チュートリアル - WebLogic Portal 入門

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ポータル開発環境の設定

このチュートリアルでは、ポータル開発用に Workshop for WebLogic 環境を準備する方法を説明します。

この章で使用するウィザードの各ダイアログの詳細については、『ポータル開発ガイド』を参照してください。

 


始める前に

このチュートリアルを始める前に、次を実行します。

 


チュートリアルの手順

このチュートリアルでは、ポータルを開発する Workshop for WebLogic 環境を準備するために必要なタスクを実行します。

このチュートリアルには、以下のタスク実行するための手順が示されています。

実際の開発環境では、このチュートリアルで示す手順どおりに実行する必要はありません。たとえば、他のすべての手順を実行してからポータル ドメインを作成できます。ただし、ポータル プロジェクトの各部分の関係がわかりやすいため、ここで示す手順に従うことをお勧めします。

ポータル ドメインの作成

ポータル ドメインは、ポータルが使用するアプリケーション サーバを含む WebLogic Server リソースの集まりです。作成したポータルをテストするには、WebLogic Portal に対応したサーバ ドメインを用意する必要があります。このカスタマイズされたドメインは、一般にポータル ドメインと呼ばれます。

ポータル ドメインを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic を起動します。
  2. ワークスペースの選択ダイアログが表示されるため、[参照] をクリックしてワークスペース フォルダを選択 (または作成) します。ダイアログの表示に従います。このチュートリアルでは、新しいワークスペースを作成してください。
  3. Workshop for WebLogic ワークベンチが表示されます。

  4. ポータル パースペクティブがまだ開かれていない場合は、[ウィンドウ|パースペクティブを開く|ポータル] を選択してこのパースペクティブを選びます。
  5. このチュートリアルの手順や図はポータル パースペクティブで表示されるビューを使用しています。

  6. [ファイル|新規|その他] を選択します。
  7. 図 2-1 に示すように、[新規 - ウィザードを選択] ダイアログが表示されます。

    図 2-1 [新規 - ウィザードを選択] ダイアログ


    [新規 - ウィザードを選択] ダイアログ

  8. ツリーの [サーバー] を展開します。展開したツリーの [サーバー] をクリックし、[次へ] をクリックします。
  9. 図 2-2 に示すように、[新規サーバー - 新規サーバーの定義] ダイアログが表示されます。

    図 2-2 [新規サーバー - 新規サーバーの定義] ダイアログ


    [新規サーバー - 新規サーバの定義] ダイアログ

  10. ツリーで、[BEA Systems, Inc.] が展開されており、[BEA WebLogic v10.0 Server] が選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。
  11. ホスト名フィールドにホスト名 localhost が表示されます。チュートリアルでは、変更せずにこのままにしてください。

    図 2-3 に示すように、[新規サーバー] の新しい BEA WebLogic Server ダイアログが表示されます。

    図 2-3 [新規サーバー] の新しい BEA WebLogic Server ダイアログ


    [新規サーバー] の新しい BEA WebLogic Server ダイアログ

  12. [コンフィグレーション ウィザードを起動して新しいドメインを作成するには、ここをクリックしてください] と表示されているリンクをクリックします。
  13. 図 2-4 に示すように、BEA WebLogic Configuration Wizard が起動します。

    図 2-4 BEA WebLogic Server の Configuration Wizard


    BEA WebLogic Server の Configuration Wizard

  14. ウィザードのプロンプトに従って、表 2-1 に示すように値を入力します。必要に応じて [次へ] をクリックし、ウィザードを進めます。
    表 2-1 Configuration Wizard の値
    ウィザード ページ
    選択または入力
    ようこそ
    [新しい WebLogic ドメインの作成] (デフォルト)
    ドメイン ソースの選択
    [以下の BEA 製品をサポートするために、自動的にコンフィグレーションされたドメインを生成する] リストで、[WebLogic Portal] を選択する。
    このウィザード ダイアログでは、WebLogic Portal GroupSpace のチェックボックスが選択可能。GroupSpace サンプル アプリケーションに基づくポータル プロジェクトには GroupSpace 対応のドメインを用意する必要がある。このチュートリアルでは、GroupSpace を使用しない。
    管理ユーザー名とパスワードのコンフィグレーション
    ユーザ名 : weblogic
    ユーザ パスワード : weblogic
    ユーザ パスワードの確認 : weblogic
    サーバの起動モードおよび JDK のコンフィグレーション
    • [開発モード] (デフォルト)
    • [JRockit SDK] (推奨)
    環境とサービスの設定のカスタマイズ
    [いいえ] (デフォルト)
    WebLogic ドメインの作成
    [ドメイン名] : myPortalDomain
    [ドメインの場所] : デフォルトを使用するか、またはシステム上の別のディレクトリを指定する。
  15. これらを入力してから [WebLogic ドメインの作成] ダイアログの [作成] をクリックします。
  16. ドメインの作成状況を示す、[ドメインの作成中] ステータス ページが表示されます。

  17. ドメインが作成されたら、[完了] をクリックします。
  18. [新規サーバー] の新しい BEA WebLogic Server ダイアログに戻ります。

