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WebLogic リソースのセキュリティ

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セキュリティ ポリシー

この章では、セキュリティ ポリシーの特長と機能について説明します。

 


セキュリティ ポリシーの概要

セキュリティ ポリシーは、権限のないアクセスから WebLogic リソースを保護するための、WebLogic リソースと 1 つまたは複数のユーザ、グループ、セキュリティ ロールとの関連付けです。

注意 :セキュリティ ポリシーは、以前のリリースの WebLogic Server で WebLogic リソースを保護するために使用していたアクセス制御リスト (ACL) とパーミッションに代わるものです。

 


セキュリティ ポリシーの粒度と継承

セキュリティ ポリシーは常に WebLogic リソースを対象としますが、WebLogic リソースは階層化されているので、自由なレベルで定義できます。たとえば、エンタープライズ アプリケーション (EAR) 全体、複数の EJB を含む EJB (エンタープライズ JavaBean) JAR、その JAR 内の特定の EJB、その EJB 内の単一のメソッドなどに対してセキュリティ ポリシーを定義できます。

あるタイプの WebLogic リソース (EJB リソースなど) に対してセキュリティ ポリシーを作成すると、その WebLogic リソースのすべての新しいインスタンスはそのセキュリティ ポリシーを継承します。(WebLogic リソースのタイプの詳細については、「WebLogic リソースのタイプ」を参照してください)。 このようにセキュリティ ポリシーを継承すると、複数の WebLogic リソースを効率的に保護できます。WebLogic Server は、デフォルト セキュリティ ポリシーで各 WebLogic リソース タイプを保護しています。デフォルト セキュリティ ポリシーは、その WebLogic リソースのすべてのインスタンスによって継承されます。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」を参照してください。

WebLogic リソースの特定のインスタンスに対して作成されたセキュリティ ポリシーは、その WebLogic リソース タイプに割り当てられているセキュリティ ポリシーをオーバーライドします。つまり、特定の EJB に対してセキュリティ ポリシーを作成すると、このセキュリティ ポリシーが使用され、EJB リソース タイプに対して作成したセキュリティ ポリシーは使用されません。

 


セキュリティ ポリシーの格納および使用の前提条件

セキュリティ ポリシーは、デフォルト (アクティブな) セキュリティ レルムにコンフィグレーションされている認可プロバイダのセキュリティ プロバイダ データベースに格納されます。デフォルトでは、WebLogic 認可プロバイダがコンフィグレーションされ、セキュリティ ポリシーは組み込み LDAP サーバに格納されます。

ユーザまたはグループを使用してセキュリティ ポリシーを作成する場合、そのユーザまたはグループは、デフォルト セキュリティ レルムのコンフィグレーション済み認証プロバイダのセキュリティ プロバイダ データベースで定義されている必要があります。セキュリティ ロールを使用してセキュリティ ポリシーを作成する場合、そのセキュリティ ロール (グローバルまたはスコープ) は、デフォルト セキュリティ レルムのコンフィグレーション済みロール マッピング プロバイダのセキュリティ プロバイダ データベースで定義されている必要があります。デフォルトでは、WebLogic 認証プロバイダと WebLogic ロール マッピング プロバイダがコンフィグレーションされており、これらのセキュリティ プロバイダのデータベース (および組み込み LDAP サーバ) にはデフォルト グループとデフォルト グローバル ロールが格納されています。

注意 :WebLogic 認証、認可、およびロール マッピング プロバイダの詳細については、『WebLogic Security の紹介』の「WebLogic セキュリティ プロバイダ」を参照してください。

 


デフォルト セキュリティ ポリシー

WebLogic Server では、表 5-1 に示すセキュリティ ポリシーがデフォルトで定義されています。これらのセキュリティ ポリシーは「WebLogic リソースのタイプ」で説明する WebLogic リソースの各タイプごとに定義されており、デフォルト グローバル ロールとデフォルト グループに基づいています。

