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WebLogic Type 4 JDBC ドライバ ガイド

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Oracle ドライバ

注意 : BEA WebLogic Type 4 JDBC Oracle ドライバは WebLogic Server 8.1 サービス パック 2 以降のリリースで使用できます。WebLogic Server 8.1 GA およびサービス パック 1 のリリースでは使用できません。

以下の節では、BEA WebLogic Type 4 JDBC Oracle ドライバのコンフィグレーション方法と使用方法について説明します。

 


Oracle データベース バージョンのサポート

Oracle 用の BEA WebLogic Type 4 JDBC ドライバ (「Oracle ドライバ」) は次のバージョンをサポートします。

 


Oracle ドライバ クラス

BEA WebLogic Type 4 JDBC Oracle ドライバのドライバ クラスは次のとおりです。

WebLogic Server ドメインで JDBC 接続プールをコンフィグレーションするときに、これらのドライバ クラスを使用します。

 


Oracle URL

Oracle データベースに接続するには、次の形式の URL を使用します。

jdbc:bea:oracle://dbserver:port

 


Oracle 接続プロパティ

表 5-1 では、Oracle ドライバがサポートする JDBC 接続プロパティを示し、各プロパティについて説明します。WebLogic Server ドメインの JDBC 接続プールのコンフィグレーションでこれらの接続プロパティを使用できます。プロパティを指定するには、JDBC 接続プールのコンフィグレーションで次の形式を使用します。

property=value

すべての接続プロパティ名で大文字と小文字は区別されません。たとえば、Password は password と同じです。必須のプロパティには、その旨が記されています。

表 5-1 Oracle の接続文字列のプロパティ

プロパティ

説明

BatchPerformanceWorkaround

省略可能

true または false。バッチ処理の実行に使用されるメソッドを決定する。

true に設定すると、ネイティブの Oracle バッチ メカニズムが使用される。ネイティブの Oracle バッチ メカニズムでは、バッチ内の文やパラメータごとの更新件数は返されない。このため、ドライバは更新件数配列の各エントリの SUCCESS_NO_INFO (-2) の値を返す。

false に設定すると、JDBC 3.0 に準拠したバッチ メカニズムが使用される。アプリケーションが更新件数情報を受信できるようになっている場合は、このプロパティを true に設定することでパフォーマンスをかなり向上できる。デフォルトは false。

詳細については、「バッチ挿入とバッチ更新」を参照。

CatalogIncludesSynonyms

非推奨

このプロパティは、既存の接続プールとの互換性を確保するためのものだが、結果セットにシノニムを含めるには CatalogOptions プロパティを代わりに使用することが望ましい。

CatalogOptions

省略可能

{0 | 1 | 2 | 3}. 0、1、2、または 3。カタログ関数から返される結果セットに含める情報のタイプを指定する。

0 に設定すると、結果セットにはデフォルトの DatabaseMetaData メソッドの結果が含まれる。

1 に設定すると、結果セットには DatabaseMetaData の getTables メソッドおよび getColumns メソッドから返されるアノテーション情報が含まれる。

2 に設定すると、結果セットには DatabaseMetaData の getColumns、getProcedures、getProcedureColumns、および getIndexInfo の各メソッドから返されるシノニムが含まれる。

3 に設定すると、結果セットにはアノテーション情報およびシノニムが含まれる (これらを返すメソッドは、値 1 および値 2 を設定した場合と同様)。

デフォルトは 2。

ConnectionRetryCount

省略可能

データベース サーバへの正常な接続を確立できるまでに、ドライバで接続を再試行する回数。有効な値は、0 または正の整数。

0 に設定すると、ドライバは接続を再試行しない。

デフォルトは 0。

ConnectionRetryDelay

省略可能

ConnectionRetryCount が正の整数に設定されている場合に、ドライバがデータベース サーバへの接続を再試行する前に待機する秒数。

デフォルトは 3。

FetchTSWTZasTimestamp

省略可能

true または false。true に設定すると、TIMESTAMP WITH TIME ZONE データ型 (Oracle 9i 以降) のカラム値を JDBC TIMESTAMP データ型として取得できる。

false に設定すると、TIMESTAMP WITH TIME ZONE データ型のカラム値は文字列として取得しなければならない。

デフォルトは false。

詳細については、「TIMESTAMP WITH TIME ZONE データ型」を参照。

InsensitiveResultSetBufferSize

省略可能

-1、0、または x。ドライバがインセンシティブな結果セット データのキャッシュに使用するメモリの量を指定する。以下のいずれかの値を指定する必要がある。

-1 に設定すると、ドライバはすべてのインセンシティブな結果セット データをメモリにキャッシュする。結果セットのサイズが利用できるメモリ容量を超えると、OutOfMemoryException 例外が生成される。結果セット データをディスクに書き込む必要がないため、データがより効率的に処理される。

0 に設定すると、ドライバは 2GB を限度としてすべてのインセンシティブな結果セット データをメモリにキャッシュする。結果セットのサイズが利用できるメモリ容量を超えると、結果セットがディスクにページングされる。結果セット データがディスクに書き込まれる可能性があるため、ディスクに正しく書き込むためにデータの再フォーマットが必要になることがある。

x (正の整数) に設定すると、インセンシティブな結果セット データのキャッシュに使用するメモリ バッファのサイズ (KB 単位) を指定したことになり、ドライバはすべての結果セット データをメモリにキャッシュする。結果セットのサイズがバッファ サイズを超えると、結果セットがディスクにページングされる。結果セット データがディスクに書き込まれる可能性があるため、ディスクに正しく書き込むためにデータの再フォーマットが必要になることがある。 バッファ サイズとして 2 の累乗を指定すると、メモリの使用がより効率的になる。

