コンテンツ管理ガイド
ユーザに対して表示するコンテンツは、単一行のテキスト、HTML ファイル、グラフィック、アニメーション ファイルのいずれの場合も、コンテンツ リポジトリに格納できます。この概要では、次の項目について説明します。
WebLogic Portal では、仮想コンテンツ リポジトリを使用してコンテンツ リポジトリにアクセスします。仮想コンテンツ リポジトリには、サード パーティのリポジトリか BEA リポジトリかを問わず、複数のコンテンツ リポジトリを格納できます。仮想コンテンツ リポジトリは、関連付けられたすべてのコンテンツ リポジトリとの接続を (ユーザが設定したパラメータに従って) 維持するので、串刺し検索 (プラグインされているすべてのリポジトリのすべての関連コンテンツから結果セットを返す検索) や委託管理、コンテンツ タイプ管理などのサービスを提供できます。
多数のポータル サブシステムが仮想コンテンツ リポジトリと対話します。コンテンツ管理タグは、動的コンテンツをエンド ユーザに配信するためのクエリを実行します。コンテンツ セレクタとキャンペーンは、パーソナライゼーションのルールまたは条件に従って、パーソナライズされた動的コンテンツをユーザに配信します。
サード パーティのリポジトリは、WebLogic Portal で使用する前に、WebLogic Portal の仮想コンテンツ リポジトリに追加しておく必要があります。
コンテンツ管理システムでコンテンツを簡単に管理できるように、コンテンツの論理的な整理方法を決定する必要があります。ノード (フォルダ) の階層を設定したり、さまざまなコンテンツ ファイルを区別する場合に、より細かく管理できるコンテンツ タイプを作成したりできます。
BEA リポジトリを初めて使用するときに、自分のコンテンツ項目を整理するためのコンテンツ ノード (フォルダ) を作成する必要があります。フォルダとサブフォルダを作成できますが、両者間には整理の機能以外に固有の関係はありません。
ただし、コンテンツ項目間に親子関係を作成することは可能です。親子関係は、コンテンツの作成場所に従って暗黙のうちに作成されます。
BEA リポジトリでは、コンテンツ タイプを使用してコンテンツ項目を定義します。コンテンツ タイプは、コンテンツ項目またはコンテンツ フォルダ (ノード) を定義する名前付きプロパティ セットです。WebLogic Portal には、すぐに使用でき、変更も可能なコンテンツ タイプが用意されています。独自のコンテンツ タイプを作成することもできます。
WebLogic Portal には、次のコンテンツ タイプが用意されています。
仮想コンテンツ リポジトリを使い始める前に、リポジトリ内のコンテンツに対して、追加、編集、または削除を実行できる人物を特定するために使用するユーザ、ロール、および権限を設定できます。BEA リポジトリを使用してコンテンツを管理する場合は、ライブラリ サービスを使用可能にするかどうかを選択する必要があります。
委託管理ロールを関連付けることで、ユーザおよびグループがどのようにリポジトリと対話するかを制御できます。委託管理ロールを使用して、リソースへのアクセスを付与するか拒否するかを決定したり、管理者がリソースに対して実行できる機能を決定したりできます。
委託管理ロールにコンテンツ管理リソースを割り当てる前に、そのロールが存在することを確認してください。ロールが存在しない場合は、ロールを作成する必要があります。作成したロールにユーザおよびコンテンツ リソースを追加できます。管理者の設定の詳細については、「新しい管理者を設定するには」を参照してください。
注意 : ライブラリ サービスが有効になっている BEA リポジトリを使用している場合は、ロールに付与する機能によって、ユーザ ロールがどのようにコンテンツのライフサイクルにかかわるかが決まります。たとえば、ロールに公開の機能が付与されていない場合、コンテンツのステータスを公開済みまたは廃棄済みにすることはできません。
コンテンツを BEA リポジトリに格納する場合、ライブラリ サービスを有効にするオプションがあります。ライブラリ サービスを有効にすると、コンテンツのバージョン管理や、処理中のコンテンツを自動追跡するコンテンツ ワークスペースなどの追加コンテンツ管理ツールを使用できます。
注意 : ライブラリ サービスは、単一ドメイン内の複数のアプリケーションではサポートされません。
BEA 互換コンテンツ管理システムを仮想コンテンツ リポジトリに接続した後、引き続きその BEA 互換コンテンツ管理システムに対して直接コンテンツを追加したり修正したりできます。変更内容は、仮想コンテンツ リポジトリに自動的に格納されます。コンテンツの作成および管理は、Administration Portal、コンテンツ ポートレット、Bulkloader のいずれかを使用して行うことができます。