  19. [参照] をクリックし、作成したドメインのディレクトリに移動します。デフォルトのパスは、BEA_HOMEr_projects\domains\myPortalDomain です。
  20. [フォルダの参照] ダイアログでドメイン ディレクトリを選択して [OK] をクリックし、[新規サーバー] の新しい BEA WebLogic Server ダイアログに戻ります。
  21. [終了] をクリックします。
  22. Workshop for WebLogic ワークベンチのサーバ ビューに新しいサーバが表示されます。[パッケージ・エクスプローラー] ビューのツリーにサーバ ノードが追加されます。図 2-5 に、サーバ ビューと新しいサーバを示します。

    ここでは、サーバを起動する必要はありません。このチュートリアルの後半では、単純なポータル アプリケーションを作成し、サーバを起動してポータル アプリケーションを実行します。

    図 2-5 ワークベンチに表示された新しいサーバ
    BEA WebLogic Server の Configuration Wizard

ポータル EAR プロジェクトの作成

EAR プロジェクトは、デプロイメント用アプリケーションのコンポーネント プロジェクトの集まりです。エンタープライズ アプリケーションごとに 1 つの EAR プロジェクトを作成します。EAR プロジェクトには、JAR ファイル、デプロイメント記述子、ビルド ファイル、および自動生成ファイルがあります。EAR プロジェクトの詳細およびワークベンチのその他のプロジェクトとの関係の詳細については、Workshop for WebLogic ヘルプの「Applications and Projects」を参照してください。

このタスクでは、エンタープライズ アプリケーション (EAR) プロジェクトを作成し、WebLogic Portal 情報が含まれるようにカスタマイズします。ポータル EAR プロジェクトの詳細については、「ポータルの概要」を参照してください。

ポータル EAR プロジェクトを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. ポータル ドメインの作成」で説明したように、サンプルの環境とドメインを設定していることを確認します。
  2. [ファイル] メニューから、[新規|ポータル EAR プロジェクト] を選択します。
  3. [新規プロジェクト - ウィザードを選択] ダイアログが表示されます。

    必要であれば、[WebLogic Portal] フォルダを展開し、図 2-6 に示すように [WebLogic Portal|ポータル EAR プロジェクト] を選択します。

  4. [新しいポータル EAR プロジェクト] ダイアログの [プロジェクト名] フィールドに、「myPortalEAR」と入力し、他の入力フィールドはそのままにして [次へ] をクリックします。
  5. 図 2-6 に示すように、[新しいポータル EAR プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログが表示されます。

    図 2-6 [新しいポータル EAR プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログ


    [新しいポータル EAR プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログ

  6. [新しいポータル EAR プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログで、図 2-6 に示すように WebLogic PortalWebLogic Portal ノードの下にあるすべての機能が選択されていることを確認します。
  7. ここでは、[WebLogic Portal (省略可能)] と [WebLogic Portal コラボレーション] の選択項目も表示されます。これらの選択項目はチュートリアルでは必要ないため、選択しません。これらのオプションを選択した場合の詳細については、『ポータル開発ガイド』を参照してください。

  8. [終了] をクリックします。
  9. 図 2-7 に示すように、ポータル EAR プロジェクト ノードが [パッケージ・エクスプローラー] ビューに追加されます。このフォルダを展開すると、EAR コンテンツ フォルダおよびこのプロジェクトに必要な APP-INF ディレクトリと META-INF ディレクトリが表示されます。

    図 2-7 ポータル EAR プロジェクトを表示する [パッケージ・エクスプローラー] ビュー
注意 : ポータル EAR プロジェクトはプロジェクトにまだ追加されていないライブラリ モジュールを参照しているため、EAR フォルダにエラー アイコンが表示されます。このチュートリアルの後半でポータル Web プロジェクトを作成する際にライブラリ モジュールは追加されるため、Workshop for WebLogic が自動的にワークスペースを再構築するとエラー アイコンは表示されなくなります。

サーバへの EAR プロジェクトの関連付け

サーバ上のプロジェクトを後からテストできるように、サーバに EAR プロジェクトを明示的に関連付ける必要があります。

サーバにポータル EAR プロジェクトを関連付けるには、以下の手順を実行します。

  1. サーバ ビューで (図 2-5 を参照)、BEA WebLogic v10.0 Server @ localhost を右クリックして [プロジェクトの追加および除去] を選択します。
  2. 図 2-8 に示すように、[プロジェクトの追加および除去] ダイアログが表示されます。

    図 2-8 [プロジェクトの追加および除去] ダイアログ


    [プロジェクトの追加および除去] ダイアログ

  3. [使用可能プロジェクト] カラムの myPortalEAR プロジェクトをクリックして選択し、[追加] をクリックします。
  4. 右側の [構成プロジェクト] 列にプロジェクトが追加されます。

  5. [終了] をクリックします。
  6. これで、ポータル EAR プロジェクトがサーバに関連付けられます。これを確認するには、サーバ ビューでサーバ ノードを展開し、サーバに関連付けられたプロジェクトを表示します。myPortalEAR プロジェクトは、下位ノードとして表示されます。

