WebLogic Scripting Tool ガイド

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サーバのライフサイクルの管理

有効期間中、サーバは停止、起動、スタンバイ、管理、再開中、実行中など、複数の動作状態を遷移できます。サーバのライフサイクルの詳細については、『サーバの起動と停止の管理』の「サーバのライフサイクルについて」を参照してください。

以下の節では、WebLogic Scripting Tool (WLST) を使用して、サーバのライフサイクルを管理およびモニタする方法について説明します。

サーバ インスタンスを起動および停止するその他の方法については、『サーバの起動と停止の管理』の「サーバの起動と停止」を参照してください。

 


WLST とノード マネージャを使用したサーバ管理

ノード マネージャは、単一の WLST セッションおよび単一のネットワーク接続を介して複数のサーバのライフサイクルを制御できるユーティリティです (障害発生後にサーバを自動的に再起動することもできます)。ノード マネージャの詳細については、『サーバの起動と停止の管理』の「ノード マネージャを使用したサーバの制御」を参照してください。

WLST では、ノード マネージャに関して次のことを実行できます。

ノード マネージャを使用したマシン上のサーバの起動

WLST では、任意のマシン上で実行されているノード マネージャに接続でき、そのマシン上の 1 つまたは複数の WebLogic Server インスタンスを起動できます。この方法を使用して WLST およびノード マネージャでサーバ インスタンスを起動するために、ドメインの管理サーバが実行されている必要はありません。

WLST をノード マネージャに接続し、サーバを起動するには、次の手順を実行します。

  1. サーバを起動するようにノード マネージャをコンフィグレーションします。
  2. 『サーバの起動と停止の管理』の「ノード マネージャを使用したサーバの制御」を参照。

  3. ノード マネージャを起動します。
  4. 通常はノード マネージャのコンフィグレーションにおいて、ホスト コンピュータの起動時にノード マネージャを自動的に起動する Windows サービスまたはデーモンを作成します。『サーバの起動と停止の管理』の「ノード マネージャおよびサーバの起動」を参照してください。

    ノード マネージャがまだ起動していない場合、ホスト コンピュータにログオンし、WLST を使用して起動できます。

    c:\>java weblogic.WLST
    wls:/offline> startNodeManager()

    startNodeManager の詳細については、「startNodeManager」を参照してください。

  5. WLST を起動します。
  6. java weblogic.WLST

  7. nmConnect コマンドを入力して、WLST をノード マネージャに接続します。
  8. wls:/offline>nmConnect('username','password','nmHost','nmPort','domainName','domainDir','nmType')

    次に例を示します。

    nmConnect('weblogic', 'weblogic', 'localhost', '5556', 'mydomain','c:/bea/user_projects/domains/mydomain','ssl')

    Connecting to Node Manager ...
    Successfully connected.
    wls:/nm/mydomain
    >

    nmConnect コマンドの引数の詳細については、「nmConnect」を参照してください。

  9. nmStart コマンドを使用して、サーバを起動します。
  10. wls:/nm/mydomain>nmStart('AdminServer')
    starting server AdminServer
    ...
    Server AdminServer started successfully
    wls:/nm/mydomain
    >

  11. nmServerStatus コマンドを入力して、管理サーバのステータスをモニタします。
  12. wls:/nm/mydomain>nmServerStatus('serverName')
    RUNNING
    wls:/nm/mydomain
    >

  13. nmKill コマンドを入力して、サーバを停止します。
  14. wls:/nm/mydomain>nmKill('serverName')
    Killing server AdminServer
    Server AdminServer killed successfully
    wls:/nm
    /mydomain>

WLST のノード マネージャのコマンドの詳細については、「ノード マネージャ コマンド」を参照してください。

ノード マネージャを使用したドメインの管理対象サーバおよびクラスタの起動

ノード マネージャを使用して管理対象サーバおよびクラスタを起動するには、次の手順に従います。

  1. サーバを起動するようにノード マネージャをコンフィグレーションします。
  2. 『サーバの起動と停止の管理』の「ノード マネージャを使用したサーバの制御」を参照。

  3. ノード マネージャを起動します。
  4. 通常はノード マネージャのコンフィグレーションにおいて、ホスト コンピュータの起動時にノード マネージャを自動的に起動する Windows サービスまたはデーモンを作成します。『サーバの起動と停止の管理』の「ノード マネージャおよびサーバの起動」を参照してください。

    ノード マネージャがまだ起動していない場合、ホスト コンピュータにログオンし、WLST を使用して起動できます。

    c:\>java weblogic.WLST
    wls:/offline> startNodeManager()

    startNodeManager の詳細については、「startNodeManager」を参照してください。

  5. 管理サーバを起動します。
  6. WLST がまだ実行されていない場合は呼び出します。次に、connect コマンドを使用して、実行中の WebLogic 管理サーバのインスタンスに WLST を接続します。
  7. c:\>java weblogic.WLST
    wls:/(offline)> connect('username','password')
    Connecting to weblogic server instance running at t3://localhost:7001 as username weblogic ...
    Successfully connected to Admin Server 'myserver' that belongs to domain 'mydomain'.
    Warning: An insecure protocol was used to connect to the server.
    To ensure on-the-wire security, the SSL port or Admin port should be used instead.

