Application Integration 入門

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Application Integration について

WebLogic Integration で提供される Application Integration 機能は、アプリケーション ビューを動作させるための標準アーキテクチャを提供します。アプリケーション ビューはエンタープライズ アプリケーションに対するビジネス指向のインタフェースです。

この節では、次のトピックについて説明します。

 


Application Integration ライフサイクル

以下の高レベルなライフサイクルには、さまざまな Application Integration コンポーネントが参加します。

  1. 統合ソリューションを全体的に定義します。これには、使用する EIS およびアダプタ、実装するサービスおよびイベントの定義が含まれます。
  2. 必要なアダプタをインストールし、デプロイします。
  3. 統合ソリューションに必要なビジネス プロセスを実装する WebLogic Workshop アプリケーションを作成します。
  4. 特定のビジネス目的に対応するアプリケーション ビューを定義します。この手順には、必要なサービスやイベントの定義、アプリケーション ビューのテストが含まれます。
  5. アプリケーション ビューを WebLogic Workshop アプリケーションにパブリッシュします。
  6. アプリケーション ビューのサービスにアクセスするための、アプリケーション ビュー コントロールを定義します。
  7. アプリケーション ビュー コントロールをビジネス プロセスに統合します。
  8. 統合ソリューションをデプロイします。
  9. WebLogic Integration Administration Console を使用して、統合ソリューションを管理します。

 


アダプタについて

リソース アダプタ (単にアダプタともいう) は、EIS と J2EE アプリケーション サーバ (BEA WebLogic Server など) の間のコネクタの役割を果たすソフトウェア コンポーネントです。各アダプタを使用すると、特定のアプリケーションまたは技術との、双方向の要求/応答の統合が可能です。リソース アダプタは、Sun Microsystems 社の J2EE コネクタ アーキテクチャ (J2EE Connector Architecture : JCA) バージョン 1.0 の実装です。詳細については、次の URL にある Sun の JCA に関するページを参照してください。


http://java.sun.com/j2ee/connector/

Application Integration は、アダプタおよび関連するアプリケーション ビューを使用して、企業のアプリケーションを統合します。ケーブル等で接続するのではなく、アダプタを使用して、エンタープライズ システムをアプリケーション サーバに接続できます。EIS 用のアダプタをデプロイすると、他のコンポーネントやアプリケーションから、このアダプタを使用して EIS 上のデータにアクセスできるようになります。

サポートされている処理

アダプタでは、一般的に次の 2 種類の処理が行われます。

事実上、サービスとは一定の作業を実行するための要求であり、イベントとは一定の作業が実行されたという通知です。

実行時に、EIS とアダプタは、要求、応答、イベントを XML ドキュメントとして交換します。アダプタでは、設計時に定義されたスキーマを使用して、EIS フォーマットと XML フォーマットのデータ変換が自動的に行われます。

1 つのアダプタ インスタンスでは、ゼロ個または 1 個のイベント接続と、ゼロ個以上のサービス接続が定義されます。アダプタ インスタンスはそれぞれ、RAR ファイルとしてデプロイされる 1 つの基本アダプタに関連付けられます。

 


アプリケーション ビューについて

アプリケーション ビューは、EIS 内のオブジェクトおよび処理へのビジネス指向のインタフェースです。アプリケーション ビューには、EIS との通信に必要な情報や、サービスとイベントのコンフィグレーションが含まれます。アプリケーション ビューでは以下の項目が定義されます。

通常、アプリケーション ビューは単一のビジネス目的のためにコンフィグレーションされ、そのビジネス目的に必要なサービスまたはイベントのみを含みますが、1 つの EIS で、さまざまなビジネス目的に対応する複数のアプリケーション ビューを定義することもできます。たとえば、人事データが格納された EIS で、個々の従業員が人事情報に読み取り専用でアクセスできる HREmployee アプリケーション ビューと、データ入力担当者が人事情報の追加、更新、削除を行うことのできる HRDataEntry アプリケーション ビューを定義することができます。

アプリケーション ビューは、アダプタとそのアダプタの EIS 機能間の抽象化レイヤとしての役割を持っています。アプリケーション ビューを使用すると、アダプタへのアクセス手順を単純化できます。EIS を直接起動してアクセスすることなく、アダプタのアプリケーション ビューの編集、新規アプリケーション ビューの作成、古くなったビューの削除を簡単に行うことができます。アプリケーション ビューで構成される抽象化レイヤを使用すれば、プログラマでなくても、アダプタが提供するサービスやイベントの保守ができるようになります。

