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WebLogic Server プロデューサのコンフィグレーション

デフォルトでは、WebLogic Portal ドメインにデプロイされている WebLogic Portal プロジェクトが WSRP プロデューサとして機能するようにコンフィグレーションされます。基本的な WebLogic Server または WebLogic Express ドメインをプロデューサとして使用する場合、何らかのコンフィグレーションが必要です。この章では、基本的な WebLogic Server または WebLogic Express ドメインを WSRP プロデューサとしてコンフィグレーションする方法を説明します。サーバにデプロイされたポートレットは、コンシューマ アプリケーションで使用できます。

この章では、以下のトピックについて説明します。

 


はじめに

この章では、基本的な WebLogic Server を WSRP プロデューサとしてコンフィグレーションする方法を説明します。この節の例では、WebLogic Server ドメインにデプロイされている Struts 機能モジュールが用意されていると仮定します。この手順の目標は、プロデューサにリモートで使用できるポートレットを作成することです。

この手順に従うと、図 8-1 に示すように、WebLogic Portal アプリケーションが使用できるリモート ポートレットとして、Struts アプリケーションを公開できます。

図 8-1 WebLogic Server プロデューサ

WebLogic Server プロデューサ

WebLogic Server ドメインが WSRP プロデューサになるようにコンフィグレーションするには、次の 2 つの手順があります。

 


基本的な WebLogic Server ドメインでの WSRP の使用

この節では、WebLogic Server ドメインをプロデューサとしてコンフィグレーションする方法を説明します。コンシューマでポートレットを利用可能にするが、サーバ上に全部の WebLogic Portal 製品をインストールしない場合に、これを実行します。

ヒント : この方法で作成したプロデューサは、単純なプロデューサです。単純なプロデューサとは、全部の WebLogic Portal のインストールを必要としない、コアの WSRP サービスを提供するプロデューサです。このコンフィグレーションでは、登録やポートレット間通信などの、一部の高度な機能がサポートされていません。単純および複雑なプロデューサの詳細については、「プロデューサとコンシューマについて」を参照してください。

WebLogic Server ドメインを WSRP プロデューサにするために実行する必要がある基本手順は次のとおりです。

WebLogic Server ドメインの作成

この節では、BEA WebLogic Configuration Wizard を使用して、新しい WebLogic Server を作成する方法を説明します。その後、WSRP プロデューサ コンポーネントを含むようにドメインを拡張できます。

  1. BEA WebLogic Configuration Wizard を起動します。そのためには、WEBLOGIC_HOME/common/binconfig.cmd (または config.sh) コマンドを実行します。
  2. [ようこそ] ダイアログで、[新しい WebLogic ドメインの作成] を選択し、[次へ] をクリックします。
  3. [ドメイン ソースの選択] ダイアログで、図 8-2 に示されているように、[WebLogic Server] (デフォルト) および [Workshop for WebLogic Platform] を選択し、その他のチェックボックスは選択されていない状態にしておきます。
  4. 図 8-2 ドメイン ソースの選択


    ドメイン ソースの選択

  5. Configuration Wizard の残りの手順を実行して、WebLogic Server ドメインを作成します。Configuration Wizard の詳細については、WebLogic Server ドキュメントの『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

WebLogic Server ドメインの拡張

この節では、WebLogic Server ドメインを、単純なプロデューサのコンポーネントを含むように拡張する方法を説明します。

拡張テンプレートを使用して、ドメインを拡張します。拡張テンプレートは、既存ドメインを拡張するのに使用できるアプリケーションとサービスを定義します。この例で使用する拡張テンプレートの名前は、wsrp-simple-producer.jar です。

  1. BEA WebLogic Configuration Wizard を起動します。そのためには、WEBLOGIC_HOME/common/binconfig.cmd (または config.sh) コマンドを実行します。
  2. Configuration Wizard の [ようこそ] ダイアログで、図 8-3 に示すように [既存の WebLogic ドメインの拡張] を選択して、[次へ] をクリックします。
  3. 図 8-3 ドメインの拡張


    ドメインの拡張

  4. [WebLogic ドメイン ディレクトリの選択] ダイアログで、図 8-4 に示すように、拡張する WebLogic Server ドメインまで移動してそれを選択し、[次へ] をクリックします。
  5. 図 8-4 ドメイン ディレクトリの選択


    ドメイン ディレクトリの選択

  6. [拡張ソースの選択] ダイアログで、図 8-5 に示すように [既存の拡張テンプレートを使用してドメインを拡張する] を選択して、[次へ] をクリックします。
  7. 図 8-5 拡張ソースの選択


    拡張ソースの選択

  8. [参照] をクリックします。
  9. [テンプレートを選択] ダイアログで、図 8-6 に示すように、次の JAR ファイルを選択します。
  10. WEBLOGIC_HOME/common/templates/applications/wsrp-simple-producer.jar 
    図 8-6 テンプレートの選択


    テンプレートの選択

  11. ファイルを選択したら [OK] をクリックします。
  12. Configuration Wizard で、[次へ] をクリックして、適切にウィザードの手順を実行します。最後のダイアログに到達したら、[拡張] をクリックします。

チェックポイント : この時点で、WebLogic Server は、単純な WSRP プロデューサとして機能できるように拡張されています。次に、Web プロジェクトをコンフィグレーションする必要があります。

 


