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Oracle TimesTen Replication - TimesTen to TimesTen開発者および管理者ガイド
リリース6.0
B25769-01
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Cache Connectキャッシュ・グループおよびレプリケーション

『Oracle TimesTen Cache Connect to Oracle開発者および管理者ガイド』で説明されているように、キャッシュ・グループとは、中央のOracleデータベースに保存されている表のグループが、ローカルのTimesTenデータ・ストアにキャッシュされたものです。この項では、TimesTenデータ・ストア間でキャッシュ・グループをレプリケートする方法について説明します。キャッシュ・グループをレプリケートするためのレプリケーション・スキームの作成方法については、「キャッシュ・グループのレプリケート」を参照してください。

この項で説明するすべてのキャッシュ・グループのレプリケーション例では、Oracleデータベースが実行されている1台のデータベース・サーバー、およびTimesTenデータ・ストアがホスティングされているABという2台のアプリケーション・サーバーが存在していると想定しています。データ・ストアABのTimesTenキャッシュ・グループは、Oracleデータベース内の同じ表のサブセットをキャッシュしています。

この項では、キャッシュ・グループをレプリケートする次の3つの例を示します。

READONLYキャッシュ・グループのレプリケート

データ・ストアABのキャッシュ・グループに、Oracleに保存されている同じカタログ情報の同一のサブセットを含めます。この情報は4時間ごとに変更されます。

図1.14に示すように、データ・ストアABの両方にREADONLYキャッシュ・グループを作成できます。データ・ストアAのキャッシュ・グループにカタログ情報をキャッシュし、キャッシュ・グループAからキャッシュ・グループBへの単方向レプリケーションを設定できます。4時間ごとにカタログ情報がリフレッシュされるように、キャッシュ・グループAのAUTOREFRESH INTERVAL値を設定します。レプリケーションでは、このサイクルで、キャッシュ・グループBに自動的にリフレッシュされます(キャッシュ・グループBのAUTOREFRESHは無効にする必要があります)。

図1.14 READONLYキャッシュ・グループのレプリケート

WRITETHROUGHキャッシュ・グループのレプリケート

データ・ストアAとデータ・ストアBのキャッシュ・グループに、同じOracleインスタンスの同一のサブセット(顧客プロファイル)を含めます。顧客プロファイルは、いずれのキャッシュ・グループでも問い合されます。プロファイルは、TimesTenでは更新される場合がありますが、Oracleでは更新されません。更新される場合、アメリカの東部および中部の顧客はデータ・ストアAのキャッシュ・グループで更新され、西部およびアラスカ/ハワイの顧客はデータ・ストアBで更新されます。

図1.15に示すように、データ・ストアABにはSYNCHRONOUS WRITETHROUGHまたはASYNCHRONOUS WRITETHROUGHキャッシュ・グループを作成できます。キャッシュ・グループへの更新は自動的にOracleに伝播されます。2つのキャッシュ・グループ間には、一般ワークロードの双方向レプリケーションを設定できます。このスキームでは、キャッシュ・グループへのデータ・ストアAの更新は自動的にOracleに伝播され、Bにレプリケートされます。同様に、キャッシュ・グループへのデータ・ストアBの更新は自動的にOracleに伝播され、Aにレプリケートされます。

図1.15 WRITETHROUGHキャッシュ・グループのレプリケート

注意: レプリケートされた情報はOracleには伝播されません。したがって、Bにレプリケートされたデータ・ストアAのキャッシュ・グループへの更新は、BからOracleには伝播されません。

詳細は、「キャッシュ・グループのレプリケート」を参照してください。

USERMANAGEDキャッシュ・グループのレプリケート

データ・ストアABのキャッシュ・グループに、同じOracleインスタンスの同一のサブセット(ショッピング・カート情報)を含めます。ショッピング・アプリケーションは、TimesTenにキャッシュされたデータに対して挿入、削除、更新を行います。このキャッシュ・されたデータは、最終的にOracleにフラッシュされます。

図1.16に示すように、同じUSERMANAGEDキャッシュ・グループを作成して、ショッピング・カート情報を保持できます。2つのキャッシュ・グループ間に一般ワークロードの双方向レプリケーションを設定し、TimesTenからOracleへの更新の自動伝播を無効にします。いずれかのキャッシュ・グループに対する挿入、削除、更新のみでなく、新しいショッピング・カートの作成も他方に自動的にレプリケートされます。2つのキャッシュ・グループには、ユーザーのショッピング・カートの同一コピーが常に含まれているため、ショッピング・アプリケーションでいずれのデータ・ストアにもアクセスできます。ユーザーがいずれかのキャッシュ・グループに発注すると、その後に続けてFLUSH CACHE GROUPリクエストが発行され、ショッピング・カートの内容がOracleに送信されます。

図1.16 USERMANAGEDキャッシュ・グループのレプリケート