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WebLogic Scripting Tool ガイド

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WLST オフラインを使用した WebLogic ドメインの作成とコンフィグレーション

WLST では、実行中の WebLogic Server に接続しないで (つまり、WLST オフラインを使用して)、コンフィグレーション ウィザードと同じ機能をサポートしながら、新しいドメインを作成し、既存のドメインを更新できます。

新しいコンフィグレーション情報を作成して、ドメイン コンフィグレーション ファイル (config ディレクトリ内にある、たとえば config.xml) または Template Builder を使用して作成されるドメイン テンプレート JAR に永続化される、既存のコンフィグレーション情報を取得および変更できます。

以下の節では、WLST オフラインを使用して WebLogic ドメインを作成およびコンフィグレーションする方法について説明します。以下のトピックがあります。

コンフィグレーション ウィザードの詳細については、『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

注意 : ドメインを作成または更新する前に、「WLST の使用の主な手順」で説明したとおり、環境を設定して WLST を呼び出す必要があります。exit コマンドを exit() のように使用して、WLST をいつでも終了することができます。

コンフィグレーション ウィザードまたは WLST オフラインで、アプリケーション スコープの JDBC や JMS リソースが含まれるアプリケーションを備えたテンプレートを使用してクラスタ ドメインを作成または拡張した場合、ドメインの作成または拡張後に、アプリケーションとそのアプリケーション スコープのリソースの対象指定とクラスタ環境へのデプロイを適切に実行するための追加の手順が必要になります。アプリケーション スコープのモジュールの対象指定とデプロイメントの詳細については、『WebLogic Server 9.0 アプリケーションのデプロイメント』の「Deploying Applications and Modules」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs90/deployment/deploy.html) を参照してください。

 


ドメインの作成 (オフライン)

WLST オフラインを使用してドメインを作成するには、以下の表で定義されている手順を実行します。

表 3-1 ドメインを作成する手順 (オフライン) 

手順

目的

使用するコマンド

詳細については、以下を参照

1

ドメイン作成のために既存のドメイン テンプレートを開く

readTemplate(templateFileName)

readTemplate

2

ドメインを修正する (省略可能)

各種コマンド

注意 : WLST オフラインでアクセスおよび更新できるのは、コンフィグレーション ファイル内にあるコンフィグレーション オブジェクトのみなので、XML 要素としてコンフィグレーション ファイル内に既に永続化されていないコンフィグレーション オブジェクトの属性値を表示したり変更したりするには、まずコンフィグレーション オブジェクトを作成する必要がある。詳細については、「create」を参照。

コンフィグレーション Bean 階層情報に対する参照とアクセス (オフライン)

ドメインの編集 (オフライン)

3

未設定の場合に、デフォルト ユーザのパスワードを設定する

注意 : ドメインに書き込むには、先にデフォルトのユーザ名およびパスワードを設定する必要がある。

cd('/Security/domainname/User/username')
cmo.setPassword('
password')

サンプル スクリプトの各手順の実行 : WLST オフラインを使用したドメインの作成

4

指定したディレクトリにドメイン コンフィグレーション情報を書き込む

writeDomain(domainDir)

writeDomain

5

現在のドメイン テンプレートを閉じる

closeTemplate()

closeTemplate


 

 


既存のドメインの更新 (オフライン)

WLST オフラインを使用して既存のドメインを更新するには、以下の表で定義されている手順を実行します。

表 3-2 既存のドメインを更新する手順 (オフライン) 

手順

目的

使用するコマンド

詳細については、以下を参照

1

更新するために既存のドメインを開く

readDomain(domainDirName)

readDomain

2

既存のドメインを拡張する (省略可能)

addTemplate(templateFileName)

addTemplate

3

ドメインを修正する (省略可能)

各種コマンド

注意 : WLST オフラインでアクセスおよび更新できるのは、コンフィグレーション ファイル内にあるコンフィグレーション オブジェクトのみなので、XML 要素としてコンフィグレーション ファイル内に既に永続化されていないコンフィグレーション オブジェクトの属性値を表示したり変更したりするには、まずコンフィグレーション オブジェクトを作成する必要がある。詳細については、「create」を参照。

コンフィグレーション Bean 階層情報に対する参照とアクセス (オフライン)

ドメインの編集 (オフライン)

4

ドメインを保存する

updateDomain()

updateDomain

5

ドメインを閉じる

closeDomain()

closeDomain


 