Web プロジェクトのコンフィグレーション

WebLogic Server ドメインを WSRP プロデューサとして機能するようにコンフィグレーションしたら、デプロイする Web プロジェクトを、ドメインで WSRP プロデューサとして機能できるようにする必要があります。Web プロジェクトを WSRP プロデューサとして機能するようにコンフィグレーションすると、そのプロジェクトでデプロイするポートレットが、コンシューマで利用可能になります。

Web プロジェクトの作成

WSRP プロデューサ コンポーネントで有効にされる Web プロジェクトを作成する必要があります。この例では、動的 Web プロジェクトを有効にする方法を示します。このタイプのプロジェクトには、デフォルトでは、WebLogic Portal コンポーネントまたは WSRP プロデューサ コンポーネントは 1 つも含まれていません。

  1. Workshop for WebLogic を起動します。
  2. [ファイル|新規|その他] を選択します。
  3. [新規 - ウィザードを選択] ダイアログで、[Web] フォルダを開き、[動的 Web プロジェクト] を選択します。[Dynamic Web Project] ダイアログが表示されます。
  4. プロジェクトの名前を入力し、[次へ] をクリックします。[Select Project Facets] ダイアログが表示されます。
  5. [Select Project Facets] ダイアログで、WebLogic Portal ノードを展開し、図 8-7 に示されているように次のファセットのみを選択します。
    • ポータル フレームワーク Struts
    • WSRP プロデューサ
    • 図 8-7 プロジェクト ファセットの選択


      プロジェクト ファセットの選択

  6. [終了] をクリックします。

チェックポイント : これで、コンシューマで表示可能なポートレットを作成できる Web プロジェクトが作成されました。

 


プロデューサ コンフィグレーションのテスト

プロデューサ コンフィグレーションをテストするために、次を実行できます。

プロデューサでのサーバの作成

プロデューサでアプリケーションを実行するための WebLogic Server を作成していない場合は、作成します。そのためには、次の手順を行います。

  1. Workshop for WebLogic を起動します。
  2. [ファイル|新規|その他] を選択します。
  3. 選択ダイアログで、[サーバー] フォルダを開き、[サーバー] を選択します。
  4. ウィザードのメッセージに従い、サーバを作成します。WSRP プロデューサとして機能するようにコンフィグレーションした WebLogic Server ドメインを使用して、WSRP プロデューサが有効になっている Web プロジェクトをサーバに追加します。
  5. サーバを起動します。
ヒント : Workshop for WebLogic を使用したサーバの作成の詳細については、WebLogic Portal チュートリアルの「ポータル開発環境の設定」を参照してください。

プロデューサ WSDL のテスト

最初に実行するテストは、ブラウザに WSDL URL を入力するとき、プロデューサ Web アプリケーションが WSDL 記述を返すのを確認することです。

  1. WebLogic Server を起動します。
  2. ブラウザの Web プロジェクトに対して WSDL URL を入力します。次に例を示す。
  3. http://localhost:7001/myWebApp/producer?wsdl

    サーバと Web アプリケーションが正しくコンフィグレーションされていると、WSDL ファイルがブラウザに表示されます。図 8-8 は、サンプルの WSDL ファイルを示しています。

    図 8-8 WSDL ファイルの例


    WSDL ファイルの例

チェックポイント : WSDL ファイルがブラウザに表示される場合、サーバはプロデューサとして機能しています。コンシューマ アプリケーションのリモート ポートレットとして使用できる Web アプリケーションに、ポートレットを作成できます。

プロデューサ Web アプリケーションでのポートレットの作成

Workshop for WebLogic を使用して、プロデューサ側で Web アプリケーションにポートレットを作成できます。動的 Web アプリケーションを作成したら、次のタイプのポートレットのいずれかを作成できます。

これらのタイプのポートレットの作成については、『ポートレット開発ガイド』を参照してください。

プロデューサ ポートレットの使用

実行可能なもう 1 つのテストは、WebLogic Portal アプリケーションから、プロデューサにデプロイされているポートレットの使用を試すことです。

  1. 別のマシンで、WebLogic Portal ドメインを作成します。これを実行するのに WebLogic Configuration Wizard を使用できます。別のマシンを使用できない場合は、サーバーのリスン ポートが、プロデューサ サーバが使用するポートと衝突していないことを確認します。
  2. Workshop for WebLogic を使用して、ポータル アプリケーションを作成し、そのアプリケーションを新しい WebLogic Portal ドメインと関連付けます。必要に応じて、BEA Web サイトにアクセスして、無償の開発者バージョンの Workshop for WebLogic を入手できます。
  3. 新しいポータル Web プロジェクトをアプリケーションに作成します。このアプリケーションはコンシューマ アプリケーションです。
  4. コンシューマ アプリケーションでポータルを作成します。
  5. コンシューマをホストするサーバを起動します。
  6. 作成したポータル Web プロジェクトにリモート ポートレットを作成します。WSDL がプロデューサ側の Web アプリケーションを指すように設定します。次に例を示す。
  7. http://producerHost:producerPort/myWebApp/producer?WSDL

    上記の producerHost:producerPort は、プロデューサをホストするマシンの IP アドレスとポート番号であり、myWebApp は、表示するプロデューサ ポートレットが保存されている Web アプリケーションのコンテンツ ディレクトリの名前です。詳細については、「リモート ポートレットの作成」を参照してください。

  8. コンシューマで、リモート ポートレットをポータルに追加し、ポータルを開きます。ポータルに、プロデューサで作成したポートレットが表示されます。

まとめ

この節では、コンシューマ内のリモート ポートレットが、基本的な WebLogic Server ドメインで実行するプロデューサにデプロイされているポートレットを参照するコンフィグレーションをテストしました。


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