追加リポジトリ作成ガイド

8.x ポータルでの 7.x リポジトリの使用

WebLogic Portal 7.0 には、サードパーティ製リポジトリのコンテンツを BEA コンテンツデータベースにバルクロードする機能があります。WebLogic 8.1 では、データベーススキーマや API など、さまざまな変更が加えられているので、7.0 のリポジトリを新しい 8.1 リポジトリアーキテクチャに自動的にバルクロードすることはできません。

7.0 対応のリポジトリを引き続き使用する必要がある場合は、8.1 のコンテンツリポジトリアダプタを使用して、7.0 のコンテンツを新しい 8.1 リポジトリアーキテクチャにバルクロードできます。

8.1 ポータル内でコンテンツを操作するには、WebLogic 8.1 タグライブラリを使用する必要がある点に注意してください。7.0 のタグは、8.1 ではサポートされません。

また、7.0 対応のリポジトリを使用する場合は、8.1 のリポジトリ管理機能を使用できないため、Portal Administration ツールを使用して 7.0 のリポジトリを表示できません。

アダプタを使用した統合の仕組みの全体像については、図 A-1 を参照してください。

図 A-1 7.0 のリポジトリと 8.1 の仮想コンテンツリポジトリの統合アーキテクチャの概要

8.1 ポータルで使用するための 7.0 リポジトリのコンフィグレーション

コンテンツアダプタを使用するには、次の手順に従って 7.0 リポジトリをコンフィグレーションする必要があります。

注意 : これらのタスクでは、EAR ファイルを使用しないことが前提になっています。EAR ファイルを使用する場合は、コンフィグレーションに必要な変更を加えるために EAR ファイルを展開する必要があります。

手順 1 : デプロイメント記述子の編集

<WL_HOME_8.1><portalAPP_name>/META-INF/application-config.xml ファイルは、リポジトリコンフィグレーションが記述されたデプロイメント記述子です。インストール内にあるこのファイルを探し、XML エディタまたはテキストエディタを使用して次の操作を実行します。

DocumentManager の登録

DocumentManager を該当する 8.1 アプリケーションに登録する必要があります。登録するには、<WL_HOME_8.1><portalAPP_name>/META-INF/application-config.xml ファイル内の <ContentManagement/> 要素の直前に、7.0 CMS リポジトリのコンフィグレーション情報を追加します。

注意 : このサンプルテキストでは、デフォルトの設定が使用されています。各デプロイメントに特有の情報については、既存の 7.0 コンフィグレーションファイルを参照してください。たとえば、デフォルトのマネージャをカスタマイズしたり、接続プールの名前を変更した場合は、このテキストを変更する必要があります。

<!-- Portal 7.0 CMS リポジトリ -->

	<DocumentManager

	      Name="default"

	      DocumentConnectionPoolName="default"

	      PropertyCase="none"

	      MetadataCaching="true"

	      MetadataCacheName="documentMetadataCache"

	      UserIdInCacheKey="false"

	      ContentCaching="true"

	      ContentCacheName="documentContentCache"

	      MaxCachedContentSize="32768"

	    </DocumentManager>

	    <DocumentConnectionPool

	      Name="default"

	      DriverName="com.bea.p13n.content.document.jdbc.Driver"

      URL="jdbc:beasys:docmgmt:com.bea.p13n.content.document.ref.RefDocumentProvider"

Properties="jdbc.dataSource=weblogic.jdbc.jts.commercePool;schemaXML=.\dmsBase/doc-schemas;docBase=.\dmsBase"

	      InitialCapacity="20"

	      MaxCapacity="20"

	      CapacityIncrement="0"

/>

<!-- /Portal 7.0 CMS リポジトリ -->

コンテンツリポジトリアダプタの登録

該当するポータルアプリケーションのコンテンツリポジトリアダプタを登録する必要があります。

登録するには、<WL_HOME_8.1><portalAPP_name>/META-INF/application-config.xml ファイル内の既存の <ContentManagement/> 要素の終わりに、コンテンツのストア名とクラスを追加する必要があります。

コンテンツストア名とクラスの例を次に示します。

<ContentStore Name="adapter"

ClassName="com.bea.p13n.content.adapter.RepositoryImpl"

Properties="CONTENT_MANAGER_HOME=${APPNAME}.BEA_personalization.DocumentManager"/>

手順 2 : 8.1 データベース内の 7.0 コンテンツテーブルの作成

この手順では、8.1 データベース内に 7.0 コンテンツを格納するのに必要なデータベーステーブルを作成します。この手順は、DBA が実行することをお勧めします。データベーススクリプトの実行方法の詳細については、『WebLogic Portal データベース管理ガイド』の該当するベンダデータベースの節を参照してください。

