Oracle WebLogic Tuxedo Connector 管理ガイド

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Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション

以下の節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーションの方法について説明します。

 


環境の変更と考慮事項の概要

この節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector を使用する前に、Oracle Tuxedo および Oracle WebLogic Server 環境に行う必要のある変更の概要を示します。

Oracle Tuxedo の変更

注意 : Oracle Tuxedo ドメインの詳細については、『Tuxedo Domains コンポーネント』を参照してください。

Tuxedo ユーザは、次のような環境の変更を行う必要があります。

WebLogic Server の変更

以下の節では、Oracle WebLogic Tuxedo Connector を使用するために必要な WebLogic Server の変更について説明します。

管理とプログラミング

WebLogic Server ユーザは、次のような環境の変更を行う必要があります。

WebLogic Server のスレッド

ゲートウェイからサービスをディスパッチするときに使用できるクライアント スレッドの数によって、同時に実行できるサービスの数が制限されることがあります。このリリースの Oracle WebLogic Tuxedo Connector では、利用可能なスレッドの数を増やすための Oracle WebLogic Tuxedo Connector 属性はありません。サービス EJB を呼び出すときは、適切なスレッド モデルを使用します。場合によっては、利用可能な WebLogic Server スレッドの数を大きな値に増やす必要があります。

注意 : WTC サーバでは、3 つのスレッドに加えて、定義されているローカル アクセス ポイントごとに 1 つのスレッドが使用されます。

 


アプリケーション用の Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション

注意 : WTC サービスをいつ割り当てるかは非常に重要です。実行時 MBean に対するサポートがあるため、デプロイメント後にコンフィグレーションを変更できますが、tBridge では例外があります。tBridge グローバルおよび tBridge リダイレクトの変更は、WTC をアンデプロイしてから再デプロイするまで有効になりません。

この節では、WebLogic Server アプリケーションと Tuxedo アプリケーションの相互運用を可能にするために Oracle WebLogic Tuxedo Connector をコンフィグレーションする方法について説明します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector MBean クラス

注意 : Oracle WebLogic Server 管理と config.xml ファイルの詳細については、『WebLogic Server MBean リファレンス』を参照してください。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector は、MBean を使用して、WebLogic Server と Tuxedo との間のサービス リクエストを処理するための接続情報とセキュリティ プロトコルを記述します。これらのコンフィグレーション パラメータは、Tuxedo ドメイン間の通信に必要な相互運用属性に似ています。コンフィグレーション パラメータは、WebLogic Server の config.xml ファイルに格納されます。以下の表に、Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーションに使用される MBean のタイプを示します。

MBean のタイプ
説明
WebLogic Server と Tuxedo との間の接続に必要な相互運用属性を持つ親 MBean。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、WTC サービスを定義する。
使用可能なリモート Tuxedo ドメインを WTC サービスに接続するためのコンフィグレーション情報を提供する。最低 1 つのローカル Tuxedo アクセス ポイントをコンフィグレーションする必要がある。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、ローカル Tuxedo アクセス ポイントを定義する。

注意 : 動的なコンフィグレーションのため、空の WTC サービスを作成してデプロイできる。

使用可能な Tuxedo リモート ドメインに WTC サービスを接続するためのコンフィグレーション情報を提供する。複数のリモート ドメインをコンフィグレーションしてもよい。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、Tuxedo リモート アクセス ポイントを定義する。
ローカル Tuxedo アクセス ポイントによってエクスポートされるサービス情報を提供する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、エクスポートされるサービスを定義する。
インポートされたサービスおよびリモート ドメインで使用可能なサービスに関する情報を提供する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、インポートされるサービスを定義する。
ドメインのグローバル フィールド テーブル クラス、ビュー テーブル クラスおよびアプリケーション パスワードを指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、リソースを定義する。
MBSTRING のサポートは、RemoteMBEncoding 属性および MBEncodingMapFile 属性を使用して提供される。
相互ドメイン認証にコンフィグレーション情報を指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、パスワードを定義する。
WebLogic Server と Tuxedo の間のメッセージ転送に関するグローバル コンフィグレーション情報を指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、Tuxedo キュー ブリッジを定義する。
WebLogic Server と Tuxedo の間のメッセージのソース、ターゲット、方向および転送を指定する。Administration Console を使用してコンフィグレーションする場合に、Tuxedo キュー ブリッジ リダイレクトを定義する。

Administration Console を使用した Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション

Administration Console により、Oracle WebLogic Tuxedo Connector 接続のコンフィグレーション、管理、モニタを行うことができます。これらのタスクに使用するタブを表示するには、次の操作を行います。

  1. Administration Console を起動します。
  2. 左ペインで [相互運用性] ノードを選択し、[WTC サービス] を展開します。
  3. コンフィグレーションする WTC サーバを作成または変更します。
  4. オンライン ヘルプの指示に従います。オンライン ヘルプへのリンクについては、表 2-1 を参照してください。

次の表では、接続タスクを一般的な実行順序で示します。この順序は変更してもかまいません。ただし、オブジェクトは関連付けおよび割り当ての前にコンフィグレーションする必要があります。

