プロダクション業務ユーザーズ ガイド
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この章では、Propagation Utility の Web ベース インタフェースの各ページについて説明します。
Propagation Utility を使用する前に、Propagation Utility でさまざまなタイプのデータがどのように処理され、また使用前にどのような準備が必要であるかを理解しておいてください。詳細については、「Propagation Utility の内部」を参照してください。
Propagation Utility を使用して、ソース システム (通常はステージング システム) のシステム インベントリをエクスポートします。このエクスポートされたインベントリ リストは、そのシステムについて、データベースに格納されているエンタープライズ アプリケーション環境全体を示します。エクスポートされたインベントリは、XML ファイル形式で、単一の ZIP ファイルにまとめて格納されます。
図 8-1 に、インベントリのエクスポート プロセス全体を示します。
エクスポート プロセスで、ソース環境の内容がすべて記述されたインベントリ レポートを作成します。後のインポート プロセスで、伝播する情報のスコープを割り当てます。詳細については、「インベントリのインポート プロセス」を参照してください。
警告 : エクスポート タスクの実行時に生成された個別の XML ファイルは編集しないでください。
Propagation Utility を実行する前に、「始める前に」の手順がすでに完了している必要があります。
Propagation Utility を起動するには、Web ブラウザを開き、次のように URL を入力します。
図 8-2 が表示されます。
図 8-2 Propagation Utility の開始ページ
[インベントリのエクスポート] を選択します。次に、エクスポート先システムで有効なユーザのユーザ名とパスワードを使用してログインします。PortalSystemAdministrators グループに属している必要があります。
図 8-3 に、ログイン ページを示します。
図 8-3 Propagation Utility のログイン ページ
ログインすると、図 8-4 に示すようなインベントリ ツリーが作成され、表示されます。また、インベントリ リストの受け入れ、インベントリ リストの再生成、または Propagation Utility の再起動のためのオプションも表示されます。
図 8-4 Propagation Utility のアプリケーション インベントリの表示ページ
デフォルトでは、要約または「簡略化」されたインベントリ リストが表示されます。さらに詳しいインベントリ リストを表示する場合は、[完全ツリーの表示] をクリックします。
表示されたインベントリ リストを受け入れて保存する場合は、[XML のエクスポート] をクリックします。エクスポート処理の開始後に、WebLogic Administration Portal を使用して変更が追加された場合は、[インベントリ リストの更新] をクリックしてインベントリ リストを作成し直すことができます。このインベントリを使用せずに、エクスポート プロセスを最初からやり直す場合は、[やり直し] をクリックします。
インベントリ リストでは、伝播する環境 (ソース) のすべての内容説明が階層構造で表示されます。図 8-5 に、インベントリ リストの一部を示します。
図 8-5 Propagation Utility のインベントリ リストの例
[説明] リンクをクリックすると、ツリー内の特定の資産 (ノード) についての詳細が表示されます。次の情報が含まれます。
インベントリ ファイルは、ローカル マシンに保存するか、関連インベントリをホストしているマシン (エクスポート元のマシン) に保存するかを選択できます。たとえば、ファイルをローカル システムに保存して、ソース コントロール システム内にファイルを格納することもできます。
図 8-6 では、エクスポートされたインベントリ リストを保存できる場所を示しています。
図 8-6 Propagation Utility の [アプリケーション インベントリのエクスポート] ページ
ファイルをローカル システムにエクスポートする場合は、[ローカル エクスポート] をクリックします。ファイルをダウンロードするウィンドウが表示されます。表示される指示に従って、ファイルを目的の場所に保存します。デフォルトで、inventory.zip
というファイル名が表示されます。このファイルを管理しやすいように、意味のある名前を作成してください。ただし、ファイル拡張子の .zip
は、そのまま使用します。
注意 : エクスポートするファイルのサイズが 5 MB を超える場合は、エクスポート元のサーバにファイルをエクスポートする必要があります。
エクスポート元のマシン上にファイルを保存する場合は、自動的に生成される作業ディレクトリ パスを使用するか、任意のパスとファイル名を入力できます。Propagation Utility では、web.xml
