この章では、管理ドメインに対するバックアップおよびメディア設定の構成方法を説明します。この章の内容は次のとおりです。
この項では、メディア・ファミリの構成方法を説明します。この項の内容は次のとおりです。
「メディア・ファミリ」の説明のとおり、メディア・ファミリは共通の属性を共有する、ボリュームの論理分類です。メディア・ファミリ内のボリュームは、バックアップ・データの書込みおよび保存に使用される共通のネーミング・パターンを共有します。
メディア・ファミリには、コンテンツ管理(デフォルト)または時間管理のどちらかのボリューム有効期限ポリシーがあります。コンテンツ管理ボリュームは、ボリューム上のすべてのバックアップ・ピースに削除済のマークが付けられたときのみ期限切れになります。時間管理ボリュームは、書込みウィンドウ期間(指定された場合)、保存期間およびボリューム作成時間の合計時間を超えると期限切れになります。
デフォルトのメディア・ファミリはRMAN-DEFAULT
のみで、これはRMANバックアップだけに使用されるコンテンツ管理メディア・ファミリです。このメディア・ファミリの削除や名前変更はできませんが、特定の属性は変更できます(「メディア・ファミリ属性の編集または表示」を参照)。
ファイル・システム・バックアップについてメディア・ファミリを指定しないと、Oracle Secure Backupではnull
メディア・ファミリがデフォルトとなります。このケースでは、ボリュームに有効期限はなく、書込みウィンドウも永続的にオープンしたままです。デフォルトでは、ボリュームID VOL000002
のように、ボリュームIDの接頭辞としてVOL
が使用されます。
次のバックアップ・タイプについてメディア・ファミリを作成しておくと便利です。
全体バックアップ
増分バックアップ
オフサイト・バックアップ
このメディア・ファミリには有効期限のないボリュームが含まれます。オフサイトで保存されるこれらのボリュームは、障害回復や長期保存を目的としています。
スクラッチ・バックアップ
このメディア・ファミリは、テスト・バックアップや、通常のバックアップ・スケジュール外で行われるバックアップおよびリストア処理を目的としています。
「構成」ページで「メディア・ファミリ」をクリックすると、図5-1のような「メディア・ファミリ」ページが表示されます。メディア管理のすべての構成タスクをこのページか、このページにリンクしているページで実行できます。
関連資料: obtool のメディア・ファミリ・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
メディア・ファミリを追加するには、次のようにします。
新規メディア・ファミリを追加するには、「メディア・ファミリ」ページで「追加」ボタンをクリックします。
Oracle Secure Backupには新規メディア・ファミリ・ページが表示されます。
「メディア・ファミリ」ボックスに、メディア・ファミリの名前を入力します。この名前は通常、このメディア・ファミリを使用する各ボリュームIDの接頭辞を形成します。メディア・ファミリ名は大/小文字を区別し、英数字で始める必要があります。使用できる文字は英数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオド(空白は使用不可)です。最大文字数は31文字です。
「使用済ボリュームID」グループで、ボリュームIDに使用する方法を選択します。選択肢は次のとおりです。
システム・デフォルト
メディア・ファミリが割り当てられていない場合と同じボリュームIDの順序付けを使用するには、このオプションを選択します。デフォルトのボリュームIDはVOL000001
で始まり、ボリュームIDが割り当てられるたびに増分されます。
このメディア・ファミリに一意
ボリュームID media-family-name-
000001
を使用するには、このオプションを選択します。このIDでmedia-family-name
は「メディア・ファミリ」ボックスを表し、ボリュームIDが割り当てられるたびに増分されます。
メディア・ファミリと同様
横にあるリストから選択したメディア・ファミリと同じボリュームIDの順序付けを使用するには、このオプションを選択します。
ファイルから
ボリュームの名前設定に使用されるボリューム順序ファイルを指定するには、このオプションを選択します。ボリューム順序ファイルのパスを指定します。
このオプションを選択した場合、テキストベースのボリューム順序ファイルを手動で作成する必要があります。Oracle Secure Backupホーム内のこのファイルに対するデフォルト・パスは次のようになります。ここでfamilynameは、ユーザーが作成中のメディア・ファミリの名前を表します。
