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キャパシティ プランニング

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基準アプリケーションの処理結果の検討

以下の節では、基準アプリケーションについて説明します。

 


MedRec ベンチマークの概要

MedRec サンプル アプリケーションを使用して、軽量および重量アプリケーション テストを行いました。軽量アプリケーション テストと重量アプリケーション テストでは、クライアントとサーバの間で使用される通信プロトコルが異なります。軽量アプリケーション テストでは、クライアントから HTTP 1.1 プロトコルが使用されます。重量アプリケーション テストでは HTTPS 1.1 プロトコルが使用され、クライアントとサーバの間のデータ通信が保護および暗号化されます。

Avitek Medical Records (MedRec) は、J2EE プラットフォームのすべての側面を正確に示す WebLogic Server サンプル アプリケーション スイートです。MedRec は、J2EE 開発者の全レベルに対応する教育ツールとして設計されています。このサンプルは、J2EE の各コンポーネントの使用方法、およびコンポーネントの対話とクライアント開発に関するベスト プラクティスの設計パターンを示すものです。

MedRec アプリケーションは、患者、医師、および管理者に対して、さまざまなクライアントを使用して患者のデータを管理するフレームワークを提供します。患者のデータには、以下のものがあります。

MedRec アプリケーション スイートは 2 つの主要な J2EE アプリケーションで構成されています。各アプリケーションで、1 つまたは複数の MedRec ユーザ シナリオがサポートされています。

medrecEAR アプリケーションは、MedRecServer という 1 つの WebLogic Server インスタンスにデプロイされます。physicianEAR アプリケーションは、Web サービスを使用して medrecEAR のコントローラ コンポーネントと通信する PhysicianServer という独立したサーバにデプロイされます。

 


ベンチマークで使用される MedRec およびトランザクションに対する変更

WebLogic Server 8.1 MedRec アプリケーションは、キャパシティ プランニングのベンチマーク用に最適化されています。修正後のアプリケーションでは、患者登録プロセスが同期化され、2 フェーズ コミットが省略されています。ベンチマーク ソフトウェア LoadRunner の実行されたクライアントにおいて、次のトランザクション シーケンスで負荷を生成しました。

  1. 患者が MedRec アプリケーションに接続して、スタート ページを開きます。
  2. その患者が登録プロセスを完了します。
  3. 医師がオンライン システムに接続して、サインインします。
  4. 医師が患者のルックアップを実行します。
  5. 医師が患者の新しい通院記録を作成して、処方箋の作成や削除を行います。
  6. 医師がログアウトします。
  7. 患者がサインインして、ユーザ プロファイルを編集します。
  8. 患者がそのプロファイルを修正して、情報を更新します。
  9. 患者がログアウトします。

上のシーケンスの各アクションが、スループットを計算するためのトランザクションとして扱われます。各クライアントでは、処理を反復するたびにユニークな患者 ID が生成されます。

 


基準アプリケーションの概要

BEA ではシステム構築を検討する起点として、基準キャパシティ プランニングでのテスト結果を生成しました。準値の生成には、構成の異なる 2 種類のアプリケーションを使用しました。使用したアプリケーションを次に示します。

これらのアプリケーションのそれぞれで提示される測定基準を使用して、選択したハードウェアとコンフィグレーションに基づく WebLogic Server のスループット、応答時間、同時ユーザの数、およびパフォーマンスへの全体的な影響を予測できます。

これらのテスト システムの測定値は、トランザクションの混合に思考時間を加味せずに得られたものです。

注意 : 標準ソフトウェアでの WebAuction アプリケーションを使用したキャパシティ プランニングの概要については、『J2EE Applications and BEA WebLogic Server』Prentice Hall, 2001, ISBN 0-13-091111-9 (http://www.phptr.com) の第 15 章「Analysis of Capacity Planning」を参照してください。

 


MedRec 基準アプリケーション (軽量と重量) のコンフィグレーション

測定はすべて、クライアント アプリケーションと Oracle データベースを 4x400Mhz Solaris プロセッサ上で実行した状態で行われました。WebLogic Server インスタンスは、掲載されているプロセッサ/コンフィグレーションの組み合わせごとに起動しました。2 種類のアプリケーションのキャパシティ測定の基準値は、アプリケーションの説明の後に表形式で示します。

ここに示す基準値は、クライアント アプリケーション (ベンチマーク ソフトウェア LoadRunner を実行)、MedRec 基準アプリケーションの含まれる WebLogic Server、および Oracle データベース サーバの 3 層に分かれたコンフィグレーションで収集されたものです。このシステムでは Oracle 8.1.7 データベースが使用され、すべて 1GB のネットワークを使用して測定されました。

図 2-1 3 層コンフィグレーション


 

3 層コンフィグレーション


 


 

