WebLogic エンタープライズ JavaBeans バージョン 3.0 プログラマーズ ガイド

     前  次    新しいウィンドウで目次を開く     
ここから内容の開始

WebLogic Server での Oracle Kodo の使い方

この章では、WebLogic Server での Oracle Kodo アプリケーションの開発、デプロイメント、およびコンフィグレーションについて概説します。以下の内容について説明します。

 


Kodo の概要

Oracle Kodo は、Sun Microsystem の Java Persistence API (JPA) および Java Data Objects (JDO) 仕様の、透過的なデータ オブジェクト用の実装です。Oracle Kodo は、スタンドアロン製品として使用することも、WebLogic Server に統合することもできます。

この章では、WebLogic Server で JPA や JDO を使用してアプリケーションを実装する方法について説明します。WebLogic Server では、JPA および JDO 実装が、WebLogic Server 全体の Enterprise Java Bean 3.0 永続性実装の一部になっています。

JPA および JDO を使用したアプリケーションの作成に関する一般的な情報については、『Kodo Developer’s Guide』を参照してください。

 


Kodo アプリケーションの作成

WebLogic Server に Oracle Kodo アプリケーションを実装するには、最初にアプリケーションのコードを記述する必要があります。Oracle Kodo を使用してデータの永続性を管理するアプリケーションの記述については、以下のリソースを参照してください。

Oracle Kodo を使用してアプリケーションを作成する手順を理解し、実際にアプリケーションを作成したら、WebLogic Server を使用してアプリケーションをデプロイおよびコンフィグレーションします。手順については、以降の節を参照してください。

 


バージョンの異なる Kodo の使用

WebLogic Server に付属している Kodo とはバージョンが異なる Kodo を使用する場合は、FilteringClassLoader を使用して、Kodo および OpenJPA ライブラリをコンポーネント クラスパスから除外する必要があります。

次のサンプルでは、weblogic-application.xml でこれらのクラス ライブラリを除外する方法を示します。

<prefer-application-packages>
<package-name>org.apache.openjpa.*</package-name>
<package-name>kodo.*</package-name>
</prefer-application-packages>

フィルタリング クラスローダの詳細については、『WebLogic Server アプリケーションの開発』の「WebLogic Server アプリケーションのクラスローディングについて」を参照してください。

 


永続性のコンフィグレーション

以下の節では、永続性をコンフィグレーションする方法について説明します。

コンフィグレーション プロパティ ファイルを編集する

Oracle Kodo では、次の表に示す 2 つの XML ファイルを使用してコンフィグレーション プロパティを定義します。

表 6-1 永続性コンフィグレーション ファイル 
コンフィグレーション ファイル
説明
persistence.xml
JPA 機能仕様で定義されている Kodo コンフィグレーション パラメータ。このファイルは必須。
このコンフィグレーションを構造化するための XML スキーマは、http://java.sun.com/xml/ns/persistence/persistence_1_0.xsd から入手できる。
詳細については、『Kodo Developers Guide』の「 Chapter 6. Persistence」を参照。
persistence-configuration.xml
Oracle Kodo 固有のコンフィグレーション パラメータ。このファイルは、アプリケーションのデプロイメントにおいて必須ではない。これを指定する場合でも、persistence.xml 記述子は必要。
デプロイメントに persistence-configuration.xml が含まれていない場合は、各コンフィグレーション パラメータの妥当なデフォルト値が設定される。
このコンフィグレーションを構造化するための XML スキーマは、http://www.bea.com/ns/weblogic/persistence-configuration.xsd から入手できる。

注意 : Java SE 環境で persistent-configuration.xml ファイルを使用する場合は、weblogic.jar ファイルを CLASSPATH に含める必要がある。

必要に応じてコンフィグレーション ファイルを編集し、永続性をコンフィグレーションします。永続性ユニットは、WAR または EJB JAR ファイルの一部としてパッケージ化するか、WAR または EAR ファイルに含めることのできる JAR ファイルとしてパッケージできます。これらのファイルは、永続性ユニットのルートにある META-INF ディレクトリ内のリソースとして使用できるようにする必要があります。永続性ユニットのルートは、コンテナ環境では以下のいずれかになります。

2 種類のコンフィグレーション フ イルを組み合わせて使用する

ここでは、これらのコンフィグレーション ファイルを組み合わせて使用する場合の考慮事項について説明します。

プラグインをコンフィグレーションする

Kodo は高度なカスタマイズが可能な環境であるため、コンフィグレーション プロパティの多くが、システム プラグインの作成およびコンフィグレーションに関係しています。プラグイン プロパティの構文は、Java アノテーションの構文によく似ています。プラグイン プロパティを使用することで、プラグインにどのクラスを使用するか、また、インスタンス化されたプラグイン インスタンスのパブリック フィールドや Bean プロパティをどのようにコンフィグレーションするかを指定できます。

基本的に、プラグインは名前と値のペアによる一連のプロパティを使用して定義します。次のサンプルでは、persistence.xml 内でプラグインを定義する方法を示します。

<properties>
<property name=’myplugin.DataCache’ value=’com.bea.MyDataCache(CacheSize=1000, RemoteHost=’CacheServer)’>
</properties>

 


Kodo アプリケーションのデプロイメント

Kodo アプリケーションをデプロイする前に、以下のタスクを完了する必要があります。

これらのタスクが完了したら、そのアプリケーションを WebLogic Server にデプロイできます。コンフィグレーションが完了していれば、Kodo アプリケーションは他のアプリケーションと同じ方法でデプロイできます。アプリケーションのデプロイメントの詳細については、「Oracle WebLogic Server 10g リリース 3 アプリケーションのデプロイメント」を参照してください。

 


Kodo アプリケーションのコンフィグレーション

注意 : Administration Console では、新しい永続性ユニットを作成することはできません。新しい永続性ユニットを作成するには、persistence.xml を手動で編集する必要があります。

Kodo アプリケーションをデプロイしたら、persistence.xml および persistence-configuration.xml で定義されているコンフィグレーション パラメータを変更できます。

以下の節では、Kodo アプリケーションを Administration Console でコンフィグレーションする方法と、Administration Console を使用せずにコンフィグレーションする方法について説明します。

Administration Console を使用する

デプロイしたアプリケーションの永続性が persistence.xml で定義されている場合は、次の手順で Administration Console からコンフィグレーションにアクセスできます。

  1. [デプロイメント] を選択します。
  2. コンフィグレーションしたい永続性ユニットが含まれているモジュールの名前を選択します。
  3. [コンフィグレーション] タブを選択します。
  4. [永続性] タブを選択します。
  5. 表示された一覧から、コンフィグレーションする永続性ユニットを選択します。

これによって、Administration Console で編集可能なすべての Kodo 永続性パラメータにアクセスできるようになります。

Administration Console を使用せずに Kodo アプリケーションをコンフィグレーションする

Administration Console を使用できない環境でパラメータを変更する必要がある場合は、以下の方法で変更できます。


ページの先頭       前  次