アプリケーション ビューはそれぞれ、1 つのアダプタの EIS 上のビジネス機能を定義します。アダプタ作成後、Web ベースのインタフェースを使用して、独自のアプリケーション ビューを定義できます。アプリケーション ビューを使用すると、アダプタが提供するアプリケーション機能を表示できます。

ビジネス アナリストまたはテクニカル アナリストのどちらかがアダプタを使用してアプリケーションを定義する場合、特定のビジネス目的用にアプリケーション ビューをカスタマイズすることができます。ビジネスの目的はビジネス アナリストが定義します。たとえば、カスタマ リレーションシップ マネジメント (Customer Relationship Management : CRM) システムのアダプタに「顧客管理」アプリケーション ビューを定義する場合、通常このアプリケーション ビューには、顧客管理に関連するサービスとイベントのみを追加します。ただし、必要に応じてそれ以外ものが追加できるアプリケーション ビューを作成することもできます。アプリケーション ビューは特定のビジネス目的用にカスタマイズすることができ、この点で、他の多くの EAI システムで使用されている、1 つだけ作成してそれをすべての場合に適用するアプローチよりもはるかに優れています。

アプリケーションの機能に対応するビジネスレベルのビューによって、プログラマとテクニカル アナリストの役割が論理的に区分されます。たとえば、ビジネスレベルのビューにより、テクニカル アナリストは SQL についての知識を持たなくてもデータベース上にレコードを作成することができます。図 2-1 は、Application Integration 環境での作業で使用されるアプリケーション ビューを示しています。

図 2-1 アプリケーション ビューの役割

アプリケーション ビューの役割

 アプリケーション ビューは、Application Integration Design Console を使用して作成します。これについては「Application Integration Design Console」を参照してください。アプリケーション ビューの詳細については、次の URL の『Application Integration Design Console の使い方』の「アプリケーション ビューの定義」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs92/aiuser/2usrdef.html

アプリケーション ビューは、ビジネス プロセス (JPD)、Web サービス (JWS)、BEA Liquid Data のいずれかから使用できます。また、アプリケーション ビューにアクセスするためのカスタム コードを作成することもできます。詳細については、次の URL にある『Application Integration Design Console の使い方』の「カスタム コードの記述によるアプリケーション ビューの使用」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs92/aiuser/4usrcust.html

アプリケーション ビューの主な機能

WebLogic Integration では、アダプタの主要なユーザ インタフェースとしてアプリケーション ビューを使用するため、競合する EAI テクノロジでは通常提供されないいくつかの機能があります。

ここからは、これらの機能について説明します。

アプリケーション間の共通言語としての XML の使用

EAI のシナリオでは、1 つの共通データ フォーマットを使用して各 EIS と WebLogic Server の統合を実行するほうが、各 EIS がそれぞれ独自のデータ フォーマットを使用して他の EIS との統合を実行するよりもはるかに容易で効率的です。共通のデータ フォーマットを使用すると、すべてのアプリケーションが標準言語を使用して通信できるようになります。WebLogic Integration は、共通のデータ フォーマットとして XML を使用しています。XML は、急速に普及しているデータ交換フォーマットです。

WebLogic Integration の環境では、ほぼすべてのメッセージが XML ドキュメントとして送信されます。

アダプタでは XML を使用してアプリケーションのデータ フォーマットが変換されるため、ビジネス アナリストがフォーマットを熟知している必要がありません。ビジネス アナリストがアダプタを使用する場合に必要な知識は、アプリケーション ビューの定義方法と使用方法です。とりわけ、すべてのアダプタが、アプリケーション ビュー定義のために同じ Web ベース インタフェースを使用しているため、現在使用されているアダプタの使用方法だけでなく、今後提供されるアダプタについても容易に習得することができます。このように、XML を使用すると、開発者にとってもビジネス アナリストにとっても、EAI が使い易くなります。

アプリケーションの機能をエクスポーズするためのサービスおよびイベント定義の使用

アプリケーション ビューは、特定のビジネス用途のイベントおよびサービスを、基底のアダプタを介してサポートします。イベントでは、アプリケーションで生成されるメッセージを、パブリッシュ/サブスクライブ モデルに従って管理できます。サービスは、ユーザによって呼び出されるビジネス機能です。サービスを呼び出すと、要求/応答モデルに従って、メッセージがアプリケーションに送信されます。イベント、サービス要求、サービス応答はすべて、XML ドキュメントとしてシステムを通過します。