具体的には、使用する DocumentManager の Portal 7.0 コンテンツスキーマテーブル (DOCUMENT および DOCUMENT_METADATA) を作成する必要があります。

テーブルを作成するには、7.0 コンテンツスキーマの情報を含む SQL スクリプトを作成し、8.1 データベースに対してそのスクリプトを実行します。以下の SQL の抜粋は、テーブル、キー、およびインデックスの作成を示しています。

CREATE TABLE DOCUMENT (

    ID VARCHAR2(254) NOT NULL,

    DOCUMENT_SIZE NUMBER(15) NOT NULL,

    VERSION NUMBER(15) NULL,

    AUTHOR VARCHAR2(50) NULL,

    CREATION_DATE DATE NULL,

    LOCKED_BY VARCHAR2(50) NULL,

    MODIFIED_DATE DATE NULL,

    MODIFIED_BY VARCHAR2(50) NULL,

    DESCRIPTION VARCHAR2(2000) NULL,

    COMMENTS VARCHAR2(2000) NULL,

    MIME_TYPE VARCHAR2(100) NOT NULL)

CREATE TABLE DOCUMENT_METADATA (

    ID VARCHAR2(254) NOT NULL,

    NAME VARCHAR2(240) NOT NULL,

    STATE VARCHAR2(50) NULL,

    VALUE VARCHAR2(2000) NULL)

ALTER TABLE DOCUMENT

   ADD CONSTRAINT PK_DOCUMENT

   PRIMARY KEY (

ID

;D

ALTER TABLE DOCUMENT_METADATA

   ADD CONSTRAINT PK_DOCUMENT_MD

   PRIMARY KEY (

ID,

   NAME

ALTER TABLE DOCUMENT_METADATA

   ADD CONSTRAINT FK1_DOCUMENT_MD

   FOREIGN KEY ( ID)

   REFERENCES DOCUMENT (ID)

   ON DELETE CASCADE

CREATE  INDEX IX1_DOCUMENT ON DOCUMENT

  DOCUMENT_SIZE  ASC

CREATE  INDEX IX2_DOCUMENT ON DOCUMENT

  MIME_TYPE  ASC

)

;

CREATE  INDEX IX3_DOCUMENT ON DOCUMENT

  MODIFIED_DATE  ASC

CREATE  INDEX IX1_DOCUMENT_MD ON DOCUMENT_METADATA

  NAME  ASC

CREATE  INDEX IX2_DOCUMENT_MD ON DOCUMENT_METADATA

  STATE  ASC

手順 3 : ファイルシステムのドキュメントディレクトリの作成

Portal 7.0 について、DocumentManager ごとにコンテンツディレクトリ (dmsBase など) を Portal 8.1 ドメインにコピーまたは作成します。7.0 のコンテンツを 8.1 のリポジトリにバルクロードするときに、このディレクトリを使用します。

手順 4 : Bulkloader でのコンテンツのロード

コンテンツアダプタのコンフィグレーションが完了したら、コンテンツを 7.0 のリポジトリから 8.1 の仮想コンテンツリポジトリにバルクロードできます。Bulkloader の使用方法については、『BulkLoader ガイド』を参照してください。

Portal 7.0 ドメインディレクトリから loaddocs.properties ファイルをコピーし、必要に応じてデータベースの詳細および接続プール名を更新します。Oracle 9i を使用したデフォルトの DocumentManager の例を次に示します。

weblogic.jdbc.connectionPool.commercePool=\

        url=jdbc:weblogic:rmi,\

        driver=weblogic.jdbc.rmi.Driver,\

        props=weblogic.user=weblogic;weblogic.credential=weblogic;\

              weblogic.server.url=t3://localhost:7001;\

              weblogic.jdbc.datasource=weblogic.jdbc.jts.commercePool,\

        verbose=true

weblogic.jdbc.connectionPool.directToDB=\

        url=jdbc:oracle:thin:@dbserver6:1521:DBS6OR9U,\

        driver=oracle.jdbc.OracleDriver,\

props=user=user1;password=user1;server=jdbc:oracle:thin:@dbserver1:1521:DBS1OR9U;password=user1

注意 : リポジトリにデータをロードすると、すべてのメタデータがプロパティおよびタイプとして格納されます。ユーザ定義のタイプとプロパティに加えて、明示的な (システム) コンテンツプロパティがあります。これらは、edocs の WebLogic Workshop ヘルプシステムで文書化されています (http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/workshop/docs81/doc/ja_JP/core/index.html)。これらのプロパティのほとんどは、コンテンツアダプタを介してロードされたデータの情報を返しますが、そうでない場合もあります。次の表に、使用できるプロパティと使用できないプロパティを示します。

