WebLogic 診断フレームワークのコンフィグレーションと使い方

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通知のコンフィグレーション

以下の節では、通知の種類とそれぞれのコンフィグレーション オプションについて説明します。

 


通知の種類

「通知」は、監視ルールの評価が true となった場合にトリガされるアクションです。WLDF では、配信メカニズムに従って、Java Management Extensions (JMX)、Java Message Service (JMS)、Simple Mail Transfer Protocol (SMTP)、および Simple Network Management Protocol (SNMP) の 4 種類の診断通知がサポートされています。また、診断イメージを生成する通知を作成することもできます。

診断モジュールのコンフィグレーション ファイルでは、以下の要素によって、種類の異なる通知が識別されます。

上記のいずれの通知にも、<name> および <enabled> コンフィグレーション オプションがあります。<name> の値は、監視を対応する通知にマップするために監視の <notification> 要素の値として使用されます。<enabled> 要素を true に設定すると、その通知が有効になります。つまり、関連する監視が true と評価すると、通知が発動されます。<name> および <enabled> を除き、各通知はユニークです。

注意 : 通知は weblogic.diagnostics.watch.WatchNotification を使用してプログラム的に定義します。

 


JMX 通知のコンフィグレーション

関連する監視がトリガされると、WLDF は、定義された JMX 通知ごとに JMX イベント (通知) を発行します。すべての通知を受信し、指定した出力をフィルタ処理するために、各アプリケーションは、通知リスナをサーバの WLDFWatchJMXNotificationRuntimeMBean に登録できます。JMX クライアントがフィルタとして使用できる JMX「通知タイプ」の文字列を指定することもできます。

コード リスト 9-1 に、JMX 通知のコンフィグレーションの例を示します。

コード リスト 9-1 JMX 通知のコンフィグレーションのサンプル
<wldf-resource xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics" 
   xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
   xsi:schemaLocation="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics.xsd">
  <name>mywldf1</name>  
  <watch-notification>
    <!-- 1 つまたは複数の監視のコンフィグレーション -->
    <jmx-notification>
      <name>myJMXNotif</name>
      <enabled>true</enabled>
    </jmx-notification>
    <!-- 他の通知のコンフィグレーション -->
  </watch-notification>
</wldf-resource>

JMX 通知の例を次に示します。

 Notification name:    myjmx called.Count= 42.
 Watch severity:         Notice
 Watch time:             Jul 19, 2005 3:40:38 PM EDT
 Watch ServerName:       myserver
 Watch RuleType:         Harvester
 Watch Rule:               ${com.bea:Name=myserver,Type=ServerRuntime//OpenSocketsCurrentCount} > 1
 Watch Name:             mywatch
 Watch DomainName:       mydomain
 Watch AlarmType:        None
 Watch AlarmResetPeriod: 10000

 


JMS 通知のコンフィグレーション

JMS 通知は、関連する監視のトリガに応じて JMS トピックまたは JMS キューにメッセージをポストするために使用します。システム リソース コンフィグレーション ファイルの <destination-jndi-name> 要素と <connection-factory-jndi-name> 要素で、メッセージの配信方法を定義します。

コード リスト 9-2 に、指定した接続ファクトリを使用して、指定トピックおよびキューから JMS メッセージを送信する 2 つの JMS 通知を示します。この処理を適切に行うためには、ドメインの config.xml ファイルで JMS が適切にコンフィグレーションされている必要があります。また、JMS リソースがこのサーバに対象指定されている必要があります。

コード リスト 9-2 JMS 通知のサンプル
<wldf-resource xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics" 
   xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
   xsi:schemaLocation="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics.xsd">
  <name>mywldf1</name>  
  <watch-notification>
    <!-- 1 つまたは複数の監視のコンフィグレーション -->
    <jms-notification>
      <name>myJMSTopicNotif</name>
      <destination-jndi-name>MyJMSTopic</destination-jndi-name>
      <connection-factory-jndi-name>weblogic.jms.ConnectionFactory
           </connection-factory-jndi-name>
    </jms-notification>
    <jms-notification>
      <name>myJMSQueueNotif</name>
      <destination-jndi-name>MyJMSQueue</destination-jndi-name>
      <connection-factory-jndi-name>weblogic.jms.ConnectionFactory
          </connection-factory-jndi-name>
    </jms-notification>
    <!-- 他の通知のコンフィグレーション -->
  </watch-notification>
</wldf-resource>

監視と通知の詳細は、通知メッセージの内容で示されます。

 


SNMP 通知のコンフィグレーション

Simple Network Management Protocol (SNMP) 通知は、関連する監視のトリガに応じて SNMP トラップをポストするために使用します。SNMP 通知を定義するには、コード リスト 9-3 に示すように、通知名を指定するだけで済みます。生成されたトラップには、トラップが生成される原因になった監視および通知の両方の名前が含まれます。SNMP トラップを適切に行うためには、ドメインの config.xml コンフィグレーション ファイルで SNMP が適切にコンフィグレーションされている必要があります。

コード リスト 9-3 SNMP 通知のコンフィグレーションのサンプル
<wldf-resource xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics" 
   xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
   xsi:schemaLocation="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics.xsd">
  <name>mywldf1</name>  
  <watch-notification>
    <!-- 1 つまたは複数の監視のコンフィグレーション -->
    <snmp-notification>
      <name>mySNMPNotif</name>
    </snmp-notification>
    <!-- 他の通知のコンフィグレーション -->
  </watch-notification>
</wldf-resource>

