WebLogic HTTP サーブレット プログラマーズ ガイド
HTTP サーブレットの概要
以下の節では、Hypertext Transfer Protocol (HTTP) サーブレットのプログラミングについて概説し、HTTP サーブレットを WebLogic Server で使用する方法について説明します。
サーブレットとは
サーブレットとは、Java に対応したサーバで実行される Java クラスです。HTTP サーブレットは、HTTP リクエストを処理し、通常は HTML ページの形式で HTTP 応答を送信する特殊なサーブレットです。WebLogic HTTP サーブレットの最も一般的な使い方は、クライアントサイドのプレゼンテーションに標準的な Web ブラウザを使い、WebLogic Server ではサーバサイドのプロセスとしてビジネス ロジックを処理する、対話型アプリケーションを作成することです。WebLogic HTTP サーブレットは、データベース、エンタープライズ JavaBeans、メッセージング API、HTTP セッションなどの WebLogic Server の機能にアクセスできます。
WebLogic Server は、Sun Microsystems のサーブレット 2.3 仕様で定義されている HTTP サーブレットを完全にサポートしています。HTTP サーブレット形式は、Java 2 Enterprise Edition (J2EE) 規格の不可欠な部分です。
サーブレットの特長
HTML フォームを使用してエンドユーザの入力を取得し、その入力に応答する HTML ページを表示する、動的な Web ページを作成できる。たとえば、オンライン ショッピング カート、金融サービス、パーソナライズされたコンテンツなどに使用できます。
オンライン会議などのコラボレーション システムを作成できる。
WebLogic Server で実行されるサーブレットは、さまざまな API やサービスにアクセスできる。次に例を示します。
セッション トラッキング - Web サイトで複数の Web ページにわたるユーザの動きを追跡できます。この機能は、ショッピング カートを使用する e- コマース サイトなどの Web サイトをサポートします。WebLogic Server はデータベースへのセッション永続性をサポートしており、サーバのダウン タイム中のフェイルオーバ、およびクラスタ化されたサーバ間のセッションの共有を提供します。詳細については、「サーブレットからのセッション トラッキング」を参照してください。
JDBC ドライバ (BEA のドライバを含む) - JDBC ドライバにより、基本的なデータベース アクセスが提供されます。WebLogic Server の多層 JDBC 実装により、接続プール、サーバサイドのデータ キャッシュ、およびトランザクションを利用できます。詳細については、「データベースへのアクセス」を参照してください。
セキュリティ - 認証用の ACL やセキュアな通信を実現するセキュア ソケット レイヤ (SSL) の使用など、さまざまなタイプのセキュリティをサーブレットに適用できます。
エンタープライズ JavaBeans - サーブレットでエンタープライズ JavaBean (EJB) を使用して、セッション、データベースのデータ、その他の機能をカプセル化できます。
Java Messaging Service (JMS) - JMS を使用して、他のサーブレットや Java プログラムとメッセージを交換できます。
Java JDK API - サーブレットでは、標準的な Java JDK API を使用できます。
リクエストの転送 - 他のサーブレットやリソースへリクエストを転送できます。
J2EE 準拠のサーブレット エンジン用に作成されたサーブレットであれば、WebLogic Server に簡単にデプロイできる。
サーブレットと JavaServer Pages (JSP) を組み合わせてアプリケーションを作成できる。
サーブレットのデプロイメントの概要
HTTP サーブレットのプログラマは、JavaSoft の標準 API である javax.servlet.http
を利用して対話型のアプリケーションを作成する。
HTTP サーブレットは HTTP ヘッダを読み取り、HTML コードを書き出してブラウザ クライアントへ応答を送り出すことができる。
サーブレットは、Web アプリケーションの一部として WebLogic Server にデプロイされる。Web アプリケーションとは、サーブレット クラス、JavaServer Pages (JSP)、静的な HTML ページ、画像、セキュリティなどのアプリケーション コンポーネントをグループ化したものです。詳細については、「管理とコンフィグレーション」を参照してください。
サーブレットと J2EE
Java 2 Platform、Enterprise Edition の一部であるサーブレット 2.3 仕様に、サーブレット API の実装と、エンタープライズ アプリケーションでのサーブレットのデプロイ方法が定義されています。WebLogic Server など J2EE 準拠のサーバでサーブレットをデプロイするには、エンタープライズ アプリケーションを構成するサーブレットなどのリソースを Web アプリケーションという 1 つの単位にパッケージ化します。Web アプリケーションでは、リソースを格納する特定のディレクトリ構造と、これらのリソースが対話する方法や、クライアントによるアプリケーションへのアクセス方法を定義する、デプロイメント記述子を利用します。また、Web アプリケーションは .war
ファイルと呼ばれるアーカイブ ファイルとしてデプロイすることもできます。
Web アプリケーションの作成の詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』を参照してください。サーブレットの管理およびデプロイメントに関する問題の概要は、「管理とコンフィグレーション」を参照してください。
HTTP サーブレット API リファレンス
WebLogic Server では、Java サーブレット 2.3 API の javax.servlet.http
パッケージがサポートされます。このパッケージについては、Sun Microsystems から、さらに次のドキュメントが提供されています。