概要

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WebLogic Server Process Edition の概要

WebLogic Server Process Edition は、既存のリソースを効果的にサービス化し、プロセス駆動型開発によって複合サービスを作成し、これらの複合サービスを拡張して他のアプリケーションや技術と対話できるようにするために必要な技術とツールを提供します。これらのフェーズごとに、プロジェクト レベルとエンタープライズ レベルの両方のアーキテクチャにとって効果的な、明確で予測可能な手順を使用することができます。

以下の節では、WebLogic Server Process Edition の主要な機能、WebLogic Server Process Edition ライセンスを購入すると使用できる WebLogic オプションの詳細、WebLogic Server Process Edition の概要について説明します。

 


主な機能

次の表に、WebLogic Server Process Edition の主要な機能と各機能の利点を示します。

表 1-1 WebLogic Server Process Edition の主要な機能 
機能
利点
既存のリソースのサービス化
Apache Beehive コントロール フレームワーク上に構築された拡張可能なコントロール アーキテクチャ
詳細については、「Beehive コントロールの操作」と Apache Beehive のドキュメントの「Controls: Getting Started」を参照
  • データベースなどのリソースへにアクセスできる。
  • 他のアプリケーションで再利用するロジックをカプセル化する。
  • 他のアプリケーション コードと分離したいロジックをモジュール化する。
  • Java 5 のアノテーションを使用してコントロール プロパティを設定できる。
  • システム コントロールを使用して、ビジネス ロジックのカプセル化と、データベース、Web サービス、EJB、JMS メッセージ キュー、レガシ アプリケーションなどのエンタープライズ リソースにアクセスするためのメカニズムが提供される。
  • カスタム コントロールを使用して、リソースへのアクセスのカスタマイズと、一部のアプリケーション機能のカプセル化を行うためのメカニズムが提供される。カスタム コントロールを設計することで、アプリケーションのあらゆるタスクを行うことが可能。
リソースへの接続性
詳細については、「Beehive コントロールの操作」と「アダプタの開発」を参照
  • データベース、EJB、JMS、Web サービス、MQSeries、.NET、Tuxedo、ファイル システム、および電子メールにすぐに接続できる。
  • 主なエンタープライズ アプリケーションとテクノロジに対する追加の J2CA ベースの構築済みアダプタ (オプション) が提供される。
プロセス駆動型開発によるサービスの統合
複合サービスのためのプロセス モデリング
詳細については、 「ビジネス プロセス構築ガイド」を参照
  • 複雑な複合サービスのシナリオをドラッグ アンド ドロップ操作でグラフィカルに作成し、デザイン ビューとソース ビュー間の双方向編集を使用してプロセス モデルを構築、表示、および変更できる。
  • プロセス駆動型の複合サービスを使用して高度な Web サービス統合シナリオを実行する。
  • Web サービスとして自動的にアクセスでき、他の Web サービスの呼び出しや他の Web サービスへの応答を簡単に実行できる。また、Business Process Execution Language (BPEL) にエクスポートできる。
  • 非同期通信やライフサイクル イベント、セキュリティ、トランザクションなどが組み込みでサポートされる。
  • 同期通信や非同期通信、分岐、ネスト、ループ、並列処理、グループ化、例外処理などの実証済みプロセス処理がサポートされる。
  • Java に対するプロセス定義 (PD4J-JSR 207) に基づき、XML でのプロセス フローとロジック実行用の Java のグラフィカルな表現がシームレスに統合される。
プロセスのモニタと管理
詳細については、『WebLogic Integration Administration Console の使用』にある「プロセス コンフィグレーション」と「プロセス インスタンスのモニタ」を参照
  • プロセス タイプの情報を表示し、特定のプロセス コンフィグレーションを検索できる。
  • プロセス タイプのプロパティ、プロセスのセキュリティ ポリシー、およびプロセス コントロールとサービス ブローカ コントロールのコントロールの属性を動的に設定する際に使用するセレクタを表示または更新できる。
  • バージョン管理されていないプロセスをアクティブまたは非アクティブにできる。
  • 新しくデプロイされたプロセス バージョンをアクティブにする時間をコンフィグレーションできる。または前のバージョンにロールバックできる。
  • 対話型または印刷可能なプロセス タイプ グラフを表示できる。
  • システム状態を表す統計の概要、および選択したインスタンスのステータスの概要または詳細を表示できる。
  • インスタンスを終了またはサスペンドできる。以前サスペンドしたインスタンスを再開できる。凍結したインスタンスを凍結解除できる。
統合のための構築
統合開発環境と実行時フレームワーク
  • 単一のツール、実行時フレームワーク、およびプログラミング モデルを使用して、カスタム Java コントロール、アプリケーション、および Web サービスを含むすべてのエンタープライズ サービスを統合できる。
  • Web アプリケーションと BEA WebLogic Portal との相互運用性を利用して、カスタマイズされたエンタープライズ ポータルを簡単に作成および管理できる。
  • ワン ボタンでのデプロイ、統合デバッガ、および自動化されたテスト ハーネスにより、コードの記述からアプリケーションのテストに直ちに切り替えることができる。
Web サービス
詳細については、『BEA Workshop for WebLogic Platform プログラマーズ ガイド』の「Workshop for WebLogic による Web サービスの構築」を参照
  • 状態管理、メッセージの相関、および会話のライフサイクルを自動的にサポートし、非同期対話モデルを処理できる。
  • 標準的で柔軟なテクニックを使用した XML と Java 間の変換を可能にするビジュアル ツールとの緩やかな結合をサポートできる。
  • 高レベルの適度に詳細なメッセージを使用して、スケーラビリティと使いやすさを向上させる。
  • トランスポートレベルのセキュリティとメッセージベースのセキュリティ (認証、署名、暗号化) によりアプリケーションを保護する。
  • SOAP インターセプタ モードを介して拡張および統合できる。
データ トランスフォーメーション
詳細については、『XQuery Mapper を使用したデータの変換』を参照。
  • トランスフォーメーションをコントロールとしてパッケージできる。これをリソースとして扱い、複数のプロセスおよび統合ソリューションで再利用できる。
  • 入出力のデータ型が XML データ、XML 以外のデータ、Java プリミティブ、Java クラスのどれであっても、データをトランスフォーメーションできる。
  • XML Bean を介したネイティブ XML 構造の豊富な機能へのアクセスを失うことなく、XML データを便利な Java オブジェクトベースで表示できる。
  • XSLT および XQuery などのデータ トランスフォーメーションの最新の業界標準がサポートされる。
標準のサポート
詳細については、「標準」を参照
  • SOAP 1.2 や WSDL 1.2、UDDI 2.0、WS-Security などの最新の標準がサポートされる。
  • JSR-175 標準に基づいたアノテーションが使用できる。
  • 新しい XML Beans、XML Schema、および XQuery 標準に基づく XML 生産性向上ツールがサポートされる。
  • セッション Bean とエンティティ Bean 用のデザイン ビューを含む Enterprise Java Bean (EJB) の開発とデプロイメントが広範囲にわたってサポートされる。
  • Apache のオープン ソースである Struts フレームワークに基づく Web アプリケーションを実装できる。
  • プラットフォーム間の相互運用性を高めるための BPEL のエクスポートがサポートされる。
エンタープライズ クラスの基盤
 