WebLogic Server のコンフィグレーション

基準値の収集に使用した製品バージョンと設定を以下に示します。

測定に使用したコンフィグレーション

以下のコンフィグレーションについて測定しました。

データベースのコンフィグレーション

Oracle 9.2.0.2.0 を 8 プロセッサ 750MHz E6800 上で使用しました。パフォーマンスを向上させるために、Oracle のログ (8GB) を、一緒にストライピングされる 4 ディスクの RAID 配列に配置し、他のすべてのデータベース ファイルについては、4 ディスクの別の RAID 配列 (ストライピング) を使用しました。

データベースのコンフィグレーションは次のとおりです。

クライアントのコンフィグレーション

クライアントのコンフィグレーションは次のとおりです。

ネットワークのコンフィグレーション

1GB のネットワークを使用しました。

LoadRunner のコンフィグレーション

クライアントの負荷を生成するために、LoadRunner 7.02 を 4GB のメモリを搭載した 4X700MHz Windows 2000 マシンで使用しました。このテストでは思考時間は使用されていません。使用された HTTP/HTTPs のバージョンは 1.1 です。

基準値について

この調査で使用したベンチマークで得られた基準値は、WebLogic Server と、同様のベンチマークを実行した他のアプリケーション サーバやハードウェアを比較するためには使用しないでください。 この調査では、独自のベンチマーク方式とチューニングが使用されています。

多数のベンチマーク テストによって、十分に最適化されたアプリケーションが WebLogic Server 上でどれだけのパフォーマンスを発揮するかが示されています。こうしたベンチマークの数値は BEA Systems から入手できます。詳細については、BEA の販売担当者にお問い合わせください。

 


UNIX 上の軽量 MedRec アプリケーションで測定された TPS

UNIX 上での軽量 MedRec アプリケーションの測定値は、Solaris ハードウェアおよび HTTP プロトコルを使用して得られました。表 2-1 は、クライアントの数 (最初の列) と、ハードウェア コンフィグレーションに対する毎秒当たりのトランザクション数 (残りの列) を示しています。UNIX 上でのこのアプリケーションでは、コンフィグレーション番号の名称は light medrec UNIX n (lmUn) です。n はコンフィグレーション番号です。

(TPS = 1 秒当たりのトランザクション)

表 2-1 UNIX 上での軽量 MedRec アプリケーションのクライアント数 x TPS

プロセッサ (MHz)

コンフィグレーション番号

1x750

lmU1

2x750

lmU2

4x750

lmU3

8x750

lmU4

4x400

1 ノード

lmU5

4x400

2 ノード

lmU6

4x400
3 ノード

lmU7

4x400
4 ノード

lmU8

クライアントの数

TPS

TPS

TPS

TPS

TPS

TPS

TPS

TPS

1 クライアント

16.20

19.15

21.45

22.63

15.69

 

 

 

4 クライアント

17.20

29.80

47.95

58.12

34.54

53.57

58.67

63.33

10 クライアント

16.74

30.12

53.87

80.96

38.87

76.82

102.48

 

20 クライアント

17.04

30.54

55.76

83.84

39.17

81.14

120.73

154.76

40 クライアント

16.72

30.81

54.02

84.66

39.32

81.65

122.50

163.23

80 クライアント

16.83

30.71

54.33

84.22

39.02

80.64

121.47

163.84

100 クライアント

16.85

30.71

54.36

84.09

38.78

80.24

122.26

163.86

150 クライアント

 

 

 

 

 

 

121.38

162.71

200 クライアント

 

 

 

 

 

 

 

163.10


最大 TPS

17.20

30.81

55.76

84.66

39.32

81.65

122.50

163.86

最大 TPS での App サーバの CPU 使用率

98%

97%

95%

91%

95.09%

95.58%

95.35%

95.22%

最大 TPS での DB サーバの CPU 使用率

<1%

1.30%

2.25%

3.91%

1.70%

3.64%

6.21%

9.70%

最大 TPS での DB サーバ ディスクの CPU 使用率

6%

12%

19%

28.24

13.94

27.79

40.58

53.25

表 2-2 に、測定対象とした各プロセッサ タイプ/コンフィグレーションの組み合わせで達成した TPS と、その TPS に達した際に同時に実行されていたクライアントの数を示します。

表 2-2 UNIX 上の軽量 MedRec アプリケーションで測定された TPS

プロセッサタイプ、コンフィグレーション

コンフィグレーション番号

測定された TPS

クライアントの数

Solaris 1x750MHz

lmU1

17.20

4

Solaris 2x750MHz

lmU2

30.81

40

Solaris 4x750MHz

lmU3

55.76

20

Solaris 8x750MHz

lmU4

84.66


40

Solaris 4x400 - 1 ノード

lmU5

39.32

40

Solaris 4x400 - 2 ノード

lmU6

81.65

40

Solaris 4x400 - 3 ノード

lmU7

122.50

40

Solaris 4x400 - 4 ノード

lmU8

163.86

100

 


UNIX 上の重量 MedRec アプリケーションで測定された TPS

UNIX 上での重量 MedRec アプリケーションの測定値は、Solaris ハードウェアおよび HTTPS プロトコルを使用して得られました。表 2-3 は、クライアントの数 (最初の列) と、ハードウェア コンフィグレーションに対する毎秒当たりのトランザクション数 (残りの列) を示しています。UNIX 上でのこのアプリケーションでは、コンフィグレーション番号の名称は heavy medrec UNIX n (hmUn) です。

