ヒントと注意事項

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WebLogic Integration のヒントと注意事項

Workshop ベースの WebLogic Integration (WLI) 8.x IDE と Eclipse ベースの WLI 9.2 IDE におけるアプリケーションの開発にはいくつかの重要な違いがあります。このドキュメントでは、WLI 8.x 環境での作業に慣れたユーザが WLI 9.2 IDE でのアプリケーションの開発に移行するために役立つヒントと注意事項を示します。

内容は以下のとおりです。

 


WLI 8.x IDE と WLI 9.2 IDE の違い

WLI 9.2 の統合開発環境 (IDE) は、Eclipse 3.1.1 を使用する BEA Workshop for WebLogic Platform 9.2 を基盤としており、以下で示す点が WLI 8.x IDE とは異なります。

プロジェクト構造

WLI 8.x アプリケーションには、情報およびその他のサブプロジェクト (スキーマ プロジェクト、Web プロジェクト、ejb プロジェクトなど) が含まれており、それらは階層構造になっていました。9.2 の WLI アプリケーションはフラットな構造であり、EAR プロジェクト、1 つまたは多数の Web プロジェクト、および 1 つまたは多数のユーティリティ プロジェクトで構成されています。

各プロジェクトでは、WLI 9.2 の他の関連プロジェクトへの参照が保持されています。プロセス アプリケーション ウィザードを使用して WLI 9.2 アプリケーションが作成されるときに、これらの参照はすでに確立されています。WLI 9.2 でプロジェクトがインポートされる場合は、そのような参照を手動で更新する必要があります (「プロジェクト依存関係の管理」を参照)。

WLI 9.2 アプリケーションでは、EAR プロジェクトがアプリケーションの中心になります。このプロジェクトは EAR (エンタープライズ アーカイブ) ファイルの作成に使用され、以下のものが含まれます。

注意 : アプリケーション内のすべてのプロジェクトで使用できる必要のあるライブラリは、<EAR プロジェクト>/EarContent/APP-INF/lib に格納してください。

WLI 9.2 アプリケーションの Web プロジェクトには、プロセス、コントロール、XQ ファイル、メッセージ ブローカ、およびトランスフォーメーション ファイルが含まれています。ユーティリティ プロジェクトには、スキーマ、xml、および WSDL が含まれています。

プロジェクトの作成時には、以下の一部またはすべてを行う必要があります。

上記のオプションは、プロジェクト作成時にファセットを選択することで指定されます。基本的に、各プロジェクトにはタイプごとに固有のファセットがあり、対応するビルダやバリデータなどを割り当てます。また、プロジェクトのファセットは、最初に作成された後に追加および削除することもできます。プロジェクトのファセットを編集するには、[プロジェクト|プロパティー|Project Facets] を選択します。

注意 : プロセスは、Weblogic Integration プロセス ファセット (process-enabled) が追加されている WEB プロジェクトでのみ作成できます。同様に、ワークリスト タスク プランは、WebLogic Integration Worklist アプリケーション モジュール ファセット (worklist-enabled) が追加されている EAR プロジェクトでのみ作成できます。

表 1 は、さまざまな情報とその場所を示しています。

表 1 情報
WLI コンポーネント
情報
プロジェクト
フォルダ/パッケージ
Process
xxxProcess.java
Web
src/processes パッケージ
Controls
xxxCtrl.java
Web
src/controls パッケージ
Data Transformation
xxxDtf.java
Web
src/processes パッケージ
Web Services
xxxJws.java
Web
src/processes パッケージ
Message Broker
xxx.channel
Web/Util
src/processes パッケージ
Task Plans
xxx.taskplan
Ear
EarContent/<フォルダ>
XML Schema
xxx.xsd
Web/ユーティリティ
src/schemas パッケージ
WSDL
xxx.wsdl
Web/ユーティリティ
src/schemas パッケージ
XQ
xxx.xq
Web
src パッケージ
Eclipse ベースのプロジェクト

WLI 9.2 アプリケーションとそれらのプロジェクトは Eclipse に依存しています。WLI 8.x アプリケーションとは異なり、単にコピーするだけではプロジェクトをシステム間で移動することはできません。9.2 では、インポート ウィザードの [既存プロジェクトをワークスペースへ] オプションを使用してプロジェクトをワークスペースにインポートする必要があります。

ファイル拡張子

WLI 8.x では、さまざまなタイプの WLI の情報には固有のファイル拡張子 (.jpd、.dtf、.jcx など) がありました。9.2 では、特殊な Java ファイルのためのユニークなファイル拡張子 (.jpd、.dtf、.jcx) は存在しません。すべてのファイル拡張子は .java (process.java など) になります。そのため、WLI 9.2 の情報の作成時には、プロセス ファイル、コントロール、およびデータ トランスフォーメーションに、簡単に識別できるような名前を付けることをお勧めします。

