Application Integration 入門
ロール、責任、タスク
この節では、統合ソリューションの作成に必要なロールおよびタスクの概要を説明します。この節では、次のトピックについて説明します。
ロールと責任
以下の節では、統合ソリューション チームのメンバーとして果たさなければならないロールについて説明します。
統合ソリューションを成功させるためには、これらすべての参加者の協力が必要です。ソリューションによっては、1 人が複数のロールを担い、一部のロールが不要になる場合もあります。
Application Integration スペシャリスト
Application Integration スペシャリストの仕事は、統合ソリューションの実装を先導し、設計作業を推進することです。Application Integration スペシャリストは、WebLogic Integration 製品の特長と機能、特に Application Integration の機能に精通しています。Application Integration スペシャリストは、EIS スペシャリストと相談して要件を決定し、それらの要件を WebLogic Integration の機能にマップして、統合ソリューションのアーキテクチャを設計します。Application Integration スペシャリストは、エンドツーエンドのソリューションを担い、以下の領域の専門知識を有しています。
ビジネスと技術の解析
アーキテクチャの設計
プロジェクトの管理
EIS スペシャリスト
EIS スペシャリストは、統合ソリューションの一部であるエンタープライズ情報システム (Enterprise Information Systems : EIS) に習熟しています。EIS スペシャリストは、外部インタフェース、接続プロトコル、EIS のメタデータおよびデータのフォーマット、EIS の動作など、EIS を統合ソリューションに統合するために必要な情報を提供します。EIS スペシャリストは、該当する EIS システムのすべての面に精通しており、以下の領域の専門知識を有しています。
技術の解析
統合ソリューションの設計
組織の EIS のデプロイメントおよび運用に関する詳細な知識
技術スペシャリスト
技術スペシャリストは、統合ソリューションで使用されるさまざまな技術に習熟しています。技術スペシャリストには、以下のようなユーザが含まれます。
Java 開発者
データベース管理者
システム管理者
ネットワーク、イントラネット、エクストラネット、メール インフラストラクチャに習熟しているなど、インフラストラクチャのスペシャリスト
統合ソリューション作成の手順
この節では、EIS 統合を含む統合ソリューションを作成する詳細な手順について、順を追って説明します。内容は以下のとおりです。
この節は、仮説的つまり理想化されたソリューションであり、計画の実行例というよりは、製品の機能を紹介するものです。組織内ですでに統合ソリューションの構築およびデプロイに使用されている方法や手順を補足することを目的としています。
第 1 フェーズ : ソリューションの設計
このフェーズでは、統合ソリューションのコンポーネントの定義、詳細な設計の作成、の 2 つの手順を実行します。
手順 1 : ソリューションのコンポーネントの定義
最初に、統合ソリューションのコンポーネントを定義します。主な作業は以下のとおりです (ただしこれに限定はされません)。
統合ソリューションに含めるビジネス プロセスを決定する。
統合に含める外部 EIS およびその他の技術と、統合するビジネス プロセスに関連する外部 EIS インタフェースを決定する。
統合ソリューションに含める以下の WebLogic Platform コンポーネントを決定する。
WebLogic Workshop で設計された Web サービス、ビジネス プロセス、ポータル
カスタム アプリケーション
BEA WebLogic Adapters for WebLogic Integration、およびカスタム アダプタ (必要に応じて) など、必要なアダプタを決定する。統合ソリューションには、複数のアダプタを使用できます。
詳細については、「Application Integration について」を参照してください。
手順 2 : 詳細なソリューション設計の作成
ソリューションのコンポーネントを定義したら、以下の項目を指定する詳細な設計を作成する必要があります。
サービス呼び出し (以下の要件を含む)
イベント通知 (以下の要件を含む)
必要なイベント スキーマ (「EIS のメタデータ、スキーマ、リポジトリ」参照)。
EIS で開始されたイベントにサブスクライブし、リスンするイベント コンシューマ (「イベント コンシューマ」参照)。
アダプタが受信できる送り先にイベントをパブリッシュするために各 EIS で必要なコンフィグレーション。
EIS に関連するその他の要件。
ログイン資格、ネットワーク接続、特殊なコンフィグレーションなど、EIS に接続するための要件。
トランザクション処理など、特殊なビジネス ロジック。
ビジネス プロセス、Web サービス、ポータルなど、統合ソリューションのその他のコンポーネント。
この手順には、ビジネス アナリスト、システム インテグレータ、EIS スペシャリストの専門知識が必要です。統合ソリューションは、より大規模な統合ソリューションに組み込むこともできます。
第 2 フェーズ : ソリューションの構築
次に、「統合ソリューションのツール」で説明した設計時ツールを使用してソリューションを構築します。主な構築作業は以下のとおりです。
WebLogic Platform および任意のアダプタを購入、インストールして、コンフィグレーションする。
ご使用のアダプタのドキュメントにある「Generating Schemas」の章に従って、サービスおよびイベントのスキーマを作成する。ご使用のアダプタに対応している場合は、BEA Application Explorer を使用します。
WebLogic Server と EIS の間に XML ベースのインタフェースを提供するアプリケーション ビューを作成する。アプリケーション ビューごとに、接続情報、サービス、イベントをコンフィグレーションします。
必要に応じて、他の BEA ソフトウェア コンポーネントを構築し、統合する。たとえば、WebLogic Workshop でビジネス プロセス、Web サービス、ポータルなどを構築して、サービスを呼び出したり、イベント通知を受信し処理するようにコンフィグレーションしなければならない場合があります。同様に、アプリケーション ビューにデータ ソースとしてアクセスするクエリを、WebLogic の Liquid Data に作成しなければならない場合もあります。詳細については、使用している BEA ソフトウェア コンポーネントに関連するドキュメントを参照してください。
エンドツーエンド ソリューションをテストして、すべてのコンポーネントが正常に作用し合い、期待どおりの結果が得られることを確認する。
このフェーズでは、(ビジネス プロセス、Web サービス、ポータル、クエリの) 設計者、開発者、システム インテグレータ、データベース管理者、EIS スペシャリストなど、技術スペシャリストの専門知識が必要です。
第 3 フェーズ : ソリューションのデプロイおよび管理
最後に、統合ソリューションをプロダクション環境にデプロイして、処理の進行状況をモニタします。
デプロイメントを設計する。
BEA WebLogic Platform の必要なコンポーネントをデプロイする。
アダプタの『Installation and Configuration Guide』に従って、アダプタをインストールおよびデプロイする。
EIS 統合のアプリケーション ビューおよびスキーマをデプロイする。
プロダクション環境でビジネス プロセスを確認する。
デプロイメントをモニタ、調整、トラブルシューティングする。
このフェーズには、システム管理者、ネットワーク管理者、ネットワーク オペレータ、および組織のインフラストラクチャを運営しているスペシャリストが必要です。
関連情報
統合ソリューションで BEA WebLogic Adapters for WebLogic Integration のいずれかを使い始めるには、アダプタのユーザ ガイドの「Introduction」にある「Getting Started」の節を参照してください。