表 A-1 コンテンツアダプタでサポートされるシステムプロパティ

プロパティ	API	説明	コンテンツアダプタでの使用
`cm_uid`	`Node.id.uid`	コンテンツ項目のユニークな ID。コンテンツ項目のユニークな ID を参照するには、WebLogic Administration Portal でコンテンツ項目を選択し、[コンテンツの編集] ウィンドウの説明を表示する。	可
`cm_createdDate`	`Node.createDate`	コンテンツ項目の作成日。コンテンツ項目の作成日情報を参照するには、WebLogic Administration Portal でコンテンツフォルダを選択し、[子を参照] ページを選択する。	可
`cm_createdBy`	`Node.createdBy`	コンテンツ項目の作成者。コンテンツ項目の作成者情報を参照するには、WebLogic Administration Portal でコンテンツフォルダを選択し、[子を参照] ページを選択する。	可
`cm_modifiedDate`	`Node.ModifiedDate`	コンテンツ項目の最終変更日。コンテンツ項目の変更日情報を参照するには、WebLogic Administration Portal でコンテンツフォルダを選択し、[子を参照] ページを選択する。	可
`cm_nodeName`	`Node.name`	WebLogic Administration Portal に表示するコンテンツ項目名。	可
`cm_path`	`Node.path`	仮想コンテンツリポジトリのコンテンツ項目へのパス。次に例を示す。 /BEA Repository/juvenilebooks/TheCrazyAdventure	可
`cm_isHierarchy`	`Node.type ==Node.HIERARCHY`	コンテンツ項目ではなく、コンテンツフォルダを識別する。コンテンツフォルダにはコンテンツ項目と子コンテンツフォルダを含めることができる。このプロパティをクエリに使用する場合は、true または false のブール値で比較する。	不可
`cm_isContent`	`Node.type == Node.CONTENT`	コンテンツフォルダではなく、コンテンツ項目を識別する。コンテンツ項目には、関連付けられたタイプのプロパティが含まれる。このプロパティをクエリに使用する場合は、true または false のブール値で比較する。	不可
`cm_objectClass`	`Node.objectClass.name`	コンテンツ項目に関連付けられたコンテンツタイプ。コンテンツ項目のタイプ情報を参照するには、WebLogic Administration Portal でコンテンツフォルダを選択し、[子を参照] ページを選択するか、コンテンツ項目を選択して [コンテンツの編集] ページのヘッダ行を表示する。	不可
`cm_contentType`	`BinaryValue.contentType`	コンテンツ項目のバイナリプロパティの MIME タイプ。たとえば、「image/jpeg」がある。コンテンツ項目の MIME タイプを参照するには、WebLogic Administration Portal で MIME タイプを選択し、バイナリプロパティ情報を表示する。	可
cm_binarySize	BinaryValue.size	(ノードプロパティの場合) コンテンツ項目のバイナリ値のサイズ。コンテンツ項目のバイナリ値のサイズを参照するには、WebLogic Administration Portal でコンテンツ項目を選択し、バイナリプロパティの [Download File] をクリックし、表示されたバイナリファイルを右クリックしてファイルのプロパティを表示する。このプロパティをクエリで使用する場合は、バイナリサイズをバイト単位で指定する。	可
cm_binaryName	BinaryValue.name	(ノードプロパティの場合) コンテンツ項目のバイナリ値のファイル名。コンテンツ項目のバイナリ値の名前を参照するには、WebLogic Administration Portal でコンテンツ項目を選択し、[ファイル名] の値を表示する。	可

サーバーを起動します。

Bulkloader を実行します。

Portal 8.1 ドメインのドキュメントベース (dmsBase) に対して Portal 7.0 Bulkloader を実行します。次のスクリプトは、デフォルト DocumentManager の Bulkloader スクリプト (loaddocs.bat) の例を示しています。

call .\setDomainEnv.cmd

set CLASSPATH=%CLASSPATH%; C:\wl8sp4\weblogic81\portal\lib\wps\ejb\wps.jar

java -classpath %CLASSPATH% com.bea.p13n.content.document.ref.loader.BulkLoader -verbose -ignore "doc-schemas" -ignore "Ads" -properties loaddocs.properties -conPool commercePool -schema .\dmsBase\doc-schemas\doc-schema.xml -d .\dmsBase

java -classpath %CLASSPATH% com.bea.p13n.content.document.ref.loader.BulkLoader -verbose -ignore "doc-schemas" -properties loaddocs.properties -conPool commercePool -schema .\dmsBase\doc-schemas\ad-schema.xml -schemaName Ads -d .\dmsBase Ads