注意 : 9.2 では、XQuery ファイルの拡張子は .xq です。
一部のコントロール用のウィザードがない

WLI 9.2 では、一部の Workshop コントロール (JDBC やタイマーなど) 用のウィザードがありません。これらのコントロールをコンフィグレーションするには、ソース ビューまたはアノテーション ビューを使用する必要があります。

DTF デザイン ビューを使用できない

WLI 9.2 には、DTF デザイン ビューがありません。使用できるのはソース ビューだけです。

トランスフォーメーション メソッドをコンフィグレーションするには、ソース ビューを右クリックし、[トランスフォーメーション] を選択し、いずれかのオプション (図 1 を参照) を選択します。

図 1 トランスフォーメーション メソッドのコンフィグレーション

トランスフォーメーション メソッドのコンフィグレーション

トランスフォーメーション メソッドを再コンフィグレーションするには、トランスフォーメーション ファイルを開き、ソース ビューでトランスフォーメーション メソッドを選択し、右クリックして [トランスフォーメーションXQuery トランスフォーメーション メソッドの再コンフィグレーション] を選択します。

XQuery

WLI 8.x では XQuery 2002 をサポートしています。WLI 9.2 では XQuery 2004 をサポートしており、XQuery 2002 のサポートは下位互換性のために拡張されています。Xquery ファイルの 8.x から 9.2 へのアップグレードは、XQuery 仕様間の互換性がないために失敗する可能性があります。そのような場合は、アップグレードされた Xquery ファイルを手動で修正します (「アップグレードされた XQuery 実装をサポートするための XQuery の使用の更新」を参照)。

反復的開発

WLI 9.2 では、プロセス ファイルのインタフェースが変更された場合に、他のすべての依存情報 (このプロセス ファイル以外で生成されたプロセス コントロール、このプロセス ファイルから生成された WSDL など) を再作成する必要があります。また、WLI 8.x とは異なり、反復的開発では自動的にアプリケーションが再デプロイされません。

タスク コントロールの場合は、タスク プランを変更するたびにタスク コントロールを再生成して、プロセス内で再利用する必要があります。

標準

WLI 8.x では、Javadoc コメント スタイルのアノテーションを使用します。WLI 9.2 では、Java 5 アノテーションが使用されます。そのため、WLI 8.x アプリケーションをアップグレードする場合に、アプリケーション内のアノテーションが 9.2 アノテーションに変換されます。一部の 8.x アノテーションは、WLI 9.2 アノテーションへの変換時にエラーを発生させる可能性があるため非推奨です。このようなアノテーションは手動で修正する必要があります (「アノテーションのアップグレード」を参照)。

サンプル アプリケーションのシステム スキーマのアップグレード

WLI 8.x の Schema Builder を使用すると、ネームスペースが指定されていない場合でもサンプル アプリケーションをビルドできます。WLI 9.2 の Schema Builder では空のネームスペースをサポートしていません。WLI 8.x から envelope.xsd をインポートする場合は、いくつかのエラーが発生します。

これらのエラーを修正するには、以下のいずれかを実行します。
XQuery Mapper のテスト ビュー

WLI 8.x の XQuery Mapper のテスト ビューはスタンドアロン テスタではないため、実行中の WLI サーバが必ず必要です。しかし、WLI 9.2 の XQuery Mapper のテスト ビューはスタンドアロン テスタであるため、プロセス ファイル コンテナ内では実行されません (WLI 9.2 サーバが実行されているかどうかは問題ではありません。XQuery Mapper テスタでは WLI 9.2 サーバを使用しません)。これは、設計上、XQuery Mapper が WLI 以外の BEA Products で使用されるためです。

 


複雑なアプリケーションのパフォーマンス設定

メモリを大量に消費する複雑なアプリケーションを開発する場合は、BEA_HOME ディレクトリにある workshop4wp.ini ファイル (例 : C:\bea\workshop92\workshop4WP.ini) 内のメモリのパラメータを以下のように変更することにより JVM 設定を変更します。

注意 : 上記の設定は推奨値です。自身のマシンに最適な設定を計算することができます (「コンフィグレーションの要件」を参照)。

 