デプロイメント記述子ファイルに設定された作業ディレクトリ パスが表示され、day_hour_minute ラベルが追加されます。
ヒント : 安全のため、保存されたファイルはソース コントロール システム内に格納することをお勧めします。少なくとも、エクスポート ファイルの名前と保存場所を記録し、伝播のインポート プロセスですぐにアクセスできるようにしておきます。
ファイルを保存すると、図 8-7 で示すように、最後のページにエクスポートの結果が表示されます。
図 8-7 Propagation Utility の [インベントリのエクスポート結果] ページ
インベントリ ファイルが正常に保存されると、成功を示す簡単なメッセージが結果ページに表示されます。既存ファイルの選択やディスクの空き容量不足などによって問題が発生した場合は、エラーの説明が表示されます。
エクスポートに成功したら、ソース システムから送り先システムにインベントリをインポートできます。
警告 : エクスポート タスクの実行時に生成された個別の XML ファイルは編集しないでください。
エクスポート プロセスでは、Propagation Utility によって以下のログ情報が作成されます。
概要ログ ファイルを確認して、インポート プロセスが予定どおりに完了したことを確かめてください。詳細なログ ファイルは、主に診断のために使用されます。
図 8-8 に、インベントリのインポート プロセス全体を示します。
「Propagation Utility の起動およびログイン」の起動とログインの手順に従います。
変更をインポートするためのソース インベントリ (ソース システムからエクスポートした ZIP ファイル) を選択します。図 8-9 に、ソースの選択ページを示します。
図 8-9 Propagation Utility のインポート ソースの選択ページ
ラジオ ボタンを選択して、以下のいずれかの方法でソース ファイルを指定します。
web.xml
デプロイメント記述子ファイルに設定された作業ディレクトリ パスが自動的に表示されます。 [続行] をクリックして、インベントリを取得し、検証します。
Propagation Utility では、XML スキーマに従って、インポートされたインベントリが検証されます。発生する可能性がある検証エラーには、依存関係が見つからないなどのエラーがあります。
Propagation Utility で、検証の結果を表示します。図 8-10 に、成功した検証の結果を示します。
図 8-10 Propagation Utility の [インベントリの検証結果の確認] ページ
[続行] をクリックすると、伝播の基になる検証済みインベントリ リストが表示されます。
Propagation Utility で、図 8-11 に示すような検証済みインベントリを表示します。このインベントリ リストを受け入れるか、Propagation Utility を再起動するかを選択できます。
図 8-11 Propagation Utility のアプリケーション インベントリの表示ページ
Propagation Utility では、伝播するためにインポートした環境 (ソース) の内容説明が階層構造で表示されます。デフォルトでは、要約または「簡略化」されたインベントリ リストが表示されます。さらに詳しいインベントリ リストを表示する場合は、[完全ツリーの表示] をクリックします。
後で、変更のためのポリシーを設定し、伝播のスコープのレベルを設定することにより、変更内容を調整できます。
表示されたインベントリ リストを受け入れて続行する場合は、[変更のプレビュー] をクリックします。このインベントリを使用せずに、Propagation Utility を再起動する場合は、ページの下部にスクロールし、[Propagation Utility の再起動] をクリックします。
[説明] リンクをクリックすると、ツリー内の特定の資産 (ノード) についての詳細が表示されます。この情報は、「アプリケーション インベントリの表示」で説明したエクスポート プロセスの一部として表示される情報と同じです。
図 8-12 に、インベントリ リストの一部を示します。
図 8-12 Propagation Utility のインベントリ リストの例
Propagation Utility では、Administration Portal または訪問者ツールを使用したプロダクション システムでのポータル データの変更を防止するために、システムを自動的に静止することはできません。インベントリ リストのインポートと検証が完了した後、ユーザによってプロダクション システムが変更されると、伝播結果の正確さが損なわれ、変更が正常に実行されない可能性があります。
警告 : インポート プロセスでインベントリをロードおよび検証した後は、プロダクション システムに変更を加えないことが非常に重要です。
この要件に対する理解と同意を確認するために、図 8-13 に示すような確認ページが表示されます。チェック ボックスを選択し、[続行] をクリックして次の手順に進みます。
図 8-13 Propagation Utility の変更のコンフィグレーションの確認ページ