サービスおよびイベントのデータ定義のための XML スキーマの使用

各アプリケーション ビューでは、メタデータ (イベント、サービス要求およびサービス応答の XML 情報に関する情報) として、XML スキーマを使用します。このメタデータを使用すると、アプリケーション ビュー イベントまたはサービスでどのようなデータが必要かがわかります。

アダプタでの双方向通信のサポート

現時点では、J2EE コネクタ アーキテクチャ仕様バージョン 1.0 は EIS がアプリケーション サーバまたはクライアントと通信を開始するためのガイドラインを提供していません。WebLogic Integration ではイベントによってこの通信機能が実現されています。

Application Integration サービス クライアントとイベント コンシューマ

この節では、サービス呼び出しのためのクライアントと、イベント通知のためのコンシューマについて説明します。

サービス呼び出しのためのクライアント

次の表では、アプリケーション ビューを使用して EIS のサービスを呼び出すクライアントの種類を説明します。

表 2-1 一般的なサービス クライアント
クライアント
説明
BEA WebLogic Workshop :
  • ビジネス プロセス
  • Web サービス
  • ポータル
ビジネス プロセス、Web サービス、ポータルはすべて、アプリケーション ビュー コントロールを使用して EIS データにアクセスする。アプリケーション ビュー コントロールとは、アプリケーション ビューへのアクセス、および関連する EIS に定義されているサービスへのアクセスが可能な Workshop のコントロールである。アプリケーション ビュー コントロールを使用すると、ビジネス プロセス エンジニアは、アプリケーション ビューの階層を参照し、ビジネス プロセスのアクションとしてサービスを呼び出すことができる。
同期サービスは、1 つのパラメータと非 void 戻り値を使った簡単なメソッドとして表される。同期サービスについては「同期サービス呼び出しの処理」を参照。非同期サービスは、1 つの要求パラメータを使ったメソッド、または 1 つの応答パラメータを使ったコールバック メソッドとして表される。非同期サービスについては「非同期サービス呼び出しの処理」を参照。
詳細については、BEA WebLogic Workshop ヘルプ システムで以下のトピックを参照。
また、次の URL にある『Application Integration Design Console の使い方』の「ビジネス プロセスでのアプリケーション ビューの使用」も参照。
カスタム Java アプリケーション
アプリケーション ビュー クライアント API を使用する Java アプリケーション (com.bea.wlai.client 内) はどれも、アプリケーション ビューでサービスを呼び出し可能。詳細については、『Application Integration Design Console の使い方』の「カスタム コードの記述によるアプリケーション ビューの使用」を参照。

イベント コンシューマ

アダプタでイベントの配信に使用される WebLogic Integration メッセージ ブローカでは、ビジネス プロセスに、チャネルベースのパブリッシュおよびサブスクライブ通信メカニズムが提供されます。詳細については、「実行時のイベント通知の処理」を参照してください。次の表では、EIS から配信されるイベントの一般的なコンシューマについて説明します。

表 2-2 一般的なイベント コンシューマ
クライアント
説明
BEA WebLogic Workshop :
  • ビジネス プロセス
  • Web サービス
  • ポータル
ビジネス プロセス、Web サービス、ポータルは、メッセージ ブローカ サブスクリプション コントロール (ビジネス プロセスの場合のみ、静的サブスクリプションも可) を使用して、メッセージ ブローカでパブリッシュされるイベントにサブスクライブ可能。メッセージ ブローカ コントロールはアプリケーション ビューのイベントをリスンする。イベントは、開始ノードが「メッセージ ブローカ サブスクリプションで開始されました」でコンフィグレーションされているビジネス プロセスを開始可能。
詳細については、BEA WebLogic Workshop ヘルプ システムで以下のトピックを参照。
さらに、『Application Integration Design Console の使い方』の「 ビジネス プロセスでのアプリケーション ビューの使用」も参照。
カスタム Java アプリケーション
アプリケーション ビュー クライアント API を使用する Java アプリケーション (com.bea.wlai.client 内) はどれも、イベントの消費が可能。詳細については、『Application Integration Design Console の使い方』の「カスタム コードの記述によるアプリケーション ビューの使用」を参照。

 


