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WebLogic Integration ソリューションの設計

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はじめに

以下の節では、統合ソリューションを設計するプロセスを紹介します。

このマニュアルは、統合スペシャリストを対象とした、WebLogic Integration に基づくソリューションを設計するための手引き書です。このマニュアルでは、まずビジネスおよび技術的な要件のレベルで統合スペシャリストが確認する必要のある主要な WebLogic Integration の概念について説明し、続いてそれらの主要な概念を WebLogic Integration を使用して統合ソリューションのアーキテクチャ設計で実装する方法について説明します。

注意: 統合ソリューション全体では、統合ソリューションの手法、プロジェクト管理の手法、ビジネスおよび技術的な指定の手法など、このマニュアルの範囲から外れる多くの手法が関与します。このマニュアルは、統合ソリューション全体の中で、WebLogic Integration に基づく統合ソリューションの設計に直接関連する部分を取り扱うことでそれらの手法を補足します。

このマニュアルでは、ビジネス要件を指定する方法や統合を設計する方法の例として WebLogic Integration のサンプル アプリケーションを利用します。統合スペシャリストは、『WebLogic Integration チュートリアル』を読んでこのサンプル アプリケーションを理解しておく必要があります。

 


統合の主要な設計概念

以下の節では、主要な設計概念について説明します。

ビジネス プロセス

ビジネス プロセスとは、始まりと終わりがあり、入力と出力が明確に定義されている、相互に関連したビジネス アクティビティのまとまりのことです。ビジネス プロセスには、開始イベント、参加アプリケーション、イベント定義、データ トランスフォーメーション、マッピング、プロセス定義など、特定の統合ソリューションに関連するすべての情報が含まれます。ビジネス プロセスは、販売注文から届け先住所を取得するような単純なものから、特定の品目についての価格と在庫の情報を複数のサプライヤから得るような複雑なものまでさまざまです。

統合ソリューション

統合ソリューションには、1 つまたは複数の関連するビジネス プロセスの統合が伴います。たとえばある企業で、仕入れ処理とサプライヤをよりよく統合する必要があるとします。その統合ソリューションに含まれるビジネス プロセスは以下の 2 つが考えられます。

ビジネス プロセスは、以下のような要素に分割できます。

統合ソリューションは、複数のシステム、地域、および組織をまたがる場合があります。たとえば、Web 上で複数のサプライヤから入札を受け付ける場合は、バイヤの仕入れシステムとサプライヤの販売および在庫システムを統合する必要があります。

統合ソリューションの詳細については、統合ソリューションとビジネス プロセスの定義 および統合ソリューションとビジネス プロセスの指定 を参照してください。

設計目標

設計目標とは、統合ソリューションの正否を判断する大まかな基準のことです。一般的な設計目標には以下のものがあります。

各統合ソリューションで、設計目標を確認し、優先順位を決定します。WebLogic Integration は、それらの設計目標を達成するために必要なすべての機能を備えています。

設計上の考慮事項

設計上の考慮事項とは、統合ソリューションの設計段階で評価する必要のある事柄のことです。たとえば、サービス品質(パフォーマンス、可用性、信頼性、スケーラビリティ、応答時間、セキュリティ、ロギング、および監査)を定義および解析し、統合ソリューションの設計で考慮に入れなければなりません。このマニュアルでは、WebLogic Integration を使用して構築されるほとんどすべての統合ソリューションに関連する設計上の考慮事項を示します。

ベスト プラクティスと設計パターン

ベスト プラクティスとは、特定の状況で最も効果的に機能することが証明されている手段のことです。たとえば、統合ソリューションの設計の説明に従って統合ソリューションを設計する前に、統合ソリューションの要件の決定で説明されているようにビジネスおよび技術的な要件を十分に定義しておくことが重要です。このマニュアルの目的は、WebLogic Integration のベスト プラクティスを説明し、さまざまな組織で WebLogic Integration の実装に成功してきたこれまでの経験を反映する実際的なアイデアで組織の統合ソリューション設計手法をサポートすることです。

