WebLogic Server コマンド リファレンス
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WebLogic Server では Simple Network Management Protocol (SNMP) を使用して、企業全体の管理システムとの通信を実現できます。WebLogic 管理データ (管理対象オブジェクト) を収集し、このデータを SNMP 通信モジュール (トラップ通知) に変換し、このトラップ通知をサード パーティの SNMP 管理システムに転送する WebLogic Server サブシステムを、WebLogic SNMP エージェントと呼びます。WebLogic SNMP エージェントは管理サーバ上で動作し、ドメイン内のすべての管理対象サーバから管理対象オブジェクトを収集します。
WebLogic SNMP エージェントには、次のことを実行できるコマンドライン インタフェースが用意されています。
以下の節では、コマンドライン インタフェースから WebLogic SNMP エージェントを操作する方法について説明します。
WebLogic Server で SNMP を使用する方法については、以下のマニュアルを参照してください。
WebLogic SNMP エージェントのコマンドライン インタフェース用に環境を設定するには、次の手順に従います。
すべての WebLogic SNMP エージェント コマンドは次の形式を取ります。
表 5-1 では、ほとんどの WebLogic SNMP エージェント コマンドに共通する引数について説明します。
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表 5-2 に、WebLogic Server 管理対象オブジェクトとオブジェクト インスタンスを検索するコマンドの概要を示します。
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MIB 内の指定されたノード以下にあるすべての管理対象オブジェクトまたはインスタンスを返します。
テーブル形式のオブジェクト OID を指定すると、コマンドはそのすべてのオブジェクト インスタンスと、関連するすべての子オブジェクトおよびインスタンスを返します。
java snmpwalk [-d] [-v (v1,v2)] [-csnmpCommunity
] [-psnmpPort
]
[-ttimeout
] [-rretries
]host
OID
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以下の例では、管理サーバにデプロイされているすべてのアプリケーションの名前を取得します。アプリケーション名の管理対象オブジェクトは、applicationRuntimeName
です。これは applicationRuntimeTable
オブジェクトの子です (『WebLogic Server® 9.0 MIB リファレンス』を参照)。
java snmpwalk localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15
サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下の抜粋のような出力を返します。出力には、applicationRuntimeName
オブジェクトのインスタンスごとに完全な OID が含まれています。
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.54.98.49.101.57.56.54.98.98.50.57.10
0.54.55.48.100.56.98.101.101.97.55.48.53.57.99.49.51.56.98.97.99
STRING: MedRecServer_StartupEAR
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.56.48.97.53.50.52.99.101.53.54.57.54
.52.52.99.54.48.55.54.100.102.49.54.97.98.52.48.53.98.100.100.49
STRING: MedRecServer_wl_management_internal2
...
以下の例では、medrec
ドメインのすべてのサーバにデプロイされている、すべてのアプリケーションの名前を取得します。
java snmpwalk -c public@medrec localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15
以下の例では、管理対象サーバ MS1
にデプロイされているすべてのアプリケーションの名前を取得します。
java snmpwalk -c public@MS1 localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15
指定する 1 つまたは複数の OID の直後にある管理対象オブジェクトまたはオブジェクト インスタンスの説明を返します。テーブル形式のオブジェクトを指定した場合、最初の子管理対象オブジェクトが返されます。スカラー オブジェクトを指定した場合、オブジェクトの最初のインスタンスが返されます。
snmpwalk
コマンドが提供する再帰的なリストとは異なり、このコマンドでは、OID の順序が次となる管理対象オブジェクトまたはインスタンス 1 つのみに関する説明を返します。一連の snmpgetnext
コマンドを並べて指定すると、snmpwalk
コマンドと同じ結果が得られます。
java snmpgetnext [-d] [-v (v1,v2)] [-csnmpCommunity
] [-psnmpPort
]
[-ttimeout
] [-rretries
]host
OID
[OID
]...
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以下の例では、管理サーバにデプロイされているアプリケーションの名前を取得します。アプリケーション名の管理対象オブジェクトは、applicationRuntimeName
です。これは applicationRuntimeTable
オブジェクトのスカラー オブジェクトおよび子です (『WebLogic Server® 9.0 MIB リファレンス』を参照)。
java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15
サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。
Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer
管理サーバにデプロイされている他のアプリケーションがあるかどうかを調べるには、snmpgetnext
コマンドの出力を追加の snmpgetnext
コマンドの入力として使用できます。
java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.102.