WebLogic Administration Portal の [コンテンツ管理] から利用できる BEA の仮想コンテンツ リポジトリにより、コンテンツの追加と変更、およびコンテンツへのタイプ (メタデータ) の割り当てを実行できます。これらのツールを使用して、管理機能をサポートする仮想コンテンツ リポジトリに接続されたすべてのリポジトリ内のコンテンツを管理できます。
BulkLoader とは、コンフィグレーションされた仮想コンテンツ リポジトリにコンテンツとメタデータをロードできるコマンドライン アプリケーションです。BulkLoader はユーザ定義されたファイル システム階層を検索して、定義されたメタデータに基づきすべてのフォルダとファイルを指定されたリポジトリにロードします。BulkLoader では、HTML や jpg、gif などのすべてのコンテンツ タイプをサポートします。
コンテンツ管理ポートレットを使用すると、ポータルを通してコンテンツ管理機能にアクセスできます。
WebLogic Workshop の拡張機能では、パーソナライズされたアプリケーションの開発をサポートしています。一方、WebLogic Administration Portal ではポータル管理者が、閲覧者のニーズに合わせてサイト対話機能を使用できます。パーソナライゼーション システムの中心は、ユーザと適切なコンテンツとを結び付ける基本ルール エンジンです。コンテンツ セレクタ、プレースホルダ、およびキャンペーンは、管理者に表示されるコンテンツ管理の要素です。また、ユーザ セグメントには、性別やブラウザ タイプなどの、対象訪問者を定義する条件が格納されます。
ライブラリ サービスが有効な BEA リポジトリを使用している場合にコンテンツ セレクタを使用するときは、追加の考慮事項があります。
コンテンツ管理コンポーネントは、コンテンツを照会および検索するための実行時 API を提供します。このコンポーネントの機能には、タグを介してアクセスできます。コンテンツ検索機能は、提供されている参照実装、またはサードパーティ製コンテンツ検索製品を使用して実現されます。
リポジトリに対してライブラリ サービスを有効にすると、コンテンツの格納方法が変更され、Portal Administration Tool の新しい機能が有効になります。これらの機能は、BEA リポジトリの操作方法に影響するとともに、共通のライフサイクルを提供します。
注意 : ライブラリ サービスは、単一ドメイン内の複数のアプリケーションではサポートされません。
表 2 に、ライブラリ サービスの機能を詳細に説明します。WebLogic Portal ライブラリ サービスは BEA リポジトリに対してのみ有効です。サード パーティのリポジトリではライブラリ サービスを使用できません。
コンテンツ管理ライフサイクルでは、WebLogic Portal の定義済みのコンテンツのライフサイクルに従ってコンテンツを処理できます。WebLogic Portal のコンテンツ管理ライフサイクルには、下書き、レビュー準備完了、拒否済み、公開済み、および廃棄済みというステータスがある。委託管理を通して、さまざまなユーザおよびグループにコンテンツ管理の特権 (公開、編集、および削除) を割り当てることができます。委託管理特権に応じて、ライフサイクルの各ステータスへのアクセス権が決まります。
コンテンツのライフサイクルを十分に活用するには、コンテンツ管理チームのユーザとグループに異なる機能を割り当てる委託管理ロールを設定します。
たとえば、コンテンツの公開を管理するロールと、未公開のコンテンツを変更できる編集者ロールを別々に作成できます。コンテンツ管理チームが少人数の場合は、すべての機能に対して 1 つのロールを割り当てることもできます。
表 3 では、コンテンツのライフサイクルのステータスと、各ステータスで必要な委託管理機能を説明しています。
BEA リポジトリに対してライブラリ サービスを有効にすると、コンテンツを検索するときに使用できるコンテンツのプロパティに影響します。各コンテンツ項目には、システム プロパティとタイプ定義プロパティという実質的に 2 種類のプロパティ セットがあります。ライブラリ サービスが有効になっているリポジトリでは、これらのプロパティは異なる方法で格納されます。
作成日などのシステム プロパティは、コンテンツのライフサイクルに含まれないので、コンテンツ セレクタで常に検索できます。
タイプ定義プロパティはコンテンツのライフサイクルに含まれるので、「廃棄済み」になることがあります。BEA リポジトリでは、項目のステータスが「廃棄済み」でない限り、すべてのタイプ定義プロパティが検索可能とみなされます。