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WebLogic Security プログラマーズ ガイド

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WebLogic Security プログラミングの概要

この節では、以下の内容について説明します。

 


このガイドの対象読者

このマニュアルは、以下の読者を対象としています。

注意 : このマニュアルは、WebLogic Server で使用するカスタム セキュリティ プロバイダを記述しようと考えている開発者向けではありません。カスタム セキュリティ プロバイダの記述方法については説明していません。カスタム セキュリティ プロバイダの開発については、『WebLogic Security サービスの開発』を参照してください。

 


セキュリティとは

セキュリティとは、コンピュータに保存されているデータまたはコンピュータ間でやりとりされるデータが危険にさらされないことを保証する技術です。ほとんどの場合、セキュリティ対策では証明データとデータ暗号化を利用します。一般に証明データは、ユーザに特定のアプリケーションまたはシステムへのアクセスを許可する秘密の単語または句です。データ暗号化とは、その秘密の単語または句を保持しているか提供しなければ解釈できないような形式にデータを変換することです。

電子商取引 (e- コマース) 向けアプリケーションなどの分散アプリケーションでは、悪意のある何者かがデータを横取りし、処理を混乱させ、不正な入力を行う起点となるような多数のアクセス ポイントが提供されます。ビジネスの分散化が進むにつれて、セキュリティが侵害される可能性も大きくなります。したがって、アプリケーションの分散に伴い、その基盤となる分散コンピューティング ソフトウェアによってセキュリティを実現することがますます重要になります。

アプリケーション サーバは、エンド ユーザと貴重なデータやリソースとの間の重要なレイヤに位置しています。WebLogic Server は、これらのリソースを保護するために認証、認可、および暗号化サービスを提供します。しかし、こうしたサービスでは、デプロイメント環境の弱点を見つけ出して悪用することでアクセスを取得した侵入者から、リソースを守ることはできません。

したがって、インターネットまたはイントラネット上で WebLogic Server をデプロイする場合には、独立したセキュリティ専門家に依頼して、セキュリティ プランと手順を検討してもらい、インストール済みシステムの監査を受け、改善点のアドバイスを受けるとよいでしょう。

セキュリティ問題と適切なセキュリティ対策についてできる限り知識を増やすことも重要です。マニュアル『プロダクション環境のセキュリティ』では、WebLogic Server をプロダクション環境にデプロイする前に検討すべき重要なセキュリティ対策について説明します。マニュアル『WebLogic リソースのセキュリティ』では、さまざまなタイプの WebLogic リソースを紹介し、WebLogic Server を使用してそれらのリソースを保護するための情報を提供します。Web サーバのセキュリティ対策の最新情報については、カーネギー メロン大学が運営する CERTTM Coordination Center が公開している「Security Improvement Modules, Security Practices, and Technical Implementations」に目を通すことをお勧めします。

BEA の「セキュリティアドバイザリ」ページで推奨されている対策は是非、実行してください。BEA Products に関して問題が発生した場合には、BEA から、その報告と適切な対策を示した指示が配信されます。サイトのセキュリティ問題を担当されている方は、今後、BEA からセキュリティ関連の問題の通知を受信できるよう、登録を行ってください。BEA では、BEA Products に関するセキュリティ問題をご報告いただくための電子メール アドレス (security-report@bea.com) も用意しています。また、リリースされている各サービス パックの適用もお勧めします。サービス パックには、製品の各バージョンおよび以前にリリースされた各「サービス パック」のすべてのバグの修正が含まれています。

さらに、WebLogic Server のプロダクション環境の保護に役に立つ、BEA パートナ製品もあります。詳細については、『BEA パートナページ』を参照してください。

 


WebLogic Server でサポートされているセキュリティのタイプ

WebLogic Server では次のセキュリティ メカニズムがサポートされます。

認証

認証とは、呼び出し側とサービス プロバイダが、特定のユーザまたはシステムの代わりに動作していることを証明する際に使用するメカニズムのことです。認証は、資格を使用して「あなたは誰」という問いに答えます。証明が双方向で行われる場合、相互認証と呼ばれます。

WebLogic Server は、ユーザ名およびパスワードによる認証と証明書による認証をサポートしています。WebLogic Server は、証明書認証について一方向と双方向の SSL 認証を両方ともサポートしています。双方向の SSL 認証は、相互認証の一形態です。

WebLogic Server では、ユーザまたはシステム プロセスの ID を証明するために認証プロバイダを使用します。認証プロバイダでは、ID 情報を記憶したり、転送したり、その情報が必要な場合に (サブジェクトを通じて) システムのさまざまなコンポーネントで利用できるようにしたりします。認証プロバイダは、Web アプリケーションおよび EJB デプロイメント記述子ファイル、または Administration Console、あるいはその両方を使用してコンフィグレーションできます。

