コミュニティ ガイド

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コミュニティのニーズの決定

この章では、いつコミュニティを作成し、いつ通常のポータル デスクトップを作成すべきかを判断するための指針を示します。コミュニティの作成を決定した場合、GroupSpace コミュニティを作成すべきか、またはカスタム コミュニティを作成すべきかを判断するのにも役立ちます。

この章の内容は以下のとおりです。

 


コミュニティの必要性の有無

次の表を使用して、コミュニティを作成する必要があるか、またはポータル デスクトップを作成する必要があるかを判断します。

次が必要な場合
コミュニティで提供されるもの
コミュニティ ロールに基づきポータル機能に異なる動作をさせるツール
例 : パートナ コミュニティに対して内部管理者とパートナ管理者がいます。この場合、パートナ管理者には表示されず、内部管理者にのみ表示される追加の機能が必要になります。
詳細なコミュニティ コンテキスト
コミュニティ フレームワークはコミュニティ コンテキスト情報を提供し、ユーザが特定のコミュニティのメンバーであるかどうか、およびユーザのコミュニティ内でのロールを判断できます。これらの組み合わせにより、同じポートレットで別の機能を利用できるようになります。
通常のポータル デスクトップを使っても、ユーザのリソースへのアクセスを管理できます。たとえば、資格を使用して、ユーザが表示できるブック、ページ、およびポートレットを管理できます。また、セキュリティ API および JSP タグを使用して、セキュリティ ロールに基づいてインライン コンテキストへのアクセスを管理できます。ただし、ユーザをロールに割り当てるには、非常に手間のかかる、一元的な、常に利用可能なポータル管理か、または、作成および維持が難しい可能性があるロール割り当て機能の開発のいずれかが必要です。
コミュニティ管理者は、コミュニティ ロールを自分のメンバーに割り当てることができ、開発者には、コミュニティから、リソースへのプログラムによるアクセスの開発について豊富な情報が提供されるので、この場合は、コミュニティが有利です。
カスタム ポータル メンバー ロール
例 : パートナ コミュニティに対して、特定のアプリケーション機能に制約されるいくつかのカスタム メンバー ロールが必要です。たとえば、販売業者に対して、ある情報は管理できるけれども、他の情報は表示のみできるようにするロールが必要です。
カスタム コミュニティ ロール
コミュニティ フレームワークを使って、カスタム ロールを定義できます。これらのロールは XML で定義され、ロールに目的の機能を付与するため、コミュニティ管理ツール内で利用できます。
通常のポータル デスクトップでは、リソースへのアクセスを許可または拒否するだけです。コミュニティでは、エンドユーザが持つ正確なアクセス権のタイプを管理できます。たとえば、一部のコミュニティ ユーザはコンテンツを作成、編集、削除でき、別のユーザはコンテンツの表示のみを許可されます。
他人がカスタム コミュニティを作成できるようにする
例 : 流通業者向けにカスタム コミュニティが構築されており、その流通業者が再販売業者向けのコミュニティでもほとんど同じ機能を使用したいとします。ただし、これらの販売業者には数千のコミュニティが存在する可能性があります。
コミュニティ テンプレート
コミュニティ フレームワークには、コミュニティ テンプレートを作成する機能があり、それには希望するどのようなリソース (ポートレット) でも含めることができ、定義するロールも含めることができます。このテンプレートは、技術に詳しくないエンドユーザでも新しいコミュニティを作成するのに使用できます。
通常のポータル デスクトップは、エンドユーザに、特有のデスクトップを作成および管理する機能は提供しません。

このようなコミュニティ特定の機能が必要ない場合、通常のポータル デスクトップを作成してください。詳細については、『ポータル開発ガイド』を参照してください。

 


作成するコミュニティのタイプの判断

前節でコミュニティを作成することを決定した場合、GroupSpace コミュニティまたはカスタム コミュニティのいずれのタイプのコミュニティを作成するかを判断する必要があります。

GroupSpace は WebLogic Portal に含まれる定義済みのコミュニティ アプリケーションです。GroupSpace には、チームまたはプロジェクト管理コミュニティをサポートするように設計されている機能とツールが含まれています。GroupSpace はコミュニティ フレームワーク上に構築されており、チームまたはプロジェクト コラボレーションのビジネス アクティビティを対象とするカスタム コミュニティの優れた例です。GroupSpace の機能については、『GroupSpace ガイド』に詳しく説明されています。

カスタム コミュニティでは、アプリケーション開発に全力で取り組む必要があります。

GroupSpace コミュニティの作成

正常に機能する GroupSpace コミュニティを数分で作成することができ、デフォルトの GroupSpace テンプレートに基本的な変更を加えることも難しくありません。GroupSpace には、メール、カレンダー、連絡先、タスク、ディスカッション フォーラム、GS 通知、GS 問題、GS GroupNote、GS リンク、GS RSS Reader、GS ドキュメント ライブラリ、CM ブラウザ、GS エンタープライズ検索、および GS 検索のポートレットがあります。

注意 : メール、カレンダー、連絡先、タスク、およびディスカッション フォーラム ポートレットは、カスタム コミュニティでも使用できます。ただし、すべての GS* ポートレットは GroupSpace でのみ機能します。

GroupSpace には固有の登録および招待機能があり、ユーザがその機能と対話するとき、定義済みのイベントのセットをトリガします。GroupSpace はこれらの各イベントが発生する回数を数えます。

許可されていること

ポートレットおよびページの削除や再編成、ユーザをコミュニティに参加するように招待するために送信されるデフォルトの電子メールへの変更など、GroupSpace への基本的な変更は可能です。GroupSpace への固有のポートレットの追加、WSRP (Web Services for Remote Portlets) を使用したリモート ブック、ページ、およびポートレットの追加、およびカスタム ポートレット内の対話管理やポートレット間通信などの中核の WebLogic Portal 機能の使用もできます。

制限

GroupSpace のページ フローに対するソース コードはパブリックではないので、GroupSpace の既存のアプリケーション機能はどれも変更できません。たとえば、登録フローへのイベントの挿入や登録フローの変更、イベント発生時や通知作成時のユーザへの警告に固有の通知メカニズムを代用することはできません。

カスタム コミュニティの作成

カスタム コミュニティの開発では、招待および通知メカニズム、登録、コンテンツ管理コンフィグレーション、エラー処理、およびアプリケーションの機能 (「寄稿者」にコンテンツを作成させ、「表示者」はコンテンツの表示のみできるようにするなど、定義するセキュリティ機能に基づいたアプリケーション動作の管理を含む) などのコミュニティ機能を、最初から開発する必要があります。

提供されているもの

WebLogic Portal には、訪問者ツールに含まれているコミュニティ管理ツールのセットがあります。これは、コミュニティ管理者が、コミュニティの作成、コミュニティ プロパティの変更、セキュリティ権のコンフィグレーション、およびセキュリティ権のコミュニティメンバーへの割り当てをできるようにし、コミュニティ メンバーが、自分の所属するコミュニティを表示できるようにします。

WebLogic Portal には、カレンダー、メール、タスク、ディスカッション フォーラム、および連絡先の保存用のコラボレーション ポートレットの定義済みのセットも用意されています。コミュニティ内では、カレンダー、アドレス帳、タスクの各ポートレットに、ユーザのみが閲覧できる項目を作成する [個人] タブと、コミュニティ全体が閲覧できる項目を作成する [コミュニティ] タブが自動的に表示されます。

 


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