admin/state/family/familyname/vol-seq-familyname
たとえば、incrbak
というメディア・ファミリを作成中の場合は、ファイルを次のように作成します。
admin/state/family/incrbak/vol-seq-incrbak
このファイルを作成したら、たとえばMYVOLUME-00001
のような、メディア・ファミリに割り当てられる最初のボリュームIDを、テキスト・エディタを使用して1テキスト行として挿入します。このメディア・ファミリのボリュームは、MYVOLUME-00001
、MYVOLUME-00002
などのように名付けられます。
「書込みウィンドウ」ボックスに、書込み可能期間を入力します。
書込みウィンドウを、14日間や3週間など、特定の期間に設定できます。メディア・ファミリのメンバーであるすべてのボリューム・セットは、この期間中、更新対象としてオープンしたままになっています。
注意: ボリューム・セットについて書込みウィンドウを指定しないと、Oracle Secure Backupではこのボリューム・セットが無期限に更新可能であると想定されます。 |
「ボリューム・セットの保持」グループで、指定する有効期限ポリシーのタイプに応じて「保存期間」または「コンテンツ管理されたボリューム」を選択します。有効期限ポリシーについては「ボリューム有効期限ポリシー」を参照してください。「保存期間」を選択した場合は、時間を入力し、横にあるリストから時間単位を選択します。
「コメント」ボックスに、メディア・ファミリとともに保存する情報をオプションで入力できます。
「適用」、「OK」または「取消」をクリックします。
管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration
)権限があれば、ユーザー定義のメディア・ファミリの属性を編集できます。また、RMAN-DEFAULT
メディア・ファミリについて、次の属性以外のすべての属性を編集できます。
書込みウィンドウ
ボリューム・セットの保持
既存のメディア・ファミリの属性を表示または編集するには、次のようにします。
「メディア・ファミリ」ページから、メディア・ファミリの名前を選択します。
「編集」をクリックします。
メディア・ファミリの詳細を示すページがWebツールに表示されます。
必要な変更を行います。属性を表示するだけの場合は、変更を行わないでください。
「適用」、「OK」または「取消」をクリックします。
メディア・ファミリを削除するには、次のようにします。
「メディア・ファミリ」ページから、メディア・ファミリの名前を選択します。
メディア・ファミリの削除を確認するように求められます。
「はい」をクリックしてメディア・ファミリを削除します。
メディア・ファミリが削除され、「メディア・ファミリ」ページに戻ります。
注意: メディア・ファミリを削除しても、このメディア・ファミリを使用する既存のボリュームに影響はありません。 |
「メディア・ファミリ」ページから、メディア・ファミリの名前を選択します。
「名前の変更」をクリックします。
新しい名前の入力を求められます。
テキスト・ボックスにメディア・ファミリの新しい名前を入力します。メディア・ファミリ名は大/小文字を区別し、英数字で始める必要があります。使用できる文字は英数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオド(空白は使用不可)です。最大文字数は31文字です。
「はい」をクリックし、新しい名前を確定します。
メディア・ファミリの名前が変更され、「メディア・ファミリ」ページに戻ります。
注意: メディア・ファミリの名前を変更しても、このファミリ内の既存のボリュームに影響はありません。 |
この項では、データベース・バックアップ記憶域セレクタの構成方法を説明します。この項の内容は次のとおりです。
データベース・バックアップ記憶域セレクタは、RMANバックアップをOracle Secure Backupのストレージ・メディアと関連付けます。たとえば、orcl
データベースのアーカイブREDOログのRMANバックアップでorcl_log
メディア・ファミリを使用するように指定できます。
WebツールまたはEnterprise Managerのどちらかを使用して、データベース・バックアップ記憶域セレクタを構成します。この章ではWebツールの使用方法を説明し、「データベース・バックアップ記憶域セレクタの作成」ではEnterprise Managerの使用方法を説明します。ほとんどの場合、RMAN関連の構成の実行にはEnterprise Managerを使用した方がより簡単です。