デフォルトは 2048 (KB)。

LoginTimeout

省略可能

データベース接続の作成の試行を待機する最大時間 (秒単位)。値 0 は、デフォルトのシステム タイムアウトがある場合はそのタイムアウトを使用し、それ以外の場合はタイムアウトがないことを指定する。

Password

Oracle データベースに接続する場合に使用するパスワード。大文字と小文字は区別されない。パスワードは、データベースでセキュリティが有効化されている場合にのみ必要となる。その場合は、システム管理者に連絡してパスワードを取得する。

PortNumber

省略可能

Oracle データベース サーバ上で動作する Oracle リスナの TCP ポート。デフォルトは 1521。これは、Oracle データベース ソフトウェアをインストールするときの Oracle のデフォルトのポート番号。

tnsnames.ora ファイルを使用して接続情報を提供する場合は、このプロパティを指定しないこと。tnsnames.ora ファイルを使用して Oracle リスナのポート番号を指定する方法については、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照。

ServerName

省略可能

Oracle サーバの IP アドレスまたはサーバ名 (ネットワークが名前付きのサーバをサポートしている場合) を指定する。たとえば、122.23.15.12 または OracleAppServer。

tnsnames.ora ファイルを使用して接続情報を提供する場合は、このプロパティを指定しないこと。

tnsnames.ora ファイルを使用してサーバ名を指定する方法については、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照。

ServerType

省略可能

Shared または Dedicated。接続を確立するにあたって、UNIX の場合は共有サーバ プロセスと専用サーバ プロセス、Windows の場合は共有サーバ スレッドと専用サーバ スレッドのどちらを使用するかを指定する。

Shared に設定すると、使用するサーバ プロセスはプールから取得される。クライアントとサーバのソケット接続は、サーバのディスパッチ プロセスに対して確立される。この設定では、接続の数よりも少ないプロセスで済むためサーバ リソースを節約できる。この値は、サーバにおいて数多くのユーザをより少ないサーバ リソースで処理しなければならない場合に使用する。

Dedicated に設定すると、その接続専用のサーバ プロセスが作成される。接続が切断されると、プロセス (UNIX) またはスレッド (Windows) も終了する。ソケット接続は、アプリケーションと専用サーバ プロセス (またはスレッド) との間で直接確立される。UNIX サーバへの接続では、専用サーバ プロセスを使用するとパフォーマンスがかなり向上するが、より多くのサーバ リソースを使用することになる。Windows サーバへの接続では、リソースの使用量はそれほど多くない。ユーザが少ないバッチ環境であればこの値を使用する。

このプロパティを指定しない場合、ドライバはサーバのサーバ タイプ セットを使用する。

tnsnames.ora ファイルを使用して接続情報を提供する場合は、このプロパティを指定しないこと。

tnsnames.ora ファイルを使用してサーバ タイプを指定する方法については、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照。

ServiceName

省略可能

接続に使用するデータベースを指定するデータベース サービス名。サービス名は、グローバル データベース名を表す文字列。通常は、データベース名とドメイン名を含む。次に例を示す。

sales.us.acme.com

このプロパティは、特定の Oracle インスタンスではなく、Oracle Real Application Clusters (RAC) システムへの接続を指定する場合に有用 (RAC システムの各ノードは共通のサービス名を使用するため)。

tnsnames.ora ファイルを使用して接続情報を提供する場合は、このプロパティを指定しないこと。

tnsnames.ora ファイルを使用してデータベース サービス名を指定する方法については、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照。

SID

省略可能

サーバ上で動作する Oracle データベースのインスタンスを表す Oracle システム識別子。このプロパティは、ServiceName プロパティとは相互排他的となる。

デフォルトは ORCL。これは、Oracle データベースのインストール時にコンフィグレーションされるデフォルトの SID。

tnsnames.ora ファイルを使用して接続情報を提供する場合は、このプロパティを指定しないこと。

tnsnames.ora ファイルを使用して Oracle SID を指定する方法については、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照。

TNSNamesFile

省略可能

接続情報の取得に使用する tnsnames.ora ファイルのパスおよびファイル名。tnsnames.ora ファイルには、Oracle ネット サービス名にマップされた接続情報が格納されている。tnsnames.ora ファイルを使用すると接続情報を一元化でき、変更が生じた場合の保守が容易になる。

このプロパティの値は、tnsnames.ora ファイルの有効なパスおよびファイル名でなければならない。

このプロパティを指定する場合は、TNSServerName プロパティも指定する必要がある。

このプロパティを指定したら、接続情報の衝突を防ぐため、以下のプロパティは指定しないこと。

PortNumber

ServerName

ServerType

ServiceName

SID

このプロパティが指定されているにもかかわらず、上記のいずれかのプロパティが指定されている場合は、ドライバが例外を生成する。tnsnames.ora ファイルを使用した接続方法の詳細については、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照。

TNSServerName

省略可能

tnsnames.ora ファイルの接続情報を参照するために使用する Oracle ネット サービス名。このプロパティの値は、TNSNamesFile プロパティに指定した tnsnames.ora ファイルに記述されている有効なネット サービス名エントリでなければならない。

このプロパティを指定する場合は、TNSNamesFile プロパティも指定する必要がある。

このプロパティを指定したら、接続情報の衝突を防ぐため、以下のプロパティは指定しないこと。

PortNumber

ServerName

ServerType

ServiceName

SID

このプロパティが指定されているにもかかわらず、上記のいずれかのプロパティが指定されている場合は、ドライバが例外を生成する。tnsnames.ora ファイルを使用した接続方法の詳細については、「パフォーマンスに関する考慮事項」を参照。