表 5-1 WebLogic リソースのデフォルト セキュリティ ポリシー 

WebLogic リソース

セキュリティ ポリシー

管理リソース

デフォルト グローバル ロール : Admin

アプリケーション リソース

なし

EIS リソース

+デフォルト グループ : Everyone

EJB リソース

デフォルト グループ : Everyone

COM リソース

なし

JDBC リソース

デフォルト グループ : Everyone

JNDI リソース

デフォルト グループ : Everyone

JMS リソース

デフォルト グループ : Everyone

サーバ リソース

デフォルト グローバル ロール :

  • Admin

  • 演算子

URL リソース

(以前の Web リソース (非推奨))

デフォルト グループ : Everyone

Web サービス リソース

デフォルト グループ : Everyone


 

警告 :管理リソースとサーバ リソースのデフォルト セキュリティ ポリシーを変更して、それらの制約をさらに厳しくしないでください。既存のセキュリティ ロールの一部を削除すると、WebLogic Server の動作に悪影響を与えることがあります。ただし、必要に応じて、デフォルト セキュリティ ポリシーにより多くを含めることはできます (たとえば、新しいセキュリティ ロールを追加するなど)。

表 5-1 に示した WebLogic リソースの詳細については、「WebLogic リソースのタイプ」を参照してください。

デフォルト セキュリティ ポリシーに加えて、独自のセキュリティ ポリシーを作成することもできます。詳細については、「セキュリティ ポリシーの操作」を参照してください。

 


保護されたパブリック インタフェース

WebLogic Server Administration Console、weblogic.Admin コマンド、および MBean API は、表 4-1表 4-6 で説明されているデフォルト グローバル ロールとデフォルト グループに基づくデフォルト セキュリティ ポリシーを使用して保護されます。したがって、Administration Console を使用するためには、ユーザはデフォルト グループのいずれかに属しているか、グローバル ロールが付与されていなければなりません。また、MBean との対話を必要とする管理操作は、「MBean の保護」で説明されている MBean の保護を使用して保護されます。したがって、以下の保護されているパブリック インタフェースとの対話では、通常、両方のセキュリティ方式を満たしている必要があります。

 


セキュリティ ポリシーの構成要素 : ポリシー条件、式、およびポリシー

ポリシー条件とは、セキュリティ ポリシーを作成する際の条件です。このリリースの WebLogic Server で使用できるポリシー条件は以下のとおりです。

これらのポリシー条件に対して特定の情報 (実際のユーザ名、グループ名、セキュリティ ロール名、開始/終了時間など) を指定したものはと呼ばれます。WebLogic Server Administration Console に表示される式の例を 図 5-1 に示します。

図 5-1 式の例

式の例


 

この式の例では、1 行目がポリシー条件、2 行目が条件に対して指定した特定の情報 (この場合は、FullTimeBankEmployees というグループ) です。

ポリシー文は、誰に WebLogic リソースへのアクセス権が付与されるかを定義する式の集合です。したがって、作成するセキュリティ ポリシーの主要部分となります。複数の式を使用できるため、企業のセキュリティ要件に合わせて複雑なセキュリティ ポリシーを作成できます。式の間の andor の使い方、および式の順序も重要な機能です。

注意 :セキュリティ ポリシーが適用されるには、ポリシー文全体が true である必要があります。ポリシー文の中では、制約が厳しい式ほど後に指定します。

WebLogic Server Administration Console に表示されるポリシー文の例を 図 5-2 に示します。

図 5-2 ポリシー文の例

ポリシー文の例


 

このポリシー文の例には 2 つの式があります。1 行目と 2 行目は [呼び出し側に許可するロールは] ポリシー条件に基づく式、3 行目と 4 行目は [アクセス可能な時間帯は] ポリシー条件に基づく別の式です。

 


セキュリティ ポリシーの操作

以下の節では、さまざまなタイプの WebLogic リソースを対象とするセキュリティ ポリシーを操作する手順について説明します。

セキュリティ ポリシーの作成

セキュリティ ポリシーを操作する手順は、WebLogic リソースごとに若干異なります。必ず、この手順に記述されている、操作対象の WebLogic リソースのタイプに固有の手順に従ってください。詳細については、「WebLogic リソースのタイプ」を参照してください。