コンフィグレーション Bean 階層情報に対する参照とアクセス (オフライン)

WLST オフラインでコンフィグレーション Bean 階層に関する情報に対する参照とアクセスを行うには、次の表で定義されているタスクのいずれかを実行します。

注意 : WLST オフラインでアクセスおよび更新できるのは、コンフィグレーション ファイル内にあるコンフィグレーション オブジェクトのみなので、XML 要素としてコンフィグレーション ファイル内に既に永続化されていないコンフィグレーション オブジェクトの属性値を表示したり変更したりするには、まずコンフィグレーション オブジェクトを作成する必要があります。

表 3-3 ドメイン コンフィグレーション情報の表示 (オフライン) 

目的

使用するコマンド

詳細については、以下を参照

コンフィグレーション Bean の階層を移動する

cd(path)

cd

現在のコンフィグレーション Bean の子属性またはコンフィグレーション Bean をリスト表示する

ls(['a' | 'c'])

ls

プロンプトでコンフィグレーション Bean のナビゲーション パス情報表示を切り替える

prompt(['off'|'on'])

prompt

コンフィグレーション Bean 階層における現在の場所を表示する

pwd()

pwd

WLST で使用されるすべての変数を表示する

dumpVariables()

dumpVariables

WLST アクションの実行中に発生した最近の例外のスタック トレースを表示する

dumpStack()

dumpStack


 

ドメインの編集 (オフライン)

WLST オフラインを使用してドメインを編集するには、以下の表で定義されているタスクのいずれかを実行します。

注意 : WLST オフラインでアクセスおよび更新できるのは、コンフィグレーション ファイル内にあるコンフィグレーション オブジェクトのみなので、XML 要素としてコンフィグレーション ファイル内に既に永続化されていないコンフィグレーション オブジェクトの属性値を表示したり変更したりするには、まずコンフィグレーション オブジェクトを作成する必要があります。

詳細については、以下を参照してください。

 


ドメイン テンプレートの作成 (オフライン)

WLST オフラインを使用してドメイン テンプレートを作成するには、以下の表で説明されている手順を実行します。


 

表 3-5 ドメイン テンプレートを作成する手順 (オフライン) 

手順

目的

使用するコマンド

詳細については、以下を参照

1

既存のドメインまたはテンプレートを開く

readDomain(domainDirName)

readTemplate(templateFileName)

readDomain

readTemplate

2

未設定の場合に、デフォルト ユーザのパスワードを設定する

注意 : ドメイン テンプレートに書き込むには、先にデフォルトのユーザ名およびパスワードを設定する必要がある。

cd('/Security/domainname/User/username')
cmo.setPassword('
password')

サンプル スクリプトの各手順の実行 : WLST オフラインを使用したドメインの作成

3

ドメイン テンプレートにドメイン コンフィグレーション情報を書き込む

writeTemplate(templateName)

writeTemplate


 

 


診断データのエクスポート (オフライン)

WLST オフラインを使用して診断情報をエクスポートするには、次の表で定義されている exportDiagnosticData コマンドを使用します。

結果は XML ファイルとして保存されます。WebLogic Server 診断サービスの詳細については、『WebLogic 診断フレームワークについて』 (http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs90/wldf_understanding/index.html) を参照してください。

表 3-6 診断データのエクスポート 

目的

使用するコマンド

詳細については、以下を参照

指定されたログ ファイルに対するクエリを実行する

exportDiagnosticData([options])

exportDiagnosticData


 

 


サンプル スクリプトの各手順の実行 : WLST オフラインを使用したドメインの作成

以下の例では、Basic WebLogic Server Domain テンプレートを使用して WebLogic ドメインを作成するサンプル スクリプトの各手順を実行します。このサンプル スクリプトでは、ドメイン テンプレートを開き、コンフィグレーション オブジェクトを作成および編集し、指定したディレクトリにドメイン コンフィグレーション情報を書き込み、ドメイン テンプレートを閉じる方法を示します。

ここに示すスクリプトは、製品と一緒に WL_HOME\common\templates\scripts\wlst\basicWLSDomain.py にインストールされています。WL_HOME は、WebLogic Server の最上位インストール ディレクトリを表します。製品と一緒にインストールされた全サンプル スクリプトについては、「WLST オフライン サンプル スクリプト」も参照してください。