User

Oracle データベースに接続する場合に使用するデフォルトのユーザ名。大文字と小文字は区別されない。ユーザ名は、データベースでセキュリティが有効化されている場合にのみ必要となる。その場合は、システム管理者に連絡してユーザ名を取得する。オペレーティング システムの認証は現在 Oracle ドライバではサポートされていない。

WireProtocolMode

連続する複数の行の繰り返しデータを返すことが多い場合は、ドライバのパフォーマンスを向上させることができる。これはたとえば、カラム 1/行 1 のデータがカラム 1/行 2 のデータと同じというような場合である。この場合は、WireProtocolMode=2 に設定すると、Oracle サーバへのネットワーク トラフィックが、一部またはすべてのカラムの複数行に繰り返しデータを含む結果セット向けに最適化される。

  • 1 行のみを含む結果セットや繰り返しデータを含まない結果セットを返す場合は、WireProtocolMode=1 に設定しないと、パフォーマンスが低下する可能性がある。
  • Oracle 10g データベースを使用している場合は、大規模なテーブルを対象とするパラメータ化されたクエリ (Prepared Statement や Callable Statement) 使用時のパフォーマンス低下を防ぐため、WireProtocolMode=2 に設定することが必要になる場合がある。


 

 


パフォーマンスに関する考慮事項

以下のリストで説明するように Oracle ドライバに次の接続プロパティを設定すると、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。

BatchPerformanceWorkaround

ドライバは、JDBC 3.0 に準拠したバッチ メカニズムまたはネイティブの Oracle バッチ メカニズムを使用してバッチ処理を実行できます。アプリケーションが更新件数情報を使用しない場合は、ネイティブの Oracle バッチ環境を使用するとパフォーマンスが向上します。JDBC 3.0 に準拠したメカニズムでは、JDBC 3.0 仕様に従って、バッチ内の文またはパラメータごとの更新件数が返されます。ネイティブの Oracle バッチ メカニズムでは、バッチ内の文やパラメータごとの更新件数は返されません。このため、ネイティブの Oracle バッチ メカニズムを使用する場合は、更新件数配列で SUCCESS_NO_INFO (-2) の値が返されます。

CatalogOptions

Oracle では、シノニムおよびアノテーション情報の取得は非常に負荷の高い処理です。アプリケーションでこれらの情報を返す必要がない場合は、ドライバのパフォーマンスを向上させることができます。JDBC における標準の動作では、DatabaseMetaData メソッドの getColumns()getProcedures()getProcedureColumns()、および getIndexInfo() から返される結果セットにシノニムが含まれます。ドライバはこれに加えて、DatabaseMetaData メソッドの getTables() および getColumns() から返される結果セットにアノテーション情報を含めることができます。

InsensitiveResultSetBufferSize

スクロールインセンシティブな結果セットを扱う際のパフォーマンスを向上させるため、ドライバでは、結果セット データをディスクに書き込む代わりにメモリにキャッシュすることができます。デフォルトでは、インセンシティブな結果セット データのうち 2MB がメモリにキャッシュされ、その残りがディスクに書き込まれます。ドライバがデータをディスクに書き込む前に使用するメモリの量を増やすか、ドライバがインセンシティブな結果セット データをディスクに書き込まないように設定すると、パフォーマンスが向上します。最大キャッシュ サイズは 2GB です。

MaxPooledStatements

ドライバがアプリケーション サーバ内部から実行されるのでない場合、または独自の Prepared Statement のプールを提供しない別のアプリケーション内部から実行されるのでない場合は、パフォーマンスを向上させるため、ドライバ独自の内部 Prepared Statement のプールを有効にする必要があります。ドライバの内部 Prepared Statement のプールを有効にすると、ドライバは、アプリケーションによって作成された特定数の Prepared Statement をキャッシュします。たとえば、MaxPooledStatements プロパティを 20 に設定した場合、ドライバは、アプリケーションによって作成された最後の 20 個の Prepared Statement をキャッシュします。このプロパティに設定された値が、アプリケーションが使用する Prepared Statement の数よりも大きい場合、すべての Prepared Statement がキャッシュされます。

ResultSetMetaDataOptions

Oracle ドライバは、デフォルトでは、ResultSetMetaData.getTableName() メソッドが呼び出されたとき、結果セットで各カラムの正しいテーブル名を返すために必要となる追加処理を省略します。そのため getTableName() メソッドは、結果セットで各カラムについて空の文字列を返す場合があります。アプリケーションがテーブル名情報を必要としないことがわかっている場合は、デフォルト設定で最大限のパフォーマンスが得られます。

ResultSet メタデータを返す方法の詳細については、「ResultSet メタデータのサポート」を参照してください。

ServerType

専用サーバ接続を使用する場合、UNIX のサーバ プロセス (Windows におけるスレッド) は、そのアプリケーション接続専用として作成されます。このプロセスは、接続を切断すると終了します。ソケット接続は、アプリケーションとこの専用サーバ プロセスとの間で直接確立されます。これにより、パフォーマンスは大幅に向上しますが、消費される UNIX サーバのリソースも著しく増加します。Windows プラットフォームで動作する Oracle サーバの場合、UNIX のプロセスに該当するのはスレッドであるため、サーバ上で追加消費されるリソース量は UNIX に比べて大幅に低く抑えられます。ServerType プロパティを Dedicated に設定する必要があるのは、バッチ環境で接続数が比較的少ない場合か、最大の負荷がかかっている状態でも Oracle サーバの処理能力とメモリ容量に余裕がある場合か、または Oracle リソースを他のアプリケーションと共有するとパフォーマンスが低下するパフォーマンス重視のアプリケーションを使用している場合です。