認可

認可とは、ユーザの ID などの情報に基づいて、ユーザと WebLogic リソースとのやり取りを管理するプロセスのことです。言い換えれば、認可とは「自分は何にアクセスできますか」という質問に答えるものです。

WebLogic Server では、WebLogic 認可プロバイダはユーザと WebLogic リソースとの対話を制限して、整合性、機密性、および可用性を確保します。認可プロバイダは、Web アプリケーションおよび EJB デプロイメント記述子ファイル、または Administration Console、あるいはその両方を使用してコンフィグレーションできます。

WebLogic Server では、プログラムによる認可 (このマニュアルではプログラムによるセキュリティともいう) を使用してユーザと WebLogic リソースとの対話を制限することもできます。

J2EE セキュリティ

ユーザ認証とユーザ認可を実装および使用するために、BEA WebLogic Server では、Java 2 Platform、Enterprise Edition (J2EE) の SDK バージョン 1.4.1 のセキュリティ サービスが利用されます。他の J2EE コンポーネントと同様、セキュリティ サービスも標準化されたモジュール コンポーネントに基づいています。BEA WebLogic Server は、標準に従ってこれらの Java セキュリティ サービス メソッドを実装し、細かなアプリケーションの動作をプログラミングを必要とせずに自動的に処理する拡張を追加します。

 


セキュリティ API

ここでは、WebLogic Server が実装およびサポートしているセキュリティ関連のパッケージとクラスについて説明します。これらのパッケージを使用して、WebLogic Server とクライアント アプリケーション、エンタープライズ JavaBean (EJB)、および Web アプリケーションとの間の対話を保護します。

注意 : WebLogic セキュリティ パッケージ、クラス、およびメソッドの中には、WebLogic Server のこのリリースでは非推奨となっているものがあります。非推奨となったパッケージおよびクラスの詳細については、「非推奨のセキュリティ API」を参照してください。

この節では、以下の内容について説明します。

JAAS クライアント アプリケーション API

JAAS 認証を使用するクライアント アプリケーションを作成するには、Java API および WebLogic API を使用します。

この節では、以下の内容について説明します。

Java JAAS クライアント アプリケーション API

JAAS クライアント アプリケーションの作成には、以下の Java API を使用します。

これらの API の使い方については、「JAAS 認証 API」を参照してください。

WebLogic JAAS クライアント アプリケーション API

JAAS クライアント アプリケーションの作成には、以下の WebLogic API を使用します。

これらの API の使い方については、「JAAS 認証 API」を参照してください。

SSL クライアント アプリケーション API

SSL 認証を使用するクライアント アプリケーションを作成するには、Java API および WebLogic API を使用します。

この節では、以下の内容について説明します。

Java SSL クライアント アプリケーション API

SSL クライアント アプリケーションの作成には、以下の Java API を使用します。

WebLogic Server はまた、「 javax.net.SSL」API もサポートしていますが、WebLogic Server で SSL を使用する際には weblogic.security.SSL パッケージを使用することをお勧めします。

これらの API の使い方については、「SSL 認証 API」を参照してください。

WebLogic SSL クライアント アプリケーション API

SSL クライアント アプリケーションの作成には、以下の WebLogic API を使用します。

これらの API の使い方については、「SSL 認証 API」を参照してください。

その他の API

さらに、以下の API が WebLogic Server アプリケーションの開発に使用されます。

 


Administration Console とセキュリティ

セキュリティに関しては、Web アプリケーション、EJB、J2EE コネクタ、およびエンタープライズ アプリケーションのデプロイメント記述子を定義および編集に、Administration Console を使用できます。このマニュアル『WebLogic Security プログラマーズ ガイド』では、Administration Console を使用したセキュリティのコンフィグレーション方法については説明しません。Administration Console を使用してデプロイメント記述子を定義および編集する方法については、『WebLogic リソースのセキュリティ』および『WebLogic Security の管理』を参照してください。

 


セキュリティ タスクとコード例

マニュアル内のセキュリティ タスクおよびコード例では、カスタム セキュリティ プロバイダではなく、WebLogic Server 配布キットの WebLogic セキュリティ プロバイダを使用することを前提にしています。カスタム セキュリティ プロバイダを使用する場合、WebLogic セキュリティ API の使い方は同じですが、カスタム セキュリティ プロバイダの管理手順が異なります。

注意 : このマニュアルでは、WebLogic セキュリティ プロバイダまたはカスタム セキュリティ プロバイダの包括的なコンフィグレーション方法については説明していません。WebLogic セキュリティ プロバイダとカスタム セキュリティ プロバイダのコンフィグレーションの詳細については、『WebLogic Security の管理』を参照してください。

 

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