Basic WebLogic Server Domain テンプレートを使用して WebLogic ドメインを作成するには、以下の手順に従います。

  1. 既存のドメイン テンプレートを開きます (WebLogic Server は c:/bea/weblogic90 にインストールされているものと仮定)。この例では、Basic WebLogic Server Domain テンプレートを開きます。
  2. readTemplate('c:/bea/weblogic90/common/templates/domains/wls.jar')

    注意 : テンプレートまたはドメインを開くと、WLST はそのドメインのコンフィグレーション Bean 階層に入り、プロンプトはそのコンフィグレーション階層での現在の場所を示すように更新されます。たとえば、次のようになります。

    wls:/offline/base_domain>

    WebLogic Server コンフィグレーション Bean は階層構造の中に存在します。ファイル システムと同様に、階層はドライブに、タイプとインスタンスはディレクトリに、属性とオペレーションはファイルに相当します。UNIX または Windows コマンド シェルでファイル システムを移動するときと同じように、WLST は cdlspwd などのコマンドを使用して、コンフィグレーション Bean の階層構造を移動します。コンフィグレーション Bean インスタンスに移動したら、WLST コマンドを使用して Bean と対話します。詳細については、「MBean の移動と照会」を参照してください。

  3. ドメインをコンフィグレーションします。
    1. 管理サーバと SSL ポートをコンフィグレーションします。
    2. cd('Servers/AdminServer')
      set('ListenAddress','')
      set('ListenPort', 7001)
      create('AdminServer','SSL')
      cd('SSL/AdminServer')
      set('Enabled', 'True')
      set('ListenPort', 7002)
    3. デフォルトのユーザ パスワードを定義します。
    4. cd('/')
      cd('Security/base_domain/User/weblogic')
      cmo.setPassword('weblogic')
    5. JMS サーバを作成します。
    6. cd('/')
      create('myJMSServer', 'JMSServer')
    7. JMS システム リソースを作成します。
    8. cd('/')
      create('myJmsSystemResource', 'JMSSystemResource')
      cd('JMSSystemResource/myJmsSystemResource/JmsResource/NO_NAME_0')
    9. JMS キューおよびそのサブデプロイメントを作成します。
    10. myq=create('myQueue','Queue')
      myq.setJNDIName('jms/myqueue')
      myq.setSubDeploymentName('myQueueSubDeployment')
      cd('/')
      cd('JMSSystemResource/myJmsSystemResource')
      create('myQueueSubDeployment', 'SubDeployment')
    11. JDBC データ ソースを作成し、JDBC ドライバをコンフィグレーションし、新しい JDBC ユーザを作成します。
    12. cd('/')
      create('myDataSource', 'JDBCSystemResource')
      cd('JDBCSystemResource/myDataSource/JdbcResource/myDataSource')
      create('myJdbcDriverParams','JDBCDriverParams')
      cd('JDBCDriverParams/NO_NAME_0')
      set('DriverName','com.pointbase.jdbc.jdbcUniversalDriver')
      set('URL','jdbc:pointbase:server://localhost/demo')
      set('PasswordEncrypted', 'PBPUBLIC')
      set('UseXADataSourceInterface', 'false')
      create('myProps','Properties')
      cd('Properties/NO_NAME_0')
      create('user', 'Property')
      cd('Property/user')
      cmo.setValue('PBPUBLIC')

      cd('/JDBCSystemResource/myDataSource/JdbcResource/myDataSource')
      create('myJdbcDataSourceParams','JDBCDataSourceParams')
      cd('JDBCDataSourceParams/NO_NAME_0')
      set('JNDIName', java.lang.String("myDataSource_jndi"))

      cd('/JDBCSystemResource/myDataSource/JdbcResource/myDataSource')
      create('myJdbcConnectionPoolParams','JDBCConnectionPoolParams')
      cd('JDBCConnectionPoolParams/NO_NAME_0')
      set('TestTableName','SYSTABLES')
    13. リソースを対象指定します。
    14. cd('/')
      assign('JMSServer', 'myJMSServer', 'Target', 'AdminServer')
      assign('JMSSystemResource.SubDeployment', 'myJmsSystemResource.myQueueSubDeployment', 'Target', 'myJMSServer')
      assign('JDBCSystemResource', 'myDataSource', 'Target', 'AdminServer')
  4. ドメインを保存します。
  5. setOption('OverwriteDomain', 'true')
    writeDomain('c:/bea/user_projects/domains/wls_testscript')
  6. 現在のドメイン テンプレートを閉じます。
  7. closeTemplate()
  8. WLST を終了します。
  9. exit()

 

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