WireProtocolMode

連続する複数の行の繰り返しデータを返すことが多い場合は、ドライバのパフォーマンスを向上させることができます。これはたとえば、カラム 1/行 1 のデータがカラム 1/行 2 のデータと同じというような場合です。「WireProtocolMode」を参照してください。

 


tnsnames.ora ファイルを使用する

tnsnames.ora ファイルは、各 Oracle サービスの接続情報を論理エイリアスにマップするために使用します。Oracle ドライバを使用すると、tnsnames.ora ファイルから以下のような基本的な接続情報を取得できます。

tnsnames.ora ファイルでは、Oracle サービスの接続情報がエイリアス (Oracle ネット サービス名) に関連付けられています。ネット サービス名の各エントリには、リスナやサービスの情報を定義する記述子が含まれています。コード リスト 5-1 に、ネット サービス名エントリである FITZGERALD.SALES および ARMSTRONG.ACCT をコンフィグレーションした tnsnames.ora ファイルの接続情報の例を示します。


 

コード リスト 5-1 tnsnames.ora の例

FITZGERALD.SALES =
  (DESCRIPTION = 
    (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = server1)(PORT = 1521))
       (CONNECT_DATA =
          (SID = ORCL)
       )
  )
ARMSTRONG.ACCT =
  (DESCRIPTION = 
  (ADDRESS_LIST= 
     (FAILOVER = on)
     (LOAD_BALANCE = on) 
     (ADDRESS= (PROTOCOL = TCP)(HOST = server1)(PORT = 1521))
     (ADDRESS= (PROTOCOL = TCP)(HOST = server2)(PORT = 1521))
     (ADDRESS= (PROTOCOL = TCP)(HOST = server3)(PORT = 1521))
)   
  (CONNECT_DATA=
     (SERVICE_NAME = acct.us.yourcompany.com)
    )
)

この例では、Oracle ドライバが Oracle ネット サービス名エントリ FITGERALD.SALES を参照する場合、ドライバは Oracle SID ORCL (SID=ORCL) に指定されている Oracle データベース インスタンスに接続します。同様に、Oracle ドライバが ARMSTRONG.ACCT を参照する場合は、サービス名 acct.us.yourcompany.com (SERVICE_NAME=acct.us.yourcompany.com) に指定されている Oracle データベースに接続します。また、ドライバは接続のフェイルオーバ (FAILOVER=on) とクライアントのロード バランシング (LOAD_BALANCE=on) を有効にします。

tnsnames.ora ファイルは、通常は Oracle データベースのインストール時にインストールされています。デフォルトでは、tnsnames.ora ファイルはORACLE_HOME\network\admin ディレクトリ (Windows の場合) または $ORACLE_HOME/network/admin ディレクトリ (UNIX) にあります。

データベースに接続する

Oracle ドライバで Oracle tnsnames.ora ファイルから接続情報を取得するには、どの tnsnames.ora ファイル (TNSNamesFile プロパティで指定) と、どの Oracle サービス名エントリ (TNSServerName プロパティで指定) を使用して接続情報を参照するかを指定する必要があります。以下に例を示します。

<JDBCConnectionPool 
DriverName="weblogic.jdbc.oracle.OracleDriver"
Name="myDriver"
PasswordEncrypted="{3DES}r8a+P5qIVJzgiWQDTAN/OA=="
Properties="TNSServerName=myTNSServerName;user=user;TNSNamesFile=/usr/local/network/admin/tnsnames.ora"
Targets="myserver" 
TestConnectionsOnReserve="true"
TestTableName="SQL SELECT 1 FROM DUAL"
URL="jdbc:bea:oracle:TNSNamesFile=/usr/local/network/admin/tnsnames.ora"
XAPasswordEncrypted="" />

URL は、tnsnames.ora ファイルのパスおよびファイル名 (jdbc:bea:oracle:TNSNamesFile=/usr/local/network/admin/tnsnames.ora) を指定し、Properties は、接続に使用するサーバ名 (TNSServerName=myTNSServerName) を指定しています。

注意 :

tnsnames.ora ファイルと Java 2 のセキュリティ マネージャを併用する場合は、tnsnames.ora ファイルに読み込みパーミッションを付与する必要があります。「Oracle tnsnames.ora ファイルへのアクセス パーミッションを付与する」の例を参照してください。

tnsnames.ora ファイルをコンフィグレーションする

tnsnames.ora ファイルを使用して接続情報を取得する場合は、接続情報の衝突を防ぐため、以下の接続プロパティは指定しないようにしてください。

ServerName
ServiceName

PortNumber
ServerType
SID


 

TNSNamesFile および TNSServerName プロパティが指定されているにもかかわらず、上記のいずれかのプロパティが指定されている場合は、ドライバが例外を生成します。

表 5-2 に、Oracle ドライバ プロパティと tnsnames.ora 接続記述子パラメータの対応を示します。tnsnames.ora ファイルを使用する場合は、接続情報の衝突を防ぐため、表に示すドライバ プロパティは使用しないでください。

表 5-2 Oracle ドライバ プロパティと tnsnames.ora 接続記述子パラメータの対応表 

Oracle ドライバ プロパティ

tnsnames.ora 属性

PortNumber = port

PORT = port

ADDRESS_LIST パラメータには、1 つまたは複数のサーバの接続情報が含まれる。ADDRESS パラメータを使用して、プライマリ サーバと代替サーバを指定できる。PORT パラメータは、ADDRESS パラメータ内で各サーバ エントリのポート番号を指定するために使用する。次に例を示す。

(ADDRESS_LIST=

(ADDRESS= (PROTOCOL = TCP)(HOST = server1)
(PORT = 1521))

...

