ヘッダーをスキップ
Oracle TimesTen In-Memory Databaseトラブルシューティング・プロシージャ・ガイド
リリース6.0
B25774-01
  目次へ
目次
索引へ
索引

前へ
前へ
次へ
次へ
 

ttDaemonLogユーティリティの使用

『Oracle TimesTen In-Memory Databaseアーキテクチャ概要』のTimesTenプロセスに関する項で説明しているように、TimesTenは、TimesTenデーモン(Windowsの場合はOracle TimesTen Data Managerサービス)とその他のバックグラウンド・プロセス(サブデーモンおよびエージェント)を使用して、データ・ストアへのアクセスを管理します。これらのTimesTenプロセスのアクティビティは、TimesTenデーモン・ログにイベントとして記録されます。

注意: デーモン・ログに含まれるほとんどの情報は、オラクル社カスタマ・サポート・センターが詳細を理解しています。この項では、このマニュアルに示す問題に対するトラブルシューティングで使用するデーモン・ログ・メッセージについて説明します。デーモン・ログに含まれるメッセージの解釈方法と応答方法の詳細は、オラクル社カスタマ・サポート・センターにお問い合せください。

Windowsの場合、TimesTenデーモン・ログ・メッセージはWindowsアプリケーション・イベント・ログに書き込まれます。TimesTenデーモンが生成したイベント・ログ・メッセージは、TimesTen ttDaemonLog(Windows)ユーティリティを使用して参照できます。また、Windowsイベント・ビューアを使用して直接イベント・ログを確認することもできます。

UNIXの場合、TimesTenデーモン・ログ・メッセージはsyslogに書き込まれます。TimesTenデーモンが生成したsyslogメッセージは、TimesTenn ttDaemonLog(UNIX)ユーティリティを使用して参照できます。また、直接アプリケーション・ログを参照することもできます。

注意: これ以降の説明では、TimesTenデーモンで生成され、Windowsのイベント・ログまたはUNIXのsyslogに格納されるメッセージを総称してデーモン・ログと呼びます。

TimesTenは、通常操作の一部として、デーモン・ログにエントリを作成します。TimesTenデーモンは、起動時と停止時、およびエラーが発生するたびにログ・エントリを作成します。オプションで、クライアントの接続および切断のたびにログ出力するようにTimesTenデーモンを構成できます。UNIXプラットフォームでは、ttSyslogCheck(UNIX)ユーティリティを使用して、/etc/syslog.confファイルがTimesTenに対して適切に構成されていることを確認できます。デーモン・ログの構成と使用方法の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のOracle TimesTen Data Managerデーモンでの処理に関する項を参照してください。

注意: デーモン・ログには、情報メッセージとエラー・メッセージの両方が含まれます。情報メッセージがログ出力に存在するのは一般的なことであり、エラーが発生したことを示すとはかぎりません。

次に、デーモン・ログへのアクセス方法と、出力の解釈方法について説明します。内容は次のとおりです。

ログに記録する範囲の設定

ttDaemonLogは、デフォルトでは冗長モードでロギングを実行します。冗長モードのTimesTenデーモン・ログには、警告とエラーに加えて、TimesTenのメイン・デーモンと他のプロセスとの間の通信に対するトレース情報も記録されます。

警告とエラーのみを記録するには、-setquietオプションを使用します。

ttDaemonLog -setquiet 
 

ロギングをデフォルトの冗長レベルにリストアするには、-setverboseオプションを使用します。

ttDaemonLog -setverbose

デフォルトでは、ttDaemonLogユーティリティでは、すべてのTimesTenコンポーネントのメッセージおよびエラーが記録されます。-nologcomponentオプションを設定すると、ログに書き込まれる範囲を絞り込むことができます。-nologcomponentオプションは、選択したデータ・ストアまたはすべてのデータ・ストアに適用できます。

たとえば、すべてのデータ・ストアのレプリケーションに関連するメッセージおよびエラーがログに書き込まれないようにするには、次のように入力します。

ttDaemonLog -nologcomponent replication

masterdsnデータ・ストアのレプリケーションに関連するメッセージおよびエラーがログに書き込まれないようにするには、次のように入力します。

ttDaemonLog -nologcomponent replication masterdsn

レプリケーションおよびCache Connectの両方のエラーおよびメッセージがログに書き込まれないようにするには、次のように入力します。

ttDaemonLog -nologcomponent replication ttDaemonLog -nologcomponent oracleconnect