まだデプロイしていない場合は、Propagation Utility で指定した変更をコミットする前に、ソース システムの J2EE アプリケーション (EAR ファイル) を送り先システムにデプロイする必要があります。この要件の詳細については、「J2EE アプリケーション (EAR) のデプロイ」を参照してください。
図 8-14 に、[J2EE アプリケーションのデプロイ] 確認ページを示します。
図 8-14 Propagation Utility の [J2EE アプリケーションのデプロイ] ページ
まだアプリケーションをデプロイしていない場合は、このウィンドウを開いたままデプロイし、このページに戻って [デプロイ完了] をクリックして続行することができます。
注意 : Propagation Utility ウィンドウを開いたまま他のアクティビティを実行する場合、Propagation Utility がタイムアウトになる場合があります。タイムアウトになると、これまでの処理および選択内容が失われます。Propagation Utility を再起動し、インポートを再度実行する必要があります。セッション タイムアウト期間を変更するための手順については、「セッション タイムアウトおよびインベントリ/ログ ファイルの場所のカスタマイズ (省略可能)」を参照してください。
インポート プロセス中に、伝播のスコープを指定します。Propagation Utility では、ソース システムと送り先システムの間の差分が検出され、設定可能なスコープのネストされたリストが作成されます。図 8-15 のようなページが表示されます。
図 8-15 Propagation Utility の [インポート スコープの選択] ページ
2 つのシステム間のどこが異なるかに応じて、伝播のスコープを複数のレベルで選択できます。スコープの詳細については、「伝播のスコープ」を参照してください。
ヒント : Propagation Utility を使用する場合のベスト プラクティスは、最上位レベル (エンタープライズ アプリケーション) にスコープを設定することです。こうすると、ソース環境が送り先環境にほぼ正確に反映されます。下位レベルの Web アプリケーションまたはデスクトップにスコープを設定した場合は、ソースと送り先が異なる状態になることがあります。この場合は、送り先で追加の品質保証テストが必要になることがあります。詳細については、「スコープをエンタープライズ アプリケーション レベルに設定する」を参照してください。
Propagation Utility は、結合ルールとも呼ばれるポリシー ルールに基づいて、ソースと送り先のデータを結合します。このルールは、要件に合わせてコンフィグレーションできます。
図 8-16 に、Propagation Utility のポリシー設定ページを示します。
図 8-16 Propagation Utility の [インポート ポリシーの作成] ページ
これらのポリシーの優先順位および実装の詳細、およびいくつかの考慮すべき事項については、「ポリシーを使用した衝突の解決」を参照してください。
送り先システムに保留中の変更をコミットする前の最後の段階で、処理を続行すると送り先に適用される変更内容が表示されます。[保留中の変更の確認] ページは、図 8-17 に示す例のようなページです。
図 8-17 Propagation Utility の [保留中の変更の確認] ページ
表示された変更が、目的の結果を反映していない場合は、続行しないでください。必要に応じて変更を加え、その後でこの手順に戻ります。変更するアクションによっては、伝播のスコープまたな伝播のポリシーを変更すると、伝播を修正するできる場合があります。問題が解決されない場合は、Propagation Utility を終了します。ソースまたは送り先の環境内で変更を行ってから、エクスポートまたはインポート タスクを再び実行してください。
[保留中の変更の確認] ページには、統計情報、詳細なアプリケーション リソースの変更リスト、および保留中の変更マニフェスト (保留中の変更) をファイルに保存するためのファイル名の選択があります。以下の節では、ページの各部分についてさらに詳しく説明します。
このセクションの合計値には、変更リストの [アクション] カラムに表示される変更の件数と種類が反映されます。
Propagation Utility では、変更が実際に行われるかどうかに関係なく、起こり得る変更の総数がカウントされます。たとえば、15 件の削除が見込まれているが、前に指定したポリシーによって、そのうち 12 件が除外される場合でも、それらの件数は総数に含まれます。
インベントリ リストでは、保留中の変更の状態が色で識別され、項目に対する特別な注意が必要かどうかを示します。
資産は複数の依存関係を持つ可能性がありますが、依存関係のタイプによっては、変更マニフェストでの表示が 1 回だけになる場合があります。リストを慎重に調べて、複数の変更を生じる依存関係があるかどうかを確認してください。
変更マニフェストの資産の詳細については、その資産の [詳細] リンクをクリックしてください。