(TPS = 1 秒当たりのトランザクション)

表 2-3 UNIX 上での重量 MedRec アプリケーションのクライアント数 x TPS

プロセッサ (MHz)

コンフィグレーション番号

4x750

hmU1

4x400

hmU2

クライアントの数

TPS

TPS

1 クライアント

12.18

8.76

4 クライアント

27.49

20.70

10 クライアント

32.13

23.00

20 クライアント

31.08

23.07

40 クライアント

31.39

23.35

80 クライアント

31.43

23.44

100 クライアント

31.81

23.29

最大 TPS

32.13

23.44

最大 TPS での App サーバの CPU 使用率

93.00%

94.06%

最大 TPS での DB サーバの CPU 使用率

1.16%

0.89%

最大 TPS での DB サーバ ディスクの CPU 使用率

12.23%

9.22%

 


Windows 2000 上の軽量 MedRec アプリケーションで測定された TPS

Windows 2000 上での軽量 MedRec アプリケーションの測定値は、HTTP プロトコルを使用して得られました。表 2-4 は、並行して動作するクライアントの数 (最初の列) と、ハードウェア コンフィグレーションに対する毎秒当たりのトランザクション数 (残りの列) を示しています。Windows 2000 上でのこのアプリケーションでは、コンフィグレーション番号の名称は light medrec Windows n (lmWn) です。

表 2-4 Windows 2000 上での軽量 MedRec アプリケーションのクライアント数 x TPS

プロセッサ

(MHz)

コンフィグレーション番号

Win2K

4x700

1 ノード

lmW1

Win2K

4x700

2 ノード

lmW2

Win2K

4x700

3 ノード

lmW3

Win2K

4x700

3 ノード

lmW3

クライアントの数

TPS

TPS

TPS

TPS

1 クライアント

33.50

 

 

 

4 クライアント

78.53

107.58

112.36

122.83

10 クライアント

80.24

149.09

205.13

 

20 クライアント

79.28

148.12

226.53

297.35

40 クライアント

77.36

148.78

223.53

299.11

80 クライアント

76.16

146.75

224.38

291.82

100 クライアント

76.38

144.99

220.02

292.22

150 クライアント

 

 

219.38

291.17

200 クライアント

 

 

 

292.87

最大 TPS

80.24

149.09

226.53

299.11

最大 TPS での App サーバの CPU 使用率

92.51%

92.42%

92.40%

92.82%

最大 TPS での DB サーバの CPU 使用率

3.32%

7.63%

14.63

23.44%

最大 TPS での DB サーバ ディスクの CPU 使用率

26.32%

44.63%

70.25%

88.98%

次の表に、測定対象とした各プロセッサ タイプ/コンフィグレーションの組み合わせで達成した TPS と、その TPS に達した際に同時に実行されていたクライアントの数を示します。

表 2-5 Windows 2000 上の軽量 MedRec アプリケーションで測定された TPS

プロセッサタイプ、コンフィグレーション

コンフィグレーション番号

測定された TPS

クライアントの数

Windows 2000 4x700MHz - 1 ノード

lmW1

80.24

10

Windows 2000 4x700MHz - 2 ノード

lmW2

149.09

10

Windows 2000 4x700MHz - 3 ノード

lmW3

226.53

20

Windows 2000 4x700MHz - 4 ノード

lmW4

299.11

40

 


Windows 2000 上の重量 MedRec アプリケーションで測定された TPS

次に示すのは、Windows 2000 上での重量 MedRec アプリケーションの測定値です。すべてのオペレーティング システムのすべてのテストで、HTTPS (セキュア) プロトコルを使用しています。重量 MedRec アプリケーションで使用した JVM は、Sun Microsystems JDK です。

表 2-6 は、クライアントの数 (最初の列) と、ハードウェア コンフィグレーションに対する毎秒当たりのトランザクション数 (残りの列) を示しています。Windows 2000 上でのこのアプリケーションでは、コンフィグレーション番号の名称は heavy medrec { U | W } n (hmUn または mmWn) です。

表 2-6 Windows 2000 上での重量 MedRec アプリケーションのクライアント数 x TPS

プロセッサ

(MHz)

コンフィグレーション番号

Win2K

4x700

hmW1

クライアントの数

TPS

1 クライアント

16.29

4 クライアント

38.62

10 クライアント

38.27

20 クライアント

37.58

40 クライアント

37.37

80 クライアント

36.86

100 クライアント

36.92

最大 TPS

38.62

 


次のステップ

サンプル アプリケーションの特徴と基準となる測定結果を検討した後は、使用するアプリケーションと 1 つまたは複数の基準サンプルの比較を行います。「ハードウェア キャパシティ要件の決定」に進んでください。次章では、使用するアプリケーションのキャパシティ プランニング要件の作成に役立つ情報を紹介します。

 

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