-nologcomponentオプションを設定した後にコンポーネントのエラーの書込みを再度有効にするには、-logcomponentオプションを使用します。たとえば、前述の例で示したように、レプリケーションおよびCache Connectの両方のエラーがログに書き込まれないようにした後にレプリケーション・エラーのログへの書込みを再度有効にするには、次のように入力します。

ttDaemonLog -logcomponent replication

すべてのTimesTenコンポーネントのログへの書込みを再度有効にするには、-logresetオプションを使用します。次に例を示します。

ttDaemonLog -logreset

TimesTenのデーモンおよびサーバーのログ・メッセージの表示(UNIX)

ttDaemonLog(UNIX)ユーティリティを使用すると、TimesTenのデーモンとサーバーの両方のログ・メッセージを表示できます。ttDaemonLogユーティリティは、TimesTen Data Managerがインストールされているシステムでのみ実行できます。

TimesTenのデーモンとサーバーの出力をすべて表示するには、次のコマンドを使用します。

ttDaemonLog 
 

TimesTen Serverは、アプリケーションがクライアントDSNに接続されるか、またはクライアントDSNから切断されるたびにメッセージを生成します。ただし、インストール時にこれらのメッセージの生成が指定されている場合のみです。サーバー・ログ・メッセージのみを表示するには、次のように入力します。

ttDaemonLog -show server

レプリケーション・エージェント・メッセージのみを表示するには、次のように入力します。

ttDaemonLog -show replication

キャッシュ・エージェント・メッセージのみを表示するには、次のように入力します。

ttDaemonLog -show ora

TimesTenプロセスからのすべてのメッセージを表示するには、次のように入力します。

ttDaemonLog -show all
例1.8

この例は、ログのデーモン・メッセージを示しています。

% ttDaemonLog 
Jan 29 16:50:07 myhost TimesTen Data Manager 6.0[20150]: [ID 702911 user.info]
daDbConnect for /var/TimesTen/DemoDataStore/rundata_timesten nUsers is now 1,
trashed=-1, panicked=-1, shmSeq=1 
Jan 29 16:50:07 myhost TimesTen Data Manager 6.0[20150]: [ID 702911
user.warning] 20296 0x0000000000066e70: Connect failed - could not get exclusive
connection 
Jan 29 16:50:07 myhost TimesTen Data Manager 6.0[20150]: [ID 702911 user.info]
daDbConnect failed 
Jan 29 16:50:07 myhost TimesTen Data Manager 6.0[20150]: [ID 702911 user.info]
maind 20150: done processing cmd #11.35 
Jan 29 16:50:11 myhost TimesTen Data Manager 6.0[20150]: [ID 702911 user.info]
Starting daRecovery for 20296 
Jan 29 16:50:11 myhost TimesTen Data Manager 6.0[20150]: [ID 702911 user.info]  
20150: Finished daRecovery for pid 20296.
例1.9

この例は、ログのサーバー・メッセージを示しています。

% ttDaemonLog -show server 
Jan 29 16:27:48 myhost TimesTen Server 6.0[20177]: [ID 718058 user.error]
Exiting Server. Bind failed.  
Error Code: 125 (in InitListen).  Cannot Bind to the network address .  
Probable cause: another server is already using the port. Try changing the port
number for this server 
Jan 29 16:28:03 myhost TimesTen Server 6.0[20180]: [ID 911680 user.error]  
20180 ------------------: Warning: old ttcserver (process 20177) might still be
running 
Jan 29 16:28:03 myhost TimesTen Server 6.0[20180]: [ID 911680 user.error]  
20180 ------------------: Warning: old ttcserver (process 20177) might still be
running 
Jan 29 16:28:03 myhost TimesTen Server 6.0[20180]: [ID 834447 user.error]
Current file resource:256 1024 
Jan 29 16:42:40 myhost TimesTen Server 6.0[20251]: [ID 852553 user.info]
Successful TimesTen Server startup.  Version: 5.0.28;  socket vendor: UNIX
sockets; network listen address: myhost.timesten.com;  TCP/IP internet listen
address: 207.214.82.59;  port: 15002, max connections: 9999 
Jan 29 16:42:49 myhost TimesTen Server 6.0[372]: [ID 937413 user.error] TimesTen Server Stopping.

Data ManagerサービスおよびTimesTen Serverのメッセージの表示(Windows)

Windowsプラットフォームでは、「TimesTenのデーモンおよびサーバーのログ・メッセージの表示(UNIX)」で説明するUNIXシステムの場合と同様にttDaemonLog(Windows)ユーティリティを使用できます。また、Windowsイベント・ビューアを使用することもできます。

イベント・ビューアを使用してTimesTen Data Managerサービスのメッセージを参照するには、次の手順を実行します。

  1. デスクトップから「スタート」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「イベント ビューア」を選択します。
  2. 「ログ」メニューから、「アプリケーション」を選択します。
  3. TimesTen Data Managerサービスによって生成されたメッセージには、「ソース」列に値TimesTen Data Manager version_numberが含まれます。

    TimesTen Serverによって生成されたメッセージには、「ソース」列に値TimesTen Server version_numberが含まれます。

  4. 任意のメッセージをクリックして、メッセージ・ウィンドウを開きます。
  5. その他のメッセージを表示するには、上矢印および下矢印を使用します。