    wls:/mydomain/serverConfig>

    connect コマンド引数の詳細については、「connect」を参照してください。

  8. 以下のいずれかを行います。
    • 管理対象サーバを起動する。次のコマンドを入力します。
      start('managedServerName','Server')
    • ここで、managedServerName はサーバの名前です。次に例を示します。
      start('managed1','Server')

    • クラスタを起動する。次のコマンドを入力します。
      start('clusterName', 'Cluster')
    • ここで、clusterName はクラスタの名前です。次に例を示します。
      start('mycluster', 'Cluster')

      詳細については、「start」を参照してください。

 


ノード マネージャを使用しないサーバの起動および管理

以下の節では、ノード マネージャを使用せずにサーバを起動し、サーバ状態を管理する方法について説明します。

ノード マネージャを使用しないと、WLST では管理対象サーバを起動できません。サーバ インスタンスを起動および停止するその他の方法については、『サーバの起動と停止の管理』の「サーバの起動と停止」を参照してください。

ノード マネージャを使用しない管理サーバの起動

ノード マネージャを使用せずに管理サーバを起動するには、次の手順に従います。

  1. まだドメインを作成していない場合は、WLST でドメインを作成します。
  2. 詳細については、「WLST オフラインを使用したドメインの作成」を参照してください。

  3. ドメインを作成したコンピュータでシェル (コマンド プロンプト) を開きます。
  4. ドメインを配置したディレクトリに移動します。
  5. デフォルトでは、このディレクトリは BEA_HOME\user_projects\domains\domain_name です。BEA_HOME は、BEA Products の最上位インストール ディレクトリです。

  6. 以下のスクリプトのいずれかを実行して、環境を設定します。
    • bin\setDomainEnv.cmd (Windows の場合)
    • bin/setDomainEnv.sh (UNIX の場合)
    • Windows の場合は、[スタート] メニューのショートカットで環境変数を設定し、WLST を呼び出すことができます ([Tools|WebLogic Scripting Tool])。

  7. java weblogic.WLST と入力して、WLST を呼び出します。
  8. WLST プロンプトが表示されます。

    wls:/(offline)>

  9. WLST の startServer コマンドを使用して、管理サーバを起動します。
  10. startServer([adminServerName], [domainName], [url], [username], [password], [domainDir], [block], [timeout], [serverLog], [systemProperties], [jvmArgs])

    startServer コマンドの引数の詳細については、「startServer」を参照してください。

    次に例を示します。

    wls:offline/>startServer('AdminServer','mydomain','t3://localhost:7001','weblogic','weblogic','c:/bea/user_projects/domains/mydomain','true','60000','false')

WLST がサーバ インスタンスを起動した後は、サーバは WLST とは別個のプロセスで実行されます。WLST を終了しても、サーバは停止されません。

ノード マネージャを使用しないサーバ状態の管理

WLST ライフサイクル コマンドを使うと、サーバ インスタンスが遷移する状態を制御できます。「ライフサイクル コマンド」を参照してください。サーバに接続し、管理コマンドを発行する際は、ドメインの管理ポートを有効化および使用することをお勧めします。「WLST 接続の保護」を参照してください。

コード リスト 4-1 のコマンドは、RUNNING->ADMIN->RUNNING->SHUTDOWN の順に、WebLogic Server のサーバ状態を明示的に移行させます。

このスクリプトを実行する前に、WebLogic Server を起動します。「WLST の呼び出し」を参照してください。

コード リスト 4-1 WLST ライフサイクルのコマンド
connect("username","password","t3://localhost:8001")
# まず、管理ポートを有効化する。これは必須ではない。
# ドメインの管理ポートを有効化すると、WebLogic Server によって
# そのコンフィグレーション ファイルでの設定が永続化される。以降の WLST セッションでは
# このプロセスを繰り返す必要がない。
edit()
startEdit()
cmo.setAdministrationPortEnabled(1)
activate(block="true")
# サーバの状態を確認する
state("myserver")
# ここで、サーバを RUNNING 状態から ADMIN に移行する
suspend("myserver", block="true")
# 状態を確認する
state("myserver")
# ここで、サーバを再開して RUNNING 状態にする
resume("myserver",block="true")
# 状態を確認する
state("myserver")
# ここで、サーバのスレッド ダンプを取得する
threadDump("./dumps/threadDumpAdminServer.txt")
# 最後に、サーバを停止する
shutdown(block="true")

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