ガイドライン

WLI アプリケーション作成時のガイドライン
  1. 規模の大きいプロセスで作業を行う場合は、複数のサブプロセスに分割することをお勧めします (各サブプロセスも本質的にはプロセスです)。開発者は、各サブプロセスで作業を行うことができます。後で、中心となるプロセスからすべてのサブプロセスを呼び出すことができます。
  2. WLI 9.2 には、プロセス ファイルと Worklist アプリケーションに必要なプロジェクトの作成に役立つプロジェクト ウィザードが用意されています。多くのアプリケーションでは、ビジネス プロセスとタスク プランが対話する可能性があります。そのようなシナリオでは、以下の手順でプロジェクトを作成し、Worklist のファセットをプロジェクトに追加することをお勧めします。
    • Ear プロジェクトを右クリックし、[プロパティー|Project Facets|Add/Remove Project Facets] に移動し、[WebLogic Integration Worklist アプリケーション モジュール] を選択して [終了] をクリックします。
    • Web プロジェクトを右クリックし、[プロパティー|Project Facets|Add/Remove Project Facets] に移動し、[WebLogic Integration Worklist アプリケーション モジュール] と [Beehive NetUI 1.0] を選択して [終了] をクリックします。
    • Ear プロジェクトの EarContent の下にフォルダを作成し、EarContent フォルダ内にタスク プランを作成します。
    • Worklist のファセットをプロセス プロジェクトに追加すると、同じアプリケーションにプロセス ファイルとタスク プランを作成できます。

  3. 特定の情報 (プロセス ファイル、XQ、または Worklist) に移動するたびに、適切なパースペクティブ (それぞれプロセス、XQuery トランスフォーメーション、およびタスク プラン) 内であることを確認してください。たとえば、プロセス ファイルから XQuery ファイルに移動すると、パースペクティブは自動的には XQuery トランスフォーメーション パースペクティブに変更されません。
  4. CVS で作業している場合は、以下のことを確認してください。
  5. 以下のディレクトリをソース管理にチェック インしないでください。(これらのディレクトリおよびファイルの一部はすべてのプロジェクト内に存在します)。

    • .metadata (workspace-level)
    • build (project-level フォルダ。すべての Web プロジェクトとユーティリティ プロジェクトでは、build フォルダを除外する必要があります)
    • templib (project-level。すべての Web プロジェクトとユーティリティ プロジェクトでは、templib フォルダが存在する場合は、除外する必要があります)
    • .apt_src (project-level。すべての Web プロジェクトとユーティリティ プロジェクトでは、.apt_src フォルダを除外する必要があります)
    • .xbean_src と .xbean_bin (project-level。XMLBeans Builder が有効なプロジェクトの場合のみ)
    • 以下のディレクトリとファイルは、ソース コントロールに含める必要があります (これらのディレクトリおよびファイルの一部はすべてのプロジェクト内に存在します)。

    • .settings/* (project-level)
    • .classpath (project-level)
    • .factorypath (project-level)
    • .project (project-level)
    • .datasync-project (project-level)
    • このプロジェクトを別のマシンから使用する場合は、次の手順を実行します。

    • 空のワークスペースを開きます。
    • 右クリックして [インポート|既存プロジェクトをワークスペースへ] を選択し、アプリケーションを開きます。
    • ワークスペース (最上位のフォルダ) を選択します。すべてのプロジェクト フォルダがダイアログ ボックス内に表示されます。
    • 必要なフォルダを選択し、[OK] をクリックします。すべてのフォルダがインポートされ、ビルドが開始されます。
    • 注意 : 「ライブラリ モジュール参照 beehive-controls-1.0 は、依存プロジェクトのクラスパスにありますが、この EAR プロジェクトには含まれていません」などのエラーが表示されることがあります。その場合は、クリーン アップしてから再度ビルドを行ってください。それでも解決しない場合は、同じワークスペースに切り替えてからビルドすると、エラーは表示されなくなります。
  6. 開発プロセスでは、別の開発者のシステムにリソースを転送する必要がある場合があります。そのような転送の場合には、移植可能な ZIP ファイルを作成します。移植可能なワークスペース ZIP ファイル (ワークスペースとプロジェクトを含む) を手動で作成する場合や、Ant タスクから作成する場合は、以下のディレクトリを除外してください。
    • .metadata (workspace-level)
    • build (project-level フォルダ。すべての Web プロジェクトとユーティリティ プロジェクトでは、build フォルダを除外する必要があります)
    • templib (project-level。すべての Web プロジェクトとユーティリティ プロジェクトでは、templib フォルダが存在する場合は、除外する必要があります)
    • .apt_src (project-level。すべての Web プロジェクトとユーティリティ プロジェクトでは、.apt_src フォルダを除外する必要があります)
    • .xbean_src と .xbean_bin (project-level。XMLBeans Builder が有効なプロジェクトの場合のみ)
    • Workshop for WebLogic を使用して移植可能な ZIP ファイルを作成する場合は、[ファイル|エクスポート|アーカイブ・ファイル|次へ] を選択します。左側のペインで、含めるプロジェクトを選択します。ただし、各プロジェクト内の以下のディレクトリは除外してください。