「構成」ページで「データベース・バックアップ記憶域セレクタ」をクリックすると、図5-2のようなページが表示されます。記憶域セレクタのすべての構成タスクをこのページか、このページにリンクしているページで実行できます。
関連資料: obtool のデータベース・バックアップ記憶域セレクタのコマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
データベース・バックアップ記憶域セレクタを構成するには、次のようにします。
「追加」ボタンをクリックして、新規データベース・バックアップ記憶域セレクタ・ページを表示します。
「名前」ボックスに、データベース・バックアップ記憶域セレクタの名前を入力します。
「コンテンツ」ボックスに入力する内容に応じて、対象のデータベースに対して複数の記憶域セレクタを作成できます。たとえば、DB1-full
という記憶域セレクタを作成し、DB1-incr
というもう1つの記憶域セレクタも作成できます。これらの記憶域セレクタは異なるバックアップ処理を定義します。
「コンテンツ」ボックスで次のいずれかのオプションを選択します。
すべて
この記憶域セレクタが「完全」、「増分」、「アーカイブ・ログ」および「自動バックアップ」のどのコンテンツ・タイプにも適用可能なことを指定するには、このオプションを選択します。
完全
この記憶域セレクタをデータベース全体のバックアップに限定するには、このオプションを選択します。
増分
この記憶域セレクタを増分データベース・バックアップに限定するには、このオプションを選択します。
アーカイブ・ログ
この記憶域セレクタをアーカイブREDOログ・バックアップに限定するには、このオプションを選択します。
自動バックアップ
この記憶域セレクタを制御ファイルの自動バックアップに限定するには、このオプションを選択します。
「データベース」ボックスに、物理データベースの名前を入力します。すべてのデータベース名を示すには、アスタリスク(*)を入力します。
「データベースID」ボックスに、データベースIDの名前を入力します。すべてのデータベースIDを示すには、アスタリスク(*)を入力します。
「ホスト」リストで、データベースを配置するホストを選択します。
「メディア・ファミリ」リストで、メディア・ファミリの名前を選択します。メディア・ファミリの詳細は「メディア・ファミリの構成」を参照してください。
制限ボックスに、オプションで、この記憶域セレクタで制御されるバックアップに限定されるデバイスの名前を入力します。この制限を使用することで、ユーザーはOracle Secure Backupで利用するデバイス、ホスト、またはデバイスとホストのペアを明確に指定できます。このオプションを空白のままにすると、Oracle Secure Backupではデバイス・ポーリングを使用して、バックアップ処理に使用できるデバイスを探します。
制限は次の書式で指定します。
<デバイス>
@<ホスト名>
<デバイス>@<ホスト名>
「コピー番号」リストで、この記憶域セレクタが適用されるコピー番号を選択します。コピー番号は1〜4の整数にします。記憶域セレクタがすべてのコピー番号に適用されることを示すには、アスタリスク(*)を指定します。
「リソース待機時間」ボックスに、この記憶域セレクタで制御されるバックアップで必要な、リソースの可用性を待機する時間間隔を入力します。横にあるリストから時間単位を選択します。「永久的」を選択すると、待機時間を無制限に指定できます。
「適用」、「OK」または「取消」をクリックします。
既存のデータベース・バックアップ記憶域セレクタのパラメータを編集するには、次のようにします。
データベース・バックアップ記憶域セレクタ・ページで、記憶域セレクタの名前を選択します。
「編集」ボタンをクリックします。
記憶域セレクタの詳細を示すページがWebツールに表示されます。
必要な変更を行います。
「適用」、「OK」または「取消」をクリックします。
データベース・バックアップ記憶域セレクタを削除するには、次のようにします。
データベース・バックアップ記憶域セレクタ・ページで、削除する記憶域セレクタの名前を選択します。
オブジェクトの削除を確認するように求められます。
「はい」をクリックして記憶域セレクタを削除します。
記憶域セレクタが削除され、データベース・バックアップ記憶域セレクタ・ページに戻ります。
この項の内容は次のとおりです。
「ジョブ・サマリー」の説明のとおり、ジョブ・サマリーはOracle Secure Backupで生成されるレポートを指します。このレポートには、選択したファイル・システムのバックアップおよびリストア・ジョブのステータスが示されます。ユーザーは、レポートの生成時とレポートを受け取るユーザーについて指定可能なジョブ・サマリー・スケジュールを構成できます。