コマンドライン インタフェースを使用した Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション

コマンドライン インタフェースは、Oracle WebLogic Tuxedo Connector 接続を作成し管理する方法を提供します。コマンドライン インタフェースの使用方法については、『WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照してください。

WebLogic Server 環境の設定

WL_HOME\samples\domains\examples にある setExamplesEnv スクリプトを実行して、WebLogic Server アプリケーションの環境を設定する必要があります。

- Windows ユーザの場合は、setExamplesEnv.cmd を実行します。

- UNIX ユーザの場合は、setExamplesEnv.sh を実行します。

環境を初めて設定する場合は、スクリプトの設定をチェックする必要があります。必要に応じて、次の手順に従ってアプリケーション環境の設定を修正します。

  1. コマンドラインで、WebLogic Server アプリケーションの場所にディレクトリを変更します。WL_HOME\samples\domains\examples にある setExamplesEnv スクリプトをアプリケーション ディレクトリにコピーします。
  2. vi などのテキスト エディタを使用して、setExamplesEnv スクリプトを編集します。
  3. - Windows ユーザの場合は、setExamplesEnv.cmd を編集します。

    - UNIX ユーザの場合は、setExamplesEnv.sh を編集します。

  4. ファイルを保存します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector プロパティの設定方法

PasswordKey および encoding は WebLogic Server のプロパティです。これらのプロパティの設定が必要であれば、サーバ起動スクリプトの中の JAVA_OPTIONS 変数を更新します。次に例を示します。

JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.PasswordKey=mykey

PasswordKey の設定

注意 : PasswordKey の詳細については、「パスワード コンフィグレーションのコンフィグレーション」を参照してください。

PasswordKey を使って、weblogic.wtc.gwt.genpasswd ユーティリティがパスワードの暗号化に使用するキーを指定します。

JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.PasswordKey=mykey

ここで、mykey はキー値です。

encoding の設定

WebLogic Server アプリケーションと Tuxedo アプリケーションの間で非 ASCII (マルチバイト) 文字列を転送する場合、文字セットを変換できるよう Oracle WebLogic Tuxedo Connector をコンフィグレーションする必要があります。Oracle WebLogic Tuxedo Connector では、Oracle WebLogic Server のプロパティを使用して、Oracle WebLogic Tuxedo Connector サービスで指定したすべての Tuxedo リモート ドメインで使用されるエンコーディングを一致させます。複数のコーディング セットを同時に実行する必要がある場合、WebLogic Server インスタンスごとに Oracle WebLogic Tuxedo Connector サービスを実行する必要があります。

文字セット変換を有効にするには、サーバ起動スクリプトにある JAVA_OPTIONS 変数を更新します。次に例を示します。

JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.encoding=codesetname

ここで、codesetname は、リモート Tuxedo ドメインでサポートされており、使用されるコードセットの名前です。サポートされている基本コーディング セットおよび拡張コーディング セットについては、「Supported Encodings」を参照してください。

リモート ドメインで使用されるエンコーディングと一致する正確なエンコーディング名を選択することができない場合があります。このような場合、リモート ドメインと同等のエンコーディング名を選択する必要があります。

例 :

名前は完全には一致していませんが、EUC_JPeucJP はエンコーディング セットとして等価なので、WebLogic Server とリモート ドメイン間で文字列変換が正しく行われます。したがって、この場合は EUC_JP のエンコーディング プロパティを次のように設定します。

JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.wtc.encoding=EUC_JP

ユーザ データのダンプの設定

ユーザ データのダンプを有効化するには、java.weblogic.Server コマンドに次の行を追加します。

JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.debug.DebugWTCUData=true

ダンプを有効化すると、接続の確立後にユーザ データがダンプされます。他のデバッグ プロパティが有効化されていない場合、通常の WTC エラー メッセージと情報メッセージ以外では、このデータが唯一のダンプされる WTC 情報になります。ダンプは WLS のサーバ ログ ファイルで使用できます。

ダンプのフォーマットは次のとおりです。

たとえば、WLS クライアントが STRING 型のバッファでデータ “strings” を送信し、Tuxedo TOUPPER サービスがそれを “STRINGS” に変換する場合、WLS のサーバ ログには、次のダンプが示されます。

Outbound UDATA: buffer type (STRING, null)
+++++ User Data(16) +++++
00 00 00 07 73 74 72 69 6E 67 73 00 00 00 00 00 ....strings.....
+++++ END +++++
Outbound UDATA: buffer type (String, null)
+++++ User Data(12) +++++
00 00 00 07 53 54 52 49 4E 47 53 00 ....STRINGS.
+++++ END +++++

システム レベルのデバッグ設定

TraceLevel が非推奨になったため、システム デバッグを使用してください。デフォルトではすべてのデバッグ トレースは無効になっています。デバッグ トレースを有効にするには、以下の設定を使用します。

Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーション ガイドライン

Oracle WebLogic Tuxedo Connector のコンフィグレーションを行う際には、以下のガイドラインに従ってください。


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