要求レベルのインターセプタの API

この章では、要求レベルのインターセプタのインプリメントに使用する次のインターフェイスについて説明します。

• Interceptors::Interceptor

• RequestLevelInterceptor::RequestInterceptor

• RequestLevelInterceptor::ClientRequestInterceptor

• RequestLevelInterceptor::TargetRequestInterceptor

• CORBA::DataInputStream

これらのインターフェイスは、位置制約付きオブジェクトです。リファレンスをその位置 (プロセス) の外部に渡そうとしたり、CORBA ORB object_to_string オペレーションを使用して、このインターフェイスをサポートしているオブジェクトを外部化しようとしたりすると、CORBA MARSHAL システム例外 (CORBA::MARSHAL) が発生します。

 

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インターセプタの階層構造

要求レベルのインターセプタは、2 つのインターフェイスに分かれており、クライアント側とターゲット側で別個に機能します。次の図では、BEA Tuxedo 製品でサポートしている要求レベルのインターセプタの継承の階層構造を示します。

 

未使用インターフェイスについての注意事項

RequestLevelInterceptor インターフェイスから派生したクラスのオペレーションのためのメソッド・シグニチャには、次のインターフェイスのパラメータが含まれます。

• RequestLevelInterceptor::DataOutputStream

• RequestLevelInterceptor::ServiceContextList

これらのインターフェイスは BEA Tuxedo 製品では使用しません。しかし BEA Tuxedo 製品では、将来のリリースでこれらのインターフェイスのインプリメンテーションが提供されたときに CORBA アプリケーションを再コンパイルしなくてよいように、これらを定義してあります。ORB は常に実際の引数に対する nil オブジェクトを渡します。この引数を使用しようとしないでください。プロセスが深刻なエラーにより停止する可能性があります。

 

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Interceptors::Interceptor インターフェイス

Interceptors::Interceptor インターフェイスは、要求レベルのインターセプタをはじめとする、すべての種類のインターセプタの基本インターフェイスとして定義されます。このインターフェイスには、全種類のインターセプタでサポートされる、オペレーションおよび属性のセットが含まれます。Interceptors::Interceptor インターフェイスは、抽象インターフェイスとして定義されるため、インターフェイスのインスタンスはインスタンス化できません。

コード リスト 8-1 Interceptors::Interceptor インターフェイスの OMG IDL

// ファイル: Interceptors.idl
#ifndef _INTERCEPTORS_IDL
#define _INTERCEPTORS_IDL

#pragma prefix "beasys.com"

module Interceptors
  {
  native ExceptionValue;

  local Interceptor 
    { 
    readonly attribute string   id; // インターセプタの識別子

    // インターセプタのシャットダウン時に ORB によって呼び出される
    ShutdownReturnStatus shutdown( 
                                   in  ShutdownReason   reason,
                                   out ExceptionValue   excep_val
                                 );
    };  // 位置制約付き
  };
#endif /* _INTERCEPTORS_IDL */

オペレーション _duplicate、_narrow、および _nil のインプリメンテーションは、BEA Tuxedo 製品の CORBA ORB によって提供される CORBA::LocalBase インターフェイスのインプリメンテーションから継承されます。

コード リスト 8-2 Interceptors::Interceptor インターフェイスの C++ 宣言

#ifndef _INTERCEPTORS_H
#define _INTERCEPTORS_H

#include <string.h>
#include <CORBA.h>

class OBBEXPDLL Interceptors
  {
  public:
  class Interceptor;
  typedef Interceptor * Interceptor_ptr;

  enum InvokeReturnStatus
    {
    INVOKE_NO_EXCEPTION,// 通常どおり進行する
    REPLY_NO_EXCEPTION, // 進行を停止し、応答処理を開始する
    REPLY_EXCEPTION     // 進行を停止し、例外を返す
    };

  enum ResponseReturnStatus
    {
        RESPONSE_NO_EXCEPTION,  // 通常どおり進行する
        RESPONSE_EXCEPTION
    };

  enum ShutdownReturnStatus
    {
    SHUTDOWN_NO_EXCEPTION,
    SHUTDOWN_EXCEPTION
    };

  enum ShutdownReason
    {
    ORB_SHUTDOWN,
    CONNECTION_ABORTED,
    RESOURCES_EXCEEDED
    };

  struct Version
    {
    CORBA::Octet    major_version;
    CORBA::Octet    minor_version;
    };
  typedef Version *   Version_ptr;

  //+
  // すべてのインターセプタの抽象基本インターフェイス
  //-
  class OBBEXPDLL Interceptor : public virtual CORBA::LocalBase
    {
    public:
      static Interceptor_ptr _duplicate(Interceptor_ptr obj);
      static Interceptor_ptr _narrow(Interceptor_ptr obj);
      static Interceptor_ptr _nil();
      virtual ShutdownReturnStatus 
        shutdown( ShutdownReason reason,
                  CORBA::Exception_ptr & excep_val) = 0;
      virtual CORBA::String id() = 0;

    protected:
      Interceptor();
      virtual ~Interceptor();
    };
  };#endif /* _INTERCEPTORS_H */