注意 :WebLogic Server のこのバージョンでは、作成したセキュリティ ポリシーを常に追跡する必要があります。現在のところ、URL (Web) リソースに作成したセキュリティ ポリシーを除き、WebLogic Server Administration Console で作成済みのセキュリティ ポリシーのリストを表示するメカニズムはありません。

手順 1 : WebLogic リソースの選択

適切な節の手順に従って、WebLogic リソースのタイプを選択してください。

管理リソース

WebLogic Server Administration Console の左ペインで WebLogic Server ドメインの名前 (examples など) を右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。

注意 :このバージョンの WebLogic Server では、unlockuser メソッドのみを保護できます。ユーザ ロックアウトの詳細については、『WebLogic Security の管理』の「ユーザ アカウントの保護」を参照してください。

選択した管理リソースが、管理リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロール : Admin] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

アプリケーション リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [デプロイメント|アプリケーション] を展開します。
  2. 必要に応じて、ポリシーを作成する対象となるエンタープライズ アプリケーション (EAR) を展開して、そこに含まれている異なるタイプの WebLogic リソースを確認してください。

  3. エンタープライズ アプリケーションの名前を右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 を参照)。
  4. 図 5-3 ポリシー エディタ ページ

    ポリシー エディタ ページ


     

    アプリケーション リソースに対するデフォルトのポリシー文はありません。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」を参照してください。

COM リソース

EJB クラスのパッケージ (ejb20.basic.beanManaged.* など) が COM クライアントによってアクセスされる場合は、次の手順を行います。

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [デプロイメント|EJB] を展開します。
  2. [EJB モジュール] ノードが展開され、現在デプロイされている EJB JAR が表示されます。

  3. パッケージへのアクセスに使用される EJB を含む EJB JAR の名前を右クリックして、[個別の Bean のポリシーとロールを定義...] を選択します。EJB のリストが表示されます。
  4. パッケージへのアクセスに使用される EJB と同じ行にある [jCOM ポリシーを定義] リンクをクリックします。
  5. [全般] タブの [COM クラス] フィールドに、セキュリティ ポリシーを作成するパッケージの名前が表示されます。

    [COM クラス] フィールドの値は、jCOM ブリッジを介して COM にエクスポーズされる Java クラスまたはパッケージ名です。

  6. [セキュリティ ポリシーを定義...] ボタンをクリックし、ポリシー エディタ ページを表示します (図 5-3 ポリシー エディタ ページ を参照)。
  7. 注意 :COM クライアントによってアクセスされる EJB クラスのパッケージに対してセキュリティ ポリシーを作成し、[呼び出し側に許可するロール] 条件でスコープ ロールを使用する場合は、EJB クラスのパッケージに関連付けたスコープ ロールを使用するようにしてください (「COM リソース」を参照)。

Java クラスのパッケージ (java.util.* など) または個々のクラス (java.util.Collection など) が COM クライアントによってアクセスされる場合は、次の手順を行います。

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [サービス] を展開します。
  2. [jCOM] ノードを右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。
  3. [全般] タブで、[COM クラス] フィールドに、保護する Java クラスまたはパッケージの名前を入力して、[セキュリティ ポリシーを定義...] ボタンをクリックします。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  4. [COM クラス] フィールドに入力する値は、jCOM ブリッジを介して COM にエクスポーズされる Java クラスまたはパッケージ名です。

    COM リソースに対するデフォルトのポリシー文はありません。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」を参照してください。

EIS リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [デプロイメント] を展開します。
  2. [デプロイメント] ノードが展開されて、デプロイできる WebLogic リソースのタイプが表示されます。

  3. セキュリティ ポリシーを作成する EIS リソースのレベルで右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  4. すべてのコネクタを対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、ナビゲーション ツリーで [コネクタ モジュール] を右クリックします。特定のコネクタを対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[コネクタ モジュール] を展開し、そのコネクタの名前を右クリックします。図 5-4 に、例として basic-connector コネクタを使用して、クリックする場所を示します。

    図 5-4 Administration Console ナビゲーション ツリーの [デプロイメント] の部分

    Administration Console ナビゲーション ツリーの [デプロイメント] の部分


     

    選択した EIS リソースが、EIS リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Everyone] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

