UPDATE文は、表のすべての行または検索条件を満たす行の1つ以上の列値を更新します。
TimesTenインスタンスでアクセス制御が有効な場合、この文にはWRITE権限またはデータ・ストア・オブジェクトの所有権が必要です。
UPDATE文の構文は、次のとおりです。
UPDATE [FIRST NumRows]
{[Owner.]TableName [CorrelationName]}
SET {ColumnName =
{Expression | NULL | DEFAULT}} [,...]
[ WHERE SearchCondition ]
UPDATE文には、次のパラメータがあります。
パラメータ | 説明 |
FIRST NumRows | 更新する行の数を指定します。FIRST NumRowsは、副問合せを使用した文ではサポートされていません。NumRowsには、正のINTEGERか動的パラメータのプレースホルダを指定する必要があります。動的パラメータのプレースホルダの構文は、?または:DynamicParameterです。動的パラメータの値は、文の実行時に設定されます。 |
[Owner.]TableName [CorrelationName] |
[Owner.]TableNameには、更新する表を指定します。 CorrelationNameは、直前で指定した表へのシノニムを指定します。その表の列にアクセスする際、文の中で実際の表名ではなく相関名を使用します。相関名は、基本名の構文ルールを満たしている必要があります(「基本名」を参照)。 単一のUPDATE文のすべての相関名は、一意である必要があります。 |
SET ColumnName | 更新する列を指定します。単一のUPDATE文で同じ表の複数の列を更新できます。主キー列の値が変更されないかぎり、更新された列のリストに主キー列を含めることができます。 |
Expression | 集計関数を含まない式を指定します。式は、更新操作に指定した行ごとに評価されます。式のデータ型は、更新する列のデータ型と互換性がある必要があります。値を更新する場合、Expressionには列、または順序CURRVALやNEXTVAL参照を指定できます。 |
NULL | WHERE句を満たす各行の指定した列にNULL値を挿入します。NULL値可能な列である必要があります。 |
DEFAULT | デフォルト値を使用して列を更新する必要があることを指定します。 |
WHERE SearchCondition | 検索条件には副問合せを含めることができます。検索条件がTRUEとなる行はすべて、SET句の指定に従って更新されます。検索条件に一致しない行に影響はありません。検索条件に一致する行がない場合、表は変更されません。 |
この例は、コストが$500を超える部品の価格を25%引き上げます。
UPDATE Purchasing.Parts
SET SalesPrice = SalesPrice * 1.25
WHERE SalesPrice > 500.00;
この例は、順序seq
のNEXTVAL値を使用して列を更新します。
UPDATE student SET studentno = seq.NEXTVAL WHERE name = 'Sally';
次の問合せは、少なくとも1つの未出荷注文を持つすべての顧客のステータスを更新します。
UPDATE customers SET customers.status = 'un-shipped'
WHERE customers.id = ANY
(SELECT orders.custid FROM orders
WHERE orders.status = 'un-shipped');
idが主キーでない場合、次の問合せはすべての重複する注文を更新します。
UPDATE orders A
WHERE EXISTS (SELECT 1 FROM orders B
WHERE A.id = B.id and A.rowid < B.rowid);
TimesTenでは、結合更新文がサポートされています。結合更新を使用すると、副問合せの結果を使用して、表の列を1つ以上更新できます。
UPDATE [Owner.]TableName
SET ColumnName=Subquery
[WHERE SearchCondition]
または
UPDATE [Owner.]TableName
SET (ColumnName[,...])=Subquery
[WHERE SearchCondition]
UPDATE文には、次のパラメータがあります。
パラメータ | 説明 |
[Owner.]TableName |
[Owner.]TableNameには、更新する表を指定します。 |
SET (ColumnName[,...])= Subquery |
更新する列を指定します。単一のUPDATE文で同じ表の複数の列を更新できます。この副問合せはネストできますが、SET句に含めることができる副問合せは1つのみです。 副問合せのSelectListの値の数は、SET句で指定された列数と同じである必要があります。副問合せが更新する行に対して2行以上返す場合は、エラーが返されます。 |
WHERE SearchCondition | 検索条件には副問合せを含めることができます。検索条件がTRUEとなる行はすべて、SET句の指定に従って更新されます。検索条件に一致しない行に影響はありません。検索条件に一致する行がない場合、表は変更されません。 |
結合更新のSET句内で副問合せを使用しても、更新されるターゲット表の行数は削減されません。この行数を削減するには、WHERE句を指定する必要があります。したがって、WHERE句内でターゲット表の行が指定されているにもかかわらず、副問合せがこの行に対していずれの行も返さない場合、この行の更新対象列はNULL値に更新されます。
t1の行がt2と一致しない場合、最初の文のx1の値および2番目の文のx1とy1の値はNULLに設定されます。
UPDATE t1 SET x1=(SELECT x2 FROM t2 WHERE id1=id2);
UPDATE t1 SET (x1,y1)=(SELECT x2,y2 FROM t2 WHERE id1=id2);
t2と一致するt1の行のみを更新するように更新を制限するには、副問合せを含むWHERE句を次のように指定する必要があります。
UPDATE t1 SET x1=(SELECT x2 FROM t2 WHERE id1=id2) WHERE id1 IN (SELECT id2 FROM t2);
UPDATE t1 SET (x1,y1)=(SELECT x2,y2 FROM t2 WHERE id1=id2) WHERE id1 IN (SELECT id2 FROM t2);