業界トップのアプリケーション サーバ
  • 堅牢な J2EE 認定アプリケーション サーバの機能によるエンタープライズ クラス アプリケーションのための基幹機能とインフラストラクチャ (セキュリティ、システムの管理とモニタ、クラスタ使用によるフェイルオーバ、パフォーマンス、スケーラビリティ、トランザクション) が提供される。
  • アプリケーションに対して完全に透過的なネイティブ クラスタリングを使用できる。
  • 過酷なエンタープライズ環境で実証済みのスケーラビリティと信頼性を備える。
  • ミッション クリティカルなアプリケーションで、ユーザに対するサービスが中断しないことを確保できる。インメモリ レプリケーションを使用することにより、高い可用性を確保しながら大規模なクラスタを拡大できる。
  • クライアント、データベース、アプリケーション アダプタ、およびメッセージ ファクトリとの通信を確立するために必要なさまざまなタイプの接続を再利用できる。
  • 企業のニーズに自信を持って答えられる実証済みのパフォーマンス、スケーラビリティ、柔軟性、クラスタ化、セキュリティ、トランザクション管理、および信頼性を提供する。

 


インストール

WebLogic Server Process Edition をインストールするための個別の手順はありません。機能を使用できるかどうかは、インストールする WebLogic Platform 製品のコンポーネントとライセンスによって決まります。

WebLogic Server、WebLogic Workshop、および WebLogic Integration (WebLogic Server Process Edition の機能が依存する WebLogic Platform のコンポーネント) をインストールすると、インストールされたコンポーネントの完全な開発フレームワークを有効にする開発ライセンスもインストールされます。

WebLogic Server Process Edition の機能を有効にするには、WebLogic Server Process Edition ライセンスをインストールする必要があります。