EJB リソース

注意 : この手順は、メッセージ駆動型 Bean (MDB) にも適用できます。

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [デプロイメント] を展開します。
  2. [デプロイメント] ノードが展開されて、デプロイできる WebLogic リソースのタイプが表示されます。

  3. 作成するセキュリティ ポリシーの対象になる EJB リソースのレベルで右クリックします。
  4. すべての EJB JAR を対象に 1 つのセキュリティ ポリシーを作成する場合は、ナビゲーション ツリーで [EJB モジュール] を右クリックします。特定の EJB JAR、JAR 内の EJB、または JAR 内のいずれかの EJB のメソッドを対象とするセキュリティ ポリシーを作成するには、[EJB モジュール] を展開し、その EJB JAR の名前を右クリックします。 図 5-5 に、例として basic-ejbapp JAR を使用して、クリックする場所を示します。

    図 5-5 Administration Console ナビゲーション ツリーの [デプロイメント] の部分

    Administration Console ナビゲーション ツリーの [デプロイメント] の部分


     
  5. すべての EJB JAR または特定の EJB JAR のセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択して、ポリシー エディタ ページを表示します (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  6. EJB JAR 内の特定の EJB、または JAR 内のいずれかの EJB のメソッドに対するセキュリティ ポリシーを作成する場合は、次の手順に従います。

    1. [個別の Bean のポリシーとロールを定義...] を選択します。EJB のリストが表示されます。
    2. EJB 全体または EJB 内の特定のメソッドのどちらを保護するかに関係なく、保護する特定の EJB に対応する [セキュリティ ポリシーを定義] リンクをクリックします。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
    3. 選択した EJB リソースが、EJB リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Everyone] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

  7. EJB JAR 内の特定の EJB に対するセキュリティ ポリシーを作成する場合は、保護する EJB メソッドを指定するか、または [ALL] を選択してすべてのメソッドを保護します。

JDBC リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [サービス|JDBC] を展開します。
  2. [JDBC] ノードが展開されて、さまざまな JDBC コンポーネント (接続プール、マルチプール、データソースなど) のノードが表示されます。

  3. セキュリティ ポリシーを作成する JDBC リソースのレベルで右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  4. すべての接続プールを対象に 1 つのセキュリティ ポリシーを作成する場合は、ナビゲーション ツリーで [接続プール] を右クリックします。特定の接続プールを対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[接続プール] を展開し、その接続プールの名前を右クリックします。個々のマルチプールに対してセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[マルチプール] を展開し、そのマルチプールの名前を右クリックします。

    注意 :すべてのマルチプールを 1 つのセキュリティ ポリシーで保護することはできません。

    セキュリティ ポリシーを使用して、マルチプール内の接続プールへのアクセスを制御している場合は、アクセス チェックが JDBC リソース階層の両方のレベルで行われます (まずマルチプール レベルで行われ、次に個々の接続プール レベルで行われます)。すべてのタイプの WebLogic リソースと同じように、こうした二重チェックを行うことで、セキュリティ ポリシーによる最も厳しいアクセス制御を確実に行うことができます。

    図 5-10 に、例としてさまざまな接続プールおよびマルチプールを使用して、クリックする場所を示します。

    図 5-6 Administration Console ナビゲーション ツリーの [サービス] の部分

    Administration Console ナビゲーション ツリーの [サービス] の部分


     

    選択した JDBC リソースが、JDBC リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Everyone] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

  5. 特定の接続プールに対するセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[メソッド] ドロップダウン メニューを使用して、保護するメソッドを指定するか、または [ALL] を選択してすべてのメソッドを保護します。

JMS リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [サービス|JMS] を展開します。
  2. [JMS] ノードが展開されて、さまざまな JMS コンポーネント (接続ファクトリ、テンプレート、送り先キーなど) のノードが表示されます。

  3. セキュリティ ポリシーを作成する JMS リソースのレベルで右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  4. すべての JMS コンポーネントを対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、ナビゲーション ツリーで [JMS] を右クリックします。JMS サーバの特定の送り先 (JMS キューまたは JMS トピック) を対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[サーバ|(JMS サーバ)|送り先] ノードを展開し、その送り先の名前を右クリックします。図 5-7 に、例として examplesJMSServer のさまざまな送り先を使用して、クリックする場所を示します。

