ポートレット間通信の確立
サンプルの設定
このマニュアルには、ポートレット間通信の確立に役立つ実習が 2 つあります。ポータル イベント ハンドラを使用した例 (IPC の確立 : 単純な例) と、カスタム イベント ハンドラとページ フロー イベント ハンドラを使用した例 (カスタム イベントおよびページ フロー イベントを使用した IPC の確立) です。これらの例を通じて、イベント ハンドラ ツールの一般的な使用方法に関して、このツールの操作に慣れることができます。
これらの例では、単一のポータル Web アプリケーション内でのポートレット間通信を特定的に扱っています。したがって、結合された複数のポータル アプリケーションには適用しません。結合されたポータル (WSRP など) を使用した IPC の確立については、「リモート ポートレットでのポートレット間通信の確立」を参照してください。
この節には、以下のトピックがあります。
ポータル アプリケーションの構成要素
ポータル アプリケーションは、この節で説明するコンポーネント階層の一部です。
ポータル ドメイン : ポータル ドメインは、関連のある WebLogic Server リソースの論理グループです。管理サーバと管理対象サーバを含むアプリケーション サーバなど、ポータルで使用するリソースで構成され、config.xml
ファイルで表されます。
ポータル アプリケーション : このコンポーネントは、「エンタープライズ」アプリケーションとも呼ばれ、1 つまたは複数のポータル Web アプリケーション (または「プロジェクト」) モジュール、EJB モジュール、およびリソース アダプタで構成されます。これには、クライアント アプリケーションが含まれる場合もあります。エンタープライズ アプリケーションは、エンタープライズ アプリケーションの標準の J2EE デプロイメント記述子である application.xml
ファイルによって定義されます。1 つのドメインに複数のポータル アプリケーションを作成することができます。
ポータル Web アプリケーション : このコンポーネントは「ポータル プロジェクト」とも呼ばれ、特定のポータルを表します。WebLogic Portal JSP タグ、API、デフォルトのフレームワーク ファイルなど、ポータルの構築と表示に必要なポータル フレームワーク要素が含まれます。
この節では、「IPC の確立 : 単純な例」および「カスタム イベントおよびページ フロー イベントを使用した IPC の確立」の実習で使用するドメインおよびエンタープライズ アプリケーションを作成します。この実習では、ドメインのルート ディレクトリを BEA_HOME
\user_projects\domains
に設定し、アプリケーションおよび他のすべてのコンポーネントのルート ディレクトリを BEA_HOME
\user_projects\applications
(ただし、BEA_HOME
は、BEA WebLogic Platform をインストールしたディレクトリ) に設定する必要があります。
これらはインストール時に BEA WebLogic Platform によって作成されるデフォルトのディレクトリです。
手順 1 : ドメインの作成
ドメインを作成するには、次の手順に従います。
WebLogic Workshop を起動します。
[ツール] メニューの [WebLogic Server|コンフィグレーション ウィザード] を選択します。
Configuration Wizard が起動します。
表 2-1 に指定された値を使用して、表示される手順に従います。各ダイアログ ボックスの設定が終了したら、[次へ] をクリックします。
表 2-1 Configuration Wizard の値
ページ
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選択または入力
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コンフィグレーションの作成または拡張
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新しい WebLogic コンフィグレーションの作成
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コンフィグレーション テンプレートの選択
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Basic WebLogic Portal Domain
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エクスプレスまたはカスタム コンフィグレーションの選択
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エクスプレス
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管理ユーザ名とパスワードのコンフィグレーション
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User name: weblogic
User password: weblogic
Confirm user password: weblogic
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サーバの起動モードおよび Java SDK のコンフィグレーション
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JRockit SDK 1.4.2_05
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Weblogic コンフィグレーションの作成
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コンフィグレーション名 : ipcDomain
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ドメインが作成されたら、[完了] をクリックします。
手順 2 : エンタープライズ アプリケーションの作成
ポータル アプリケーションを作成するには、次の手順に従います。
[ファイル|新規作成|アプリケーション...] を選択します。
[新しいアプリケーション] ダイアログ ボックスが表示されます。
[Portal アプリケーション] を選択し、次の手順に従います。
[名前] に ipcTest と入力します。
[サーバ] で [参照] をクリックして、[WebLogic Server の config.xml ファイルを選択] ダイアログ ボックスを表示します。ipcDomain ディレクトリに移動し、config.xml
を選択します。
アプリケーションが正常に作成されると、図 2-1 のように [アプリケーション] パネルに表示されます。
図 2-1作成されたポータル アプリケーション
手順 3 : ポータル Web アプリケーション (プロジェクト) の作成
ポータル Web アプリケーション、またはポータル プロジェクトは、ポータルの構築と表示に必要なフレームワーク コンポーネントで構成されます。ポータル Web アプリケーションを作成するには、次の手順に従います。
ファイル ツリーでアプリケーション名 (ipcTest) を右クリックし、図 2-2 で示すように、[新規作成|プロジェクト] を選択します。
図 2-2 新しいプロジェクトの作成
[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックス (図 2-3) が表示されます。
図 2-3 [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックス
ダイアログ ボックスの左側のペインで [ポータル] を選択し、[プロジェクト名] に ipcTest
と入力します。[作成] をクリックします。
プロジェクトが更新されます (進捗状況メーターが表示されます)。更新が完了すると、プロジェクトはファイル ツリーのディレクトリとして表示されます (図 2-4)。
図 2-4 ファイル ツリーに追加されたプロジェクト
まとめ
上記の手順を完了すると、ドメイン、エンタープライズ アプリケーション、およびポータル Web アプリケーションが作成されます。WebLogic Workshop の左側のペインのファイル ツリーは、図 2-1 の例のように表示されます。これらは、このドキュメントの実習で使用するドメインおよびエンタープライズ アプリケーションです。
次の手順
開発環境が完了したら、次の章のそれぞれの実習を完了します。
これらの実習では、個々のページ フロー、ポートレット、JSP、およびバッキング ファイルを作成して、ポータル プロジェクト内のポートレット間通信を確立します。その後、作成したポートレットをポータルに追加し、アプリケーションをテストして、IPC が確立されたことを確認します。