)

server1 にポート 1521 (Oracle データベースのインストール時のデフォルト ポート番号) が指定されている。

ServerName = server_name

HOST = server_name

ADDRESS_LIST パラメータには、1 つまたは複数のサーバの接続情報が含まれる。ADDRESS パラメータを使用して、プライマリ サーバと代替サーバを指定できる。HOST パラメータは、ADDRESS パラメータ内で各サーバ エントリのサーバ名を指定するために使用する。サーバ エントリは、IP アドレスでもサーバ名でも指定できる。次に例を示す。

(ADDRESS_LIST=

(ADDRESS= (PROTOCOL = TCP)(HOST = server1)
(PORT = 1521))

...

)

1 番目のサーバ エントリでは、サーバ名 server1 が指定されている。

ServerType = {shared | dedicated}

SERVER = {shared | dedicated}.

tnsnames.ora ファイルの CONNECT_DATA パラメータで SERVER=shared と指定した場合は、プールから取得したサーバ プロセス (UNIX の場合) またはサーバ スレッド (Windows の場合) が使用される。次に例を示す。

(CONNECT_DATA=

(SERVER=shared)

)

SERVER=shared と指定した場合は、接続の数よりも少ないプロセスで済むためサーバ リソースを節約できる。

SERVER=dedicated と指定した場合は、その接続専用のサーバ プロセスが作成される。接続が切断されると、プロセス (UNIX) またはスレッド (Windows) も終了する。

ServiceName = service_name

SERVICE_NAME = service_name

接続に使用するデータベースを指定するデータベース サービス名。サービス名は、グローバル データベース名を表す文字列。通常は、データベース名とドメイン名を含む。次に例を示す。

sales.us.acme.com

サービス名は、CONNECT_DATA で指定する。次に例を示す。

(CONNECT_DATA=
(SERVICE_NAME=sales.us.acme.com)

)

このパラメータは SID 属性とは相互排他的で、特定の Oracle インスタンスではなく Oracle Real Application Clusters (RAC) システムへの接続を指定する場合に有用。

SID = SID

SID = SID

サーバ上で動作する Oracle データベースのインスタンスを表す Oracle システム識別子 (SID)。Oracle データベース ソフトウェアのインストール時にコンフィグレーションされるデフォルトの Oracle SID は ORCL。SID は、CONNECT_DATA パラメータで指定する。次に例を示す。

(CONNECT_DATA=
(SID=ORCL)

)

このパラメータは、SERVICE_NAME 属性とは相互排他的。


 

tnsnames.ora ファイルのコンフィグレーションの詳細については、Oracle のマニュアルを参照してください。

 


サンプル接続プール コンフィグレーション

表 5-3 に、非 XA バージョンの WebLogic Type 4 Oracle JDBC ドライバを使用する WebLogic Server 接続プールのサンプルのコンフィグレーション属性を示します。表 5-4 に、XA バージョンのドライバを使用する WebLogic Server 接続プールのサンプルのコンフィグレーション属性を示します。

表 5-3 非 XA WebLogic Type 4 Oracle JDBC ドライバ使用時の接続プールの属性

属性

[URL] (URL)

jdbc:bea:oracle://host:port

[ドライバ クラス名] (DriverName)

weblogic.jdbc.oracle.OracleDriver

[プロパティ] (Properties)

user=username
PortNumber=port
ServerName=host
SID=Oracle_SID

[パスワード] (Password)

password

[対象] (Target)

server or cluster name


 

表 5-4 XA WebLogic Type 4 Oracle JDBC ドライバ使用時の接続プールの属性

属性

[URL] (URL)

jdbc:bea:oracle://host:port

[ドライバ クラス名] (DriverName)

weblogic.jdbcx.oracle.OracleDataSource

[プロパティ] (Properties)

uuser=username
PortNumber=port
ServerName=host
ServiceName=db_name.db_domain

[ローカル トランザクションのサポート] (SupportsLocalTransaction)

true (ローカル トランザクションの場合にのみ必須)

[パスワード] (Password)

password

[対象] (Target)

server or cluster name


 

 


データ型

表 5-5 では、Oracle ドライバでサポートされるデータ型を示し、JDBC データ型へどのようにマップされるかを示します。

表 5-5 Oracle データ型

Oracle データベース

Oracle のデータ型

JDBC のデータ型

Oracle 8i 以降


BFILE

BLOB

BLOB

BLOB

CHAR

CHAR

CLOB

CLOB

DATE

TIMESTAMP

FLOAT(n)

DOUBLE

LONG

LONGVARCHAR

long raw

LONGVARBINARY

NCHAR

CHAR

NCLOB

CLOB

NUMBER (p, s)

DECIMAL

NUMBER

DOUBLE

NVARCHAR2

VARCHAR

RAW

VARBINARY

Oracle 9i 以降

TIMESTAMP

TIMESTAMP

TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE

TIMESTAMP

TIMESTAMP WITH TIME ZONE

TIMESTAMP

VARCHAR2

VARCHAR

XMLType

CLOB

Oracle 10g のみ

BINARY_FLOAT

REAL

BINARY_DOUBLE

DOUBLE


 

データ型の詳細については、「GetTypeInfo」を参照してください。

Oracle の日付および時刻のデータ型

Oracle 9i 以降では、日付および時刻のデータ型である TIMESTAMP、TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE、および TIMESTAMP WITH TIME ZONE がサポートされます。Oracle ドライバがこれらのデータ型をどのようにサポートしているかを理解するには、まず、Oracle ドライバが Oracle の日付および時刻のセッション パラメータに割り当てている値を理解しておく必要があります。

