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WebLogic Security サービスの開発

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カスタム セキュリティ プロバイダ用のコンソール拡張の記述

コンソール拡張を使用すると、標準 WebLogic Server Administration Console に含まれていない機能を追加したり、既存の機能のインタフェースを提供したりできます。こうした機能を提供するには、ナビゲーション ツリーにノードを追加し、タブ付きダイアログとダイアログ画面を追加または置き換えます。

注意 : 以下の節に進む前に、『Administration Console の拡張』でコンソール拡張の記述方法について理解しておいてください。

以下の節では、特にカスタム セキュリティ プロバイダと共に使用するコンソール拡張の記述について説明します。

 


コンソール拡張の記述が必要な場合

WebLogic Server Administration Console でカスタム セキュリティ プロバイダ用の完全なコンフィグレーションおよび管理サポートを利用するには、以下の場合にコンソール拡張を記述する必要があります。

Administration Console は、以下の場合にも拡張します。

 


開発プロセスでのコンソール拡張の記述

コンソール拡張を構成するさまざまなプログラマティック要素は、1 つの Web アプリケーションにパッケージ化されて WebLogic Server ドメインにデプロイされます。開発プロセスでいつ Web アプリケーションを開発するかは、完全にユーザの自由です。

ただし、コンソール拡張を使用してカスタム セキュリティ プロバイダをコンフィグレーションおよび管理する前に、そのカスタム セキュリティ プロバイダ用の MBean タイプを生成し (「カスタム セキュリティ プロバイダをコンフィグレーションおよび管理する MBean タイプの生成」を参照)、コンソール拡張 Web アプリケーションを適切にパッケージ化してデプロイしておく必要があります。

注意 : コンソール拡張を Web アプリケーションとして開発、パッケージ化、およびデプロイする手順については、「Administration Console 拡張を記述する主要な手順」を参照してください。

 


カスタム セキュリティ プロバイダ用のコンソール拡張と基本コンソール拡張との違い

基本コンソール拡張 (『Administration Console の拡張』を参照) も柔軟性と機能に富んでいますが、セキュリティ プロバイダ固有のコンソール拡張で追加されるメカニズムでは以下のことが可能になります。

 


Administration Console 拡張を記述する主要な手順

カスタム セキュリティ プロバイダ用のコンソール拡張と基本コンソール拡張との違い」で説明したように、セキュリティ プロバイダ固有のコンソール拡張にはいくつかの追加機能が用意されていますが、コンソール拡張を記述する主要な手順は同じです。

  1. Administration Console 拡張を定義する Java クラスを作成します。このクラスでは、コンソール拡張をナビゲーション ツリー内のどこに表示するか、およびコンソール拡張で必要とされる追加機能を定義します。詳細については、『Administration Console の拡張』の「NavTreeExtension インタフェースの実装」を参照してください。
  2. ナビゲーション ツリーの動作を定義します。この手順では、手順 1 で定義したノードの下に表示する複数のノードを定義できます。また、右クリック メニューとアクションも定義できます。 詳細については、『Administration Console の拡張』の「ナビゲーション ツリーの設定」を参照してください。
  3. コンソール拡張画面を表示するための JavaServer Pages (JSP) を記述します。ローカライゼーション カタログ内の文字列を参照することによって、ローカライズされたテキストを使用できます。標準のタグ ライブラリを使用すると、標準の Administration Console と同じようなタブ付きダイアログ画面を作成し、ローカライゼーション カタログにアクセスできます。詳細については、『Administration Console の拡張』の「コンソール画面 JSP の記述」を参照してください。
  4. コンソール拡張を、複数の言語で表示するためにローカライズします。詳細については、『Administration Console の拡張』の「Administration Console 拡張のローカライズ」を参照してください。
  5. JSP、カタログ、および Java クラスを Web アプリケーションとしてパッケージ化します。詳細については、『Administration Console の拡張』の「Administration Console 拡張のパッケージ化」を参照してください。
  6. コンソール拡張が収められた Web アプリケーションを WebLogic Server ドメインの管理サーバにデプロイします。詳細については、『Administration Console の拡張』の「Administration Console 拡張のデプロイメント」を参照してください。

 


SecurityExtensionV2 インタフェースの使用によるカスタム セキュリティ プロバイダ関連の Administration Console ダイアログ画面の置き換え