    • build
    • templib
    • .apt_src
    • .xbean_src と .xbean_bin (XMLBeans Builder が有効なプロジェクトの場合のみ)
    • ワークスペースに複数のプロジェクトがある場合に元のディレクトリ構造を保持するには、[ファイルのディレクトリー構造を作成] をクリックします。

      ZIP ファイルを解凍してワークスペースを使用するには、[ファイル|インポート|既存プロジェクトをワークスペースへ] を選択し、アーカイブ ファイル オプションを選択して ZIP ファイルを指定します (「サンプル ワークスペースを開く」を参照)。

アプリケーション開発段階のガイドライン
  1. WTP に関連付けられた XML バリデータと WSDL バリデータでは、プロジェクト内で使用可能な XML と WSDL でエラーが表示されることがあります。WLI 対応のユーティリティ プロジェクトと Web プロジェクトで XML バリデータと WSDL バリデータのチェック ボックスのチェックをはずして、それらのバリデータを無効にしてください。
  2. ノード エディタで [トランスフォーメーション|トランスフォーメーションの作成] オプションをクリックすると、デフォルト名のトランスフォーメーション ファイル (たとえば、RequestQuoteTransformation.java) とデフォルト名のメソッド (たとえば、availProcessorGetAvail) が生成されます。このようなトランスフォーメーション ファイルには、システムが生成した名前が付いているため、共有がしにくくなります。システムが生成した名前を編集する場合は、これらのファイルへのすべての参照をそれに応じて変更してください。
  3. ノード エディタでは、入力と出力を変更してトランスフォーメーションを編集するたびに、新しいシグネチャと新しい XQ ファイルを持つ新しいトランスフォーメーション メソッドが生成されます。これらのトランスフォーメーションをプロセス間で再利用する場合は、ノード エディタ関連のすべてのトランスフォーメーションを含む個別のトランスフォーメーション ファイルを作成することをお勧めします。これにより、ノード エディタの [Advanced Options] ダイアログからトランスフォーメーション メソッドを再利用できます。

  4. デザイン ビューでノードを選択しても特定のノードの一部のアノテーションがアノテーション ビューに表示されない場合は、ソース ビューでそのノードのソース コードを選択してください。これで、アノテーション テーブルに目的のアノテーションが表示されます。
  5. BEA Workshop for WebLogic Platform の複数のインスタンスを開かないでください。
  6. 単純なトランスフォーメーションの場合は、XMLBeans API ではなく XQuery トランスフォーメーションを使用してください。たとえば、EMP XmlBean から EmpID を取得する場合は、その XML Bean オブジェクトで getEmpID() get メソッドを使用するのではなく、ノード エディタを使用して単純な XQuery トランスフォーメーションを作成し、EMP から EmpID を抽出します。
  7. アプリケーションがプロセス中心で、大きい (1 MB まで) スキーマ ファイルを処理する場合は、XMLBeans コンパイラと Eclipse Java ビルダの両方のパフォーマンスが影響して、XMLBeans Builder のビルド時間が許容できないほど長時間にわたる可能性があります。XMLBeans コードのアサーションを無効にすると、XMLBeans コンパイラのパフォーマンスを向上させることができます。アサーションを無効にするには、「-da:org.apache.xmlbeans」という行を workshop92/workshop4WP/workshop4WP.ini ファイルに追加します。
  8. カスタム メソッドをタスク コントロールからプロセス キャンバスにドラッグ アンド ドロップする場合の確認済みの問題があります。推奨されるのは、ソース ビューに移動し、EventHandler アノテーションの eventSet = tmp.TaskC.Callback.class を eventSet = tmp.TaskC.CustomCallback.class に変更する方法です。
アプリケーション ビルド時のガイドライン
  1. WLI IDE 9.2 のビルド プロセスには 2 つのモード (自動と手動) があります。自動ビルド モードでは、リソース (プロジェクト、フォルダ、ファイル) が変更時および保存時にビルドされます。デフォルト オプションは [自動的にビルド] です。パフォーマンスを向上させるために、このオプションをオフにすることができます。[自動的にビルド] を無効にするには、メニュー バーの [プロジェクト] を選択し、ドロップダウン リストで [自動的にビルド] をクリアします。
  2. 開発作業が完了したら、またはビルド関連の問題が発生した場合は、クリーン ビルド操作を実行することをお勧めします。
  3. アプリケーションをビルドする前にプロジェクトを保存してください。デフォルトでは、変更は保存されません。
  4. 現在の作業に直接関連のないプロジェクトを閉じると、ビルドのパフォーマンスが向上する場合があります。

 


参考ドキュメント

詳細については、以下のドキュメントを参照してください。

WLI 関連の情報については、edocs を参照してください。


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