    図 5-7 Administration Console ナビゲーション ツリーの [サービス] の部分

    Administration Console ナビゲーション ツリーの [サービス] の部分


     

    選択した JMS リソースが、JMS リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Everyone] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

  5. JMS サーバ上の特定の送り先に対するセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[メソッド] ドロップダウン メニューを使用して、保護するメソッドを指定するか、または [ALL] を選択してすべてのメソッドを保護します。

JNDI リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [サーバ] を展開します。
  2. [サーバ] ノードが展開され、現在の WebLogic Server ドメインで利用可能なサーバが表示されます。

  3. 作成するセキュリティ ポリシーの対象になる JNDI リソースを保持しているサーバの名前 (myserver など) を右クリックします。
  4. 表示されるメニューから [JNDI ツリーを表示] オプションを選択します。
  5. 新しい Administration Console ウィンドウに、このサーバの JNDI ツリーが表示されます。

  6. 新しい Administration Console ウィンドウで、セキュリティ ポリシーを作成する JNDI ツリーのレベルで右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  7. オブジェクトのグループを対象とするセキュリティ ポリシーを作成するには、ナビゲーション ツリーでそのオブジェクト タイプを表すノードを右クリックします。特定のオブジェクトを対象とするセキュリティ ポリシーを作成するには、そのオブジェクトを表すノードを展開し、オブジェクトの名前を右クリックします。図 5-8 に、例として examplesServer JNDI ツリーを使用して、クリックする場所を示します。

    図 5-8 examplesServer JNDI ツリーの新しい Administration Console ウィンドウ

    examplesServer JNDI ツリーの新しい Administration Console ウィンドウ


     

    選択した JNDI リソースが、JNDI リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Everyone] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

  8. [メソッド] ドロップダウン メニューを使用して、保護する JNDI メソッドを指定するか、または [ALL] を選択してすべてのメソッドを保護します。

サーバ リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [サーバ] を展開します。
  2. [サーバ] ノードが展開されて、保護できるさまざまなサーバ リソースが表示されます。

  3. セキュリティ ポリシーを作成するサーバ リソースのレベルで右クリックして、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択します。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  4. すべてのサーバを対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、ナビゲーション ツリーで [サーバ] を右クリックします。特定のサーバを対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[サーバ] を展開し、そのサーバの名前を右クリックします。図 5-9 に、例として examplesServer を使用して、クリックする場所を示します。

    図 5-9 Administration Console ナビゲーション ツリーの [サーバ] の部分

    Administration Console ナビゲーション ツリーの [サーバ] の部分


     

    選択したサーバ リソースが、サーバ リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Admin] または [呼び出し側に許可するロールは : Operator] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

  5. [メソッド] ドロップダウン メニューを使用して、保護するメソッドを指定するか、または [ALL] を選択してすべてのメソッドを保護します。

URL リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [デプロイメント] を展開します。
  2. [デプロイメント] ノードが展開されて、デプロイできる WebLogic リソースのタイプが表示されます。

  3. 作成するセキュリティ ポリシーの対象になる Web アプリケーション リソースのレベルで右クリックします。
  4. すべての Web アプリケーション (WAR) を対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、ナビゲーション ツリーで [Web アプリケーション モジュール] を右クリックします。特定の WAR または WAR 内のコンポーネント (特定のサーブレット、JSP など) を対象とするセキュリティ ポリシーを作成するには、[Web アプリケーション モジュール] を展開し、その Web アプリケーション (WAR) の名前を右クリックします。図 5-10 に、例として basic-webapp WAR を使用して、クリックする場所を示します。

    図 5-10 Administration Console ナビゲーション ツリーの [デプロイメント] の部分

    Administration Console ナビゲーション ツリーの [デプロイメント] の部分


     
  5. すべての Web アプリケーション (WAR) のセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択して、ポリシー エディタ ページを表示します (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
  6. 特定の WAR または WAR 内のコンポーネントを対象とするセキュリティ ポリシーを作成する場合は、次の手順に従います。