設計時 GUI について

WebLogic Integration の設計時機能を使用すると、開発者は各アダプタの CCI (Common Client Interface) を作成できます。CCI により、アプリケーション コンポーネントおよびエンタープライズ アプリケーション統合 (Enterprise Application integration : EAI) フレームワークで共通のクライアント API を使用して、異種 EIS 間での対話を実現することができます。アダプタの設計時 GUI を使用すれば、プログラマでなくてもアプリケーション ビューの作成、デプロイ、テストおよび編集をすばやく行うことができ、またサービスやイベントを追加してカスタマイズすることができます。

設計時 GUI によるアプリケーション ビューの作成

アダプタの設計時 GUI の主な目的は、アプリケーション ビューの定義、デプロイおよびテストです。詳細については、『Application Integration Design Console の使い方』を参照してください。

コンソールによるアプリケーション ビューの管理

Application Integration Design Console は、企業内の全アプリケーション ビューへのアクセス、編成、および編集を行う際に役立ちます。Application Integration Design Console では、新しいフォルダを作成して、そこに新しいアプリケーション ビューを追加することができます。このようなフォルダを使用すると、使用されるアダプタとは関係なく、アプリケーション ビューを独自のナビゲーション スキームに従って整理することができます。

アプリケーション ビュー管理の詳細については、『Application Integration Design Console の使い方』の「Application Integration Design Console の使い方」を参照してください。

アプリケーション ビュー定義とカスタム コード作成の使い分け

EIS の機能をエクスポーズする方法は、アダプタの設計時 GUI を使用する方法だけではありませんが、通常はこれが最も便利な方法です。サービス呼び出しとイベントをサポートするには、アプリケーション ビューを定義する方法と、同様の機能を持つカスタム コードを作成する方法があります。アダプタのアプリケーションが提供する機能をエクスポーズするには、最低でもアダプタごとにアプリケーション ビューを定義する必要があります。ただし、ユーザが通常のレベル以上の管理を行うことを希望する場合は、アダプタのリソースへアクセスできるよう、カスタム コードを作成することもできます。企業のニーズを最大限に満たすには、アプリケーション ビューを定義するべきか、独自のコードを作成するべきか、あるいは両方を組み合わせた方法を導入するべきかを見極める必要があります。

アプリケーション ビューを定義する場合

多くの EIS アプリケーションは、アプリケーション ビューを定義することで容易にシステムへの統合が可能になります。アプリケーション ビューを定義するのが望ましいのは、次のような場合です。

アプリケーション ビューを定義せずにカスタム コードを作成する場合

一般的に、アダプタのインタフェースをカスタム コードで作成するのは以下のような場合に限ります。

この使用例では、JCA 1.0 アダプタを直接 WebLogic Server で使用していることを前提としています。このような場合、JCA CCI. に対して直接コーディングを行います。このようにすると、アプリケーション ビューや WebLogic Integration の機能を使用する必要がありません。

EIS のメタデータ、スキーマ、リポジトリ

EIS では、それぞれ独自のインタフェースを使用して、サービス要求やイベント通知を処理します。たとえば、SAP で使用されている BAPI インタフェースでは、BAPI の要求および応答のパラメータと構文を定義します。EIS ごとに、アプリケーションを EIS に統合する際に使用できるメタデータが EIS インタフェースで定義されます。EIS は、データをパブリッシュして、インタフェースのルールおよびメタデータで指定されているフォーマットで要求を受信します。

スキーマ

実行時に、EIS とアダプタは、サービス要求、サービス応答、イベントを XML ドキュメントで交換します。アダプタは、設計時に定義済みのスキーマを使用して XML と EIS フォーマットの間でデータをマップすることにより、XML ドキュメントと EIS フォーマットの間のデータ変換を処理します。

設計時に、アプリケーション ビューでコンフィグレーションした各サービスの要求スキーマと応答スキーマ、各イベントのイベント スキーマを定義します。SAP など一部のアダプタでは、BEA Application Explorer を使用できます。これについては「BEA Application Explorer」で説明します。その他のアダプタでは、スキーマを手動で作成する必要があります。特定のアダプタのスキーマを定義する方法については、ご使用のアダプタのユーザ ガイドの「Generating Schemas」の章を参照してください。

リポジトリ

必要なスキーマを作成したら、それらをイベントおよびサービスと関連付けるマニフェスト ファイルと共に、ファイルベースのリポジトリに保存します。Application Integration Design Console でアプリケーション ビューをコンフィグレーションするときは、アプリケーション ビューが必要に応じてスキーマを検索できるように、リポジトリの場所を指定します。詳細については、ご使用のアダプタのユーザ ガイドの「Defining Application Views」の章を参照してください。

 


