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伝播とは、ポータル ドメイン環境間でデータベースと LDAP コンテンツを移動するプロセスです。BEA には、ポータルの伝播に役立つツールがあります。これらのツールを使用すると、データベース資産および LDAP の情報を移動するだけでなく、ソース環境と対象環境の相違点や衝突の可能性について知ることができます。衝突を自動的に解決するためのポリシーを定義したり、管理者が相違点を表示して、状況に応じて適切なアクションを決定したりすることができます。
伝播ツールの詳細については、『プロダクション業務ガイド』を参照してください。また、このプロダクション業務ガイドでは、伝播の方法を計画する手順およびベスト プラクティスについても詳しく説明しています。
この章では、ポータルを公開する準備ができて、ステージング環境からプロダクション環境へポータルを伝播 (デプロイ) する際に役立つ情報について説明します。
この章で使用する主なツールは、WebLogic Portal 伝播ツール (ステージング、開発、プロダクション間でデータベースと LDAP のデータをやり取りする)、WebLogic Server アプリケーション デプロイメント ツール、および使用している外部のコンテンツ プロバイダとセキュリティ プロバイダです。
以下の節では、J2EE ライブラリとポータル デプロイメント時のライブラリの動作について詳しく説明します。デプロイメント時の J2EE ライブラリの操作手順については、『プロダクション業務ガイド』を参照してください。
WebLogic Portal 共有ライブラリ間の依存関係を示す詳細なダイアグラムを表示するには、『Shared J2EE Library Dependency Diagrams』を参照してください。
図 12-1 はアプリケーション コードと共有 J2EE ライブラリが分離されている様子を示しています。config.xml
ファイルはドメイン内にあり、Web アプリケーションと J2EE ライブラリ間の関係を指定します。コード リスト 12-1 に、WebLogic Portal ドメインにある config.xml
ファイルの <library>
要素の例を示します。表示されているように、このライブラリ ファイルは WebLogic のインストール領域に存在する EAR ファイルです。このライブラリは、対象サーバにデプロイされたアプリケーションで利用できます。
<library>
<name>p13n-app-lib#9.2.0@9.2.0</name>
<target>AdminServer</target>
<source-path>D:/bea/weblogic92/common/deployable-libraries/
p13n-app-lib.ear
</source-path>
<deployment-order>1</deployment-order>
<security-dd-model>DDOnly</security-dd-model>
</library>
アプリケーションをデプロイすると、これらの関係によって、アプリケーションと J2EE ライブラリ コードを単一のエンタープライズ アプリケーションにマージする計画が提示されます。
ヒント : | デプロイメント計画を作成すると、ファイルがマージされる際に実行時にマップされる内容をコンフィグレーションできます。デプロイメント計画の詳細については、『プロダクション業務ガイド』を参照してください。 |
共有 J2EE ライブラリについて理解しておくべき最も重要な事柄は、共有 J2EE ライブラリが参照によってアプリケーションに組み込まれることです。WebLogic Portal アプリケーション内には、アプリケーションで必要とされるすべての J2EE ライブラリを参照するコンフィグレーション ファイルがあります。アプリケーションをデプロイすると、ライブラリ ファイルが自動的に配置されてアプリケーションに組み込まれます。
J2EE ライブラリに関する重要なもう一つのポイントは、バージョンに依存しないことです。これは、各 J2EE ライブラリに、モジュールのバージョン番号を記載した記述子ファイルが含まれていることを意味します。デプロイ時に、これらの記述子は自動的に配置、読み込み、およびマージされるため、アプリケーションは、必要とする適切なバージョンの J2EE ライブラリを取得できます。
一連の共有 J2EE ライブラリは、WebLogic Portal ドメインを作成する際にインストールされます。これらの J2EE ライブラリは、そのドメイン内で稼働するすべてのアプリケーションで使用されます。
J2EE ライブラリは個別にデプロイされるため、単一の J2EE ライブラリを置き換えるだけでアプリケーションを容易にアップグレードできます。
アプリケーションに複数の J2EE ライブラリを含めて、それぞれにデプロイメント順序を指定することができます。デプロイメント順序は、複数のライブラリに同じファイルが含まれている場合に、優先するファイル バージョンを特定します(参照アプリケーションに含まれるファイルは、ライブラリ ファイルよりも常に優先されます)。概念的に、J2EE ライブラリはライブラリが含まれるアプリケーションに対する重ね合わせ (より正確には、基礎) と考えることができます。
