Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス・ガイド

ALTER SESSION

ALTER SESSION文は、NLS_SORT、NLS_LENGTH_SEMANTICSおよびNLS_NCHAR_CONV_EXCPセッション・パラメータを動的に変更します。

アクセス制御

この処理には、特別な権限は必要ありません。

SQL構文

ALTER SESSION SET

{NLS_SORT = {BINARY| SortName} |

NLS_LENGTH_SEMANTICS = {BYTE| CHAR} |

NLS_NCHAR_CONV_EXCP = {TRUE|FALSE}

}

パラメータ

ALTER SESSION文には、次のパラメータがあります。


NLS_SORT = {BINARY\| SortName}	言語の比較に使用する照合の順番を示します。大/小文字を区別しない場合またはアクセントを区別しない場合は、BINARYまたはSortName値に_CIまたは_AIを追加します。 NLS_SORTを指定しない場合、デフォルトはBINARYです。「例5.15」を参照してください。 SortNameに指定できるすべての値のリストは、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』の、サポートされている言語ソートに関する説明を参照してください。大/小文字を区別しないソート、またはアクセントを区別しないソートの詳細は、大/小文字またはアクセントを区別しない言語ソートに関する説明を参照してください。
NLS_LENGTH_ SEMANTICS = {BYTE \| CHAR}	長さセマンティクス構成のデフォルトを設定します。BYTEはバイト長セマンティクスを示し、CHARは文字長セマンティクスを示します。デフォルトはBYTEです。長さセマンティクスの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』の長さセマンティクスおよびデータ記憶域に関する説明を参照してください。
NLS_NCHAR_ CONV_EXCP = {TRUE \| FALSE}	NCHAR/NVARCHAR2データとCHAR/VARCHAR2データ間でキャラクタ・タイプの暗黙的または明示的な変換中にデータの損失があった場合に、エラーを報告するかどうかを指定します。TRUEを指定するとエラーが報告され、FALSEを指定するとエラーは報告されません。デフォルトはFALSEです。

説明

ALTER SESSION文は、そのセッションで次に実行されるコマンドから作用します。新しいセッション・パラメータはただちに有効になります。

NLS_SORTの設定は、マテリアライズド・ビューおよびキャッシュ・グループの維持に影響します。NLS_SORTの設定に頼るのではなく、NLSSORT()関数を使用してください。

文字長およびバイト長セマンティクスは、列長および記憶域サイズについて発生する可能性がある問題を解決するためにサポートされています。マルチバイト・エンコードのキャラクタ・セットがサポートされています（例: UTF-8またはAL32UTF8）。マルチバイト・エンコードでは、1文字に必要な記憶域量が文字によって異なります。たとえば、UTF-8の文字では1から4バイトが必要です。

たとえば、CHAR (10)と定義された列の場合、キャラクタ・セットのエンコードに関係なく、この列には10文字が収まると想定されます。しかし、キャラクタ・セットのエンコードがUTF-8の場合は、最大40バイトが必要になります。TimesTenでは、文字長およびバイト長セマンティクスをサポートすることで、このような問題を回避します。

文字比較を含む演算では、言語を区別する照合順番がサポートされています。大/小文字を区別しないソートは、DISTINCT値の解釈に影響することがあります。照合順番を区別する演算でサポートされているものは、次のとおりです。

MIN、MAX

BETWEEN

=,!=, >, >=,<,<=

DISTINCT

CASE

GROUP BY

HAVING

ORDER BY

主キー索引は、BINARY照合順番に基づいています。主キー索引の等価検索でBINARY以外のNLS_SORTは使用できません。

CHARとNCHAR間の暗黙的および明示的な変換がサポートされています。
TIMESTEN8キャラクタ・セットを使用している場合は、CHARとNCHAR間の変換ができません。

サポートされているキャラクタ・セットで、SQL文字列関数を使用できます。たとえば、UPPERおよびLOWER関数では、ASCII以外のCHAR/VARCHAR2文字およびNCHAR/NVARCHAR2文字がサポートされています。