ポータル Web プロジェクトの作成

このタスクでは、実際のポータルを含む Web プロジェクトを作成します。

ポータル Web プロジェクトを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. [ファイル|新規|ポータル Web プロジェクト] を選択します。図 2-9 に示すように、[新しいポータル Web プロジェクト] ダイアログが表示されます。
  2. 図 2-9 [新しいポータル Web プロジェクト] ダイアログ


    [新しいポータル Web プロジェクト] ダイアログ

  3. [新しいポータル Web プロジェクト] ダイアログの [プロジェクト名] フィールドに、「myPortalWebProject」と入力します。
  4. ダイアログの [プロジェクト・コンテンツ] 領域はデフォルトの設定のままにします。

  5. [Add project to an EAR] チェック ボックスを選択します。
  6. myPortalEAR が唯一の EAR プロジェクトであるため、デフォルトでドロップダウン メニューに表示されます。

    これは、先に作成したポータル EAR プロジェクトとポータル Web プロジェクトを関連付けます。

    ヒント : ポータル Web プロジェクトを作成するときに EAR に関連付けない場合、後でこの手順を実行できます。[パッケージ・エクスプローラー] ツリーの EAR プロジェクトを右クリックして [プロパティー] を選択し、[J2EE Module Dependencies] 設定からプロジェクトを EAR に関連付けます。
  7. [次へ] をクリックします。
  8. 図 2-10 に示すように、[新しいポータル Web プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログが表示されます。

    図 2-10 [新しいポータル Web プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログ


    [新しいポータル Web プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログ

  9. [新しいポータル Web プロジェクト - Select Project Facets] ダイアログで、[WebLogic Portal] ノードが選択されていることを確認します。また、図 2-10 に示すように、WebLogic Portal ノードの下にあるすべての機能が選択されていることも確認します。
  10. [終了] をクリックします。
  11. 図 2-11 に示すように、[パッケージ・エクスプローラー] ビューに [myPortalWebProject] フォルダが表示されます。このフォルダを展開すると、デフォルトのライブラリ モジュールおよびこのプロジェクトに必要なデータ ディレクトリ構造が表示されます。WebLogic Portal でのライブラリ モジュールの使用方法の詳細については、『ポータル開発ガイド』を参照してください。

    図 2-11 パッケージ エクスプローラに追加されたポータル Web プロジェクト


    パッケージ・エクスプローラーに追加されたポータル Web プロジェクト

Datasync プロジェクトの作成

datasync プロジェクトは、パーソナライズされたアプリケーションおよびポータルの開発に使用する汎用のポータル サービス データを格納する、オプションのプロジェクトです。これらのポータル サービスには、ユーザ プロファイル、セッション プロパティ、キャンペーンなどがあります。必要に応じて、1 つの datasync プロジェクトを複数の EAR プロジェクトで共有できます。

datasync プロジェクトを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. [ファイル|新規|datasync プロジェクト] を選択します。図 2-12 に示すように、[新しい Datasync プロジェクトの作成 - 新しい Datasync プロジェクト] ダイアログが表示されます。
  2. 図 2-12 [新しい Datasync プロジェクトの作成] ダイアログ


    [新しい Datasync プロジェクトの作成] ダイアログ

  3. [新しい Datasync プロジェクトの作成 - 新しい Datasync プロジェクト] ダイアログの [プロジェクト名] フィールドに、「myData」と入力します。
  4. ダイアログのその他の領域はデフォルトの設定のままにします。

  5. [次へ] をクリックします。
  6. 図 2-13 に示すように、[新しい Datasync プロジェクトの作成 - EAR プロジェクト] ダイアログが表示されます。

    図 2-13 [新しい Datasync プロジェクトの作成 - EAR プロジェクト] ダイアログ


    [新しい Datasync プロジェクトの作成 - EAR プロジェクト] ダイアログ

  7. [myPortalEAR] チェック ボックスを選択します。
  8. これで、前に作成したポータル EAR プロジェクトに datasync プロジェクトが関連付けられます。

    ヒント : datasync プロジェクトを作成するときに EAR に関連付けない場合、後でこの手順を実行できます。[パッケージ・エクスプローラー] ツリーの datasync プロジェクトを右クリックして [プロパティー] を選択し、ツリーの [Datasync] ノードを展開して [EAR プロジェクト] を選択すると、このプロジェクトが EAR に関連付けられます。
  9. [終了] をクリックします。
  10. 図 2-14 に示すように、[パッケージ・エクスプローラー] ウィンドウに myData フォルダが表示されます。このフォルダを展開すると、src フォルダおよびこのプロジェクトに必要なデータ ディレクトリ構造が表示されます。

    図 2-14 パッケージ エクスプローラに追加された datasync プロジェクト


    パッケージ・エクスプローラーに追加された datasync プロジェクト

 


まとめ

このチュートリアルでは、ポータル開発環境に必要な基本要素を作成しました。これらのコンポーネントは、現在のワークスペースのファイル システムで作成されます。

Workshop for WebLogic ワークベンチを使用した基本的なポータル開発タスクの詳細については、「開発環境でのポータルの作成」に進んでください。


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