日付および時刻のセッション パラメータ

接続時には、Oracle ドライバが以下の日付および時刻のセッション パラメータを設定します。

セッション パラメータ

説明

TIME_ZONE

Oracle セッションのタイム ゾーン。Java 仮想マシンから報告された現在のタイム ゾーンに設定される。

NLS_TIMESTAMP_FORMAT

デフォルトのタイムスタンプの形式。Oracle ドライバは JDBC タイムスタンプ エスケープ形式を使用する。

YYYY-MM_DD HH24:MI:SS.FF

NLS_TIMESTAMP_TZ_FORMAT

タイム ゾーンを含むタイムスタンプのデフォルトの形式。Oracle ドライバは、タイム ゾーン フィールドが付加された JDBC タイムスタンプ エスケープ形式を使用する。

YYYY-MM_DD HH24:MI:SS.FF TZH:TZM


 

TIMESTAMP データ型

Oracle の TIMESTAMP データ型は JDBC の TIMESTAMP データ型にマップされます。

TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE データ型 

Oracle の TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE データ型は TIMESTAMP JDBC データ型にマップされます。

TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE のカラムを取得する場合、ユーザに返される値は TIME_ZONE セッション パラメータで指定されるタイム ゾーンに変換されます。

TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE のカラムを設定する場合、

TIMESTAMP WITH TIME ZONE データ型

デフォルトでは、Oracle の TIMESTAMP WITH TIME ZONE データ型は VARCHAR JDBC データ型にマップされます。

TIMESTAMP WITH TIME ZONE 値を文字列として取得する (たとえば、resultSet.getString を使用する) 場合、その値は、タイム ゾーン情報を含むタイムスタンプの文字列表現として返されます。文字列情報の形式は、Oracle の NLS_TIMESTAMP_TZ_FORMAT セッション パラメータで指定された形式になります。

データベースに格納されたタイム ゾーン情報は、データがタイムスタンプに変換されるときに失われるため、デフォルトでは、TIMESTAMP WITH TIME ZONE 値をタイムスタンプとして取得する (たとえば、resultSet.getTimeStamp を使用する) ことはサポートされていません。既存のアプリケーションとの下位互換性を保つために、FetchTSWTZasTimestamp プロパティを使用して、TIMESTAMP WITH TIME ZONE 値をタイムスタンプとして取得することができます。FetchTSWTSasTimestamp プロパティのデフォルト値は false です。false の場合は TIMESTAMP WITH TIME ZONE 値をタイムスタンプとして取得できません。

TIMESTAMP WITH TIME ZONE のカラムを設定する場合、

XMLType データ型

Oracle ドライバは、Oracle 9i 以降で XMLType として指定されたカラムを含むテーブルをサポートします。Oracle の XMLType データ型は JDBC CLOB データ型にマップされます。XMLType カラムは他のカラム型と同様にクエリで使用できます。XMLType カラムのデータは StringClobCharacterStream、または AsciiStream として取得できます。XMLType カラムを挿入または更新する場合、挿入または更新されるカラムは XMLType データ型の形式でなければなりません。

Oracle には、XMLType データ オブジェクトを作成するための xmltype() 関数があります。xmltype() 関数の xmlData 引数は、文字列リテラルまたはパラメータ マーカとして指定できます。パラメータ マーカを使用する場合、パラメータ値は setStringsetClobsetCharacterStream、または setAsciiStream メソッドを使用して設定できます。

次のコードでは、xmltype() 関数の xmlData 引数として文字列リテラルを指定した文を使用して、XMLType カラムにデータを挿入します。

//  xml データをリテラルとして挿入する
String sql = "insert into XMLTypeTbl values (1, xmltype('" +
"<emp><empNo>123</empNo><empName>Mark</empName></emp>'))";
Statement stmt = con.createStatement();
stmt.executeUpdate(sql);

次のコードでは、Prepared Statement を使用して XMLType カラムにデータを挿入します。

//  xml データを文字列パラメータとして挿入する
String xmlStr = "<emp><empNo>234</empNo><empName>Trish</empName></emp>";
String sql = "insert into XMLTypeTbl values (?, xmltype(?))";
PreparedStatement prepStmt = con.prepareStatement(sql);
prepStmt.setInt(1, 2);
prepStmt.setString(2, xmlStr);
prepStmt.executeUpdate();

XMLType カラムのデータを Clob として取得する場合、その Clob オブジェクトを使用して XMLType データを更新することはできません。 XMLType カラムから返された Clob オブジェクトの setStringsetCharacterStream、または setAsciiStream メソッドを呼び出すと、SQLException が生成されます。

REF CURSOR データ型のサポート

REF CURSOR は、カーソル変数用の Oracle データ型です。JDBC はカーソル変数データ型をサポートしていないため、Oracle ドライバでは REF CURSOR 出力パラメータを返し、値を結果セットとしてアプリケーションに返します。Oracle ドライバは、REF CURSOR データを自動的に結果セットに変換します。結果セットは、getResultSet または getMoreResults で取得できます。REF CURSOR データが出力パラメータではなく結果セットとして返されるため、DatabaseMetaData.getProcedureColumns 呼び出しの結果には REF CURSOR 出力パラメータは含まれません。

作成するアプリケーションでは、以下の例に示すように、REF CURSOR のパラメータ マーカは省略し、REF CURSOR の出力パラメータを宣言しないようにしてください。これらの例では、次のストアド プロシージャ定義を参照しています。

CREATE PACKAGE foo_pkg AS
   TYPE EmpCurTyp IS REF CURSOR RETURN fooTbl%ROWTYPE;" 
   PROCEDURE selectEmployeeManager(empId IN INT, empCursor OUT EmpCurTyp,
mgrCursor out EmpCurTyp);
   FUNCTION selectEmployee2 (empId IN INT) return EmpCurTyp;
END foo_pkg;