    1. [セキュリティ ポリシーを定義] を選択します。
    2. [全般] タブで、[URL パターン] テキスト フィールドに URL パターンを入力します。
    3. URL パターンは、Web アプリケーションに含まれる特定のサーブレットのパスです。 または、/* を使用して Web アプリケーション内のすべてのサーブレットを保護することができます。

    4. [セキュリティ ポリシーを定義...] ボタンをクリックし、ポリシー エディタ ページを表示します (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
    5. 選択した URL リソースが、URL リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Everyone] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

  7. 特定の WAR または特定の WAR のコンポーネントに対するセキュリティ ポリシーを作成する場合は、保護するメソッドを指定するか、または [ALL] を選択してすべてのメソッドを保護します。

Web サービス リソース

  1. WebLogic Server Administration Console の左ペインで [デプロイメント] を展開します。
  2. Web サービスが EAR ファイルとしてパッケージ化されている場合は、[アプリケーション] を展開し、続いてその Web サービスを含むアプリケーションの名前を展開します。アプリケーションが展開されて、アプリケーションを構成するコンポーネント (Web サービス Web アプリケーションを含む) が表示されます。
  3. Web サービスがスタンドアロンの Web アプリケーションとしてパッケージ化されている場合は、[Web アプリケーション モジュール] を展開します。

    注意 :Web サービス アイコンは Web サービスを示します。

  4. Web サービスを右クリックします。
  5. Web サービス全体のセキュリティ ポリシーを作成する場合は、[セキュリティ ポリシーを定義...] を選択して、ポリシー エディタ ページを表示します (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。

    Web サービスの特定の操作に対するセキュリティ ポリシーを作成する場合は、次の手順に従います。

    1. [個別のサービスのポリシーとロールを定義...] を選択します。Web サービスのリストが表示されます。
    2. 保護する特定の Web サービスに対応する [セキュリティ ポリシーを定義] リンクをクリックします。ポリシー エディタ ページが表示されます (図 5-3 ポリシー エディタ ページを参照)。
    3. 選択した Web サービス リソースが、Web サービス リソース タイプに関連付けられたデフォルト セキュリティ ポリシーから継承している [呼び出し側に許可するロールは : Everyone] ポリシー文に注意してください。「手順 2 : ポリシー条件の作成」に進むと、このデフォルト セキュリティ ポリシーをオーバーライドすることになります。詳細については、「デフォルト セキュリティ ポリシー」および「セキュリティ ポリシーの粒度と継承」を参照してください。

  6. Web サービスの特定の操作に対するセキュリティ ポリシーを作成する場合は、保護するメソッドを指定するか、または [ALL] を選択してすべてのメソッドを保護します。

手順 2 : ポリシー条件の作成

  1. [ポリシー条件] リスト ボックスで、いずれかの条件を選択します。さまざまなポリシー条件の詳細については、「セキュリティ ポリシーの構成要素 : ポリシー条件、式、およびポリシー文」を参照してください。
  2. 可能な場合は、[呼び出し側に許可するロールは] 条件を使用して式を作成することをお勧めします。セキュリティ ロールに基づいて式を作成すると、複数のユーザまたはグループを考慮した 1 つのセキュリティ ポリシーを作成できます。管理の方法としてはこちらの方が効率的です。

  3. [追加] をクリックします。カスタマイズされたウィンドウが表示されます。[追加] をクリックします。カスタマイズされたウィンドウが表示されます。 (図 5-11 を参照)。
  4. 図 5-11 [呼び出し側に許可するロールは] 条件のカスタマイズされたウィンドウ

    [呼び出し側に許可するロールは] 条件のカスタマイズされたウィンドウ


     

    注意 :手順 1 で [サーバは開発モード] 条件を選択した場合は、カスタマイズされたウィンドウは表示されません。その代わりに、[ポリシー文] リスト ボックスに式が表示されます。その場合は、手順 5 に進んでください。

