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Oracle Secure Backupリファレンス
リリース10.1
B28441-02
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バックアップ説明ファイルの構文

obtar -gを使用する際、バックアップするデータをバックアップ説明ファイルに指定します。バックアップ説明ファイル(BDF)は、バックアップ・イメージに含めるパス名やバックアップ・イメージから除外するパス名をリストしたASCIIファイルです。

通常、データを定期的にバックアップするクライアント・ホストごとにBDFを作成し、クライアント・ホストごとに個別のobtar -gコマンドを実行します。各バックアップ・セッションで指定できるクライアント・ホストは1つのみです。

BDFは文のリストであり、1行が1文です。各文は、1文字のディレクティブ(列1にある必要があります)、およびパス名またはホスト名で構成されています。

パス名には、UNIXのシェルの場合と同じ意味を持つ標準のUNIXのワイルドカード文字を含めることができます。ワイルドカード文字には、*?[および]があります。これらの文字が含まれるパス名がある場合は、これらの文字がワイルドカード文字の意味で解釈されないように、このような文字の前に\(バックスラッシュ)文字を付ける必要があります。

指定可能な文のタイプは、次のとおりです。

これらすべてのタイプの文の使用例については、「BDFの例」を参照してください。


ホスト名文

ホスト名文には、クライアント・ホスト(バックアップするデータがあるホスト)の名前を指定します。

ホスト名文の使用は、obtar -Hオプションを使用することと同じです。BDFでもコマンドラインでも、各バックアップ・セッションに指定できるクライアント・ホストは1つのみです。ホスト名文または-Hオプションを使用しない場合、データはオペレータのホスト(obtarコマンドを実行するホスト)上にあるものとみなされます。


注意:

リモート・ホストからデータをバックアップするには、リモート・ホストにOracle Secure Backupがインストールされているか、NFSまたはドメイン・ファイル・システムを介してデータにアクセスできることが必要です。

構文

:hostname::=
:hostname

hostnameプレースホルダには、obtoolmkhostコマンドを使用して作成したホスト・オブジェクトの名前を指定します。

例4-36は、dlsun1976という名前のホストに対するホスト名文を示しています。

例4-36 ホスト名文

:dlsun1976

包含文

包含文には、バックアップ操作の対象範囲を定義します。すなわち、指定したpathnameの下位にあるすべてのファイルおよびサブディレクトリがバックアップされます。この対象範囲は、その次の包含文によって終了となります。対象範囲を制限するには、包含文の直後に1つ以上の除外文を指定します。

obtarでは、データをリストアするデフォルトの場所として指定したpathnameが使用されるため、BDFには相対パス名ではなくフルパス名を指定することをお薦めします。


注意:

既存のBDFに新しい包含文を追加すると、BDFに指定したその他のディレクトリについては増分バックアップを実行しようとする場合でも、指定したpathnameの完全バックアップが実行されます。

包含文には、Active DirectoryなどのWindowsコンポーネント・データベースのデータベースIDを指定することもできます。

構文

+pathname::=
+pathname

pathnameプレースホルダには、バックアップ・イメージに含めるディレクトリまたはファイルを指定します。

例4-37は、絶対パス/private/lashdownの包含文を示しています。

例4-37 包含文

+/private/lashdown

除外文

除外文により、指定したファイルまたはディレクトリがバックアップ・イメージに含まれなくなります。たとえば、バックアップ・イメージからコア・ダンプおよびアプリケーション作成のバックアップ・ファイルを除外できます。

最近RMANを使用してデータベースをバックアップした場合は、通常、ホスト上のデータベース以外のバックアップ操作からOracleデータベース・ファイルを除外します。

次のタイプの除外文をBDFで指定できます。

除外文は現在の対象範囲を基準とした相対パスであり、先頭にスラッシュ(/)を付けることはできません。最初の包含文の前に除外文を指定すると、BDFに含まれるすべてのツリーが除外対象になります。

構文

pathname::=
!pathname

グローバル除外文では、pathnameプレースホルダには、ツリーのすべてのレベルにおいて除外するパス名またはワイルドカード・パターンを指定します。

files::=
~files

Oracleデータベース除外文では、ツリーのすべてのレベルにおいてOracleデータベース・ファイルを除外するよう指定します。

pathname::=
-pathname

トップレベル除外文では、pathnameプレースホルダには、現行のトップレベル・ツリーの直下において(見つかった場合)除外するパス名またはワイルドカード・パターンを指定します。