コード リスト 5-2 REF Cursor の例 1 : 単一の REF CURSOR を返すストアド プロシージャを呼び出す

// 入力パラメータを受け付ける関数を呼び出し、
// 戻り値として REF CURSOR を返す。 refcursor 戻り値
// パラメータのプレースホルダは省略する。
// REF CURSOR は結果セットとして返される。
sql = "{call foo_pkg.selectEmployee2(?)}";
callStmt = con.prepareCall(sql);
callStmt.setInt(1, 2); 
moreResults = callStmt.execute();
while (true) {
   if (moreResults) {
      //  REF CURSOR を表す結果セットを取得する。
      resultSet = callStmt.getResultSet();
      displayResults(resultSet);
      resultSet.close();
      resultSet = null;
      System.out.println(); 
   }
   else {
         updateCnt = callStmt.getUpdateCount();
         if (updateCnt == -1) {
            break;
         }
         System.out.println("Update Count: " + updateCnt);
     }
     moreResults = callStmt.getMoreResults();
}

コード リスト 5-3 REF Cursor の例 2 : 複数の REF CURSOR を返すストアド プロシージャを呼び出す

// 入力パラメータを受け付けるストアド プロシージャを呼び出し、
// 2 つの REF CURSOR を返す。 REF CURSOR パラメータのプレースホルダは
// 省略する。 REF CURSOR は結果セットとして
// 返される。
sql = "{call foo_pkg.selectEmployeeManager(?)}";
callStmt = con.prepareCall(sql);
callStmt.setInt(1, 2); 
moreResults = callStmt.execute();
while (true) {
   if (moreResults) {
      //  REF CURSOR を表す結果セットを取得する。
      resultSet = callStmt.getResultSet();
      displayResults(resultSet);
      resultSet.close();
   }
   else {
         updateCnt = callStmt.getUpdateCount();
         if (updateCnt == -1) {
            break;
         }
      }
      moreResults = callStmt.getMoreResults();
}

 


文字セットの変換

ドライバが Oracle サーバとの通信に使用するコード ページを制御するには、CodePageOverride プロパティを使用します。このプロパティで指定されたコード ページは、ドライバが文字データをデータベース文字セットに変換するために使用するコード ページをオーバーライドします。このオプションの設定は、ドライバが文字データを国別文字セットに変換する方法には影響しません。

文字セットの変換に利用できるオプションの詳細については、表 5-6を参照してください。

表 5-6 Oracle ドライバでの文字セットの変換

CodePageOverride の値

説明

UTF8

ドライバは、UTF8 文字セットを使用して Oracle サーバと通信する。この値を指定すると、UTF8 を使用して Oracle サーバと通信するようドライバに強制できる。パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がある。

SJIS

ドライバは、JA16SJIS 文字セットを使用して Oracle サーバと通信する。ドライバは、SHIFT-JIS コード ページを使用して文字データを JA16SJIS 文字セットに変換する。

ENHANCED_SJIS

ドライバは、JA16SJIS 文字セットの改訂版を使用して Oracle サーバと通信する。ENHANCED_SJIS 文字セットは、SHIFT-JIS 文字セットのすべてのマッピングを提供する。また、次の MS-932 文字を対応する SJIS エンコーディングにマップする。

  • \UFF5E 波ダッシュ

  • \U2225 二重縦線

  • \UFFE0 セント記号

  • \UFF0D マイナス記号

  • \UFFE1 ポンド記号

  • \UFFE2 ノット記号

ドライバは、ENHANCED_SJIS コード ページを使用して文字データを JA16SJIS 文字セットに変換する。

ENHANCED_SJIS_ORACLE

ドライバは、JA16SJIS 文字セットの改訂版を使用して Oracle サーバと通信する。ENHANCED_SJIS_ORACLE 文字セットは、SHIFT-JIS 文字セットのすべてのマッピングを提供する。また、次の MS-932 文字を、Oracle での対応する文字にマップする。

  • \UFF5E 波ダッシュ

  • \U2225 二重縦線

  • \UFFE0 セント記号

  • \UFF0D マイナス記号

  • \UFFE1 ポンド記号

  • \UFFE2 ノット記号

  • \U301C チルダ

ドライバは、ENHANCED_SJIS_ORACLE コード ページを使用して文字データを JA16SJIS 文字セットに変換する。

MS932

ドライバは、JA16SJIS 文字セットを使用して Oracle サーバと通信する。ドライバは、MS932 コード ページを使用して文字データを JA16SJIS 文字セットに変換する。この値は下位互換性を保つために提供されている。以前のバージョンのドライバは、文字データを JA16SJIS に変換する際に MS932 コード ページを使用していた。


 

 


SQL エスケープ シーケンス

Oracle ドライバでサポートされている SQL エスケープ シーケンスの詳細については、「JDBC の SQL エスケープ シーケンス」を参照してください。

 


アイソレーション レベル

Oracle ドライバは、アイソレーション レベルとして Read Committed および Serializable をサポートしています。 デフォルトは Read Committed です。

 


スクロール可能なカーソルの使用

Oracle ドライバは、スクロールセンシティブな結果セット、スクロールインセンシティブな結果セット、および更新可能な結果セットをサポートしています。

注意 : Oracle ドライバが、要求された結果セットのタイプまたは同時実行性をサポートできない場合は、カーソルを自動的にダウングレードして詳細情報の入った SQLWarning を生成します。

 


バッチ挿入とバッチ更新

Oracle ドライバは、バッチ処理をサポートするための 2 つのメカニズムを備えています。

BatchPerformanceWorkaround プロパティによって、使用するバッチ メカニズムが決まります。BatchPerformanceWorkaround プロパティの値が true の場合はネイティブの Oracle バッチ メカニズムが使用されます。それ以外の場合は JDBC 3.0 に準拠したメカニズムが使用されます。BatchPerformanceWorkaround プロパティのデフォルト値は false です。

