用途
obcopy
ツールは、テープ・ボリュームを別のテープ・ボリュームにコピーする場合に使用します。コピーは入力テープの先頭から開始され、入力ドライブからテープが空白(メディアの最後)であることがレポートされると終了します。ボリューム間のメディア・タイプが異なっていてもかまいません。たとえば、8mmテープを4mmテープにコピーできます。
使用方法
obcopy
の使用上、次の点に注意してください。
obcopy
ユーティリティでは、ボリュームのオーバーフロー条件は処理されません。このため、入力ボリュームまたはボリュームの選択部分がコピー先のボリュームに収まることを確認する必要があります。
デフォルトでは、出力デバイスが入力デバイスの圧縮形式に対応している場合、出力の圧縮モードは入力の圧縮モードと同じです。-c
および-u
オプションを使用すると、出力の圧縮または圧縮解除を強制できます。
様々なサイズの内部ブロックを持つファイルが入力に含まれる場合、-v
オプションを使用します。
obtar
ユーティリティでは、様々なサイズのブロックが1つのファイルに書き込まれることはありません。ただし、リモートの場合、コピー元のファイルに様々なサイズのブロックが含まれる可能性があるため、obcopy
では、-v
オプションを用意してこのような特殊な状況に対応しています。
コピー操作と検証操作のいずれの場合も、-s
または-t
が指定されていないかぎり、操作の開始前にテープが巻き戻されます。最終的な位置は、ドライブに対して巻戻しの有無のどちらが指定されているかによって決まります。
構文
etc/obcopy [ -c ] [ -e ] [ -n cnt ] [ -f ] [ -s ] [ -t ] [ -u ] [ -v ] [ -V ] [ -h | ? ] input_device output_device
意味
入力が圧縮されていなくても出力を圧縮します。出力デバイスが圧縮に対応していない場合、警告が発行され、出力は圧縮されません。
入力テープと出力テープのコンテンツをバイト単位で比較し、データが同じであるかどうかを判別します。コピーは実行されません。
ソース・テープから最大cnt
個のファイルをコピーします。
デバイス名が見つからない場合、デフォルトでディスク・ファイルになります。
コピーの開始前にinput_dev
を巻き戻しません。
コピーの開始前にinput_dev
を巻き戻しません。
入力が圧縮されていなくても出力の圧縮を解除します。
様々なサイズの内部ブロックを持つ入力ファイルを指定します。通常、ファイルマークの読取り後にブロック・サイズが再設定されます。つまり、ファイル内のすべてのブロック(2つのファイルマーク間のデータ)が同じサイズであるとみなされます。-v
を指定するのは、ファイル間でブロック・サイズが異なる場合のみです。
obcopy
のバージョンを出力します。
ヘルプ全体を出力します。
コピー元のテープが装着されているデバイスを指定します。
コピー先のテープが装着されているデバイスを指定します。
例
例5-8では、obtool
を使用して、ライブラリlib1
のドライブにはデータが入ったテープがロードされていて、lib2
のドライブには空白のテープがロードされていることを示しています。
例5-8 2つのライブラリ内のボリュームの表示
ob> lsdev library lib1 in service drive 1 tape1 in service library lib2 in service drive 1 tape2 in service ob> lsvol --library lib1 --long Inventory of library lib1: in mte: vacant in 1: volume RMAN-DEFAULT-000002, barcode ADE202, oid 111, 8087104 kb remaining, content manages reuse in 2: volume VOL000002, barcode ADE201, oid 108, 8029472 kb remaining in 3: vacant in 4: vacant in dte: volume VOL000003, barcode ADE203, oid 114, 8083360 kb remaining, lastse 4 ob> lsvol --library lib2 --long Inventory of library lib2: in mte: vacant in 1: volume VOL000004, barcode DEV423, oid 118, 8079520 kb remaining in 2: volume RMAN-DEFAULT-000003, barcode DEV424, oid 120, 8078656 kb remaining, content manages reuse in 3: vacant in 4: vacant in iee1: vacant in iee2: vacant in iee3: vacant in dte: unlabeled, barcode DEV425, oid 121, lastse 3 ob> quit
例5-9では、obcopyを使用して、tape1
ドライブのテープからtape2
ドライブのテープにデータをコピーしています。