BEA WebLogic Server SNMP MIB の紹介

この章の内容は以下のとおりです。

• MIB オブジェクト識別子

• MIB 定義の構造

WebLogic 管理サーバは、Simple Network Management Protocol (SNMP) エージェントとして機能します。 WebLogic SNMP エージェントは、SNMP マネージャからの要求に応答するサービスとして実行され、SNMP トラップ通知を SNMP マネージャに送信します。WebLogic SNMP エージェントでは、標準の Java Management Extension (JMX) インタフェースを使用して WebLogic 属性にアクセスします。エージェントでは、次の機能を提供します。

• 管理サーバ上で JMX Management Bean (MBean) を介して使用可能な属性をモニタするための実行時情報へのアクセス (GET)

• 管理サーバ上で JMX MBean を介した WebLogic ドメイン コンフィグレーション情報へのアクセス (GET)

• WebLogic Server によってイベントのモニタまたはログ用に生成された JMX 通知のサブスクライブ

• コンフィグレーション可能なログベースのエンタープライズ固有 SNMP トラップ通知のサポート

• WebLogic SNMP エージェントを変更せずに WebLogic 実装の管理を拡張するためのユーザ定義 SNMP 管理情報ベース (MIB) の導入

管理サーバ上に常駐する MBean には、次の 2 つのタイプがあります。 実行時 MBean では、WebLogic リソースの現在の状態に関するモニタ情報を取得 (GET) できます (BEA WebLogic Server 実行時 MIBを参照)。 コンフィグレーション MBean (BEA WebLogic Server コンフィグレーション MIBを参照) を使用すると、管理サーバがリソースのコンフィグレーション属性の変更 (SET) およびコンフィグレーション可能属性の現在の状態に関する情報を取得 (GET) できます。このリリースの WebLogic Server 用の SNMP サービスでは、コンフィグレーション属性情報の取得 (GET) のみがサポートされています。

 

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MIB オブジェクト識別子

SNMP 管理フレームワークでは、SNMP リクエストが属性の値に関する情報を取得 (GET) または属性の値を変更 (SET) できる場合、リソースは管理可能であるとします。 SNMP 管理ソフトウェアの分野では、管理属性は「オブジェクト」と呼ばれ、管理情報ベース (MIB) として情報の階層構造に配置されます。MIB 内の各オブジェクトには、オブジェクト識別子 (OID) があり、マネージャがオブジェクトの値をエージェントから要求するために使用されます。 OID は、OID ツリーまたは「登録ツリー」と呼ばれるツリー構造を通じて管理対象オブジェクトへのパスを定義することによって、オブジェクトをユニークに識別する並べられた整数です。SNMP エージェントが特定の管理対象オブジェクトにアクセスする必要がある場合、OID ツリーを移動してオブジェクトを見つけます。

図1-1 WebLogic オブジェクト識別子

 

WebLogic Server の場合は、管理可能属性は WebLogic Server ソフトウェアにある BEA WebLogic 非公開 MIB ファイル内で SNMP オブジェクトとして定義されます。このファイルは BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1 という名前が付けられています。

この階層では、WebLogic エージェント ソフトウェアが管理する各 BEA WebLogic 非公開 MIB オブジェクトはユニークなオブジェクト識別子を持ちます。BEA WebLogic オブジェクトでは、.1.3.6.1.4.1.140.625 プレフィックスを使用して BEA 非公開 MIB 内でオブジェクトとしてファイルを識別します。BEA WebLogic 非公開 MIB 内のオブジェクトの ASN.1 表記法での完全なリストについては、BEA WebLogic ASN.1 ファイルを参照してください。

ASN.1 ファイル

BEA WebLogic SNMP MIB は、抽象構文記法 1 (ASN.1) のコーディング規格に準拠しています。ASN.1 ファイルは、SNMP 準拠 MIB を構成するオブジェクトを定義する標準 SNMP ファイルです。ファイル内の各オブジェクトは、SNMP 規格に準拠して定義されます。BEA WebLogic Server ソフトウェアは、SNMP 用の BEA WebLogic MIB を定義するための ASN.1 ファイル BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1 を含みます。BEA WebLogic SNMP MIB は、SNMP 標準で要求される RFC 1212 に準拠して記述されます。

相対オブジェクト識別子と絶対オブジェクト識別子

OID は、相対および絶対の 2 つの方法で指定できます。絶対 OID は、OID ツリーのルートから属性までのパスを指定します。絶対 OID 名は、最初にドットが付き、最上位ノードから特定の管理対象オブジェクトまでの OID ツリーの各ノードを指定する必要があります。 次に例を示します。

.1.3.6.1.2.1.1.1

相対 OID は、OID ツリー内のあるノードに対して相対的な属性へのパスを指定します。 次に例を示します。

2.1.1.7 

上記のパスは、OID ツリー内のインターネット ノードに対して相対的なsystem グループ内の MIBII sysContact オブジェクトを指定します。

オブジェクト識別子の指定

ドットで区切られた一連の整数で OID を記述するドット (.) 表記の使用に加えて、数字の代わりにテキスト記号を使用してオブジェクトへのパス内のノードを示すか、または整数とテキスト記号の組み合わせを使用して OID を表すことができます。シンボリック OID では、ニーモニック キーワードを使用して管理対象オブジェクトを指定します。 次に例を示します。

mgmt.mib-2.system.sysDescr

次の数値 OID では、整数を使用して同じ管理対象オブジェクトを指定します。

2.1.1.1

この例は相対 OID であることに注意してください。

OID は、OID ツリーの個々のノードを表すためにシンボリックおよび数値の両方を組み合わせることができます。次に例を示します。

mgmt.mib-2.1.sysDescr

WebLogic ASN.1 ファイルを参考にすることによって、OID ノードと等価のニーモニックまたはテキストを WebLogic 非公開 MIB 内で見つけることができます。625 の等価テキストである登録ツリー内の WebLogic Server ノードは (.1.3.6.1.4.1.140.625)、wls です。

 

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MIB 定義の構造

次のキーワードが、MIB 管理対象オブジェクトの定義に使用されます。

Syntax

そのオブジェクト タイプに対応する抽象データ構造体を定義します。この目的には、ASN.1 言語が使用されます。ただし、SMI では使用可能な ASN.1 構成を意図的に制限しています。これらの制限は、簡便化のために明示的に行われます。

Access

オブジェクト値を、取得のみで変更できない設定 (読み取り専用) にするか、変更可能 (読み取りおよび書き込み可能) にするかどうかを定義します。

注意: タブ区切りオブジェクトの場合は、新規行の作成中に読み取り書き込み可能オブジェクトのみが設定可能です。これが有効の場合、そのMIB オブジェクトの説明セクションに示されます。

Description

解釈に必要なすべてのセマンティック定義を提供するそのオブジェクト タイプのテキスト定義を含みます。この句は一般的に、そのオブジェクトに関連付けられている任意の ASN.1 コメント注釈で通信される情報を含みます。

注意: テーブル内の各行は、そのテーブルの下の Entry オブジェクトのインスタンスです。テーブル (jdbcConnectionPoolTable など) の下の Entry オブジェクトの説明セクションには、新規行の作成方法、値がローカル マシンにのみ関連するかどうか、およびテーブル オブジェクトに関するその他の関連情報などの、行の作成に最低限必要なカラム値情報が含まれます。