統合ソリューションのツール

この節では、EIS 統合に関連する統合ソリューションを設計およびデプロイするための、以下のツールについて説明します。

BEA Application Explorer

注意 : BEA Application Explorer は、一部の BEA WebLogic アダプタでのみ使用します。このツールを使用する必要があるかどうかは、使用しているアダプタのドキュメントを参照してください。

BEA Application Explorer は、サービスおよびイベントのスキーマ生成に使用できる設計時ツールです。BEA Application Explorer では、アプリケーション システム環境に関する詳細な情報を組み込んで、EIS の特定のビジネス オブジェクトでメタデータのクエリが行われます。そのメタデータを使用して、選択したサービスまたはイベントの構築に必要なスキーマ (サービスの要求スキーマと応答スキーマおよびイベントのイベント スキーマ) が生成されます。スキーマの概要については、「EIS のメタデータ、スキーマ、リポジトリ」を参照してください。

特定のアダプタのスキーマを定義する方法については、ご使用のアダプタのユーザ ガイドの「Generating Schemas」の章を参照してください。

Application Integration Design Console

Application Integration Design Console は、アプリケーション ビューの構築およびサービスやイベントのコンフィグレーションに使用する設計時ツールです。イベントごと、またはサービスごとに、Application Integration Design Console を使用して、接続設定およびその他の関連情報をコンフィグレーションすることができます。

Application Integration Design Console を使用したアプリケーション ビューの作成方法については、ご使用のアダプタのユーザ ガイドの「Defining Application Views」の章、および『Application Integration Design Console の使い方』の「Application Integration の概要」にある「アプリケーション ビューの定義」を参照してください。

BEA WebLogic Workshop

BEA WebLogic Workshop は、BEA WebLogic Platform 上でエンタープライズクラスのアプリケーションを構築するための統合開発環境です。WebLogic Workshop は、ビジネス プロセス、Web サービス、ポータルを構築するための設計時ツールであると同時に、ビジネス プロセスを実行するための実行時環境でもあります。

BEA WebLogic Workshop は EIS への統合メカニズムとして以下を提供します。

詳細については、WebLogic Workshop ヘルプ システムの「ビジネス プロセスを開始する」を参照してください。

WebLogic Integration Administration Console

WebLogic Integration Administration Console を使用すると、デプロイ済みのアプリケーション ビューおよびアダプタ インスタンスを管理できます。アプリケーション ビューごとに、管理者は、以下のような管理タスクを実行できます。

アダプタ インスタンスごとに、管理者は、以下のような管理タスクを実行できます。

コンソールの詳細については、『WebLogic Integration ソリューションの管理』を参照してください。この情報は、WebLogic Integration Administration Console のヘルプにも掲載されています。

 


サービスおよびイベントの実行時処理

この節では、アダプタで実行時にサービスおよびイベントを処理する方法を概説します。内容は以下のとおりです。

この節の手順では、プログラマ以外を対象として各プロセスの概要を説明します。サンプル コードについては、『Application Integration Design Console の使い方』の「カスタム コードの記述によるアプリケーション ビューの使用」にある「サンプルの Java クラスのコード」を参照してください。

ここに示す手順では、アダプタ インスタンスという用語を使用します。1 つのアダプタ インスタンスでは、ゼロ個または 1 個のイベント接続と、ゼロ個以上のサービス接続が定義されます。アダプタ インスタンスはそれぞれ、RAR ファイルとしてデプロイされる 1 つの基本アダプタに関連付けられます。

実行時のサービス呼び出しの処理

サービス呼び出しは、同期または非同期になります。

同期で呼び出した場合と非同期で呼び出した場合では、サービス呼び出しの処理手順は異なります。

同期サービス呼び出しの処理

この節では、図 2-2 に示す実行時の同期サービス呼び出しの処理を、手順を追って説明します。

図 2-2 同期サービス呼び出しの実行時処理

同期サービス呼び出しの実行時処理

以下の手順では、実行時の同期サービス呼び出しの処理方法を概説します。

  1. クライアント アプリケーションで、サービス名、アプリケーション名、要求ドキュメントを指定し、特定のアプリケーション ビューの特定のサービスを呼び出します (invokeService メソッド)。
  2. クライアント アプリケーションは、invokeService メソッドに対する戻り値として、応答ドキュメントを指定します。