 


パラメータ メタデータのサポート

Oracle ドライバは、この節で説明するようにパラメータ メタデータを返すことができます。

Insert 文および Update 文

Oracle ドライバは、以下の形式の Insert 文および Update 文のパラメータ メタデータを返すことができます。

operator は、SQL 演算子 (=、<、>、<=、>=、および <>) です。

Select 文

Oracle ドライバは、ANSI SQL 92 エントリレベルの述語 (比較、BETWEEN、IN、LIKE、EXISTS などの述語構文) で記述されたパラメータを含む Select 文のパラメータ メタデータを返すことができます。構文の詳細については、ANSI SQL に関するドキュメントを参照してください。

Select 文のパラメータ メタデータは、次のいずれかの条件に該当する場合に返すことができます。

以下に、パラメータ メタデータを返すことのできる別の Select 文の例をいくつか示します。

SELECT col1, col2 FROM foo WHERE col1 = ? and col2 > ?
SELECT ... WHERE colname = (SELECT col2 FROM t2 WHERE col3 = ?)
SELECT ... WHERE colname LIKE ?
SELECT ... WHERE colname BETWEEN ? and ?
SELECT ... WHERE colname IN (?, ?, ?)
SELECT ... WHERE EXISTS(SELECT ... FROM T2 WHERE col1 < ?)

GROUP BY、HAVING、または ORDER BY を含む WHERE 句で ANSI SQL 92 エントリレベルの述語を使用している文がサポートされます。以下に例を示します。

SELECT * FROM t1 WHERE col = ? ORDER BY 1

結合がサポートされます。以下に例を示します。

SELECT * FROM t1,t2 WHERE t1.col1 = ?

完全修飾名とエイリアスがサポートされます。 以下に例を示します。

SELECT a, b, c, d FROM T1 AS A, T2 AS B WHERE A.a = ? and B.b = ?"

 


ResultSet メタデータのサポート

アプリケーションでテーブル名情報が必要な場合、Oracle ドライバでは、Select 文の ResultSet メタデータでテーブル名情報を返すことができます。ResultSetMetaDataOptions プロパティを 1 に設定すると、Oracle ドライバは、ResultSetMetaData.getTableName() メソッドが呼び出されたとき、結果セットで各カラムの正しいテーブル名を返すための追加処理を実行します。このように設定しない場合、getTableName() メソッドは、結果セットで各カラムについて空の文字列を返す場合があります。

ResultSetMetaDataOptions プロパティを 1 に設定した場合、ResultSetMetaData.getTableName() メソッドの呼び出し時に Oracle ドライバが返すテーブル名情報は、結果セットのカラムがデータベース内のテーブルのカラムにマップされているかどうかによって異なります。Oracle ドライバは、データベース内のテーブルのカラムにマップされている結果セットのカラムについては、そのカラムに関連付けられているテーブル名を返します。データベース内のテーブルのカラムにマップされていない結果セットのカラム (集約関数やリテラルなど) についてOracle Oracle ドライバでは、空の文字列を返します。

ResultSet メタデータを返す Select 文には、エイリアス、結合、および完全修飾名を含めることができます。以下のクエリの Select 文の場合、ResultSetMetaData.getTableName() メソッドは、Select リストに指定されたカラムの正しいテーブル名を返します。

SELECT id, name FROM Employee
SELECT E.id, E.name FROM Employee E 
SELECT E.id, E.name AS EmployeeName FROM Employee E
SELECT E.id, E.name, I.location, I.phone FROM Employee E, mployeeInfo I WHERE E.id = I.id
SELECT id, name, location, phone FROM Employee, EmployeeInfo WHERE id = empId
SELECT Employee.id, Employee.name, EmployeeInfo.location,     EmployeeInfo.phone FROM Employee, EmployeeInfo WHERE Employee.id = EmployeeInfo.id

ドライバは、生成された列については、テーブル名として空の文字列を返します。以下のクエリは、生成された列 (「upper」列) を含む結果セットを返す Select 文の例です。

SELECT E.id, E.name as EmployeeName, {fn UCASE(E.name)} 
   AS upper FROM Employee E

Oracle ドライバでは、ResultSetMetaData.getSchemaName() メソッドまたは ResultSetMetaData.getCatalogName() メソッドが呼び出されたときに、スキーマ名情報またはカタログ名情報を返すこともできます (ドライバがこれらの情報を特定できる場合)。たとえば次の文の場合、Oracle ドライバはカタログ名として「test」、スキーマ名として「test1」、テーブル名として「foo」を返します。

SELECT * FROM test.test1.foo 

テーブル名、スキーマ名、およびカタログ名の情報を返すために必要となる追加処理は、ResultSetMetaData.getTableName()ResultSetMetaData.getSchemaName()、または ResultSetMetaData.getCatalogName() の各メソッドが呼び出された場合にのみ実行されます。

 


RowSet のサポート

Oracle ドライバでは、次のような RowSet インタフェースの JSR 114 実装をサポートしています。

JSR 114 の詳細については、http://www.jcp.org/en/jsr/detail?id=114 を参照してください。

 


自動生成キーのサポート

Oracle ドライバは自動生成キーの値の取得をサポートします。Oracle ドライバから返される自動生成キーは、ROWID 擬似カラムの値です。

値を返す方法は、パラメータを含む Insert 文を使用しているかどうかによって異なります。

アプリケーションは Statement.getGeneratedKeys メソッドを使用して、生成されたキーの値をドライバから取得します。

 

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