ジョブ・サマリー・スケジュールを少なくとも1つ作成して、バックアップ・ジョブに関する自動電子メールを受信できるようにすることをお薦めします。
「構成」ページの「拡張」セクションで、「ジョブ・サマリー」をクリックすると、図5-3のようなページが表示されます。このページには管理ドメインに対するジョブ・サマリー・スケジュールが一覧表示されます。
関連資料: obtool のジョブ・サマリー・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
ジョブ・サマリー・スケジュールを作成するには、次のようにします。
新規ジョブ・サマリー・スケジュールを作成するには「追加」をクリックします。
新規ジョブ・サマリー・ページが表示されます。
「サマリー」ボックスに、weekly_backup_jobs
などの、ジョブ・サマリー・スケジュールの名前を入力します。この名前は大/小文字を区別し、英数字で始める必要があります。使用できる文字は英数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオド(空白は使用不可)です。最大文字数は127文字です。
生成期間グループで、レポートを生成する対象期間を選択します。次のいずれかのボックスを選択します。
毎日を選択
週の7日間すべてにおいてレポートを生成するには、このボックスを選択します。
平日を選択
月曜日〜金曜日にのみレポートを生成するには、このボックスを選択します。
週末を選択
土曜日と日曜日においてのみレポートを生成するには、このボックスを選択します。
時間リストで、レポートを生成する対象のローカル時間(時と分)を選択します。この時間は24時間形式で表されます。
メール宛先ボックスに、1つ以上の電子メール・アドレスを入力します。このオプションでは、電子メール通知レポートの受信者を特定できます。このオプションが機能するためには、sendmail
などの電子メール・システムが管理サーバーで稼働している必要があります。複数のエントリはカンマで区切ります。
「スケジュール」グループで、Oracle Secure Backupがレポート用の情報を収集する一番早い時刻を示します。次のいずれかのオプションを選択します。
直前までをカバー
レポート・データ収集の開始時刻(秒、分、時、日、週、月、年、または永久的)を指定するには、このオプションを選択します。たとえば、先週のアクティビティをカバーできます。
開始
レポート・データ収集の開始日時(24時間形式)を指定するには、このオプションを選択します。たとえば、月曜日のAM 8:30から現在までのアクティビティをカバーできます。
レポート・オプション・グループで次のレポート・コンテンツ・オプションを有効(または無効)にします。
バックアップ・ジョブ
すべてのバックアップ・ジョブを含むには、このオプションを選択します。
リストア・ジョブ
すべてのリストア・ジョブを含むには、このオプションを選択します。
スケジュール済のジョブ
スケジュール済バックアップの結果作成されたすべてのジョブを含むには、このオプションを選択します。
ユーザー・ジョブ
明示的なユーザー・リクエストの結果作成されたすべてのジョブを含むには、このオプションを選択します。
下位ジョブ
下位ジョブを含むには、このオプションを選択します。「ジョブの作成」の説明のとおり、Oracle Secure Backupではデータセット・バックアップ・ジョブが1つ以上の下位ジョブに分割され、その各下位ジョブはデータセットに含まれる1つのホストに属します。
廃棄ジョブ
他のジョブに取り替えられたジョブを報告するには、このオプションを選択します。Oracle Secure Backupでは同一の保留中バックアップ・ジョブを検知すると、より古いジョブまたは対象範囲が狭いジョブに廃棄済のマークを自動的に付けます。
「適用」、「OK」または「取消」をクリックします。
ジョブ・サマリー・スケジュールを編集するには、次のようにします。
「ジョブ・サマリー」ページのメイン・ボックスで、編集するジョブ・サマリー・スケジュールの名前を選択します。
「編集」をクリックします。
ジョブ・サマリー・スケジュールの詳細を示すページがWebツールに表示されます。
必要な変更を行い、「OK」をクリックして変更を保存します。
「ステータス」ボックスに処理結果が表示されます。
ジョブ・サマリー・スケジュールを削除するには、次のようにします。
「ジョブ・サマリー」ページのメイン・ボックスで、編集するジョブ・サマリー・スケジュールの名前を選択します。
「削除」をクリックします。
処理を確認するメッセージが表示されます。
「はい」をクリックしてジョブ・サマリー・スケジュールを削除します。
「ステータス」ボックスに処理結果が表示されます。