パフォーマンス チューニング ガイド

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一般的なパフォーマンス チューニングのガイドライン

WebLogic Portal アプリケーションのパフォーマンスは、さまざまな要因の影響を受けます。この章では、パフォーマンスに影響する可能性のあるいくつかの基本的な局面について説明し、有用なドキュメント リソースへのリンクを紹介します。


パフォーマンス チューニングと BEA WebLogic Portal について

パフォーマンス チューニングは、開発、ステージング、およびデプロイメントにまたがるプロセスです。すべての段階でパフォーマンスをモニタし、適切な調整を行う必要があります。パフォーマンスのテストを初めて実行するユーザは、BEA dev2dev ウェブサイトの「Approaches to Performance Testing」を参照してください。

次の理由により、インストールのパフォーマンス テストを実行できる環境の確立をお勧めします。

推奨されるパフォーマンス テストの方法として、システムの最も単純な側面から開始し、徐々に複雑な領域に移ります。このテスト プロセスのいずれかの部分でパフォーマンス低下が観察された場合は、詳細な原因の調査を開始する必要があります。

一般的なアーキテクチャ

最初に次の手順を実行し、ネットワーク、データベース、またはその他のソフトウェアに関する、WebLogic Portal に関係しないパフォーマンスの問題を識別します。

  1. データベースを (Web コンポーネントから切り離して) テストし、スキーマと SQL の動作を観察します。スキーマまたは SQL のパフォーマンスが最適化されていない領域に注意します。適切な設定とパフォーマンス チューニングの詳細については、WebLogic Portal の『データベース管理ガイド』を参照してください。
  2. ネットワークの帯域幅が十分であるかどうかをテストし、サーバのオペレーティング システムの TCP/IP パラメータについて、予想されるアプリケーションの負荷を十分に処理できることを確認します。ネットワークは、デプロイメントにおいて最もパフォーマンスの低下が発生しやすい側面です。クラスタ デプロイメントの IP マルチキャストが正しくコンフィグレーションされているか確認します。マルチキャストのコンフィグレーションの詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザー ガイド』の「マルチキャスト コンフィグレーションのトラブルシューティング」を参照してください。
  3. Web サーバをテストして、多数の同時スレッドの実行時に静的 HTML ページを処理できる十分な処理能力があることを確認します。
  4. アプリケーションの要件に対応できる十分なリソースがあることを確認します。大規模アプリケーションの大半はクラスタ化されますが、クラスタ環境では、ロード バランシング タスクを行なうためのリソースが必要です。詳細については、「クラスタのコンフィグレーションについて」を参照してください。
  5. HelloWorld サーブレットなどのごく小さなサーブレットの負荷テストを実行して、サーブレット エンジンをテストします。この単純なサーブレットのパフォーマンスが水平方向にスケーリング (Java 仮想マシンの追加に応じてパフォーマンスが向上) しない場合、発生したパフォーマンスの問題は、インフラストラクチャまたはリソースの問題に関係している可能性があります。

