信する。

購入エージェントが注文書のステータスをチェックする

B2B Integration がサプライヤから受注確認を受信し、ポートレットを更新する。


 

従業員 HR ポータルを構築する

Avitek Digital Imaging 社の最後の業務目標は、従業員がパブリック HR 情報とパーソナル HR 情報に容易にアクセスできるようにして、HR 生産性を向上させることです。WebLogic Platform を使用して、Avitek Digital Imaging 社は B2E イントラネット Web サイトを構築し、従業員がすべてのパブリック HR 情報とパーソナル HR 情報にアクセスできるようにします。

以下に、Avitek Digital Imaging 社が従業員 HR ポータルに利用する WebLogic Platform 機能を要約します。

以下の表では、従業員 HR ポータルでのユーザとの対話と、それに対応して舞台裏で動作する WebLogic Platform 機能について説明します。

表 11 従業員 HR ポータルにおけるユーザとの対話

ユーザが行う操作

動作する WebLogic Platform 機能

従業員が Avitek Digital Imaging 社の従業員 HR ポータルにログインする

WebLogic Portal を使用して開発された B2E ポートレットが、HR ポータルのパーソナライゼーションされたビューを表示する。

従業員がパブリック HR 情報をブラウズ
する

Pipeline コンポーネントが、Application Integration アダプタを呼び出してバックエンド HR システムと同期通信を行い、要求された情報を表示する。

従業員がパーソナルな福利厚生情報を
ブラウズする

Pipeline コンポーネントが、Application Integration アダプタを呼び出してバックエンド福利厚生データベースと同期通信を行い、福利厚生情報を表示する。

従業員が福利厚生サービスへの申し込みや個人情報の更新を行う

Pipeline コンポーネントが XML メッセージを生成し、BPM ワークフローにエントリされるように WebLogic Integration Event Processor にそのメッセージを渡す。BPM が XML メッセージをキューから削除し、バックエンド福利厚生システムに指示を渡す。


 

 


プラットフォームの拡張

前述したように WebLogic Platform のアーキテクチャは拡張可能なので、堅牢かつスケーラブルなフレームワークがサポートされ、現在および将来の資産を活用できます。

WebLogic Platform の拡張性は、以下の事項のサポートによって実現されています。

BEA は、顧客と緊密な共同作業、および以下のリソースを介した支援により、開発コミュニティのサポートに全力を傾けています。

BEA は、BEA のコア技術上で動作する製品を開発している独立系ソフトウェア会社、サードパーティの開発会社、またはパートナに、個別のライセンス プログラムを提供しています。BEA は戦略的パートナシップに投資して包括的な e ビジネス ソリューションを提供することに力を注ぎ、また、包括的な e ビジネス ソリューションを提供するために各パートナと緊密に共同作業を行っています。

BEA とのパートナシップのメリットを以下に示します。

BEA パートナ プログラムの詳細については、以下を参照してください。

 


まとめ

このマニュアルでは、WebLogic Platform のシンプルで拡張性に優れた統合アーキテクチャの活用によって、どのように開発生産性を向上し、その結果、市場への迅速な投入および費用構造の縮小を実現できるかを説明しました。

WebLogic Platform の詳細については、以下の表の情報源を参照してください。

表 12 WebLogic Platform 情報源

参照したい内容

参照先

WebLogic Platform を初めて評価、学習、および使用するユーザが最初にアクセスするところ

WebLogic Platform QuickStart アプリケーション。WebLogic Platform サンプル アプリケーション、ツアーなどのサンプルをすぐに使用できる。また、特定の開発作業に役立つツール、オンライン ドキュメントも用意されている。

最初に WebLogic Platform をインストールするとき、QuickStart が表示される。

Windows 上で QuickStart を手動で起動するには、[スタート|BEA WebLogic Platform 7.0|QuickStart] を選択する。

UNIX 上で QuickStart を手動で起動するには、以下の手順を実行する。

    1. 対象となる UNIX システムにログインする。

    2. コマンドラインのシェルを開く。

    3. WebLogic Platform の /common/bin サブディレクトリに移動する。
    例:
    cd /home/bea/weblogic700/common/bin

    4. 以下のコマンドを入力する。
    sh quickstart.sh

WebLogic Platform ソリューションのデモを行う、実行中のサンプル アプリケーション

『BEA WebLogic Platform サンプル アプリケーション ツアー』

WebLogic Platform のインストールと使用に関する詳細情報

WebLogic Platform のドキュメントは、以下に示す URL の BEA e-docs Web サイトでアクセスできる。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/
docs70/index.html

WebLogic Platform を使用してアプリケーションの設計とデプロイメントを行うための技術リソース

BEA dev2dev Online の URL:

http://dev2dev.bea.com

意見交換、最適な使用方法や教訓の共有、討論、および相互の技術サポートを行うためのフォーラム

BEA ニュースグループの URL:

http://www.bea.com/support/newsgroup.shtml


 

 

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