SecurityExtensionV2 インタフェースのメソッドを使用すると、さまざまなカスタム セキュリティ プロバイダ関連の Administration Console ダイアログ画面を置き換えることができます。コンソール拡張を定義するために作成する Java クラスは、Extension クラスを拡張するほかに (またはその代わりに) SecurityExtensionV2 インタフェースを実装できます。Extension クラスは、基本コンソール拡張用に使用します (使い方については『Administration Console の拡張』の「NavTreeExtension インタフェースの実装」を参照)。

注意 : このインタフェースのすべてのメソッドを実装する必要があります。置き換えないページについては null を返します。

表 12-1 に、置き換えることの多いセキュリティ プロバイダ関連のダイアログ画面と、それらを置き換えるために実装する必要がある SecurityExtensionV2 インタフェースのメソッドを示します。

表 12-1 SecurityExtensionV2 インタフェースの使い方

置き換えるダイアログ画面の用途

実装するメソッド

新しいカスタム セキュリティ プロバイダをコンフィグレーションし、既存のカスタム セキュリティ プロバイダのコンフィグレーションを編集する

getExtensionForProvider メソッド

新規ユーザの作成と既存のユーザの編集 (カスタム認証プロバイダと共に使用)

getExtensionForUser メソッド

新規グループの作成と既存のグループの編集 (カスタム認証プロバイダと共に使用)

getExtensionForGroup メソッド

新規セキュリティ ロールの作成と既存のセキュリティ ロールの編集 (カスタム ロール マッピング プロバイダと共に使用)

getExtensionForRole メソッド

新規セキュリティ ポリシーの作成と既存のセキュリティ ポリシーの編集 (カスタム認可プロバイダと共に使用)

getExtensionForPolicy メソッド

リモート ユーザのパスワードをコンフィグレーションする (カスタム資格マッピング プロバイダと共に使用)

getExtensionForUserPasswordCredential メソッド

リソース ID およびローカル ユーザ名をリモート ユーザ名にマップする (カスタム資格マッピング プロバイダと共に使用)

getExtentionForUserPasswordCredentialMapping メソッド


 

注意 : SecurityExtention インタフェースは、このリリースの WebLogic Server で非推奨になりました。必ず SecurityExtensionV2 インタフェースを使用してください。詳細については、WebLogic Server 8.1 API リファレンス Javadoc の「SecurityExtensionV2 インタフェース」と 「Extension クラス」を参照してください。

 


コンソール拡張が Administration Console に与える影響

コンソール拡張を記述する目的が、カスタム セキュリティ プロバイダのコンフィグレーション用の BEA 標準ダイアログ画面を置き換えることであっても、セキュリティ プロバイダに関連するユーザ、グループ、セキュリティ ロール、セキュリティ ポリシーの作成および編集用のダイアログ画面を置き換えることであっても、WebLogic Server Administration Console への影響は同じです。

たとえば、WebLogic Server Administration Console を使用してカスタム セキュリティ プロバイダをコンフィグレーションしようとすると、以下のプロセスが発生します。

  1. Administration Console のダイアログ画面の 1 つで [新しい Security_Provider_Type... のコンフィグレーション] リンク (図 12-1、の上部がその例) をクリックすると、Administration Console はカスタム セキュリティ プロバイダ用のコンソール拡張の検索を試みます。
  2. 図 12-1 サンプル認証プロバイダのコンフィグレーション

     サンプル認証プロバイダのコンフィグレーション


     

    カスタム セキュリティ プロバイダのコンフィグレーションを (手順 1 のように追加するのではなく) 編集する場合、Administration Console はそのカスタム セキュリティ プロバイダのハイパーリンク名 (図 12-1 の下部がその例) がクリックされるとコンソール拡張を検索します。

  3. Administration Console は、セキュリティ プロバイダのコンソール拡張が使用可能であることを検出すると、getExtensionForProvider メソッドまたは他の getExtensionFor* ソッド 表 12-1 を参照) から返された URL によって指定された JavaServer Page (JSP) を表示します。
  4. BEA の標準インタフェースの代わりにこの JSP を使用して、カスタム セキュリティ プロバイダをコンフィグレーションおよび管理します。

 

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