  5. [アクセス可能な時間帯は] 条件を選択した場合は、[時間制約] ウィンドウを使用して開始時刻と終了時刻を選択し、[OK] をクリックします。ウィンドウが閉じて、[ポリシー文] リスト ボックスに式が表示されます。(例については、図 5-12 を参照)。
  6. JMS サブシステムではセキュリティ チェックは 1 回しか実行されませんが、この条件では続くセキュリティ チェックが必要になります。そのため、JMS リソースを保護する場合には、[アクセス可能な時間帯は] 条件を使用しないようにしてください。

    Web サービス リソースを保護する場合で、[要素に必要な署名は] 条件を選択した場合は、次の手順に従って [署名の述部] ウィンドウに入力します。

    1. [タイプ] ドロップダウン ボックスを使用して、グループまたはユーザのどちらが SOAP 要素を署名する必要があるかを選択します。
    2. [署名のタイプ] テキスト ボックスで、デジタル署名される必要のある SOAP メッセージ要素の名前を入力します。次のフォーマットに従います。
    3. LocalPart:Namespace

      LocalPart はデジタル署名される必要のある SOAP メッセージ要素の名前、Namespace はそのネームスペースです。Web サービスの WSDL を使用して、これらの値を入手してください。

警告 :Web サービスの web-services.xml デプロイメント記述子で、デジタル署名されるようにコンフィグレーションされている要素のみを指定できます。詳細については、『WebLogic Web サービス プログラマーズ ガイド』の「セキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。

    1. [値] フィールドに、要素を署名する必要のあるグループまたはユーザの名前を入力します。
    2. [OK] をクリックします。 [ポリシー文] リスト ボックスに式が表示されます。 (例については、図 5-12 を参照)。

    他の条件のいずれかを選択した場合は、次の手順に従います。

    1. [ユーザ]、[グループ]、または [ロール] ウィンドウを使用して、ユーザ、グループ、またはセキュリティ ロールの名前を入力し、[追加] をクリックします。リスト ボックスに式が表示されます。
    2. 複数のユーザ、グループ、またはセキュリティ ロールを追加するには、この手順を複数回繰り返します。

    3. 必要に応じて、リスト ボックスの右側にあるボタンを使用して式を変更します。
    4. [上へ移動] および [下へ移動] をクリックすると、強調表示されたユーザ名またはグループ名の順序を、評価される順序に変更できます。[変更] をクリックすると、式の間にある強調表示された and 文と or 文が切り替わります。[削除] をクリックすると、強調表示されたユーザ名またはグループ名が削除されます。

    5. [OK] をクリックして、ポリシー文に式を追加します。ウィンドウが閉じて、[ポリシー文] リスト ボックスに式が表示されます。 (図 5-12 を参照)。
    6. 図 5-12 [ポリシー文] リスト ボックスの式の例

      [ポリシー文] リスト ボックスの式の例


       
  1. 必要に応じて、手順 1 から 3 を繰り返して、さまざまなポリシー条件に基づいて式を追加します。
  2. 必要に応じて、[ポリシー文] リスト ボックスの右側にあるボタンを使用して式を変更します。
  3. [ポリシー文] リスト ボックスのすべての式が正しい場合は、ページを下の方にスクロールして [適用] をクリックします。
  4. 注意 :ポリシー エディタ ページの最下部にある [リセット] をクリックして、ページを元の状態に戻すこともできます (つまり、変更を取り消すということ)。

セキュリティ ポリシーの変更

WebLogic リソースのセキュリティ ポリシーを変更するには、次の手順に従います。

  1. 手順 1 : WebLogic リソースの選択」で説明されているとおりに、WebLogic リソースのポリシー エディタ ページに移動します。
  2. [継承されたポリシー文] リスト ボックスで、どのセキュリティ ポリシーがオーバーライドされるかを確認してください。

  3. 手順 2 : ポリシー条件の作成」の指示に従って、変更を行います。
  4. [適用] をクリックして変更を保存します。

セキュリティ ポリシーの削除

WebLogic リソースのセキュリティ ポリシーを削除するには、次の手順に従います。

  1. 手順 1 : WebLogic リソースの選択」で説明されているとおりに、WebLogic リソースのポリシー エディタ ページに移動します。
  2. [削除] をクリックしてセキュリティ ポリシー全体を削除します。
  3. [適用] をクリックして変更を保存します。

 

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