TIMESTEN8キャラクタ・セットには、次の制限があります。

キャラクタ・セットの変換はできません。

使用できる照合順番はBINARYのみです。

CHARセマンティクスは無視されます。文字はシングルバイトであると想定されます。

UPPERおよびLOWER関数でサポ―トされるのはASCII文字のみです。ASCII以外の文字に対する結果は定義されていないため、エラーは返されません。

NLS_SORTでBINARY以外を設定すると、文字演算でのパフォーマンスに影響する可能性があります。

選択したキャラクタ・セットによっては、CHAR/VARCHAR2列のデータに対するメモリー消費に影響する可能性があります。

レプリケーション・スキームに含まれるすべてのデータ・ストアのキャラクタ・セットが一致している必要があります。

例5.15

次の例では、ALTER SESSION文を使用してNLS_SORT設定をBINARYからBINARY_CIに変更し、さらにBINARY_AIに変更しています。データベースおよび接続のキャラクタ・セットはWE8ISO8859P1です。

Command> connect "dsn=cs;ConnectionCharacterSet=WE8ISO8859P1";

Connection successful: DSN=cs;UID=user;DataStore=/datastore/user/ cs;

DatabaseCharacterSet=WE8ISO8859P1;

ConnectionCharacterSet=WE8ISO8859P1;PermSize=32;TypeMode=0;

(Default setting AutoCommit=1)

Command>#Create the Table

Command> CREATE TABLE CollatingDemo (Letter VARCHAR2 (10));

Command>#Insert values

Command> INSERT INTO CollatingDemo VALUES ('a');

1 row inserted.

Command> INSERT INTO CollatingDemo VALUES ('A');

1 row inserted.

Command> INSERT INTO CollatingDemo VALUES ('Y');

1 row inserted.

Command> INSERT INTO CollatingDemo VALUES ('ä');

1 row inserted.

Command>#SELECT

Command> SELECT * FROM CollatingDemo;

< a >

< A >

< Y >

< ä >

4 rows found.

Command>#SELECT with ORDER BY

Command> SELECT * from CollatingDemo ORDER BY Letter;

< A >

< Y >

< a >

< ä >

4 rows found.

Command>#set NLS_SORT to BINARY_CI and SELECT

Command> ALTER SESSION SET NLS_SORT = BINARY_CI;

Command> SELECT * from CollatingDemo ORDER BY Letter;

< a >

< A >

< Y >

< ä >

4 rows found.

Command>#Set NLS_SORT to BINARY_AI and SELECT

Command> ALTER SESSION SET NLS_SORT = BINARY_AI;

Command> SELECT * from CollatingDemo ORDER BY Letter;

< ä >

< a >

< A >

< Y >

4 rows found.

NLS_SORT = {BINARY\| SortName}	言語の比較に使用する照合の順番を示します。大/小文字を区別しない場合またはアクセントを区別しない場合は、BINARYまたはSortName値に_CIまたは_AIを追加します。 NLS_SORTを指定しない場合、デフォルトはBINARYです。「例5.15」を参照してください。 SortNameに指定できるすべての値のリストは、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』の、サポートされている言語ソートに関する説明を参照してください。大/小文字を区別しないソート、またはアクセントを区別しないソートの詳細は、大/小文字またはアクセントを区別しない言語ソートに関する説明を参照してください。
NLS_LENGTH_ SEMANTICS = {BYTE \| CHAR}	長さセマンティクス構成のデフォルトを設定します。BYTEはバイト長セマンティクスを示し、CHARは文字長セマンティクスを示します。デフォルトはBYTEです。長さセマンティクスの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』の長さセマンティクスおよびデータ記憶域に関する説明を参照してください。
NLS_NCHAR_ CONV_EXCP = {TRUE \| FALSE}	NCHAR/NVARCHAR2データとCHAR/VARCHAR2データ間でキャラクタ・タイプの暗黙的または明示的な変換中にデータの損失があった場合に、エラーを報告するかどうかを指定します。TRUEを指定するとエラーが報告され、FALSEを指定するとエラーは報告されません。デフォルトはFALSEです。