48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.54.98.49.101.57.56.54.98.98.50.57.10
0.54.55.48.100.56.98.101.101.97.55.48.53.57.99.49.51.56.98.97.99
STRING: MedRecServer_StartupEAR
以下の例では、2 つの OID を指定して、管理サーバにデプロイされているアプリケーションの名前、および JDBC 接続プールの名前を取得します。コマンド例の OID は、アプリケーション名の applicationRuntimeName
オブジェクトと JDBC 接続プール名の jdbcConnectionPoolRuntimeName
です。
java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15
.1.3.6.1.4.1.140.625.190.1.15
サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。
Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.190.1.15.32.53.53.49.48.50.55.52.57.57.49.99.102
.55.48.98.53.50.54.100.48.100.53.53.52.56.49.57.49.49.99.99.99
STRING: MedRecPool-PointBase
1 つまたは複数のオブジェクト インスタンスの値を取得します。このコマンドでは、管理対象オブジェクトの OID は使用できません。
java snmpget [-d] [-v (v1,v2)] [-csnmpCommunity
] [-psnmpPort
]
[-ttimeout
] [-rretries
]host
object-instance-OID
[object-instance-OID
]...
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以下の例では、管理サーバの serverRuntimeState
および serverRuntimeListenPort
管理対象オブジェクト インスタンスを取得します。これらのオブジェクトは、どちらも serverRuntimeTable
オブジェクトの子です (『WebLogic Server® 9.0 MIB リファレンス』を参照)。
java snmpget localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.60.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.98.
97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.35.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。
Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.60.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
STRING: RUNNING
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.35.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
INTEGER: 7001
表 5-3 は、テスト目的でトラップを生成および受信するコマンドの概要です。
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トラップを受信してトラップについての情報を出力するデーモンを起動する。
java snmptrapd [-d] [-csnmpCommunity
] [-pTrapDestinationPort
]
以下のコマンドでは、トラップ デーモンを起動して、リクエストをポート 165 でリスンするように指示します。デーモンは、プロセスを強制終了するかシェルを終了するまで、そのシェルで実行されます。
コマンドが成功すると、トラップ デーモンはカーソルのある空白行を返します。トラップ デーモンは、トラップを出力する位置で、トラップを受信するまでこの状態で待機します。
SNMPv1 トラップを作成して、指定したホスト上で動作し、指定したポート番号でリスンする SNMP マネージャまたはトラップ デーモンに、そのトラップを配信します。
このコマンドの呼び出しの一部として、送信するトラップ パケット内のフィールドに対する値を指定できます。指定する値は、WebLogic Server MIB で定義されているトラップに解決されなければなりません。WebLogic Server トラップとトラップ パケットに必要なフィールドの詳細については、『WebLogic SNMP 管理ガイド』の「WebLogic トラップ通知のフォーマット」を参照してください。
java snmpv1trap [-d] [-csnmpCommunity
] [-pTrapDestinationPort
]
TrapDestinationHost
.1.3.6.1.4.140.625
agent-addr generic-trap specific-trap timestamp
[OID {INTEGER | STRING | GAUGE | TIMETICKS | OPAQUE |
IPADDRESS | COUNTER}value
] ...
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以下の例では、trapTime
および trapServerName
変数バインドを含むログ メッセージ トラップを生成します。ポート 165 からトラップをブロードキャストします。例では以下の値が使用されます。
6
は「他の WebLogic Server トラップ」を指定する generic trap 値。60
は WebLogic Server がログ メッセージ トラップの識別に使用する specific trap 値。trapTime
変数バインドの OID。.1.3.6.1.4.1.140.625.100.10 は trapServerName
変数バインドの OID。
java snmpv1trap -p 165 localhost .1.3.6.1.4.140.625 localhost 6 60 1000
.1.3.6.1.4.1.140.625.100.5 STRING "2:00 pm" .1.3.6.1.4.1.140.625.100.10
STRING localhost
ポート番号 165
でリスンする SNMP マネージャ (またはトラップ デーモン) がトラップを受信します。トラップ デーモンが 165
でリスンしている場合は、次のように返します。
Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 60
Time: 1000
VARBINDS:
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.100.5
STRING: 2:00 pm
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.100.10
STRING: localhost
snmpv1trap
コマンドを使用して WebLogic Server トラップを生成し、トラップ デーモンを介してそれらを受信するには、次の手順に従います。
snmpv1trap
コマンドは serverStart
トラップを生成して、ポート 162 からブロードキャストします。
トラップ デーモンが動作するシェルでは、デーモンが次のように出力します。
Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 60
Time: 1000
VARBINDS:
WebLogic SNMP エージェントを使用して WebLogic Server トラップを生成し、トラップ デーモンを介してそれらを受信するには、次の手順に従います。
Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP エージェントのコンフィグレーション」を参照してください。
165
を使用するようにコンフィグレーションします。Administration Console のその他のデフォルト値はそのままにしておきます。Administration Console オンライン ヘルプの「トラップ送り先の作成」を参照してください。
管理サーバが起動すると、SNMP エージェントは serverStart
トラップを生成して、ポート 165 からそれをブロードキャストします。
トラップ デーモンが動作するシェルでは、デーモンが次のように出力します。
Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 65
Time: 1000
VARBINDS:
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