J2EE ライブラリは、エンタープライズ アプリケーションまたは Web アプリケーション レベルのいずれでもデプロイできます。J2EE ライブラリはライブラリが含まれるアプリケーションと同じファイルおよびディレクトリ構造を使用します。J2EE ライブラリに含まれるファイルは、実質的に、デプロイ時に参照アプリケーションにマージされます。
デプロイメントが完了すると、マージされたアプリケーションは標準の J2EE アプリケーションとして機能します。そのため、ライブラリ内の資産に関するデプロイメント情報は、デプロイメント プロセスの前に (または、デプロイメント プロセスの一環として) 参照元アプリケーションの記述子にマージする必要があります。
J2EE ライブラリは、ライブラリ、リソース、およびコンフィグレーション ファイルを EAR または WAR ファイルにパッケージ化したものです。EAR ベースの J2EE ライブラリはエンタープライズ アプリケーション スコープで、WAR ベースのモジュールは Web アプリケーション スコープです。
図 12-2 は、展開された J2EE ライブラリを示しています。この J2EE ライブラリの名前は p13n-app-lib
です。
META-INF
ディレクトリには Manifest.mf
ファイルがあります (コード リスト 12-2 の例を参照)。このファイルには、アーカイブを J2EE ライブラリとして定義する 3 つの要素があります。
Extension-name
- J2EE ライブラリの名前を指定します。 Specification-Version
- J2EE ライブラリの初期バージョンを指定します。Implementation-Version
- (省略可能) J2EE ライブラリの現在のバージョンを指定します。このバージョン番号は J2EE ライブラリを更新するたびにインクリメントします。アプリケーションをデプロイする際には、デプロイメント記述子によってデプロイする J2EE ライブラリが指定されます。このバージョン番号は、目的のバージョンのモジュールが組み込まれるように、デプロイメント記述子で参照できます。 Manifest-Version: 1.0
Ant-Version: Apache Ant 1.6.2
Created-By: 1.5.0_04-b05 (Sun Microsystems Inc.)
Extension-Name: p13n-app-lib
Specification-Version: 9.2.0
Implementation-Version: 9.2.0
実行時には、ポータル Web プロジェクトの web.xml
ファイルに加えて、すべての共有 J2EE ライブラリの web.xml
ファイルがマージされます。WEB-INF/web.xml
ファイルの内容は共有 J2EE ライブラリの内容をすべてオーバーライドするため、特定の設定の変更が必要な場合は、このファイルで設定することができます。
その他の多くのファイルでも、ファイルの内容がマージされます。これらは、同じようにしてオーバーライドされる場合があります。これらのファイルには、WEB-INF/web.xml
だけでなく、WEB-INF/weblogic.xml
も含まれます。また、ユーザのアプリケーションや共有ライブラリの weblogic-extension.xml
に記載されたすべてのファイルも含まれます。
NULL サーブレット フィルタ (com.bea.p13n.servlets.NullFilter
) または 404 サーブレット (com.bea.p13n.servlets.SendErrorServlet
) をデプロイすると、必要に応じて、共有ライブラリの web.xml
ファイルにデプロイされたサーブレット フィルタやサーブレットを無効にできます。詳細については、「Javadoc」を参照してください。
WebLogic Portal で提供される web.xml
サーブレット マッピングは、J2EE ライブラリ内に存在します。たとえば、showPropertyServlet
は次のモジュールで定義されます。
WebLogic_Home/cm/lib/modules/content-management-web-lib.war
これらのサーブレット マッピングの追加または変更を行う場合には、次のパスにあるポータル Web プロジェクトのファイルベース web.xml
ファイルで、マッピングの追加またはマッピングのオーバーライドを行います。
PortalWebProject/
WebContent/WEB-INF/web.xml
たとえば、URL で /ShowPropertyServlet/* が使用されているときに ShowPropertyServlet を呼び出すには、ファイル システムの web.xml ファイルに次のエントリを追加します。
<servlet-name>ShowPropertyServlet</servlet-name>
<url-pattern>/ShowBinaryServlet/*</url-pattern>
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