例4-38は、ホストdlsun1976上の/private/lashdownをバックアップするBDFを示しています。このBDFでは、ツリーの任意の場所にあるcoreという名前のファイルまたはディレクトリ、/private/lashdownディレクトリにあるドット(.)で始まるファイルまたはディレクトリ、またはツリーの任意の場所にあるOracleデータベース・ファイルを除外しています。

例4-38 BDF内の除外文のサンプル

:dlsun1976
+/private/lashdown
!core
-.*
~files

ファイル・インクルード文

ファイル・インクルード文を使用すると、BDF内の任意の位置に別のBDFの内容をインクルードできます。

すべてのバックアップに共通するグローバル除外文をリストしたインクルード・ファイルを作成できます。作成したインクルード・ファイルは各BDFに指定できます。

ファイル・インクルード文はネストできます。つまり、指定するインクルード・ファイル自体にファイル・インクルード文を別に含めることができます。

構文

.pathname:=
.pathname

pathnameプレースホルダには、インクルード・ファイルのフルパス名を指定します。

例4-39では、/home/gms/bdf/commonディレクトリをインクルードしています。

例4-39 BDF内の除外文のサンプル

./home/gms/bdf/common

マウント・ポイント文

マウント・ポイント文は、obtarがバックアップの作成時にローカルおよびリモートのマウント・ポイントにアクセスするかどうかを決定します。ローカル・マウント・ポイントは、ローカル・ファイル・システムをマウントするものです。リモート・マウント・ポイントは、ネットワークを介してアクセスされるファイル・システムのローカル・マウントです。デフォルトでは、ファイル・システムのバックアップではマウント・ポイントにアクセスしません。

マウント・ポイント文の対象範囲となるかどうかのルールは、次のとおりです。

これらのルールの例については、例4-41および例4-42を参照してください。

構文

@crosslocalmountpoints:=
@crosslocalmountpoints

@crosslocalmountpoints文を使用すると、ローカル・マウント・ポイントにはアクセスできますが、リモート・マウント・ポイントにはアクセスできません。

@crossremotemountpoints:=
@crossremotemountpoints

@crossremotemountpoints文を使用すると、リモート・マウント・ポイントにはアクセスできますが、ローカル・マウント・ポイントにはアクセスできません。

@crossallmountpoints:=
@crossallmountpoints

@crossallmountpoints文を使用すると、すべてのマウント・ポイントにアクセスできます。

例4-40では、/path1および/path2のバックアップ時にローカル・マウント・ポイントにはアクセスできますが、リモート・マウント・ポイントにはアクセスできません。

例4-40 ローカル・マウント・ポイントのみへのアクセス

@crosslocalmountpoints
+/path1
+/path2

例4-41では、/path1のバックアップ時にはローカル・マウント・ポイントのみ、/path2のバックアップ時にはすべてのローカル・マウント・ポイントとリモート・マウント・ポイント、/path3のバックアップ時にはローカル・マウント・ポイントのみにアクセスするようにobtarに指示しています。

例4-41 複数のパスに対するマウント・ポイント文の適用

@crosslocalmountpoints
+/path1
+/path2
@crossremotemountpoints
+/path3

例4-42では、/path1のバックアップ時にはローカル・マウント・ポイントのみ、/path2のバックアップ時にはリモート・マウント・ポイントのみ、/path3のバックアップ時にはアクセスするマウント・ポイントなし(デフォルトの動作)、/path4のバックアップ時にはすべてのローカル・マウント・ポイントとリモート・マウント・ポイントにアクセスするようにobtarに指示しています。

例4-42 複数のパスに対するマウント・ポイント文の適用

+/path1
@crosslocalmountpoints
+/path2
@crossremotemountpoints
+/path3
+/path4
@crossallmountpoints

BDFの例

例4-43は、BDFの例を示しています。コメント行の前には番号記号(#)が付いています。

例4-43 BDFのサンプル

# Use the host named chicago as the client
# host
:chicago

# cross only local mount points for the subsequent paths
@crosslocalmountpoints

# Back up all files and directories in the /home
# directory
+/home

# Do not back up any directories or files with the
# extension ".bak" that are in the /home directory
# or any of its subdirectories
!*.bak

# Do not back up any directories or files that begin
# with the letters "tmp" that are directly under
# the /home directory
-tmp*

# Do not back up any Oracle database files in the /home
# directory or any of its subdirectories
~files

図4-1は、例4-43のBDFの例に対応したファイル・ツリーを示しています。影付きの名前は、BDFの例を使用するときにバックアップされるファイルおよびディレクトリを示しています。

図4-1 ファイル・ツリー

この図は、ルートが最上位フォルダであるファイル・ツリーを示しています。
「図4-1 ファイル・ツリー」の説明