  3. 呼び出されたサービスに基づいて、アプリケーション ビューのクライアント インスタンスは、アダプタ インスタンスで定義されている接続ファクトリから EIS への接続を取得し、EIS への接続を確立します。
  4. アプリケーション ビューのクライアント インスタンスは、アダプタにサービス要求を実行することを要求します (execute メソッド)。
  5. 要求ドキュメントを受信すると、アダプタでは次の処理が行われます。
    • このサービス用にコンフィグレーションされた要求スキーマを使用して、要求ドキュメントを適切な EIS フォーマットに変換する。
    • EIS の適切な通信技術を使用して、要求を EIS に対して発行する。
  6. EIS が要求を処理して応答を返します。
  7. 応答ドキュメントを EIS から受信すると、アダプタでは次の処理が行われます。
    • このサービス用にコンフィグレーションされた応答スキーマを使用して、応答を XML フォーマットに変換する。
    • 応答ドキュメントをクライアントに返す。
  8. クライアントは、invokeService メソッドに対する戻り値として応答ドキュメントを受信し、適宜処理します。

非同期サービス呼び出しの処理

この節では、実行時の非同期サービス呼び出しの処理を、手順を追って説明します。非同期サービス呼び出しは、次の 2 つのうちいずれかの方法で開始できます。

図 2-3 は、実行時の非同期サービス呼び出しの処理方法を示しています。

図 2-3 非同期サービス呼び出しの実行時処理

非同期サービス呼び出しの実行時処理

以下の手順では、実行時の非同期サービス呼び出しの処理方法を概説します。

  1. クライアント アプリケーションで、サービス名、アプリケーション名、要求ドキュメントを指定し、特定のアプリケーション ビューの特定のサービスを呼び出します。
  2. 要求ドキュメントが JMS キューに入ります。
  3. Application Integration フレームワークに含まれるメッセージ駆動型 Bean が、要求ドキュメントを JMS キューから引き出して、アプリケーション ビューのサービスを呼び出し、これによってアダプタが呼び出されます。
  4. 要求ドキュメントを受信すると、アダプタでは次の処理が行われます。
    • 要求ドキュメントを適切な EIS フォーマットに変換する。
    • 要求を EIS に発行する。
  5. EIS が要求を処理して応答を返します。
  6. 応答ドキュメントを EIS から受信すると、アダプタでは次の処理が行われます。
    • 要求 ID を取得して、応答を該当する要求 ID と照合する。
    • このサービス用にコンフィグレーションされた応答スキーマを使用して、応答を XML フォーマットに変換する。
  7. アダプタからコールバック メソッドを使用して応答ドキュメントがクライアント アプリケーションに返されると、応答ドキュメントがクライアント アプリケーションに戻ります。
  8. クライアント アプリケーションが応答ドキュメントを受信し、適宜処理します。

実行時のイベント通知の処理

この節では、実行時のイベント通知の処理を、手順を追って説明します。イベント通知は常に非同期で、2 つの送り先にパブリッシュされます。

設計時に、これらのいずれかの送り先でイベントをリスンするようにイベント コンシューマをコンフィグレーションする必要があります。さらに、特定の送り先にイベント メッセージを送信しするように EIS をコンフィグレーションし、アダプタが EIS 固有の通信プロトコルを使用してイベント メッセージを受信できるようにする必要もあります。

図 2-4 は、実行時のイベント通知の処理方法を示しています。

図 2-4 イベント通知の実行時処理

イベント通知の実行時処理

以下の手順では、実行時のイベント通知の処理方法を概説します。

  1. アダプタが EIS からイベント メッセージを受信します。
  2. アダプタが、このイベント用にコンフィグレーションされたイベント スキーマを使用して、イベント メッセージを適切な XML フォーマットに変換します。
  3. イベント ジェネレータが、メッセージを受信してイベント ルータにポストします。
  4. イベント ルータが、イベント メッセージをイベント エンドポイントに転送します。
  5. イベント エンドポイントが、イベント XML ドキュメントを次の 2 つの送り先に送信します。
    • WebLogic Integration メッセージ ブローカ。メッセージ ブローカ チャネルのサブスクライバに配信する場合。サブスクライバは、メッセージ ブローカ サブスクリプション コントロール、またはメッセージ ブローカ静的サブスクリプション (ビジネス プロセスの場合のみ) を使用します。
    • Application Integration イベント トピック (WLAI_EVENT_TOPIC)。このトピックをリスンしているリモートまたはローカルの Application Integration クライアントに配信する場合。
  6. イベントにサブスクライブしていたコンシューマが、イベントの XML ドキュメントを受信して、適宜処理します。

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