開発環境では、WebLogic Workshop IDE で使用できる機能は、次の要素によって決まります。

WebLogic Integration をインストールして WebLogic Integration ドメインで実行した場合、WebLogic Workshop IDE では、WebLogic Server Process Edition によってサポートされているコントロールやその他の機能だけではなく、WebLogic Server Process Edition 製品ライセンスではサポートされていない WebLogic Integration の機能にもアクセスできます。サポートされていない機能の使用を回避するために、次の節で説明する機能のみを使用することで、開発環境を制限する必要があります。

 


機能

WebLogic Server Process Edition 製品ライセンスでは、WebLogic Server Premium のすべての機能に加え、WebLogic Integration で使用できるビジネス プロセス管理、データ トランスフォーメーション、およびプロセス モニタの各機能を使用できます。WebLogic Server Process Edition には、WebLogic Integration で使用できるメッセージ ブローカ、ワークリスト、Application Integration フレームワーク、および Trading Partner Integration の各機能は含まれません (さまざまな機能の組み合わせについては、「ライセンス」を参照)。

次の表に、WebLogic Server Process Edition と WebLogic Integration の違いを示します。

表 1-2 機能比較一覧 
カテゴリ
機能
WebLogic Server Process Edition
WebLogic Integration
ビジネス プロセス
ステートレスなプロセスのモデリングと自動化

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

ステートフルなプロセスのモデリングと自動化

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

Web アプリケーション ベースの人との対話

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

タスク ベースの人との対話 (ワークリスト)

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

ビジネス カレンダー

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

データ トランスフォーメーション
XML および Java のデータ トランスフォーメーション

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

非 XML データのトランスフォーメーション

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

非 XML データのトランスフォーメーション用フォーマット ビルダ

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

Application Integration
iWay 5.5 アダプタを介したアプリケーション接続

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

BEA WebLogic アダプタを介したアプリケーション接続

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

Application View Design Console

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

アダプタ開発キット

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

RDBMS アダプタ

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

メッセージ ブローカ
プロセス間パブリッシュ/サブスクライブ

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

外部イベント用イベント ジェネレータ

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

BPEL インポートとエクスポート
BPEL 1.1 仕様のサポート

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

イベント ジェネレータ
ファイル

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

電子メール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

HTTP

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

JMS

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

MQSeries

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

TIBCO

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

タイマー

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

Trading Partner Integration
B2B プロトコル (ebXML、RosettaNet など)

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

トレーディング パートナ管理

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Integration Administration Console モジュール
システム コンフィグレーション

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

ユーザ管理

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

プロセス コンフィグレーション

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

プロセスのモニタ

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

メッセージ ブローカ管理

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

イベント ジェネレータ

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

ワークリスト管理

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

アプリケーション統合管理

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

トレーディング パートナ管理

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

ビジネス カレンダーのコンフィグレーション

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

Integration コントロール
ファイル コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

 
電子メール コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

Http コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

WLI JMS コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

サービス ブローカ コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

動的トランスフォーメーション コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

プロセス コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

MQSeries コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

メッセージ ブローカ コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

TPM コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

アプリケーション ビュー コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

ワークリスト コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

XML メタデータ キャッシュ コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

TIBCO Rendezvous コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

RosettaNet コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

ebXML コントロール

WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

 


コンポーネント

WebLogic Platform には、次の図に示すように、多数のコンポーネント製品があります。これらのコンポーネントを組み合わせて、または単体で使用して、アプリケーションを構築できます。

図 1-1 WebLogic Platform コンポーネント製品

WebLogic Platform コンポーネント製品

業界をリードする J2EE アプリケーション サーバである BEA WebLogic Server は、セキュリティ、トランザクション管理、フォールト トレランス、永続性、クラスタリングなど、統合ソリューションの開発に不可欠なインフラストラクチャを提供します。

WebLogic Server を基底のデプロイメント環境として利用することにより、WebLogic Integration では、Web サービスを使用して組織内外の分散システムを統合できるほか、BEA Workshop for WebLogic Platform フレームワークを利用してアプリケーション開発を簡素化することができます。

WebLogic Integration は、BEA Workshop for WebLogic Platform 環境でシームレスに機能します。WebLogic Integration は、BEA Workshop for WebLogic Platform の機能を使用して、アプリケーションの堅牢な開発ツールおよび拡張ツールを提供します。WebLogic Integration のグラフィカル ツールを使用して、ビジネス プロセスを編集したり、人間が関与するタスクのプランを編集したりすることができます。これらのツールは、コントロール、Web サービス、およびポータル構築ツールと同じ BEA Workshop for WebLogic Platform 環境で使用できます。

WebLogic Server Process Edition には、Eclipse 3.1.2 ベースの IDEフレームワークが備わっています。

上の図に表示されている製品コンポーネントの詳細については、WebLogic Platform 9.2 のドキュメントを参照してください。


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