保留中の変更リストには、変更をコミットしたときに Propagation Utility によって送り先システムに加えられる各変更が表示されます。扱いやすいサイズの表示を維持するために、長い資産識別子は短縮され、識別子の削除部分を示す「//」表記が使用されます。
注意 : 変更マニフェストには、変更をコミットした直後に送り先システムに対して Propagation Utility で行われる明示的な更新だけが表示されます。たとえば、変更のプレビューの前に実行される EAR デプロイメントによって生じる送り先システムへの変更は、変更マニフェストに含まれません。
図 8-18 に、変更マニフェストの例を示します。
図 8-18 Propagation Utility の変更マニフェストのリスト例
[詳細] リンクをクリックすると、特定の変更の詳細が表示されます。以下の情報を含みます。
保留中の変更リストに、実行する伝播が正しく記述されている場合は、変更マニフェストを保存します。Propagation Utility で、パスとファイル名が自動的に表示されます。表示されたパスとファイル名をそのまま使用するか、別のパスとファイル名を入力できます。[続行] をクリックしてファイルを保存し、次の手順に進みます。
Propagation Utility ではソース システムから送り先システムにポータル リソースの完全なセットは伝播されないため、伝播されたデータが伝播されていない他のデータに依存している場合があります。たとえば、委託管理ロールは送り先に伝播されますが、関連ユーザおよびグループは伝播されないため、これらの関連ユーザおよびグループを送り先システムに手動で追加する必要があります。
2 つの環境を調整するために手動での変更が必要な場合は、[必要な手動変更の確認] ページに必要な変更が表示されます。[必要な手動変更の確認] ページは、図 8-19 に示す例のようなページです。
図 8-19 Propagation Utility の [必要な手動変更の確認] ページ
このページには、該当する場合、このインベントリをインポートする前に手動で行う必要がある変更が表示されます。詳細については、「必要な手動変更」を参照してください。
必要な変更のリストが表示された場合は、Propagation Utility のウィンドウを開いたまま、WebLogic Portal を使用して必要な変更を加え、その後でこのページに戻り、変更が完了したときに [続行] をクリックすることができます。
注意 : Propagation Utility ウィンドウを開いたまま他のアクティビティを実行する場合、Propagation Utility がタイムアウトになる場合があります。タイムアウトになると、これまでの処理および選択内容が失われます。Propagation Utility を再起動し、インポートを再度実行する必要があります。セッション タイムアウト期間を変更するための手順については、「セッション タイムアウトおよびインベントリ/ログ ファイルの場所のカスタマイズ (省略可能)」を参照してください。
[インベントリの伝達] ページには、これまでに選択したポリシーがまとめて表示されます。また、この変更を伝播しない場合は、インベントリ リストに戻ることもできます。図 8-20 に、ページの例を示します。
図 8-20 Propagation Utility の [インベントリの伝達] ページ
[インベントリのコミット] をクリックすると、これまでに割り当てたスコープと選択したポリシーに基づいて、ステージング サーバからプロダクション サーバにデータベース資産が伝播されます。
完了すると、結果ページに、完了した伝播の状態および完了までの所要時間が表示されます。伝播した後の送り先システムのインベントリ リストを保存するには、[エクスポートの開始] をクリックして送り先の新しいインベントリのためのエクスポート プロセスを開始します。
以下の節では、インポート プロセスで Propagation Utility で作成されたログ ファイルについて説明します。
概要ログ ファイルを確認して、インポート プロセスが予定どおりに完了したことを確かめてください。詳細なログ ファイルは、主に診断のために使用されます。
このログ ファイルには、次のようなエラーや警告が書き込まれます。
この情報は、デフォルトのサーバ ログ ファイル内に書き込まれます。WebLogic Server コンソールを使用して、このログの詳細レベルを制御します。サーバ ログ ファイルの詳細については、『WebLogic Server Administration Console オンライン ヘルプ』の「サーバ ログ」を参照してください。
Propagation Utility では、インポートごとに 2 とおりの詳細なログ ファイルが作成されます。
詳細なログは、作業ディレクトリ (インベントリ ファイルが格納されている場所) に保存されます。作業ディレクトリの詳細および場所の変更方法については、「セッション タイムアウトおよびインベントリ/ログ ファイルの場所のカスタマイズ (省略可能)」を参照してください。
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