設計パターンとは、高いパフォーマンスやデータの整合性といった特定のビジネス要件をサポートできるように統合ソリューションの全体または一部を最適に設計するための推奨事項のことです。たとえば、BPM ワークフローで呼び出しサービス アクティビティを使用してビジネス オペレーション(Java クラスまたは EJB)などの外部サービスを呼び出す場合は、1 つのサービスのみを呼び出すようにします。複数サービスの呼び出しは、複数のタスク ノードを使用して実装する必要があります(サービスの呼び出しごとに 1 つのタスク ノード)。タスクノードの詳細については、『WebLogic Integration Studio ユーザーズ ガイド』の「アクションの定義」を参照してください。

 


統合ソリューション設計のロール

以下の節では、統合ソリューション設計チームのメンバーとして果たさなければならないロールについて説明します。

統合ソリューションの設計を成功させるためには、これらすべての参加者からの入力が必要です。1 人で複数のロールを受け持つこともできます。すべてのロールがすべての統合ソリューションで必要とされるわけではありません。

統合スペシャリスト

統合スペシャリストの仕事は、WebLogic Integration ソリューションの実装を先導し、設計作業を推進することです。統合スペシャリストは、WebLogic Integration 製品の特長と機能に精通しています。統合スペシャリストは、ビジネス アナリストおよびアーキテクトと相談して要件を決定し、それらの要件を WebLogic Integration の機能に対応付けて、統合ソリューションのアーキテクチャを設計します。統合スペシャリストは、以下の領域の専門知識を備えています。

ビジネス アナリスト

ビジネス アナリストは、組織のビジネス プロセス、手順、方針、ビジネス ルール、およびリソースに関する専門知識を提供します。ビジネス アナリストは、事業に精通しており、以下の領域の専門知識を有しています。

アーキテクト

アーキテクトは、組織の情報技術インフラストラクチャ(電気通信、プラットフォーム、アプリケーション、データ リポジトリ、将来技術、IT 組織など)に関する専門知識を提供する技術のスペシャリストです。アーキテクトは、情報システムに精通しており、以下の領域の専門知識を有しています。

エンタープライズ情報システム スペシャリスト

EIS スペシャリストは、統合されるエンタープライズ情報システム(EIS)の専門家です。EIS スペシャリストは、EIS を統合ソリューションに接続するために必要な情報を提供します。エンタープライズ情報システムは、通常は WebLogic Integration アダプタを通じて WebLogic Integration に接続されます。EIS スペシャリストは、統合される EIS システムのすべての側面(データ フォーマット、動作、外部インタフェースなど)に精通しており、以下の領域の専門知識を有しています。

システム管理者

システム管理者は、組織にデプロイされているデータベースとアプリケーションに関する深い技術知識と運用知識を提供します。システム管理者は、デプロイメント トポロジに精通しており、以下の領域の専門知識を有しています。

 


主要な設計タスク

統合ソリューションを設計する場合、統合ソリューション設計チームは以下の基本的なタスクを行う必要があります。

  1. ビジネスおよび技術的な要件の徹底的な解析に基づいて統合ソリューションの要件を定義します。詳細については、統合ソリューションの要件の決定を参照してください。

  2. ビジネスおよび技術的な要件を徹底的に解析し、それらの要件を満たすのに最適な WebLogic Integration の機能を理解して、統合ソリューションのアーキテクチャを設計します。詳細については、統合ソリューションの設計を参照してください。

統合ソリューションの設計が終わったら、統合スペシャリストはプログラマ、EIS スペシャリスト、およびシステム管理者と共同で WebLogic Integration ソリューションを構築します。詳細については、WebLogic Integration 製品マニュアルの Web サイトの「設計とデプロイメント」を参照してください。

 

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