WebLogic Portal

次に、以下の手順に従って、WebLogic Portal に関するパフォーマンスの問題を識別します。

  1. BEA WebLogic Portal データベース コンフィグレーションが最適化されていることを確認します。WebLogic Portal では、データベースを広範囲に使用します。接続プールが十分に大きいこと、およびデータベースの接続障害が効率的な方法で処理されることを確認します。たとえば、JDBC 接続プールのサイズは、同時ユーザの最大数を処理できるように設定する必要があります。これは、接続の必要に応じて増やすのではなく、サーバの起動時点で設定すべきです。このように設定するとサーバの起動時間が長くなりますが、サーバ負荷のもとでこれらの接続を作成するオーバーヘッドが減少します。詳細については、WebLogic Portal の『データベース管理ガイド』の「パフォーマンスの考慮事項」を参照してください。
  2. 次の項目に従って、各ポートレットの処理速度が最適化されていることを確認します。
    • ポートレットでポートレット内のデータを更新するフォームを使用すると、ポートレット全体のデータが更新され、処理に非常に時間がかかる場合があるため、この動作を含むポートレットについては AJAX または iFrames 経由で非同期表示を有効化し、ポータル全体の表示に影響を与えないようにする必要がある。注意 : ポートレットで非同期表示を使用する場合、ポートレット間通信がサポートされないなどの制限があります。
    • 多くの処理を必要とする項目は、編集ページ内または最大化されたページ用の URL 内に配置する。そうしないと、ポータルはポートレットの処理を待機する必要があり、そのためにポータルの最終的な表示が大幅に遅くなります。処理量の多いポートレットの場合、ポートレットの並列表示 (事前表示および表示フォーク) を使用して最適化します。詳細については、「ポートレットのパフォーマンスの最適化」を参照してください。
    • 動的のデータに依存しないポートレット上のキャッシングを有効にします。
  3. アプリケーションのコンポーネントをテストします。データ アクセス レイヤから開始し、その後は一度に 1 ステップずつ GUI までテストを続けます。アプリケーションの各コンポーネントと各レイヤ間でのパフォーマンスとスケーラビリティの違いに注意します。最後に、ブラウザ ベースの負荷テスト ツールからエンドツーエンド テストを実行します。
  4. 実際の条件をシミュレーションしてアプリケーションの動作とパフォーマンスをテストします。(このテストを行うために使用できるツールが多数あります)。必ず匿名ユーザとログイン ユーザの両方を同時に使用してください。


WebLogic Server のチューニング

WebLogic Portal は WebLogic Server 上で動作するため、WebLogic Server のパフォーマンスに影響する要因は、WebLogic Portal のパフォーマンスにも影響します。

WebLogic Server のチューニングの詳細については、『WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド』を参照してください。

WebLogic Server には、以下のようなチューニングに関する 10 の重要推奨事項があります。

表 1-1 チューニングに関する 10 の重要推奨事項
チューニングの確認事項
詳細については、以下を参照
JDBC 接続プールはどの程度のサイズにすべきか
JDBC キャッシュの使用方法
トランザクション対応データベース アプリケーションを最適化する方法
WebLogic Server はいくつの接続を受け入れるか
WebLogic Server のネットワーク レイヤの最適サイズは何か
どのタイプのエンティティ Bean キャッシュを使用すべきか
EJB がもう 1 つの EJB を呼び出しす場合にシリアライズを回避する方法
単一の SQL 文を使用して関連 Bean をロードする方法
セッション永続性をチューニングする方法
どのような JMS コンフィグレーションが最適か


JVM のチューニング

Java 仮想マシンは、ポータルの効率的な実行の鍵となります。WebLogic JRockit のチューニングの詳細については、『コンフィグレーションおよびチューニング ガイド』を参照してくだい。

推奨事項

JRockit を使用する場合、多くの異なるフラグを使用できます。アプリケーションや SLA に応じて、さまざまなパラメータおよびガベージ コレクション フラグを使用します。パラメータを変更する前に、その後のテスト間のパフォーマンスの違いを測定できるようにアプリケーションのベースラインを設定する必要があります。Sun Hotspot を使用する場合は、-XX:MaxPermSize を最低の 128MB に調整します。


データベースのチューニング

WebLogic Portal を使用するときは、データベースを常にチューニングされた状態に保つことが重要です。Portal では、コンテンツ、ルール、ポータル フレームワーク オブジェクト (ストリーミング デスクトップ、ブック、ページ、ポートレットなど) のカスタマイズ、およびユーザ プロファイルのデータを保存するためにデータベースを使用します。

プロダクション デプロイメントためのベスト プラクティスは、データベース ベンダにより異なります。それぞれのベスト プラクティスについては、データベース ベンダのドキュメントを参照してください。WebLogic Portal 固有のチューニングに関する重要推奨事項については、『データベース管理ガイド』を参照してください。


オペレーティング システムのチューニング

オペレーティング システムのチューニングは、使用しているオペレーティング システムのマニュアルに従って行ってください。BEA では、複数のオペレーティング システム上で WebLogic Platform の動作確認をしています。詳細については、「WebLogic Platform 9.2 でサポート対象のコンフィグレーション」を参照してください。

WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド』への準拠を強くお勧めします。


その他のリソース

WebLogic Portal では、WebLogic Server からのさまざまなコンポーネントを使用します。WebLogic Portal のチューニングの詳細については、次のドキュメントを参照してください。


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