コード リスト 9-3 の SNMP 通知のコンフィグレーションによって生成されるトラップの型は 85 です。ここには、以下の値が含まれます (コンフィグレーションされた値は山括弧「<>」で示します)。

    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.5   timestamp (e.g. Dec 9, 2004 6:46:37 PM
                                            EST)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.145 domainName (e.g. mydomain")
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.10 serverName (e.g. myserver)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.120 <severity> (e.g. Notice)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.105 <name> [of watch] (e.g.
          simpleWebLogicMBeanWatchRepeatingAfterWait)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.110 <rule-type> (e.g. HarvesterRule)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.115 <rule-expression>
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.125 values which caused rule to
        fire (e.g..State =
        null,weblogic.management.runtime.WLDFHarvesterRuntimeMBean.
        TotalSamplingTime = 886,.Enabled =
        null,weblogic.management.runtime.ServerRuntimeMBean.
    OpenSocketsCurrentCount = 1,)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.130 <alarm-type> (e.g. None)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.135 <alarm-reset-period> (e.g. 10000)
    .1.3.6.1.4.1.140.625.100.140 <name> [of notification]
                                   (e.g.mySNMPNotif)

 


SMTP 通知のコンフィグレーション

Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) 通知は、関連する監視のトリガに応じて SMTP プロトコルでメッセージ (電子メール) を送信するために使用します。SMTP 通知を定義するには、最初に SMTP セッションをコンフィグレーションします。そのコンフィグレーションは、ドメインの config.xml コンフィグレーション ファイルで永続化されます。DIAG_MODULE.xml で、下位要素 <mail-session-jndi-name> を使用して、コンフィグレーション済みの SMTP セッションを指定し、下位要素 <recipients> を使用して、宛先 (少なくとも 1 つ) のリストを指定します。下位要素 <subject> では件名、<body> では本文を指定できます (いずれも省略可能)。これらを指定しない場合、デフォルトが使用されます。

コード リスト 9-4 に、コンフィグレーションされた SMTP セッションからコンフィグレーションされた宛先に SMTP (電子メール) メッセージを配信する SMTP 通知を示します。この通知のコンフィグレーションでは、カスタム サブジェクトおよび本文が記述されています。件名または本文を指定しなかった場合は、デフォルト設定 (監視と通知の詳細表示) が使用されます。

コード リスト 9-4 SMTP 通知のコンフィグレーションのサンプル (DIAG_MODULE.xml 内)
<wldf-resource xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics" 
   xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
   xsi:schemaLocation="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics.xsd">
  <name>mywldf1</name>  
  <watch-notification>
    <!-- 1 つまたは複数の監視のコンフィグレーション -->
    <smtp-notification>
      <name>mySMTPNotif</name>
      <mail-session-jndi-name>MyMailSession</mail-session-jndi-name>
      <subject>Critical Problem!</subject>
      <body>A system issue occurred.Call Winston ASAP.
           Reference number 81767366662AG-USA23.</body>
      <recipients>administrator@myCompany.com</recipients>
    </smtp-notification>
    <!-- 他の通知のコンフィグレーション -->
  </watch-notification>
</wldf-resource>


監視と通知の詳細は、通知メッセージの内容で示されます。

 


イメージ通知のコンフィグレーション

イメージ通知を使用すると、関連する監視のトリガに応じて診断イメージが生成されます。イメージ通知には、ディレクトリとロックアウト期間の 2 つのオプションをコンフィグレーションできます。

ディレクトリ名はイメージの生成先を示します。ロックアウト期間には、最後にイメージが生成されてから新しいイメージが生成されるまでに経過する必要のある秒数を指定します。サーバの障害と回復が繰り返される場合に、生成されるイメージの数を制限するのに便利です。

DOMAIN_NAME\servers\SERVER_NAME ディレクトリを基準とした相対的なディレクトリ名を指定できます。DOMAIN_NAME はドメインのホーム ディレクトリ、SERVER_NAME はサーバの名前です。デフォルトのディレクトリは DOMAIN_NAME\servers\SERVER_NAME\logs\diagnostic-images です。

イメージ ファイル名は、その時点のタイムスタンプを基に生成されます (たとえば、diagnostic_image_myserver_2005_08_09_13_40_34.zip)。この通知は、発動するたびに別個のイメージ ファイルを生成するので、何度でも発動可能です。

コンフィグレーションは DIAG_MODULE.xml コンフィグレーション ファイルで永続化されます。コード リスト 9-5 に、ロックアウト期間が 2 分間で、イメージが DOMAIN_NAME\servers\SERVER_NAME\images ディレクトリに生成されることを指定したイメージ通知のコンフィグレーションを示します。

コード リスト 9-5 イメージ通知のコンフィグレーションのサンプル (DIAG_MODULE.xml 内)
<wldf-resource xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics" 
   xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
   xsi:schemaLocation="http://www.bea.com/ns/weblogic/90/diagnostics.xsd">
  <name>mywldf1</name>  
  <watch-notification>
    <!-- 1 つまたは複数の監視のコンフィグレーション -->
    <image-notification>
      <name>myImageNotif</name>
      <enabled>true</enabled>
      <image-lockout>2</image-lockout>
      <image-directory>images</image-directory>
    </image-notification>
    <!-- 他の通知のコンフィグレーション -->
  </watch-notification>
</wldf-resource>

診断イメージの詳細については、「診断イメージのコンフィグレーションとキャプチャ」を参照してください。


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